第43回IATSSフォーラムが始まります! 素晴しい春の陽気が第43回IATSSフォーラムの研修生を迎えます。4月7日、東南アジア9カ国より18名の若者が鈴鹿に 集まり、55日間の研修が始まります。研修生たちは、日本滞在中にさまざまなプログラムを通して、共に考え、学びます。来 日翌日より行われる伊勢合宿でのチームビルディング。彼らは到着直後の疲れを忘れ、仲間との交流を楽しむことでしょう。 これから始まる新生活への期待に胸をふくらませて。 セミナー、グループ研究、京都・奈良への視察、ボランティアの皆さんによるイベントやホームステイなど、研修生たちにとっ て初めての事もたくさんあることでしょう。期待と不安でいっぱいの彼らも帰国する時には充実感と達成感で満たされていてほ しいと思います。 今号では、来日前の第43回研修生の心境や意気込みを聞きました。また、日本での滞在を終えた第42回研修生の一部 からもメッセージが届きましたので、併せてご紹介致します。(次頁より) IATSSフォーラム所長交代 2008年3月末日をもって、IATSSフォーラム事務局所長の松浦礼二が異動となりました。後任には芳賀朗が就任いたしま したので、ご挨拶申し上げます。 (松浦からのご挨拶は最終頁) 芳賀朗よりご挨拶 皆様、初めまして。 このたび4月1日よりフォーラムの 所長に就任することになりました、 芳賀 朗(はが あきら)です。 皆様も驚かれたかもしれませんが、 まことに急な所長交代で、私自身戸 惑いもあり、まだ実感すらわいてお りません。歴代の所長に比べ、フォーラム運営・研 修に関する知識不足の自分に務まるのだろうか、と 内示を受けた時は正直このように感じました。 また、研究発表会、修了式の際のボランティア・関 係者の方々の熱心な、かつ暖かに研修生を見守る姿 からも、フォーラムが実に多くの人々の協力で成り 立っている、という事実を再認識しました。 ここで、概略ながら私の経歴を申しますと、ホン ダ技研工業(株)に1984年入社、4輪車排ガス・燃 費の認定試験業務、二輪車の品質保証業務等を経験 し、2005年5月よりIATSS研究調査部に所属、本日に 至りました。この間、1996年12月~2000年2月の期 間、ホンダ鈴鹿製作所勤務を経験し、海あり山あり 歴史ありの鈴鹿での生活を楽しみました。 とはいえ、長年国際交流を通じた人材育成の場と して運営されてきたIATSSフォーラムの所長という、 望んでもなかなか勤めることのできない重職を仰せ つかったことについては、はなはだ恐縮している反 面、これは自分自身にとってすばらしい経験ができ る場であり、また多くの人達と知り合えるチャンス であると思いました。 年2回実施されるフォーラムでの研修生の研修は 55日あまりと短いものですが、研修生のプログラム 達成のお手伝いが十分にできるよう、また日本・鈴 鹿ならではの国際交流の場をより多く提供できるよ う全力を尽くしていく所存でございます。 IATSSフォーラムには、この3年ほどの間、 PC、情報システムに関するサポート、フォー ラム開催イベントの補助等で何度か訪問し、 研修生の皆さんとお話をする機会もありまし た。そ の 時 の 研 修 生 の 元 気 で 明 る く、謙 虚 で、かつ非常に前向きな姿勢に非常に好感を 覚え たのと同時に、改めて ASEAN諸国の“勢 い”を肌で感じました。 共に考え、学び、行動し、そしてここに集 えた幸運に感謝し、新しいアイデアを生み出 していけるようスタッフ一同、精一杯頑張り たいと思いますので、ボランティアおよび関 係者の皆様には、引き続き暖かいご支援、ご 協力を賜りますよう心よりお願い申し上げま す。 1 来日前の研修生からのメッセージ 今、日本に行く前の自分の気持ちについて、ワクワクしながら書いています。高校時 代からずっと、日本に行って、経済発展をこの目で見ることを夢見てきました。大学で 観光学を学んでいた間に日本語を勉強しました。先生方から日本文化について教え てもらい、なんて素晴しいのだろうと感じていました。その素晴しい文化のなかに実際に 飛び込み、4年も5年も前から夢見ていたことがやっと実現するのです! カンボジア 日本に出発する飛行機に乗る日までたったの3週間。