2016年度冬季ボーナス支給調査

調 査
Research
2016年度冬季ボーナス支給調査
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2016年度冬季ボーナス支給調査
【 調 査 要 領 】
1.調 査 対 象:長崎県内主要企業472社
2.調 査 方 法:郵送によるアンケートおよびヒアリング
3.調 査 期 間:2016年10月27日∼11月30日
4.調 査 事 項:支給月数、支給額
5.回答企業数:製造業87社、非製造業265社、合計352社、回答率74.6%
回答企業のうち、調査時点でボーナス支給について、「(ほぼ)決定している」企
業は全体の46.3%、163社(「未定」は53.7%、189社)で、前年度(49.7%)を3.4ポ
イント下回った。なお、支給額について回答を得られた企業は132社で、その支給
対象人員は16,411人(前年度比338人減)、総支給額は92億円(同4億円減)となっ
ている。
1.平均支給月数
∼1.65カ月、前年度比0.01カ月減(うち製造業0.02カ月減、非製造業 前年並み)∼
ボーナス支給月数について
図表1 業種別・企業規模別の冬季ボーナス支給状況
回答が得られた企業(153社)
の平均支給月数(計画)は1.65
区 分
全
カ月で、2015年度実績比0.01
業種別にみると、製造業は、
一般機械(2015年度実績1.99
カ 月 →2016年 度 計 画2.00カ
業
種
別
カ月の減少(図表1)。
産
製
輸
一
電
食
そ
非
建
卸
小
運
サ
そ
月)をはじめ電気機械(同1.50
カ月→1.59カ月)、食料品(同
増加したものの、輸送機械(同
2.17カ月→1.98カ月)などが
企業規模別
1.37カ月→1.39カ月)などで
大
製
非
中
製
非
業
造
業
送 機 械
般 機 械
気 機 械
料
品
の
他
製 造 業
設
売
売
輸
ー ビ ス
の
他
企
業
造
業
製 造 業
小 企 業
造
業
製 造 業
(月、千円、%)
支給月数
1人当たり平均支給額
(回答企業数153社)
(回答企業数132社)
2015年度 2016年度
増減
2015年度 2016年度 増減率
1.66
1.65 △0.01
575
563
△2.1
1.71
1.69 △0.02
714
697
△2.4
2.17
1.98 △0.19
820
803
△2.1
1.99
2.00
0.01
843
819
△2.8
1.50
1.59
0.09
345
396
14.8
1.37
1.39
0.02
400
405
1.2
1.64
1.63 △0.01
354
354
0.3
1.63
1.63
0.00
429
430
0.1
1.44
1.48
0.04
376
383
1.8
1.95
1.77 △0.18
469
409 △12.7
1.60
1.68
0.08
470
485
3.2
1.46
1.53
0.07
353
366
3.7
1.58
1.60
0.02
507
513
1.1
1.73
1.74
0.01
400
401
0.3
2.04
2.01 △0.03
746
728
△2.5
2.56
2.40 △0.16
839
818
△2.4
1.78
1.81
0.03
474
480
1.3
1.60
1.60
0.00
400
404
1.1
1.58
1.58
0.00
361
381
5.5
1.61
1.60 △0.01
414
412
△0.3
ながさき経済 2017.1
23
減少したことから、全体では1.69カ月と前年度実績(1.71カ月)を0.02カ月下回った。
非製造業は、小売業(同1.60カ月→1.68カ月)をはじめ運輸業(同1.46カ月→1.53カ月)
、サー
ビス業(同1.58カ月→1.60カ月)などが増加したが、卸売業(同1.95カ月→1.77カ月)が減少した
ことから、全体としては1.63カ月と前年度実績(1.63カ月)並みとなった。
企業規模別にみると、大企業(同2.04カ月→2.01カ月)が0.03カ月減となり、中小企業(同1.60
カ月→1.60カ月)は前年並み。
なお、支給月数が前年度比「増加」するとした企業の割合25.5%から「減少」するとした企業
の割合13.1%を差し引いたD.I.は、プラス12.4と前年(21.8)から低下したが、4年連続でプラス
水準となっている(図表2)。
図表2 支給月数・1人当たり平均支給額の増減企業割合の推移
「増加」(A)
「不変」
「減少」(B)
D.I.(A−B)
2010年度
25.8
56.0
18.2
7.6
(%)
支 給 月 数
1 人 当 た り 平 均 支 給 額
11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度 2010年度 11年度 12年度 13年度 14年度 15年度 16年度
19.7
18.0
28.2
25.2
31.2
25.5
52.4
42.1
41.9
55.6
57.6
62.0
66.7
58.6
56.0
54.5
58.5
59.4
61.4
12.9
15.8
12.5
14.8
6.8
8.9
6.8
21.7
26.0
17.3
16.3
9.4
13.1
34.7
42.1
45.6
29.6
35.6
29.1
26.5
△2.0 △8.0
10.9
8.9
21.8
12.4
17.7
0.0 △3.7
26.0
22.0
32.9
40.2
2.1人当たりの平均支給額
∼563千円、前年度比2.1%減(うち製造業2.4%減、非製造業0.1%増)∼
支給額について回答が得られた企業(132社)の1人当たりの平均支給額(支給総額を支給対
象総人員で除したもの)は563千円で前年度実績(575千円)比2.1%減少した(図表1)。
業種別にみると、製造業では電気機械(14.8%増)や食料品(1.2%増)などで前年度実績を上
回ったが、一般機械(2.8%減)や輸送機械(2.1%減)などが下回ったことから、全体では2.4%
減の697千円となった。また、非製造業では卸売業(12.7%減)が前年度実績を下回ったものの、
運輸業(3.7%増)や小売業(3.2%増)、建設業(1.8%増)などで前年度実績を上回ったことから、
全体では0.1%増の430千円となった。
これを企業規模別にみると、大企業が前年度実績比2.5%減の728千円となり、中小企業は1.1%
増の404千円となった。
平均支給額が前年度比「増加」するとした企業の割合66.7%から「減少」するとした企業の割
合26.5%を差し引いたD.I.は、プラス40.2(前年32.9)と2年連続の拡大となり、4年連続のプラス。
また、前年比「増加」企業の割合は4年連続で拡大しており、改善が続いている(図表2)。なお、
D.I.の上昇にもかかわらず、全産業での平均支給額が前年度比2.1%減少したのは、大企業の平均
支給額が同2.5%減少したことなどによるものとみられる。
(上村 秀明)
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