税務調査の 徹底対策ポイント - 株式会社 日本中央研修会セミナーDVD

30の重要事例
税務調査の
徹底対策ポイント
日本中央税理士法人・株式会社日本中央会計事務所
代表取締役
税理士
見田村元宣
東京都港区西新橋1-16-5
☎03-3539-3047
✉[email protected]
コニシビル4階
私がこの小冊子を書こうと思った理由
私のところには税務調査に関するご相談が日本全国から寄せられます。そして、そうい
う方のご相談をお受けしていると、基本的なことができていないことがよくあります。
もちろん、一般の方は税務のプロではないので仕方がありません。だから、それをフォ
ローするためにいるのが顧問税理士です。しかし、その顧問税理士がフォローしきれてい
ないこともよくあるのです。
正直なところ、税理士の税務調査に対する考え方、対応能力、過去の判例などの知識量
などにより、税務調査の結果は変わります。
もちろん、あなたの会社の顧問税理士が能力のある方なら問題ありません。しかし、顧
問税理士がお客様を苦しめている、悩ませているケースも多くあるのです。しかし、過去
からの人間関係などのため、顧問税理士を変更できないこともあるのが現実です。
だから、このような方が自分の会社を税務調査から守るためのノウハウをお伝えするこ
とにしたのです。もちろん、税務調査対策のノウハウの全てをこの小冊子には書ききるこ
とはできません。そのため、これをフォローするために今後もメールマガジンを配信して
いきますので、最新の情報はメールマガジンにて、ご覧下さい。
なお、本小冊子は過去のメールマガジンから税務調査に関するものだけを抽出し、編集
したものです。また、一般の方がより理解しやすいよう、敢えて専門的な部分、詳細を省
略しています。そのため、この小冊子に書いてあることを実行される場合は弊社までお問
合せ下さい。
日本中央税理士法人
株式会社日本中央会計事務所
代表取締役
税理士
見田村元宣
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目
次
1.税務調査と重加算税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
2.過少申告加算税と重加算税・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
3.架空人件費は何からばれるか?1・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
4.架空人件費は何からばれるか?2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5
5.常勤役員、非常勤役員の分かれ道・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
6.役員賞与を否認されると・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
7.役員報酬がこんな風に否認されると・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
8.常務取締役への賞与が経費として認められた事例・・・・・・・・・・・・9
9.社長の息子は役員なのか?従業員なのか?・・・・・・・・・・・・・・・10
10. 税務調査で否認された役員賞与・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
11.税務調査官が否認したい項目とは?・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
12.相手を明かせない交際費の取り扱い・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
13.印紙税と税務調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
14.税務調査官が予告無しで調査に来たら?・・・・・・・・・・・・・・・・15
15.税務調査で必ずチェックされること1・・・・・・・・・・・・・・・・・16
16.税務調査で必ずチェックされること2・・・・・・・・・・・・・・・・・16
17.税務署へのタレコミと税務調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
18.過去の決算書の比較と税務調査・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
19.税務調査官の質問の仕方・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
20.関係会社との取り引きで注意すべきポイント1・・・・・・・・・・・・・19
21.関係会社との取り引きで注意すべきポイント2・・・・・・・・・・・・・21
22.休眠している会社と事業の実態・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
23.税務調査と事前準備・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