仕事の引継ぎや修士課程修 了のための準備、さらにはIATSSフォーラムの文化交流会に独創的な発表をするためのアイデアを練ること To など、同時にあまりにたくさんのことをしなければならなくなり、ストレスにもさらされています。けれども、他の 国から参加する研修生のプロフィールを読んで、皆さんと知識や文化を分かち合う日がとても楽しみになりま した。日本でお会いしましょう!! Meng こんにちは!皆さんも同じ気持ちだと思いますが、研修生の皆さんと会うのが楽しみで、 日本へ旅立つ日が待ち遠しくてなりません。ASEANや日本の美しい女性たち“srey sa art” に会うのも楽しみです。IATSSでやりたいことはたくさんありますが、特に楽しみにしているの は、アジアの21世紀における未来の指導者たちと理解を深め、共に笑いのある時間を過ごすこと です。 ブルネイが参加していないのは残念ですが、異なる経歴や文化を持つ新たな友人たちと共に過ごし、学 びたいと願っています。さらに、私自身ホンダやソニーの製品を使っているので、日本人の仕事のシステム についても知りたいと思っています。 「夢見ることができるなら、それは 日本は、世界中で私が訪れた できるということさ」とウォルト・ディズ いと思っている10カ国のうちのひ ニーは言いましたが、IATSSフォー とつです。日本は、いかにして高 ラムへの参加が決まった今の私 度な技術力を備え、かつ独自の は、まさにその通りとなっています。 インドネシア 伝統的な文化を維持しつつ、世 さあ、がんばるぞ! 界第二位の経済大国に発展し 日本へ出発する日を指折り数えて待ちつ たのか。このことについて、直接の体験を Maria Yayuk つ、いろいろと計画し、フォーラムでの新た 通じて考えてみたいと思っています。第43 な挑戦や新しい出会い、体験できることを思うとワクワクす 回IATSSフォーラムの研修生になれたことについての感謝 る気持ちは高まるばかりです。 と喜びは、とても150ワードで書き表せるものではありませ ユニークな文化を持つ国、日本についてさまざまな話を ん。 日本での55日間は、私の人生において非常に貴重な時 しています!さらに、日本文化だけではなく、近隣諸国の 間となり、日本およびASEAN諸国についてより深い理解を 他の研修生からも学ぶことができるのも魅力的です。すば 得ることができるようになると思います。このフォーラムで得 らしい人たちに接し、多くを得られるこの機会は、本当に楽 た経験と知識によって、私の国の人々がよりよい生活を送 しく、興味深い経験になると思います。 るための何らかの役に立ちたいと心から願って IATSSフォーラムで、皆さんと出会い、新しい事 います。 柄を共有できる機会を楽しみにしています。 さあ、よりよい未来のため、日本で共に考え、 共に学びましょう。 日本へ行き、桜の花の写真を撮り、日本のお酒と魚介類を味わい、日本の新しい技 術を学ぶ。こうしたことが、若い時の私の夢でした。 研修生に選ばれると、私はすぐ家族にこのうれしいニュースを知らせました。いよい よ私の夢が実現するのです。日本に行ったら、さまざまな興味深い場所を訪れ、たくさ ん写真を撮って友人に見せようと思います。日本人と実際に会話をすることで日本語 を学びたいと思っていますし、学校を訪問し、クラスでどんなふうに授業が行われてい るのかも知りたいです。 Net アジア諸国の友人たちと出会い、グループ研究などの話し合いの中で知識を得、交流 を深めつつ、自分の専門に役立たせ、帰国後は生徒たちに成果を示したいと思っています。アジア諸国 からの新たな友人たちを通じて、それぞれの異なる文化を知る機会を何よりの楽しみにしています。 2 ラオス 来日前の研修生からのメッセージ 日本!!! アジア最大の先進国であり、そこで学び、過ごしてみたいと夢見てきた国です。2005年、私がフィ リピンにいた時、一生に一度は日本へ行くべきだと言った、ネパール人の友人の言葉を今も覚えています。 残念ながら、日本の奨学金を得る機会は逃しましたが、かつて抱いた希望は決してあきらめませんでした。 2ヶ月ほどでフィリピンから戻った時、オフィス・ボランティアの一人が、地元の新聞を持ってきて、IATSSに 関する広告が載っていると教えてくれました。