issue date 2016/11/28

ソニーフィナンシャルホールディングス調査レポート
ソニーフィナンシャルホールディングス 金融市場調査部長 尾河 眞樹
issue date 2016/11/28
イベントフルな一週間が始まる 今週のドル円予想レンジ 111.00-114.00
先週、ドル円は113円90銭の高値を付けたがその後反落。今週はOPEC総会、11月の米雇用統計、
イタリア国民投票(週末)など、イベントが並んでおり、警戒感から、株高・ドル円上昇のペー
スにもややブレーキがかかる公算大。ただ、下値も限定的となり高値圏でのレンジ相場を予想。
トランプ次期大統領は先週21日、国民に向けたビデオメッセージ
今週の注目材料
を配信。「就任後100日間の政策課題」として、大統領就任後早々
【米】11月29日:7-9月期GDP(改定値)
に着手する政策を説明した(図表1)。冒頭、「アメリカ第一主義
が私のあらゆる政策のベースになっている」と述べたトランプ氏は、
「貿易」についての政策を語った際、「就任直後に環太平洋経済連
携協定(TPP)からの脱退を通告する」と表明。本来であれば円
高・ドル安方向の材料だが、為替相場はこれに全く反応しなかった
ばかりか、むしろその後ドル高・円安トレンドは加速。113円90銭
の高値を付けた。この値動きを見る限り、短期投機筋のショート・
カバーがドル円の上昇を牽引していたようである。
【欧】11月30日:11月消費者物価指数(速報値)
: OPEC総会
【米】12月1日:11月ISM製造業景況指数
【中】12月1日:11月製造業PMI
【米】12月2日:11月雇用統計
【伊】12月4日:国民投票
■図表1:トランプ氏「就任後100日間の政策課題」
(11/21)
ただ、週末にかけてドル円は112円台まで反落した。今週は11月の
雇用統計をはじめ米国の重要な経済指標の発表が並ぶ。加えて、
12月4日にはイタリアで憲法改正の是非を問う国民投票を控えてお
り、ドル円上昇の勢いにもいったんブレーキがかかりそうだ。今週
は様子見姿勢から、高値圏でのもみ合いを予想。12月の米連邦公
開市場委員会(FOMC)での利上げ決定は、市場でほぼ100%織り
込まれているなかで、雇用統計は非農業部門雇用者数が大幅に悪化
しない限り、さほど材料視されないのではないか(図表2)。
一方、イタリアのレンツィ首相は、国民投票で国民が「No」と判
出所:You TubeよSonyFH金融市場調査部作成
断した場合には辞任すると述べたため、今回の国民投票はレンツィ
首相に対する信任投票という側面もある。レンツィ首相が辞任した
場合、これまでの構造改革が後退するリスクは高まる。加えて、政
■図表2:非農業部門雇用者数(前月比)
権与党が一段と支持を落とし、2018年の総選挙で仮に野党が次期
政権を担うことになれば、いずれユーロ圏からの離脱を巡る国民投
票が行われる可能性も高まる。報道によれば11月18日付のイタリ
ア各新聞掲載の世論調査では、改憲反対派(No)が米大統領選を
はさんで急増しYesを7~12ポイント上回っているという。グロー
バルに「反体制」「保護主義」が広がるなかで、「トランプ・
ショック」の強烈な印象が、今後欧州の有権者の投票行動にも影響
を与えかねない。「No」だった場合は、イタリア国債が下落した
り、欧州株価が下落するなど、市場心理の悪化につながる可能性が
あ る た め 警 戒 が 必 要 だ ろ う 。 な お 、 30 日 の 石 油 輸 出 国 機 構
(OPEC)総会では原油減産で正式に合意することが期待されてい
るが、万一合意できなかった場合は米株価の下落につながるため、
このイベントにも注意が必要。
注:赤は11月の市場予想(中央値)
出所:米労働省、Bloomberg
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