24.税務調査はロスタイムに注意・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
25.税務調査で「絶対に」やるべきこと・・・・・・・・・・・・・・・・・・25
26.飲食店に税務調査が入ったら・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26
27.その議事録は本物?偽物?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
28.クルーザー、フェラーリは経費になるのか?・・・・・・・・・・・・・・28
29.税務調査官のミスで認められたことはOKか?・・・・・・・・・・・・・29
30.税務調査は根本的な趣旨から考える・・・・・・・・・・・・・・・・・・30
-2-
1.税務調査と重加算税
今回は重加算税についてお話しします。春と秋は税務調査の多い時期です。あなたの会
社に税務調査の連絡は入っていませんか?もし、税務調査になったら、注意して頂きたい
点があるのです。「それは、税務調査官は単なるミス、見解の違いにも重加算税をかけたが
る」ということです。もちろん、会社が意図的に税金を回避した行為には重加算税をかけ
られても仕方がありません。しかし、調査官はそうでない場合でも重加算税をかけてくる
場合があるのです。
税務調査官にとって、重加算税をかけたことは内部的に大きなポイントになります。当
然、その積み重ねが次回の異動、将来の出世にも影響します。そのため、重加算税をかけ
たがるのです。税務調査官も人間です。組織に属している以上、出世したくないという人
はいません。その査定に重加算税が大きく影響しているのです。このため、なるべく重加
算税をかけたいという人間心理が働くのです(ちなみに、重加算税は原則、増えた税額の
35%です。例えば、追加の税金が100万円なら35万円が重加算税です。)
例えば、私はこんな経験をしたこともあります。私は税務調査の交渉をするために、税
務署に出向きました。そして、調査官が提示した内容を見て、びっくりしました。なぜな
ら、単なるミスの項目に重加算税がかけられていたからです。当然、私は「それはおかし
い」とすぐに毅然と反論しました。すると、調査官は「分かりました」と言い、あっさり
引っ込めたのです。項目によっては、そんなものなのです。
ちなみに、重加算税は嘘をついたり、意図的に処理を間違えたり、隠ぺい工作をしたり
する場合にかけられると法律で決められています。つまり、「単なるミスには重加算税はか
からない」と法律に書いてあるのです。
もし、あなたの会社の税務調査でこのようなことが行われたら、「それは、おかしい」と
主張してください。私の過去の経験でも理不尽な重加算税は回避できます。これは非常に
大切なポイントなので、覚えておいて下さいね。
2.過少申告加算税と重加算税
例えば、ある会社が税務調査で下記の2点の指摘を受けました。さあ、税務調査官が「ど
ちらか1つ」を選ぶとしたら、どちらを選ぶでしょう。
○
追加納税が500万円の指摘+過少申告加算税(10%)=550万円
○
追加納税が200万円の指摘+重加算税(35%)=270万円
-3-
通常の考えなら、550万円を選びます。なぜなら、金額が多い方がいいからです。し
かし、税務調査官は違います。この状況であれば、270万円を選ぶのです。これは重加
算税を取りたいからです。
もちろん、大きな否認額を取りたい気持ちもあります。しかし、「上記のいずれか」であ
れば、重加算税を取りにくるのです。それが税務調査官の心理なのです。これは実際に元
調査官だった税理士さんがお話しされていました。
そして、重加算税を取られると、「原則として」税務調査の頻度が高くなります。税務調
査の頻度が高くなれば、
「心理的に嫌だ」、「時間的な拘束を受ける
=
その時間は前向き
な行動ができない」、「税金を余分に取られる可能性が増える」ということになります。だ
から、重加算税がかかるような行為(=不正)は絶対にしないようにして下さいね。
3.架空人件費は何からばれるか?1
事業を行なっていく上で、多額の交際費、リベート、裏金がどうしても必要な業界があ
ります。例えば、不動産業、建設業、葬儀関連業などです。もちろん、裏金などはいいこ
とではないのですが・・・。
しかし、ビジネスを続けていく上で避けられないケースもあるのが現実です。それを避
ければ、会社の存亡に関わります。だから、これを捻出せざるを得ないこともあるのです
が、そのための架空人件費を計上する会社があります。しかし、これは税務調査で必ずば
れてしまいます。では、どういう物からばれてしまうのでしょうか。
税務調査官は、直接的な資料の他、間接的な資料も見ます。例えば、直接的な資料とは、
総勘定元帳、給与の振込一覧などです。間接的な資料とは経理と直接的には関係ない資料
です。この間接的な資料からばれてしまうことが多いのです。
例えば、私は過去にこんな経験をしました。A社は架空人件費を支払っていました。こ
れが残業をする際の食事の注文書からばれたのです。A社はこれを注文する際、全従業員
の名前が左側に書かれた表を使っていたのです。そして、注文する人は自分の名前の横に
食べたい物を書いていたのです。
しかし、この注文書に名前の無い人が2人いたのです。さらに調べると、その2人は社
会保険にも加入していませんでした。もちろん、実在しない人物なので、当然なのですが・・・。