この時、私はためらうことなく、事務局に問い合わせて申し込 ラオス み方法を聞いたのです。 Thong 第43回IATSSフォーラム研修生の最終選考に至るまで、半年近くかかりましたが、やがてついに、参加資 格を与えるという知らせをもらうことができました。今はとても忙しい毎日ですが、このまたとないチャンスを 逃すことはできないという思いでいっぱいです。 今回のフォーラムへ参加することで、皆さんと、ASEAN Youth Network(アセアン青年ネットワーク)を築くことができるの ではないかと考えています。それは、ASEAN諸国地域を輝かせ、進歩させていくための今後の協力関係をめざすものです。 さらに、日本はさまざまな形で、ASEAN諸国間のつながりを強化するための中心となってくれることでしょう。では、皆さん、 お目にかかれるのを楽しみにしています!!!! 研究論文作成中に大学の図 「共に考え、共に学ぶ」がモッ 書館でIATSSの記事を読んだこと トーのIATSSフォーラムに参加で が、私の視野を広げる新たなきっ きるということは、人生において実 かけとなりました。担当教授や、 りある経験ができる、すばらしい機 研修プログラム参加のために手 会だと思います。同時に私は、第 マレーシア 助けして下さったすべての方に対 43回IATSSフォーラムに、国を代 し、心からの感謝を申し上げます。 表して参加することに、誇りを感じていま Sakura Nantha これまでにはいろいろな困難もあり、容易 す。さまざまな文化や背景をもつASEAN な道のりではありませんでした。皆さんからの暖かいご支援 諸国および日本の仲間と共に過ごすという、国際的な経験 がなければ、私はいまでも単に夢見るだけの退屈な日常に をするのは初めてのことです。 埋没していたことでしょう。面接室へ入っていったときは、本 私はいつも、ASEAN諸国や日本の文化や社会経済、科 当にどきどきしましたが、今ではこうして第43回フォーラム 学技術の発展について、直接自分の目で見てみたいと に向けてメッセージを掲載していただけるのですから、報わ 思っていたので、今回それが実現するのをうれしく思ってい れた気持ちがします。 ます。他の研修生の皆さんに、自分の国のことを紹介でき 私には、日本が好きな理由がたくさんあります。この手で るのも楽しみにしています。 桜の花に触れる瞬間が待ち遠しくてなりません。IATSSの研 研修では、積極的に物事に参加することや共同作業など 修を経て、帰国後は社会に貢献できるよう自分の経験を の経験を通じて、自分の自信を高めるとともに、さまざまな 生かし、力を発揮できればと願っています。どんなことがあ 知識を得て視野を広げることができるでしょう。 ろうと、私は強い意思を貫き、新たな出会いや 鈴鹿に行き、皆さんに会うのが今から楽しみ 体験のすべてを吸収し、この機会を大切にし でなりません。 ようと思います。ヨシ! ガンバリマス ! フォーラム研修生、日本訪問 皆さん、シンガポールからこん を可能にして下さった主催者の にちは! レスリー・テイと申しま 方々等、あらゆる人々と知り合 す。IATSSフォーラムで皆さんとお い に な り た い と 願 っ て い ま す。 会いできることを、本当に楽しみに ASEAN諸国の異なる文化を知 しています。 シンガポール り、日 本 文 化 を 体 験 し た い と フォーラム期間中、共に過ごせ 思っています。55日間ですべてを経験 る時間が、実り多いものになることを確信 Leslie Su するのは無理ですが、このフォーラムで しています。それは、「共に考え、共に学 の経験をいかして、よりよい教師、親、国際人になれるよ ぶ」というモットーにある通り、視野を広げてくれるまたとない う、目指していきたいです。楽しいことがたくさんあることと 機会であるからです。異なる文化を理解し、知識や経験を 期待しています。プログラムを見ましたが、それ以外にも、 分かち合うこと、そして何よりもますます発展していくIATSS そこには書かれていないさらに多くの活動があると ファミリーのなかで固い友情の絆を結べることを楽し 思います。「可愛い」経験をしたいと思います! みにしています。