研究の テーマ 花 の 色 と 土 壌 の P H と の 関 係 に つ い て 学校名 研究者 沼 学 年 3 年 津 市 立 氏 名 大 平 中 学 山 校 田 真 弓 1 研究の動機 昨年の夏休みに、朝顔・白粉花・赤じその3種類の身近な植物の色素を利用して、様々な液体の酸性・アルカリ性による 色の変化を見ることができました。それならば、土のPHによっても花の色に違いがあるか興味がわき、七変化ともいわれる 「あじさい」と昨年の研究で利用した「朝顔」、この2つの花の色と土壌との関連について調べることにしました。 2 研究の方法、予想 〈あじさいについて〉 (観察1)はじめ大平地区だけで調べるつもりでいたが、なかなかよその家に入って測らせてもらうこともできず、また、道ばた に咲いていても調べにくい場所だったりと、思うようにデータを集められなかったので、大平地区にこだわらず、いろいろな 地区をまわり、道ばた・公園・畑など調べやすい場所を選んで調べることにした。また、地域によって違いがあるかどうかも 比べてみようと思った。 土壌酸度計を使い、土のPHを調べる。土が乾燥していると測定できないので、ペットボトルに水を入れ、乾燥している 土には水をまき、そのたびに測定した。 (予想)酸性土壌では青色、アルカリ土壌では赤色といわれているのでその通りだと思う。御殿場は富士山の麓にあり、火山 灰の土壌なので青色のあじさいが多いと思う。それに比べ、沼津方面は赤土っぽいので御殿場に比べ、アルカリ土壌と 考え、赤色のあじさいが多いと思う。 (観察2)あじさいの花びら(紫色と青色)を弱アルカリの石けん水と酸性のレモン汁・酢につけてみて色の変化を見る。 (予想)石けん水につけても変化しない。レモン汁や酢につけると赤色に変化すると思う。 〈朝顔について〉 (観察1)赤・青・紫、3色の朝顔の種を酸性・中性・アルカリ性の土壌の鉢にそれぞれ5粒ずつまき、育ち方を観察する。 (予想)中性土壌は市販の培養土だけなので、肥料がバランスよく配合されているので、一番育ちがよい気がする。朝顔は 酸性土壌でも育つようなので、アルカリ制度上のものが一番育ちが悪いような気がする。 (観察2)赤・青・紫、3色の朝顔の花の色が、土壌のPHによってどのような違いがあるのか、観察する。 (予想)中性土壌の花の色は、種の袋の写真と変わらないと思う。アルカリ土壌の色は赤っぽくなるような気がする。酸性 土壌の色はわからない。 (観察3)赤・青・紫、3色の朝顔の花の色水を作り、それぞれに調べたい液体を入れ、色の変化を調べる。 (観察4)植物の色素を利用し、PHによっての色の変化を見る。 3 結果のまとめと考察 実際まわって調べた結果、あじさいの花はPHが低い方が青っぽい花が咲き、高い方が赤っぽい花が咲いていた。調査 場所が、手が加わっているところだったためか、地域による色の違いは見られなかった。しかし、酸性土壌に傾いた場所では 青色、アルカリ土壌に傾いた場所では赤色と、土壌のPHによって色に違いがあることがわかった。あじさいの花びらを アルカリ性の液に入れても色が変化しないが、酸性の液に入れると徐々にピンク色に変化していくことがわかった。特に、 紫色の花びらは青色に比べると早く変化し、酸性によく反応するらしいことがわかった。 朝顔の花の色と土壌の関係については、観察の結果からははっきり違いがでるわけではなかった。酸性、中性、アルカリ 性と3種類が同時に咲いていた場合には少し色に違いがあるかな?位しかわからなかった。花びらをつぶして色水を作っ ても、青色の水にならない。花の咲き始めと終わりで花の色が違うのも、花びらの細胞がつぶされると、花びらから出る花汁 全体のPHがやや酸性になり、青色から赤、紫へ変化していくためであろう。中性土壌の鉢の朝顔が一番たくさん咲いた ことから、朝顔の栽培には弱酸性~中性の土壌が適していることがわかった。実験では、青・赤・紫どの色の朝顔も酸性、 アルカリ性どちらにも反応し変化した。特に紫の朝顔の色水がよく反応した。 4 研究の反省・課題 あじさいの花の色が、1本1本、本当に違う色をしているのに感心した。家のあじさいの苗木をもらってきた頃は赤い花を 咲かせていたような気がするが、年々赤紫色に変わってきた気がする。酸・中、アルカリ性の3種類の土壌で観察する ところでは、まず土づくりから失敗してしまった。アルカリ性にすることばかり考え、石灰を与えてばかりいたため、土は硬く なり、成長が著しく悪く、アルカリ土壌の青色の朝顔はほとんど咲かない状態だった。鉢の下に小石を入れ水はけをよくした ため、 水はけがよすぎて養分が流れてしまって、結局は土のPHがどれも知らず知らずのうちに酸性に変化していた。 改めて土づくりの難しさを知った。アルミニウムを吸収することによって青色のあじさいの花が咲くというならば、アルミ缶を 小さく切って、根元に植え、溶けだしたアルミニウムを吸収し、あじさいが青色に変化していくか調べてみたい。花の色といえ ば、すべて アントシアンかと思っていたが、フラボノイド・カロチノイド・ベタレイン、クロロフィルとあることがわかった。 今後機会があったら、アントシアン・フラボノイド・カロチノイド・ベタレイン、クロロフィルの各色素を持つ植物別に酸、 アルカリ性との関わりについて調べてみたいと思った。
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