結局、2人の人件費は否認され、重加算税の対象になりました。A社はビジネス上、どう
しても裏金が必要な業界だったので、それを捻出していたのです。
-4-
もちろん、今後は同じことは続けられません。しかし、裏金は必要です。だから、社長
個人の役員報酬を上げ、そこから支払うことになりました。税務調査官も「私の口からは
いいとは言えないけれど、まあ、そうするしかないでしょうね」と言っていました。
税務調査では、間接的な資料、質問から核心を突かれることがあります。実際の現場で
は「そんな資料から・・・」ということもあります。だから、会社にある全ての資料、物
は調査官に見られる前提で、日頃から整理整頓をすることが重要です。大切なことは税務
調査の連絡があったら、保存してある資料を一通りチェックすることです。何気ないとこ
ろにリスクが隠れていることが多いのです。
4.架空人件費は何からばれるか?2
昔、こんな事例がありました。ある会社に税務調査が入りました。そして、タイムカー
ドを調べられました。もちろん、全員の分がきちんと打刻してありました。しかし、社長
の親、妻に支払っていた給与が架空人件費とされました。なぜでしょうか。
実は、この社長は同じタイムカードの機械を2台、持っていたのです。1台は従業員用
でした。そして、もう1台は親と妻の打刻用(架空人件費用)でした。当然、従業員の打
刻用はみんなが使います。だから、ドンドンとインクが薄くなっていきます。しかし、親
と妻の打刻用は2人しか使いません。だから、インクが薄くなりません。結果、同じ日の
打刻の印字の濃さが違っていました・・・。そして、それを税務調査官に指摘されたので
す。当然、社長は答えられず、架空人件費がバレてしまいました。こんな資料も税務調査
官は見ているのです。
世の中には、架空人件費を支払っている会社もあります。しかし、税務調査官はプロで
すから、架空人件費はバレます。当然、バレると重加算税をかけられてしまいます。そし
て、前にも書いたように「重加算税をかけられる
=
「原則として」税務調査の頻度が
高くなる」となるのです。実に、もったいないですよね・・・。
このように、税務調査は直接的な資料を調べられるだけではありません。「えっ、そんな
資料から・・・」ということもあるのです。今回は架空人件費を例にご説明しました。た
だし、税務調査は全てにおいて、同じことが言えます。直接的な資料、間接的な資料を通
じて、囲い込みが行なわれます。だから、結局はバレてしまうのですね。
一般の方が考えるような方法を税務調査官は「何度も」経験してきています。当然、そ
れを見つける訓練もされています。結果、不正が否認されれば、重加算税がかかります。
会社にとっては、損するだけです・・・。だから、税金を抑えたいなら、安易な方法を考
-5-
えるのではなく、きちんと抗弁できる方法を採用しましょう。そういう方法ならグレーゾ
ーンであっても、戦うことができるのです。安易な方法は痛い目に合うだけなのです。
5.常勤役員、非常勤役員の分かれ道
役員が常勤なのか、非常勤なのかの明確な線引きはありません。しかし、これは役員報
酬を考えた場合、大きな問題です。なぜなら、この違いにより、支払える役員退職金の額
が変わってくるからです。では、この判断基準は何でしょうか。今回は、これが税務調査
で争点になった事例をお話し致します。まずは、前提条件をお話しします。
○
A社には、長期入院中の取締役会長がいた(死亡するまで、入退院の繰り返し)
○
入院中でも、ことあるごとに出社していた
○
毎日のように、社長、幹部社員が病室を訪れていた
○
会長は社長らと経営問題などの話をし、指示をしていた
○
入退院を繰り返していた期間中に役員報酬を増額した
○
その役員報酬をベースに死亡役員退職金を支給した
だから、A社は入院中の取締役会長を常勤と判断していました。そして、常勤役員とし
ての役員報酬を支給していました。また、死亡時にはその役員報酬をベースに役員退職金
を支給しました。しかし、これらが税務調査で「過大である」と否認されたのです。なお、
A社は決算書の内訳書で「取締役会長は非常勤である旨」を記載していました。
そして、税務署は下記を役員報酬、役員退職金が過大であることの根拠としました。
○
長期入院が継続し、通常の勤務をしていない
○
決算書の内訳書には「非常勤」と表示されている
○
常勤、非常勤の区分は毎日一定の勤務時間が基準
そして、国税不服審判所で争われたのです。しかし、結局はA社の主張が認められまし
た。その大まかな理由は下記の通りです。
○
主治医、付添婦、A社の部長の申述書により、社長、管理職との面会の事実を立証
した、経営に対する指示の実態を立証した
○
会長は入院時でもA社に出社することもあった
○
入院中も病室で報告を受け、指示を出していた
○
決算書の内訳書に記載されている「非常勤」の表示は関係ない(実態に基づいて判
断すべき)
-6-
いかがでしょうか。あなたの会社では非常勤の役員はいますか?また、非常勤役員に高
額な役員報酬を支払っていませんか?非常勤役員への高額な役員報酬は税務調査で問題に
なることがあります。しかし、その勤務実態が常勤か非常勤か微妙なこともあります。も
ちろん、常勤であれば、高額であっても説明できます。もちろん、仕事の内容もあります
が・・・。
だから、税務調査で指摘されても、あなたは勤務実態をきちんと説明できるようにして
