稲作ニュース

稲作ニュース
≪発行≫ 平成25年7月1日
角田市農業振興協議会
JAみやぎ仙南 角田地区事業本部
≪監修≫大河原農業改良普及センター
1.生育の概況について
1)生育調査結果 実施日:6月20日(木)
○本年は、5月上旬に風の強い日が多かったことに加え、5月上中旬の気温が平年に比べ低めに経過
したため、連休に田植えしたほ場では植え傷みがみられたが、大河原管内の田植え盛期となった
5月12日以降に田植えしたほ場ではほぼ順調に推移しています。
○本年は3月、5月の降水量が極端に少なかったため、天水田の一部で田植えが大幅に遅れました。
6月15日・19日の降雨で若干解消されたが、他作物に転換したほ場もあります。
○葉数からみると生育は10日程度早まっています。有効茎が確保されたほ場もみられるため、
こうしたほ場では、過剰分げつ抑制と根腐れ防止のため「中干し」に移行しましょう。
品種
ひとめぼれ
ひとめぼれ
まなむすめ
つや姫
調査区
角田(野田)
前年比
平年比
角田(平貫)
前年比
平年比
角田(梶賀)
前年比
平年比
角田(島田)
前年比
平年比
草丈(cm)
49
124%
128%
35.2
97%
53.1
140%
50.3
148%
-
茎数(本/㎡)
405
92%
93%
251.8
66%
413.6
134%
441.6
139%
-
葉数(枚)
9.8
+2.2枚
+1.6枚
8.1
-0.5枚
10.7
+2.1枚
10.2
+2.6枚
-
ふるさと安心米・こだわり米の追肥
本年も基肥に「特別栽培米基肥一発肥料」を使っていますので、基本的に追肥は不要と
考えられますが、早期に葉色が落ちてきた場合は下記のとおり追肥を実施してください。
・肥料名:特別栽培米追肥専用肥料【成分:10-4-10】
・施用量:~5kg/10アール
・使用時期:出穂前20~15日頃
(有機質肥料のためすぐに肥効が現れないので、化成肥料と比べ5日程度早く施用してください。)
※幼穂形成期の追肥は、窒素過剰になると倒伏や登熟不良を招くので注意してください。
※倒伏回避のため、生育過剰な圃場での追肥は控えましょう。
3)病害虫防除について
①葉いもち予防について
葉いもち予防の徹底
水田をこまめに見回り、早期発見に努めましょう。
補植用残苗は、本田発病の伝染源となるので直ちに処分しましょう。
②カメムシ防除について
畦畔草刈り作業
○出穂10日前までに、水田周辺の草刈りを終わらせましょう。
※それ以降に草刈りを行うと、カメムシを水田内に追い込むことになるので注意しましょう。
薬剤散布
・防除時期:穂ぞろい期~5日程度
※「穂ぞろい期」とは、ほ場全体でだいたい「出穂」(稲の茎から穂が顔を出した状態)した時期
2.今後の管理について
1)水管理
今年の稲は生育が早まっているため、管理作業も早める必要があります。
有効茎(480~520本/㎡)が確保され次第、「中干し」に入りましょう。
また、幼穂形成期(7月初めの予想)以降は、低温期に深水管理が必要となります。
中干し
田植え時期の違いなどから、ほ場によって生育量に差があると思いますが、
必要な茎数(株あたりで概ね20~25本)が確保されているほ場では、中干しを行いましょう。
中干しを行うと、根の健全化および過剰な分げつ(茎分かれ)の抑制ができます。
※中干しは、幼穂形成期(7月上旬)ごろには終了しましょう。
低温時の水管理
幼穂形成期(7月上旬)~出穂開花期は、低温による障害を受けやすい時期です。
低温が予想される場合は深水とし、保温に努めましょう。
≪
2)追肥について
注
意
≫
いもち病予防として、「コラトップ粒剤」散布等の周知がなされる場合がありますが、
ふるさと安心米・こだわり米は、基本的に散布できません!
※その他、病害虫が多発する恐れがあるなどの場合は、事前にご相談ください。
(こだわり米は各地区の農家組合委員へ、ふるさと安心米は各団地の組合長へ)
※無断での防除は、絶対行わないでください。
出穂後の水管理
・防除薬剤:
【ふるさと米・こだわり米】 ①~③のうち、いずれか1種類を選択し使用ください。(「使用回数1回」を厳守!)
①キラップ粉剤DL
②キラップフロアブル
③キラップ粒剤
3~4kg/10アール
100ℓ/10アール ※1本(500ml)で50アール分です。
3kg/10アール
【指定栽培米・一般米】
①スタークル粉剤DL
②スタークルメイト1㌔H粒
剤
③スタークル液剤10(1000倍
液)
3kg/10アール
1kg/10アール
100ℓ/10アール
!稲以外の農作物が隣接している圃場では、他の作物に薬剤が飛散しないように注意下さい!
4)放射性セシウム吸収抑制対策について
平成25年産米においても、玄米の放射性セシウム濃度が100ベクレル/kgを 超えるとその地域は出荷停止となります。
放射性セシウムの吸収を抑制するため、以下の対策に取り組みましょう。
※カリウムが不足していると、代替えとしてセシウムを吸収してしまいます。
○塩化カリを散布しましょう。
春耕時に全量施用しなかった方は、幼穂形成期(7月上旬)までに塩化カリの追肥を行いましょう。
○健全な根を育てましょう。
根腐れが見られる水田では、玄米への吸収が高くなる傾向が見られました。
このため中干しを行い、その後も飽水管理等により根張りを良くしましょう。
≪お問い合わせ先≫
○出穂後少なくても25日間は、根の活力を保つために飽水管理を励行しましょう。
○落水:早い時期の落水は、品質・食味を低下させますので、適期に行いましょう!
~落水時期は、出穂後25~30日が目安です~
大河原農業改良普及センター
JAみやぎ仙南 角田事業本部
電話53-3496
営農くらし相談課 電話63-3131