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今週の株式見通し
新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いいたします。
大発会の日経平均株価は市場予想を上回った米中の製造業指数を背景に479円高と大発会としては4年ぶりに上
昇、1996年の742円高以来21年振りの上げ幅となった。2000年以降の大発会で日経平均が上昇したのは12回、うち7
回が年間でも上昇しており、今年1年期待の持てる幸先の良いスタートとなった。
昨年12月26日で、安倍首相は第2次政権発足から4年を迎えた。
この間、内閣支持率は、安全保障関連法を審議・成立した15年の夏から秋に40%前後まで落ち込んだものの12月
末に行われた調査では64%と3年2ヶ月ぶりの高い水準まで回復している。また、昨年11月には自民党の総務会にお
いて総裁任期を「連続2期6年」から「連続3期9年」への延長が了承され、21年9月までの続投が視野に入っている。
戦後の日本で連続して4年間を務めて5年目を迎えた首相は過去に5人しかいない。吉田茂(第2次)、池田勇人、佐
藤栄作、中曽根康弘、小泉純一郎である。過去の長期政権は5年目に入って間もなく病気で退陣した池田政権を除く
と、いずれも4年を経過したころに大きな出来事が生じている。第2次吉田政権ではサンフランシスコ講和条約発効で
日本の主権が回復し、佐藤政権では小笠原諸島の本土復帰、中曽根政権では衆参同日選挙を圧勝して国鉄の民営
化に着手、小泉政権では郵政解散総選挙で大勝し郵政民営化法が成立した。
そこで長期政権時の株価に目を向けてみる。「政権4周年の月を100」として月中平均ベースの日経平均を追うと、
第2次吉田政権、中曽根政権、小泉政権は5年目に140に到達、少し遅れて佐藤政権も6年目に140に達している。池
田政権を除くといずれも4割高を果たしたことになる。現在の安倍政権に当てはめれば、向こう1年前後で27,000円と
いった線が想定されるという。
今年、海外においては①英国政府がEU離脱の手続きを3月まで開始、②4~5月にかけてフランスで大統領選挙、
③9月頃、ドイツで連邦議会選挙、④中国では秋に5年に1度の中国共産党全国代表大会(指導部の交代)を控える。
このように海外では数多くの政治的イベント(政治的リスク)を控えるなかで、日本の「政治的安定」は海外投資家にと
っては大きな魅力といえよう。
安倍政権も過去の長期政権同様に、今掲げている「アベノミクス」によるデフレからの脱却を確かなものに仕上げ、
結果それが国勢の増大と株高の起爆剤になるといった展開を期待したい。
日経平均の月足は、昨年10月から3本連続陽線となっている。調整安の底値レベルから、月足が3本連続陽線で立
ち上がったのはアベノミクス相場がスタートした2012年8月~2013年4月までの9本連続、リーマンショックが大底を打
った場面でも2009年3月~8月まで6本連続陽線、一方2014年5~7月にかけては3本の後、そしてITバブルが崩壊し
て大底を打った場面では、2003年5月~8月まで4本連続陽線の後、その後大きな上昇相場のスタートラインとなった。
月足が3本連続陽線で安値から急浮上してきたのは過去の例から軽く見てはいけないだろう。
目先、トランプ新大統領就任を控えて乱高下があるかもしれないが、押し目はしっかりと拾っていきたいところだ。
参考銘柄
4109
6501
8031
8306
9766
ステラ ケミファ 【特色】電子部品用フッ素高純度薬品でシェア国内7割、世界8割。リチウムイオン電池用電解質強化
日立 【特色】独自制御技術でサーボモーターとインバーター世界首位。産業用ロボットも累積台数世界首位
三井物産 【特色】三井グループ中核の総合商社。鉄鉱石、原油の生産権益量は商社断トツ。インフラ等にも強み
三菱 UFJ FG 【特色】国内最大の民間金融グループ。銀行、信託、証券、カード、リース等。米州・アジアでの展開進む
コナミHD 【特色】 家庭・携帯用ゲーム主力。スポーツ施設業界首位。カジノ機は米国・豪、パチスロ機は国内へ販売
出所:東洋経済新報社「会社四季報」
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