では、お目にかかれる日まで、皆さ 日本の女の子たちのようにキュートになりたいで ん、お身体に気をつけて。 す。日本で、ぜひ桜の季節を味わいたいです! 3 来日前の研修生からのメッセージ 「共 に 考 え、共 に 学 ぶ」と い う 10代のころからずっと、“Made In IATSSフォーラムのテーマを知っ Japan”というフレーズに魅力を感 たとき、私の頭には「シナジー」と じていました。それはつまり「最高」 いう言葉が浮かびました。1足す1 を意味するからです。それゆえに が2以上の効果を生む、相乗効 私は、日本の文化や習慣、技術 ミャンマー 果のコンセプトが。 革新、効率の良い経営スタイルな Cho IATSSフォーラムの期間中、さまざまな どの極意を学ぶ努力をしてきました。 James 職歴をもつアジア諸国の仲間と多くの経験を共にする機会 IATSSフォーラムの研修生に選ばれたと をもち、人的ネットワークが作れるよう期待しています。互い いう知らせを聞いた時、夢がかなったと思いました。つい に理解しあうことは、今後のアジア各国の協力や調和に必 に、自分の目で真実を確かめる最高の機会を手にしたので 要な、友好関係を深めることにつながると思います。 すから。理論的知識と実際的経験の両方を身につけて、 また、日本に滞在するプログラムは、日本や他の研修生 母国ミャンマーでそれらをいかすスキルも磨こうと思ってい の文化を知る良い機会だと確信しています。グループ研究 ます。 だけでなく、日常生活や野外活動などにおいて、常に仲間と ホスト国および各国の研修生の皆さんと相互理解を深 共に過ごすことにより、コミュニケーションやリーダーシップの め、親しい間柄になり、プログラム終了後もずっと仕事やプ スキル、判断力などが磨かれ、さらにはボランティア精神を ライベートで連絡をとりあう関係になりたいです。ホームステ 育てる機会も豊富にあるでしょう。そうした能力が身 イをするのも初めてなので、何ものにも変えがたい経 につけば、自分が将来、国際的な環境に身を置くこと 験になるだろうと思います。 になった時、効率よく働き、組織を率いていく際に役 さて、皆さん!日本のこと、そして日本の人たちに 立つだろうと思っています。 ついて、共に存分に学びましょう!4月7日に皆さん さあ、皆さん「急ぎたいなら、一人で行きなさい。遠く にお目にかかるのを楽しみにしています。 へ行きたいなら、みんなで行きなさい。」このコンセプ トで一緒に進んで行きましょう。 事前準備の資料を読み終えた今、4月に皆さんと日本でお会いできるという大きな 喜びとともに、少し不安な気持ちも覚えます。社会的、個人的にそれぞれの背景は異 なっていても、末長い友情の絆を結び、仕事上の交流を図ることができればと願って います。さらに、ワークショップや野外研修、その他の打ち解けた機会を通じて、ホスト 国とその文化を知ることも楽しみにしています。 普段の生活とは異なる、「気分転換」の場ともいえるこの機会の大切さを認識すべき だと私は思っています。この研修によって、私たちは新たな物の見方を知り、IATSS精神 Jed に満ちて母国へ戻ることになるでしょう。 それでは、まもなくお会いできるのを楽しみに!Mabuhay! フィリピン 第43回IATSSフォーラムでの研修が決まって高揚する気持ちを抑えつつ、55日間に およぶ知的、社会的、文化的な諸活動に対する期待をこめて、IATSSの頭文字を次 のように置き換えてみました。 I- Interdisciplinary approach to discussing issues affecting the ASEAN and Japan (ASEAN及び日本に影響する問題を話し合うための学際的研究) A– Across-cultures exposure (文化の違いを超えた交流) T– Thinking and learning together among Asia's young professionals Annie (アジアの若いプロフェッショナルたちが共に考え共に学ぶ) S– Synergistic participants and forum staff(研修生とフォーラム・スタッフによる協働関係) S– Superb accommodation from the technologically advanced yet culture-rich and environmentally sound host country that is Japan (高度な技術と豊かな文化に恵まれ、環境にも優しい主催国、日本におけるすばらしい滞在) この自分流のI-A-T-S-Sを念頭におきながら、私は、フォーラム成功のために尽力し、母国を代弁し、経験を生かしたい と思っています。