園だより - 麻生明星幼稚園

園だより
2015.6.23
麻生明星幼稚園
「苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を
生むということを。希望は私たちを欺くことが
ありません。私たちに与えられた聖霊(神の力)
によって、神の愛が私たちの心に注がれている
からです」 (ローマの信徒への手紙5章3節~5節)
○日々のストレスに耐える力と神の愛
先日、園長が集まる研修会に行った時のことです。他の幼稚園の現場の声を聞く
と、企業などでもそうですが、特に新職員の「新型うつ」に対して戦々恐々としい
る様子が見られました。仕事の最中だけやる気が起きない。家に帰ったり休暇中は
元気で、会社を休めると思った途端に元気がでてくるという「新型うつ」が大きな
社会問題となっています。研修会では就業規則の中で「新型うつ」を患った職員の
対策を盛り込むことが奨励されていました。たとえ、どのような病であろうとも、
弱さを覚えている職員を守り、育てるのが幼稚園や企業の基本姿勢だと信じていま
したので衝撃をうけました。愛が冷えた時代です。職場においては職員こそが宝で
す。職員を守らず企業を守るなどとは言語道断です。
新型うつに関しては専門家ではないので詳しくはわかりませんが、小さな心配や
ストレスで症状が出てしまうために、ストレスに耐える力が低いと罹患する可能性
が高くなるのだろうと思っています。牧師としては家にまだ仏壇があり、神や仏が
人々の心に生きていた私たちの祖父母の時代には、このような病は表面化していな
かったことに目を向けています。宗教問わず、かつて「本当の宗教」に生きていた
人々は「お天道様が見ている」の発想で、誠実に生きていれば必ず報いがあると信
じていました。誰も見ていなくても神や仏は自分がきちんとやっていることを知っ
ている。だから自分は価値ある存在だという認識が人々に日々のストレスに耐える
力を与えていたのだろうと思います。けれども、現代は違います。「誰も見ていな
ければ何をやっても大丈夫」という時代です。神や仏は人々の心から消えてしまい
ました。その結果、何か失敗をしたり、上司から怒鳴られたりすると「自分は必要
のない人間だ」との思いに至り、やる気がなくなってしまうのでしょう。そう思っ
てしまいがちな現代人には「本当の宗教」が必要だというのが牧師としての実感で
す。海外で日本人が「自分は無宗教です」というと、不気味がられたり、信用され
ないと聞きます。それにはこのような背景があるからでしょ
う。山あり、谷ありの人生です。子育てにも大きなストレス
がつきものです。麻生明星幼稚園が大切にしている「神の愛」
はストレスに打ち勝ち、元気に生きる道を約束します。人々
を生かす「本当の宗教」がここにあります。
麻生明星幼稚園 園長 久保哲哉