下さいね。あくまでも、大切なことはA社同様にあなた自身が証明することが大事なので
す。大切なことは「勤務の実態をA社自身が証明できた」ということです。
それから、ここから考えるべきことは「立証責任はどちらにあるのか」ということです。
A社の場合、主治医などの申述書でA社自身が立証しているのです。私も税務調査などで
グレーゾーンの判断をする場合、「この立証責任はどちらにあるのか?」ということを必ず
考えます。
ただし、会社がこのグレーゾーンの判断をする時点は決算の処理をする段階です。だか
ら、あなたが判断に迷った時は「この立証責任はどちらにあるのか?」を必ず考えて下さ
い。当然、その処理をした根拠の立証責任はあなたにあります。しかし、それを否認する
場合の立証責任は税務署側にあるのです。
当然ですが、法律に全てのことが書いてあるわけではありません。税務署も否認するな
らは根拠(立証)が必要です。納税者も対抗するなら根拠(立証)が必要です。だから、
あなたは逆から考えて「自分が税務調査官でこの処理を否認するなら、どういう根拠を提
示できるだろうか?」と考えてみてください。それが簡単に提示できるならアウトです。
しかし、提示しにくいなら、それは充分に対抗できるはずです。
当然、脱法行為はいけません。しかし、グレーゾーンに関して、どうするかの判断をし
なければならないこともあるのです。正直、処理の段階では誰にも正解は出せないものも
あります。だからこそ、あなたは根拠をもって、処理をする必要があるのです。
重要なので、もう1度書きます。「自分が税務調査官でこの処理を否認するなら、どうい
う根拠を提示できるだろうか?」ということを必ず、考えて下さいね。
6.役員賞与を否認されると
今回のテーマは「役員賞与の否認をされると・・・」です。色々な方からご相談を頂く
中で役員賞与として否認されるリスクをご説明することがあります。例えば、社長の個人
-7-
的な費用を経費にしていた場合(例:社長の別荘の維持費)、会社に必要の無い物を資産と
して、減価償却していた場合(例:仕事に関係のないクルーザー)、少し赤字になりそうな
ので、役員報酬を減額した場合(例:銀行対策で赤字にしたくない場合)などです。
しかし、これらを否認されると「本当に痛い」ので、ご注意下さい。どういう否認のさ
れ方をするかというと、①役員賞与として損金にならない、②役員賞与は給与なので、そ
れに対する源泉所得税の控除がもれている、③消費税の控除も否認される場合がある、と
いうことです。
ちなみに、③の消費税の控除も否認される場合とは、別荘の維持費、クルーザーの購入
費などが役員賞与として否認された場合です。なぜならば、これらの購入時には消費税を
支払い、その額を申告時に控除していますが、それが役員賞与とされれば、役員賞与には
消費税がかからないため、控除できないからです。
さらに、それが不正だと認定されると、重加算税まで付いてきます。当然ですが、これ
らとは別に延滞税も付きます。
いかがですか。普段、「色々な費用」を会社の経費にしている会社もあると思います。し
かし、税務調査で役員賞与と否認されると、本当に痛いのです。その税金を支払うための
資金繰りをしなければならない場合もあります。また、否認される時は、過去に遡って数
年分となり、一括で払えなければ、分割払いの交渉ということになります。
税務調査で見るべきポイントを税務調査官は知っています。事前に、調査するポイント
も絞った上で来ています。なせなら、過去の経験則から多くの会社で否認してきた実例を
知っているからです。だから、調べればすぐに分かるような行為は止めましょう。特に、
役員賞与の否認は本当に痛いのです。個人的な別荘を会社の経費にする前にもっときちん
とした節税対策を考えるべきなのです。
7.役員報酬がこんな風に否認されると
A社に税務調査が入り、A社がB社に支払っていた外注費を否認されました。その内容
は「A社はB社に50万円(毎月定額)を支払っていた」、「A社がB社に業務を依頼して
いる事実が無かった」、「B社は赤字のため、50万円を収益に上げても無税だった」、「そ
の50万円はA社の社長個人にキックバックされていた」ということでした。
その結果、50万円はインチキした役員報酬とされました。そして、50万円×12ヶ
月=600万円が否認されました。その結果、法人税、役員報酬に伴う源泉所得税、消費
-8-
税、延滞税、重加算税が課されました厳しいですね・・・。
これは、法人税法34条に「インチキして支給した役員報酬は全額が否認」と書いてあ
るからです。当然、
「元々の役員報酬の支給額+インチキの役員報酬と否認された額」が「株
主総会で決めた役員報酬の総額」の範囲内であっても駄目なのです。
キックバックが悪しき風習として根付いている業界もあります。そして、社長自身がそ
れに身を染めていることもあります。ただし、これが否認されると非常に痛いのです。大
きな追加納税は今後の資金繰りを圧迫するので、絶対にやらないようにしましょう。
8.常務取締役への賞与が経費として認められた事例
平成14年に国税不服審判所から「常務取締役への賞与が経費になるか?」に関する裁
決が出ました。「通常は」専務取締役や常務取締役に支給した賞与は経費になりません。そ
の専務や常務が従業員としての肩書きを持ち、かつ、従業員としての仕事をしていても経
費になりません。しかし、それが経費として認められた事例があるのです。では、それは
どういう場合でしょうか?