この先1ヶ月にわたる魅力的なイベントの数々が、フィリピンでの教職についている私の専門性を深め、や がてはASEAN諸国間での絆の強化に向けて母国が貢献できる一助となるに違いないと確信しています。第43回フォーラ ムの結果がいかなるものであれ、それを可能にしてくれたのは、先見性のある本田宗一郎氏と藤沢武夫氏のおかげです。 アジアの若者たちに、IATSSフォーラムという、成長と発展の機会を与え、貴重な伝統となった訓練機関を残して下さったこ とに、改めて敬意を表したいと思います。Mabuhay tayong lahat! 4 来日前の研修生からのメッセージ 何か社会に貢献するために IATSSフォーラムの情報を初 は、まず自らの人生を充実させ めて目にした時、すぐさま「参加 なくてはならないと思います。す したい」と思いました。幸運なこと ばらしい社会というのは、倫理に に、それがある日現実のこととな よって成立するものだからです。 り、第43回IATSSフォーラ ムの タイ 私は学問の世界で仕事をして 研修生に選ばれたのです。 おり、世界のために寄与したいと願ってい 日本は、私が行きたいと夢見ていた場 Tai Aey ますが、グローバル化が将来に与える影 所 の ひ と つ で す。選 ば れ た と 知 っ た 時 響について、若者が早い時期に理解することがいかに重 は、いろいろなことが頭の中に浮かんで、ちょっとした興奮 要であるかを感じています。我々は今、進歩と伝統という 状態でした。研修のためにどんな準備をするべきだろう 2つの重要な要素をどうすれば並立できるのか、について か、文化交流って何だろう、ホームステイってどんなだろ 取り組む必要があると思います。つまり、20世紀のモラル う、などなど。「共に考え、共に学ぶ」というIATSSのモッ や価値を維持しつつ、同時に21世紀へ向けて社会を進 トーは、興味深く、面白そうなものに思えました。 歩させる、ということです。 日本だけでなく、ASEAN諸国の文化を学び、体 IATSSフォーラムは、共に考え共に学ぶという姿 験したいと切望しています。そして、自分の国タイ 勢により、いかなる分野であれ人生を充実させたい について皆さんにお伝えできることに誇りを感じて と願う者にとって、大きな助けになっていると思いま います。スタートまであと1ヶ月。今から待ち遠しくて す。 たまりません。日本での55日間、ベストを尽くすこ とを誓います。 皆さん、こんにちは。私の名前 長い間ずっと、日本のように、 は Huyen、ベ ト ナ ム 代 表 で す。 長年その独創性や卓越性が世 IATSSフォーラムの成功を心か 界的に知られている国を訪れた ら期待しており、また、この場を いと夢見ていました。ついに夢が 借りてASEAN諸国の研修生の かない、そしてIATSSフォーラム ベトナム 皆さんにご挨拶をするとともに、 の研修生に選ばれて、とても幸 IATSSのスタッフの皆さんに心から感謝 せです。 Tung Huyen を申し上げます。 IATSSフォーラムは、日本やASEAN諸 55日間という短い期間ですが、このコミュニティの一員 国の仲間と交流し、国際的および地域的な問題について としての意識をもつことは感動的なことであり、また、その の視野を広げ、問題や紛争を解決するためのスキルを高 ことによってASEAN諸国および日本に対する理解が深ま めるよい機会となるでしょう。同時に、経済発展や地域統 ると感じています。 合、その他のさまざまな問題に対するベトナムのこれまで の経験を皆さんと共有するいい機会でもあると思います。 最近、ASEAN諸国と日本との関係に関連するあらゆる ニュースに関心をもっています。