経営者のための財務諸表分析(2)

経営者のための財務諸表分析(2)
2004.5.6
企業全体の収益性分析、株主の提供した資本の収益性分析および経営活動の収益性分析
のインプリケーション
①京セラグループは 100 円の総資本を使用して、生産、販売、財務の経常活動により平成
12 年 3 月期は(8.3)円、平成 13 年 3 月期は(27.2)円、平成 14 年 3 月期は(3.3)円、
平成 15 年 3 月期は(4.6)円の税引前当期純利益を獲得した。
②京セラグループの総資本利益率の方が、京セラ単独の総資本利益率よりも、この 2 年間
は低くなっている。
③京セラグループの総資本利益率と株主資本当期純利益率が村田製作所グループのそれを
上回ったのは、平成 13 年 3 月期のみである。
④単体の総資本利益率も、京セラが村田製作所を上回ったのは、平成 14 年 3 月期のみであ
る。株主資本当期純利益率はこの 4 年間ずっと(村田製作所)の方が高い。
⑤京セラグループと村田製作所グループともに、連結でみても単独でみても、平成 13 年 3
月期は収益性が増加したが、あがり幅を総資本経常利益率でみると、村田製作所が 140%増
加したのに対し、京セラグループは(328%)と大幅に増加した。経営資本営業利益率でみ
ても、京セラグループが 180%増加したのに対し、村田製作所の増加率は 149%である。
⑥両企業グループともに、平成 14 年 3 月期に収益性が大幅に悪化している。平成 12 年 3
月期の総資本利益率と経営資本利益率をそれぞれ 100 とすると、平成 14 年 3 月期の総資本
利益率は(40)、経営資本利益率は京セラグループが(40)、村田製作所グループが(41)
である。
⑦平成 15 年 3 月期には収益性が改善しているが、改善幅を平成 12 年 3 月期の経営資本営
業利益率と比較してみると、(京セラグループ)の方が高い。
問い1
平成 13 年 3 月期に経営活動の収益性が増加したのはなぜか。
問い2
平成 14 年 3 月期に経営活動の収益性が悪化したのはなぜか。
問い3
平成 15 年3月期に経営活動の収益性が改善したのはなぜか。
経営資本営業利益率は、売上高を媒介として売上高営業利益率と「経営資本回転率」に分
解できる。
事業別
(単位:百万円)
H12 年 3 月期 H13 年 3 月期 H14 年 3 月期 H15 年 3 月期
売上高
ファインセラミック
1
電子デバイス
機器
その他
事業利益
ファインセラミック
電子デバイス
機器
その他
投下資産
ファインセラミック
電子デバイス
機器
その他
投下資産事業利益率
ファインセラミック
電子デバイス
機器
その他
売上高事業利益率
ファインセラミック
電子デバイス
機器
その他
「投下資産回転率」
ファインセラミック
電子デバイス
機器
その他
「投下資産回転期間(日)」
ファインセラミック
電子デバイス
機器
その他
2
拠点別
(単位:百万円)
H12 年 3 月期 H13 年 3 月期 H14 年 3 月期 H15 年 3 月期
売上高
日本
米国
欧州
アジア
その他
事業利益
日本
米国
欧州
アジア
その他
売上高事業利益率
日本
米国
欧州
アジア
その他
京セラ(連結)
(単位:百万円)
売上高
売上高営業利益率
経営資本回転率
棚卸資産
「棚卸資産回転日数」
株主資本比率
流動資産
当座資産
流動負債
流動比率
当座比率
3
村田製作所(連結)
(単位:百万円)
売上高
売上高営業利益率
経営資本回転率
棚卸資産
「棚卸資産回転日数」
株主資本比率
流動資産
当座資産
流動負債
流動比率
当座比率
4