まずは、この裁決の前提条件です。
○
Aさんは役員として登記されている
○
Aさんの名刺には「常務取締役営業本部長」と書いてあった
○
Aさんには、営業本部長としての賞与が支給されていた
この状況で、納税者はAさんの立場を下記のように主張しました。
○
取締役会で重要案件の決定に関与していない
○
採用、人事、給与に関する権限も無い
○
取引先の選定、重要な契約に関する権限も無い
○
融資に関する権限も無い
○
経営には関わらず、営業マンとして働いている(Aさんの肩書きは単に形式上の問
題、Aさんへの賞与は従業員分の賞与として、経費にできる)
これに対して、税務署はこう反論しました。
○
販売会議の書類に「A常務」と記載されている
○
社内、社外で常務取締役として認知されている(Aさんは常務取締役だから、賞与
-9-
は経費にできない)
そして、国税不服審判所は「Aさんの肩書きは単なる通称なので、従業員分の賞与は経
費にできる」と判断しました。つまり、形式ではなく、実態で判断されたのです。もちろ
ん、「原則論は」常務取締役への賞与は経費にできません。
ただ、ここでいう常務取締役とは「取締役会の決議などにより、常務取締役としての権
限を与えられた者」を指すのです。ただ、これは完全に線引きできる定義ではありません。
だから、微妙な判断になることもあるでしょう。これに関し、今回は納税者が勝ちました。
いかがですか?あなたの会社では自称常務、通称常務の方はいませんか?もちろん、常
務でも専務でも同じことです。営業上や社内運営上、こういう肩書きを付けることはよく
あります。
しかし、それは税務調査で問題になることがあるのです。特に、それが営業マンの場合
は「歩合給」を支給する場合があります。「事業運営上、専務や常務などの肩書きを付けた
い」、「従業員としての賞与も支給したい」という状況の会社もあるでしょう。ただ、そう
いう場合は「自称常務」
「通称常務」であることを説明する根拠を用意しておかなければな
りません。ご注意下さいね。
9.社長の息子は役員なのか?従業員なのか?
ある同族会社に税務調査がありました。そして、 社長の息子は「従業員」として働き、
賞与をもらっていました。しかし、税務調査で「従業員」ではなく、
「役員」とされました。
しかし、従業員ならば賞与は経費になりますが、役員に対する賞与は経費なりません。さ
あ、これはどうなるのでしょうか。まずは、基本的な条件を確認しましょう。
○
一般的な同族会社である
○
息子は後継者になるべく、経営に関わっている
○
息子の持ち株は発行済株式の5%を超えている
○
息子の肩書きは「従業員」であり、役員登記もされていない
この場合、息子は「従業員」ではなく、「役員」となります。ただ、この中で「経営に関
わっている」という部分はグレーゾーンです。なぜなら、この線引きは法律で決められな
いからです。これに関して争った事例があります。まずは、前提条件です。
○
社長は脳出血のため、病気療養中だった
- 10 -
○
税務調査の対応は息子が行なった(この日、社長は手術)
○
息子は社長に代わって、仕事を行なっていた
そこで、税務署はこう否認しました。
○
社長は経営できる状態ではない
○
息子が社長代行をしているので、息子は経営を行なっている
○
息子は役員だから、賞与は経費にならない
しかし、この会社も反論しました。
○
税務調査は、社長が手術のため、息子が対応しただけ
○
息子は社長の指示を受け、社長代行をしていただけ
○
息子は従業員だから、賞与は経費になる
その結果、国税不服審判所はこう判断しました。
○
金融機関、得意先、仕入先の決定は社長が行なっていた
○
息子は社長の指示で動いていただけ
○
息子は従業員だから、賞与も経費でOK
いかがでしょうか。もちろん、「経営に関わっているかどうか」の明確な基準はありませ
ん。ただ、この判断基準として、
「重要な決定に関わっている」、
「人事権を持っている」、
「金
融機関、取引先などの決定に関わっている」などが挙げられます。他の過去の例をみても、