マクロのものからミクロの IATSSフォーラムに参加し、多文化に触れ、常に国際交 ものまで。ミクロのものでは、例えば、ベトナムでのナチュラ 流ができる環境で生活し、学ぶことを今からとても楽しみ ルライフを愛するベトナム人の男性と日本人の女性が結 にしています。では皆さん、日本でお目にかかりましょう。 婚したという話がありました。私は、こうしたあらゆるニュー スから、3本の木が一緒に立っているIATSSフォーラムの シンボルマークと、「共に考え、共に学ぶ」というテーマを 連想します。 今、ワクワクしているこの気持ちは、言葉では表すことが できません。皆さん 、日本、鈴鹿だけでなく、世界を、そし て自分自身を発見する旅を共にしていきましょう。 5 第42回IATSSフォーラム終了後~研修生からのメッセージ~ カンボジア CJ 日本から戻って、すでに2ヶ月以上が過ぎました。きっとIATSSフォーラムはすっかり静かになり、物音もしなくなっている のではないでしょうか。2ヶ月前には、ASEAN諸国からの研修生で賑わい、経験を分かち合っていました。私にとってIATSS フォーラムは、外界へ目を向けさせてくれた輝かしい場所でした。 日本で学び、経験した数多くの事柄を、母国のために役立てたいと思います。今でも、日本のことは忘れられず、いろい ろな体験が懐かしくてなりません。IATSSフォーラムは、考え方やさまざまな知識を深める場ですが、特に私にとっては、高 度な発展と新しい考え方に満ちた新世界へと導いてくれる場所でした。グループ研究、セミナー、日本文化紹介、文化交 流会や日本国内の旅行のすべては私を高めてくれる要素であり、それらを通じて新しい考え方や知識が広がるようになっ たのです。 最後に、IATSSフォーラムとは、人々に経験や新たな考えを与え、その知識を何倍にも増やし、そして発展する世界を見 せてくれる場であると申し上げたいです。日本で得た広範な知識は何よりも貴重なものとなりました。 カンボジア Pheak 時が経つのは本当に早いものです。日本から帰国してもう2ヶ月以上が過ぎました。しかし、IATSSフォーラムの記憶は、 今も変わることなく私のなかに残っています。学び、経験を共有し、日本やASEAN諸国の人々と末長い友情を結ぶことので きる貴重な場でした。今でも、さまざまな活動における写真を見るたびに胸がいっぱいになり、昨日のことのように思い出され るのです。 数多くのセミナーやグループ研究、あるいはその他の活動を通じてたくさんの知識を得ましたが、それ以上に、今は環境に ついて注意を払うようになったと感じています。知らず知らずのうちに、日本で得た感覚を反映させているように思うのです。 最後にぜひお伝えしておきたいのですが、国際的な経験を得たいと考え、一層グローバル化する世界にあって視野を広 げるための理想的な機会を求めるすべての人々に、このフォーラムを強くお勧めしたいです。 ミャンマー Soe IATSSフォーラムの研修生となり、私は生涯最高の機会をいただいたと感じています。到着から出発のときに至るまで、す べてのプログラムが見事にアレンジされており、フォーラム委員会の皆様やスタッフの方々がどれほど尽力されたことかと痛 感しました。 講義では、さまざまな分野で新たな発見をし、また野外研修では、日本の文化や発展を知ることができました。スタッフの 皆さんは誰もがとても親切で、いろいろ手伝ってくれました。フォーラムで出会った友人とは今もよく連絡を取り合っていま す。日本を含め、10カ国の人々と過ごし、共に学び経験を分かち合えたことは、私にとって何よりも貴重な体験です。 すべての研修生が、それぞれの国で同窓生としての活動を積極的に行ってほしいと願っています。IATSSフォーラムでの 経験は、私の心のなかで永遠に消えることはありません。IATSSに心から感謝しています。 ミャンマー Su Su 時間はたちまち過ぎてしまいます。もう3ヶ月近くになりますが、私にとって、IATSSフォーラムでの経験と生活は、今でも新 鮮で心暖まるものです。プログラムは期待以上の内容であった、とすべての研修生が思っているに違いありません。 IATSSフォーラムの研修生となり、世界に関する重要な問題を学び、日本について知ることができたのは非常に幸運だっ たと思います。