インプレッションマネジメント

2008 年度秋学期(木曜日2時限)
インプレッションマネジメント 担当:加藤文俊(かとうふみとし)
メール:[email protected]
* 授業に関する質問・その他は:[email protected] 宛てに送ってください。
授業ウェブ:http://web.sfc.keio.ac.jp/ fk/im_08F/
研究室:デザイン棟 B(ドコモハウス)
オフィスアワー:月曜日 14:00∼16:00(他の曜日・時間については調整します)
講義案内 「インプレッションマネジメント」のテーマは、イメージと人間行動について考えることです。
私たちのコミュニケーション過程は、"One can not NOT communicate" と性格づけることができます
(Watzlawick ほか, 1979)。私たちは、コミュニケーションせずにはいられないのです。ちょっとした身ぶ
りや、沈黙さえもが、メッセージを発しているからです。人前でしゃべるとき、熱い視線を感じれば緊張す
るし、もっと注目して欲しいときには、知らず知らずのうちに声を大きくしていることもあります。
私たちは、相手の顔や雰囲気を見ながら、その「場」を理解し、瞬時にそれをコミュニケーションに活かす
という、じつに繊細な作業をおこなっているのです。私たちのコミュニケーションは、絶えず変化し、流動
的です。よりよいコミュニケーションのためには、まず、私たちのやりとりが、少なからずお互いの印象や
イメージにもとづいて成り立っていることを理解しておくことが重要だと言えるでしょう。
「インプレッションマネジメント」では、人びとが、じぶん自身や他人に対してどのような印象をいだくの
か、また、(円滑に)物事をすすめていくために、印象がどのような役割を果たしうるかについて考えます。
具体的には、私たちの日常生活のちょっとした「しぐさ」や「場面(occasion)」に着目し、微細なふるま
いを観察することをつうじて、印象のやりとりについて考察します。
課題では、グループで何らかの「しぐさ」や「場面」を調査し、結果をビデオにまとめることが求められま
す。コミュニケーション能力を高めるための講義ではありませんが、人と人とのコミュニケーションを理解
し、それを行動に活かしてゆく「きっかけ」づくりについて、調査方法もふくめて考えるつもりです。
提出課題・試験・成績評価の方法など 提出課題・試験・成績評価の方法など
 出席、グループワーク、プレゼンテーション、課題等で総合的に判断します。
履修上の注意・その他
 グループワーク課題では、フィールドワーク(人間観察)をおこない、数分のビデオを作成します。
ビデオ撮影、編集の基本的な技術が必要になります(もちろん、これを機にやってみる…ということ
もありえます)。
 履修者の選考が必要になった場合、「フィールドワーク法」「リフレクティブデザイン」の既修者を優
先的に受け入れることがあります。
教材
下記は参考文献です。必要に応じて、クラスで資料や文献リストを配布します。
 アーヴィン・ゴフマン(1980)『集まりの構造:新しい日常行動論を求めて』誠信書房
 エドワード・ホール(1966)『沈黙の言葉』南雲堂
 デズモンド・モリス(1999)『裸のサル:動物学的人間像』角川文庫
Im_08F_080924 授業計画
今学期のスケジュールは下記のとおりです(あくまでも予定です)。授業中につかった資料(PPT 等)のフ
ァイルは、SFC-SFS の「授業ページ」からダウンロードできるようにします。
内容
・ オリエンテーション
1 9/25 ・ 講義概要について
・ スケジュールと課題の説明
備考
* 必要であれば、履修者数調
整のための選考をおこなう。
・ イメージとコミュニケーション行動
2 10/2 ・ コミュニケーションへの関心
・ 人間をどのように理解するか:「社交する存在」としての人間
・ 自己開示
・ イメージのギャップ
3 10/9 4 10/16 ・ 自己開示とイメージのフィードバック
・ じぶんから見たじぶん/他人から見たじぶん
・ 印象の重要性:謝罪と報告
・ コミュニケーションをどう考えるか
・ コミュニケーションとは
・ コミュニケーションに関するいくつかの試案的公理
※中間プレゼンテーション
について
・ コミュニケーション研究史
5 10/23 ・ コミュニケーションのモデル
・ コミュニケーション研究小史
・ 調査の方法と領域
・ 非言語コミュニケーション
6 10/30 休 11/6 ・ 「裸のサル」を観察する
・ しぐさと ボディー・トーク
・ フィールドワークと人間観察
(月曜代替日)
7 11/13 ・ プレゼンテーション
休 11/20 ・ グループによるプレゼン
テーション
(三田祭のため休講)(ORF2008)
・ マイクロアナリシスの方法
8 11/27 ・ 実践の文脈を考える
・ コミュニケーションの「流れ」を理解する
・ 構造化と意味づけ
・ インプレッションマネジメント
9 12/4 ・ 社会関係の理解とイメージ
・ インプレッションマネジメント(印象操作)
・ 印象とキャリア・役割の形成
・ メタファーとネーミング
10 12/11 ・ 演劇的メタファー
・ 察しを察する
・ 自己呈示
11 12/18 12 1/8 13 1/21 ・ 反省的実践とは
・ 即興的実験としてのコミュニケーション
・ 場づくり・場を繕う
・ 最終プレゼンテーション
・ まとめと講評
・ インプレッションマネジメントの可能性
・ 方法論的課題
・ グループによるプレゼン
テーション
・ 発表数が多い場合、1/15
と2回に分けてプレゼン
テーションを実施。
・ 発表数が多い場合、この
日も最終プレゼンテーシ
ョンを実施。
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