こういう点がポイントになっています。
たしかに、「経営者として育てる近道
=
経営に関わらせること」です。つまり、OJ
T(現場で仕事を学ぶ)ですね。しかし、こういう場合、税務上は「従業員」なのか「役
員」なのかに注意する必要があります。
例えば、年間100万円(50万円×夏冬2回)の賞与が3年間さかのぼって否認され
たとします。この場合、
「300万円×40%(税率)=120万円」が余分に取られる税
金です。過少申告加算税、延滞税も取られます。意味ないですよね・・・。しかし、多く
の同族会社がこのリスクを抱えています。そのリスクに気付いていないことすらあります。
あなたの会社は大丈夫ですか?確かに「後継者として育てたい
=
経営者としての仕
事もさせたい」、「経営のバランス、他の役員との関係から、役員にはまだできない」、「従
業員である以上は賞与も支払いたい」ということはよくあります。
- 11 -
それは私も理解できます。しかし、それは税務のリスクも抱えてしまうこと「も」ある
のです。このように「経営」と「税務」はバランスが取れないこともあります。もちろん、
どちらも重要です。
だから、「経営として、何を目指していくのか?」、「税務リスクを回避する方法はあるの
か?」の両方を意識し、選択することが重要です。そのバランスを考えて、意思決定をす
ることが重要なのです。
10.税務調査で否認された役員賞与
税務調査があると、「そんなつもりではなかったのに・・・」ということがあります。例
えば、A社に税務調査が入りました。A社で社長(甲)の息子(乙)は取締役営業部長で
した。つまり、役員兼従業員です。そして、乙の営業部長(=従業員)の身分に対しての
賞与が否認されました。なぜでしょうか。
それは息子(乙)が「形式上は役員兼従業員」だが、「税務上は役員」となっていたから
です。これは「一般的な同族会社」の場合、役員兼従業員が発行済み株式の5%「超」を
持っていたら、税務上は役員になってしまうからです。つまり、「税務上は」従業員として
の肩書きが認められなくなるのです。
そんなことは知らないA社は息子(乙)に賞与を払っていました。その額は「年間20
0万円×3年=600万円」です。この結果、この会社は600万円の役員賞与の否認を
受けたのです。痛いですよね・・・。会社は不正をした訳でもなく、全くそんなつもりは
無かったのです。ただ、こういう事が税務調査で発覚してしまう・・・。特に、経理も給
与計算も会社内で行なっている場合、会計事務所は誰にいくら賞与を出しているかを把握
していない場合もあります。そういう体制がしっかりしている会社だからこそ、否認され
る可能性がある項目なので、ご注意下さいね。
11.税務調査官が否認したい項目とは?
今回は税務調査に関するクイズです。あなたの会社に税務調査が入ったとします。そし
て、下記の4つの項目の指摘を受けました。さて、税務調査官はどれを重要視するでしょ
うか。
- 12 -
1.役員に支払ったお金が役員賞与と指摘された
2.会議費が交際費と指摘された
3.減価償却費が税務上の限度額を超えていると指摘された
4.今期に計上すべき売上が翌期に計上されていると指摘された
答えは「1
→
2
→
3、4」という順番に重要視します(3、4は同程度)。その
理由はこうなります。
1は法人税と源泉所得税の両方を課されます。場合によっては、消費税も課されます。
そして、この税金は「永遠に」取り戻すことができません。
2は法人税を余分に課されます。そして、この税金も「永久に」取り戻すことはできま
せん。
3はその期の法人税を余分に課されます。しかし、過大だと否認された減価償却費は翌
期以降の減価償却費として経費になります。だから、翌期以降の減価償却費が増えること
を通じて、法人税を取り戻すことができるのです。
4もその期の法人税を余分に課されるだけです。これは売上の前倒し計上にすぎないた
め、2期を通して考えれば、同じ売上になります。つまり、翌期の売上が減ることにより、