グループ研究では、一人でよりもグループで一緒に作業するほうが良いこと、そしてグループ内で互いに知識 を共有することが成功への効果的な方法であることを学びました。また、フォーラムに参加して以来、プログラムの正確なス ケジュールを通じていかに時間管理が重要であるか、そしていかに日本人が時間を守り、意志を強くするよう訓練されてい るかが分かりました。 プログラムのために全力で尽くして下さったIATSSスタッフの皆さんには、心からの敬意と感謝を申し上げます。また、日本 人が、何かをし、人と過ごすうえで、いかに前向きで寛大であるかを知ったのも驚きでした。 さあ、IATSSフォーラムに参加し、日本を発見しましょう。 6 第42回IATSSフォーラム終了後~研修生からのメッセージ~ ラオス Nou IATSSフォーラムの皆様には、さまざまな問題について学び、忘れられない素晴しい場所を訪れる機会を与えて下さった ことに、心から感謝を申し上げます。日本での55日間はまたたく間に過ぎ去り、日本を探索する時間があまりとれなかったの が残念でしたが。 研修では、文化的背景や職種の異なる仲間との友情を深めることもできました。研修生は皆、積極的で、研修期間中多く の考えや経験を共有することができました。研修を通じて得たことの中で、もうひとつ特に強調したいことがあります。それ は、時間に対する意識が高まり、以前よりも時間が守れるようになったことです。IATSSフォーラムで得た知識や経験は今後 身につけていく様々なことと同様、私のキャリアにとても役立つと思います 。 フィリピン Mithi 私にとってIATSSフォーラムでの55日間は、15人の研修生と共に考え、学んだ、忘れ難い貴重な経験となりました。日々 異なる経験をし、いろいろなことを学び、心を通わせることができたと思います。鈴鹿へ行くまで、私は、我が国の残された天 然資源保護のためにどうすれば役立てるか、という思いで環境保護の仕事に携わってきました。IATSSフォーラムは、私の 目を見開かせてくれました。ASEAN諸国及び日本が、環境問題を含め、さまざまな問題と直面している現在の状況につい て、幅広い知識を得ることができたのです。 また、自分が人生で何をしたいのか、そして母国およびASEAN地域においてどのように活動していけばよいのか、などにつ いても考えました。鈴鹿での日々は、単に日出づる国についての発見だけではなく、自分自身がどのような人間なのか、そし て将来どんな人間になりたいのかも発見し、自分自身について理解する機会でもありました。 シンガポール Yee 第42回IATSSフォーラムへ参加して以来、私の人生は大きく変わりました。それまで、ASEANについて見たり聞いたりする ニュースや出来事は、単なる情報にしかすぎませんでした。今では、私にとって大切な人や友人に関連する身近なものとな り、その意味することがよく分かり、自分自身の心に強く結び付くものとなりました。現在でも、ASEAN諸国周辺に住む研修生 と個人的なつながりをもっています。また、自分の国が持っているものを評価し、地域の顔としてのASEANの挑戦を強調す ることもできるようになりました。今、私の周りにはすばらしい隣人や友人がいると、誇りと自信をもって言えます。 日本文化紹介 後列: Wor, Nou, Raul, Pheak, Nick, CJ, Soe, Nin, Yee 前列: Muja, Gam, Mithi, Ha, Anne, Su Su, Diah 7 松浦礼二よりご挨拶 2005年の4月にこのIATSSフォーラムに関わり始め て、ちょうど3年になります。この間、不似合いな アカデミックな世界でもがいていた私を支え続けて 下さった多くの皆さまに、この場をお借りして心か ら感謝の言葉を申し上げたいと思います。 私たちIATSSフォーラムは、日本でプログラムに参 加することから始まる、つまり、日本でのプログラ ムで終わるのではなく、日本で得たことをきっかけ に、帰国後もフォーラムを日本で得たことを継続発 展させて欲しい、という考えから、日本留学プログ ラムには珍しいのですが、設立当初から同窓会活動 を大切にして来ました。