掛札(2015/10/26) 保育園で起きうる「最悪のこと」 • 子ども自身では、自分の命を守ることができないできごと • 子どもには「学び」のないこと。学びの機会を奪うこと • • • • 睡眠中(窒息死、突然死) ・ プール事故 誤嚥(窒息) 食物アレルギー 高所(遊具)からの転落 (保育と安全がぶつかる) ★ケガは育ちに不可欠だが、転落死亡は起きている • 置き去り、取り残し(園外、園内) • 道への飛び出し 掛札(2015/10/26) 食物アレルギー • 食物アレルギーは、死亡から中等度、軽症、ヒヤリハット、 ニア・ミス(結果が出ずに気づかない誤食も含む)まです べてある → ハインリッヒの分布に従う • アレルギー食の全員全除去ができない以上、そして、人 間がミスをする生き物である以上、ゼロにはできない。誤 食以前の小さな気づき(取り違えそうになった、置き間違 えそうになった等)も共有して、自施設の重要チェックポイ ントを洗い出す(手順は園によって違い、一般化できない) • ミスの見逃し、蓄積が結果(誤食)につながる。事例の結 果の軽重にとらわれず、ミスを減らし、ミスに気づく方向で 取り組む(「軽かったからいい」ではない) 2015/10/27 アレルギーの結果の軽重(無症状~アナフィラキシー)は、ミスの内容や 程度とは無関係。よって、誤食に至った場合は、無症状であってもヒヤリハットとみな すべきではない。 1 2015/10/27 高所(遊具等)からの転落→重傷側の結果が十分に起こりうる。たとえば、2 メートルの遊具から子どもが落ちて運良く(確率的に)無傷だった場合、これは、ヒヤリ ハットとみなすべきではない(上の食物アレルギーと同様)。打ち所がよかっただけ。 掛札(2015/10/26) ケガ(外傷) • ケガ(外傷)には、かみつき、ひっかきの他、転倒、衝突、 転落、すり傷、はさみ傷、刺し傷などいろいろあり、まった く同じ条件で発生しても結果はさまざま → 分布はハイン リッヒに従う • しかし、重傷(主に転落や自動車等との衝突)と軽傷(その 他)は、そもそも原因事象が異なる。軽傷を防ぐ努力をす ることが重傷を防ぐことには、(おそらく)つながらない • 子どもの成長にとって、ケガは必要。もちろん、保育の質 の向上の面から、「する必要のなかったケガ」を減らすべく 取り組む必要はある 2015/10/27 結果のほぼすべてが軽傷~中等傷となるケガ(転倒、衝突、はさむ、刺す、かみ つき、ひっかき等)の場合、「保育活動の結果として当然起こりうる、不可避なケガ」だったの か、「させる必要のないケガ(保育として誤り)」だったのかを検討することは重要。 掛札(2015/10/26) 誤嚥(窒息) • 誤嚥窒息は、軽症~中等度症がなく、ハインリッヒの分布 に従わない • 食物や小物、玩具の誤嚥窒息のヒヤリハットは、保育現 場で日常的に起きているが、「いつも出る」ため、「ヒヤリ ハット慣れ」が起きている。「死亡は起きない」感 • 救急対応しても出てこない可能性があるため、ヒヤリハッ トをもとに、「この玩具は、今のこの子ども(たち)には危 険」と個別に判断することが、年齢にかかわらず必要 • 咀嚼、嚥下も重要な気づき。「この子は噛まないで飲みこ む」…、では、具体的にどんな食べさせ方をする? 2 掛札(2015/10/26) 睡眠中 • 睡眠中の事象には、軽症~中等度症がなく、ハインリッヒ の分布に従わない • 睡眠中の窒息死は、過失を問われる可能性もある。ヒヤ リハットをすべて共有して、子どもの睡眠の安全を確保す る必要がある • 窒息する要件がなくても、呼吸停止等が突然に起こる可 能性はある。「誰にいつ起こるかはわからない=自園でも 起こるかもしれない」 → 異常事態を早く発見して救急 対応するために、睡眠チェックが必要 • 「あの時~していれば、助けられたかも」を減らす一助 掛札(2015/10/26) プール水死と、窒息要件のない睡眠中の死亡 • いずれも、ヒヤリハットはない (プール活動中、ケガや子ども同士のトラブルを予防する ために役立つヒヤリハットはある) • 水死の場合、溺れに至ったプロセスは明らかにならない → 「飛び回っているから、あの子は危ない」ではない。静 かにすーっと沈む子どももいる • プール活動中の水死予防、窒息する要件のない状況下で の睡眠中の死亡予防は、「異常の早期発見」と「死亡その ものの予防(救急)」 3 掛札(2015/10/26) 保育園で起きている深刻事例は… (1) 睡眠中、誤嚥窒息、水死などが主 ← ハインリッヒの法則に従わず、意識化が難しい 死亡、脳障害 死亡、重傷(症) 中等度~軽度 ヒヤリハット、 ニアミス 外傷、食物アレルギーなど (ハインリッヒの法則に従う) この部分がな く、深刻な結果 が意識されに くい。保護者に も報告しない ヒヤリハット、 ニアミス 誤嚥窒息(現場で多発。「詰まっても 出る」とヒヤリハット慣れしてしまう) 掛札(2015/10/26) 保育園で起きている深刻事例は… (2) 死亡、脳障害 死亡、脳障害 ハイ・リスク群 を特定できな い。ヒヤリハッ トがない ヒヤリハット、 ニアミス 睡眠中の窒息、プール活動中 のケガなどは、ヒヤリハットが ありうる 睡眠中の突然死、プール活動中の水 死は、いつ、誰に起きてもおかしくな い → 睡眠チェック、プールの監視に よる、異常の早期発見 4
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