法人税を取り戻せるのです。つまり、3と4は「どの期に計上するか」という問題だけな
のです。
だから、あなたの会社が税務調査で上記の指摘を受けたら、
「3、4は否認されても、1、
2は否認されないように」交渉して下さい。しかし、これをご存知ない社長さんもいらっ
しゃるのです。
例えば、野球で考えてみましょう。税務調査官はピッチャー、あなたがバッターとしま
す。ピッチャーはストレート、カーブ、フォークという球種を投げます。しかし、あなた
はストレートという球種しか知りません。さあ、どちらが有利でしょうか?結果は明らか
ですよね。
これと同じようなことが税務調査の現場で起きているのです。もちろん、顧問税理士が
戦ってくれるなら問題はありません。しかし、
「どっちの味方か分からない」と怒って、私
にご相談される方が沢山いらっしゃることも事実です。しかし、先代からの付き合いだか
ら顧問契約は切れないという方は沢山いらっしゃるのです。
そういう方はご自身で自分の身を守らなければなりません。つまり、税務調査の対応は
ご自身ですべきなのです。しかし、税務調査の対応に不満ながらも税理士に任せているケ
- 13 -
ースもあるのです。それではいけません。会社として身に付けるべき知識は身に付けなけ
ればならないのです。
12.相手を明かせない交際費の取り扱い
今回は「相手先を明かせない交際費の違い」をご説明致します。例えば、こんな事例で
考えてみましょう。
A社
B社
交際費のうち、100万円はある人を料亭で接待した費用。ただし、ある人が誰
かは明かせない。
交際費のうち、100万円はある人にお金を渡した費用。ただし、ある人が誰か
は明かせない。
この場合、A社とB社では下記の取り扱いの違いが出てきます。
A社
相手先を明かせない交際費として、全額が損金にできません。だから、交際費の
損金算入枠に余裕があっても、損金にできません
100万円は「使途秘匿金」という取り扱いになります。そして、全額が損金に
B社
できません。さらに、
「別途」支出額の40%の法人税がかかります。この場合は、
40万円です。
まとめます。相手先を明かせない交際費でも下記の違いがあります。
相手先が明かせないが、接待等の事実がある
全額が損金にできないだけ
相手先が明かせず、接待等の事実もない。ま
全額が損金にできない。別途40%の法人
た、お金を渡した。
税がかかる。
相手先を明かせない支出を国は認めていません。しかし、事業上、必要な場合もありま
す。仮に、あなたの会社に相手先を明かせない費用があったとしましょう。ただし、接待
等の事実があれば、通常の法人税がかかるだけです。もし、税務調査で「別途40%の法
人税をかけます」と言われたら、きちんとご説明下さいね。必ず、通りますので。
- 14 -
13.印紙税と税務調査
今回は税務調査でよくチェックされる「契約書などに収入印紙が貼ってあるか」をお伝
えします。つまり、「収入印紙の貼りモレ」についてです。
税務調査では貼りモレのミス、金額のミスなどを指摘されることもあります。そして、
これは非常に損になるのです。
印紙税の貼りモレなどを否認されると、「過怠税」という税金を取られます。この過怠税
は「本来の印紙税+本来の印紙税×10%」、または、「本来の印紙税+本来の印紙税×2
00%」となります。
そして、この過怠税は損金にならないのです。ここで注意すべきポイントがあります。
それは、「本来の印紙税+本来の印紙税×10%(または200%)」が過怠税だというこ
とです。つまり、元々、貼るべきだった収入印紙の額も過怠税に入ってしまうのです。
収入印紙は、元々はきちんと貼ってあれば経費になります。しかし、税務調査で指摘さ
れると「収入印紙の額そのもの」も過怠税になり、経費にならないのです。もったいない
ですよね・・・。特に、不動産業や金融業などは契約書も多い業種で、収入印紙の金額も
大きくなりがちです。場合によっては、びっくりするような額になることもあります。ご
注意下さい。
14.税務調査官が予告無しで調査に来たら?