このパネルディスカッショ ンや各国の同窓会や新しい研修生のためのオリエン テーションでの同窓生の発言を聞いていると、最新 のIATSSフォーラムプログラムと各国が直面している 最新の課題をきちんと理解していることがよく分か り、よい伝統が作られている、と頼もしく思ってい ます。これからも、どうかこのよい伝統を守ってい ただきたい、と思います。 また、合計6回のIATSSフォーラムで一緒に過ごす ことができた100人を越える研修生の皆さんに対して も感謝の気持ちでいっぱいです。20歳以上の年齢差 を越えて親しくしてくれた皆さんのお陰で、アセア ンの国々や人々がより身近なものになりましたし、 なんでもフランクに話してくれたお陰で、プログラ ムの課題をタイムリーに掴むこともできました。 2005年はちょうどIATSSフォーラム創立二十周年の 節目にあたっており、プログラムの内容を時代の変 化に合わせて変えて行こうと、様々な検討がなされ ていましたが、新しいプログラムの方向性は、第38 回研修生がグループ研究で主張していた「Student Centered」という考えをKeyにして、二十周年記念式 典のパネルディスカッションで出た同窓生の皆さん の声に耳を傾けた結果、さしたる困難もなく定める ことができました。 第43回・第44回の研修生の皆さんとは、昨年の最 終面接でお会いしたのが最後になってしまいました が、私の後任となる芳賀朗さんは、既にIATSSで2年 以上の経験を積んでいます し、IATSS フ ォ ー ラ ム の 仕 事 を手伝っていただいていたこ とも何度かありますので、理 想的な後任です。彼を核にし て、IATSS フ ォ ー ラ ム の 新 し い伝統が築かれていくことを 楽しみにしています。 事務局からのお知らせ ~新スタッフ 紹介~ 今年2月よりIATSSフォーラムのメンバーになりました宇仁田 照代(うにだ てるよ)と申します。ここ へ来てまだ2ヶ月程ですが、IATSSフォーラムは様々なプログラムがあり、他では経験できないような仕事 内容に面白さを感じています。 私は旅行が好きで、海外へも何度か訪れましたが、アジアへはまだ一度も行ったことがないので、ASEAN 諸国からの研修生と交流ができることを楽しみにしています。そして彼らからいろいろなことを吸収し、 自らも発信していきたいと思います。 IATSS(イアッツ)フォーラムは、東南アジア諸国(カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、 ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)を対象にした国際研修機関です。 IATSSフォーラムは1985年、本田技研工業株式会社の創業者である 本田宗一郎氏と藤沢武夫氏の発案と基金により設立されました。東南ア ジアから若い有望な研修生を日本に招請し、日本や東南アジアについて 学び、将来この研修で得た成果を活かして、自国の発展の為に指導的な 役割を果たしてもらうことを目的としております。今日では年に2回、55日 間に渡り、各種セミナー、グループ研究、視察旅行等を通して日本及び東 南アジアの理解を深め、また、様々な交流イベントを通じて、日本人或い は東南アジアの研修生間の相互理解を促進する場を提供しております。 IATSSフォーラムの活動にご関心のある方は、IATSSフォーラム事務局までお問い合わせ下さい。 ボランティア登録をして頂いた方には、機関誌やイベント案内等をお送り致します。ご登録は無料です。 [発行] IATSSフォーラム 〒510-0201 三重県鈴鹿市稲生町7992 鈴鹿サーキット内 Tel: 059-370-0511 Fax: 059-370-0505 E-mail: [email protected] URL: http://www.iatssforum.jp [発行責任者] 芳賀 朗 [編集責任者] 宇仁田 照代 【「IATSSフォーラムQuarterly」はIATSSフォーラムのウェブサイト(http://www.iatssforum.jp)でもご覧いただけます。】 (日本語版・英語版のバックナンバーも掲載中です。) 8 2008.03.
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