ある日突然、税務調査官がやってくることがあります。つまり、「予告無し」の税務調査
です。ただし、それを必ず受け入れなければならない訳ではありません。なぜなら、「税務
調査官は質問検査権という権利により税務調査を行う」、「その権利を使う時は具体的、客
観的な必要性が要件」となっているからです。
だから、あなたの会社に予告無しの税務調査が来たら、その必要性を聞いてみましょう。
もちろん、現金商売などの場合は受け入れざるを得ないこともあります。なぜなら、予告
無しの税務調査そのものは違法ではないからです。
ただし、この質問検査権を振り回す場合もあります。納税者が犯罪者のように扱われる
場合もあります。しかし、法人税法156条には、「質問検査権は、犯罪捜査のために認め
られたものと解してはならない」と記載されています。
- 15 -
中には荒っぽい調査官もいます。もし、あなたが犯罪者のように扱われたら、この法律
を思い出して下さい。そして、この内容をきちんと伝えて下さい。そうすれば、その態度
は改善されるはずですから。今回の内容は非常に重要です。絶対に覚えておいて下さいね。
15.税務調査で必ずチェックされること1
税務調査では様々な点がチェックされます。しかし、必ず見られるポイントがあります。
それは「前回の指摘事項、否認事項の改善がされているか」ということです。税務調査が
あれば、多くの会社が指摘、または、否認されます。
当然、次回の調査の際、その項目が改善されているかをチェックされます。ただ、中に
は改善されていない会社もあるのです。まあ、ミスの場合も意図的な場合もあるのです
が・・・。または、事情があり、改善できない場合もあるのですが・・・。
結果、税務調査での指摘、または、否認された項目を次回の調査でも繰り返すことにな
るのです。また、そういう会社が相当数あることを税務職員も経験上、知っています。だ
から、前回の項目は「必ず」チェックされるのです。中には「ここは1回見られたから、
もう見ないですよね」とお聞きになる方がいます。しかし、そんなことは「全く」ありま
せん。だから、税務調査以後の決算をする際にもご注意下さいね。
16.税務調査で必ずチェックされること2
税務調査を行なう場合、調査官は業種的な特性を知っています。また、そこがミスしや
すいポイントである場合もあるため、調査官は「事前に」調べるポイントを決めている部
分もあるのです。当然、そこは「きっちりと」調べられます。では、それはどんなポイン
トでしょうか。
例えば、ソフトウェアの受注製作業で考えましょう。期末時点でまだ納品が終わってい
ないソフトがあります。この場合、この制作費(外注費など)は仕掛品になります。つま
り、今期の経費にならないのです。これは製作の管理表や納品書などを見れば、すぐに分
かります。しかし、これを経費にしている会社もあるのです。
もちろん、ミスの場合もあれば、意図的な場合もあります。ただ、ソフトウェアの受注
製作業の場合、期末の仕掛品がポイントになることを調査官は100も承知なのです。過
去に「多くの会社で否認してきた経験値」があるのです。
- 16 -
いかがでしょうか。どんな会社でも業種的な特性があり、そのポイントの部分はよく調
べられることが多いのです。ご注意下さいね。
17.税務署へのタレコミと税務調査
税務署には色々な人から「タレコミ」が行なわれます。もちろん、匿名のものもあれば、
実名のものもあります。当然、いい加減なものも多くあります。その中で税務署は「親族」、
「別れた妻」、「解雇された従業員」などからのネタは重視します。なぜなら、過去の経験
から「核心を突いている」ことが多いからです。具体的な資料のコピーが郵送されてくる
こともあるそうです。
実際に、こんな例がありました。社長の妻が経理を担当していました。その後、社長は
離婚し、元妻は税務署にタレコミ、税務調査で大きな問題が見つかりました。経理を担当
していたから、色々なことを知っていました。この結果、社長は離婚について多額の慰謝
料を取られ、会社は多額の税金を取られました。まさに、踏んだり蹴ったりです。
さらに、こんな例もあります。解雇した従業員が税務署にタレコミました。その次に、
労働基準監督署に飛び込みました。そして、この会社は両方から調査を受けることになっ
たのです。結果は、税金と未払賃金をダブルで支払うことになったのです。
いかがでしょうか。会社にとって、社長の離婚、従業員の解雇はその時点の結果で終わ
らないこともあるのです。別の形に発展し、会社の負担が増えることもあるのです。会社
経営にとっては、様々なことがリスクになりますので、ご注意下さいね。
18.過去の決算書の比較と税務調査
税務調査官は最低でも過去3期分の決算書を並べて比較しています。そして、そこに大
きな数字の変動があると、「この数字の変動はなぜ?」、「何かあるかもしれない」と思うの
です。
例えば、よくある事例をご紹介しましょう。A社は期末近くになり、多額の利益が出る
ことが確定しました。そこで、関係会社のB社に外注費を計上しました。このよう場合、
業務の実態が無いこともあります。つまり、契約書だけの関係です。ひどい場合は契約書
も無く、経理処理だけがしてある場合もあります。
しかも、このA社は期末までにB社に外注費を支払いませんでした。すると、決算書は
- 17 -
下記のようになってしまいます。
損益計算書
貸借対照表
過去の決算書と比べて、その期だけ多額の外注費が計上される
(期末までに支払ったとしても、外注費は過大になる)
過去の決算書と比べて、その期だけ多額の未払金が計上される
このように大きく数字が変動することはよくありません。なぜなら、税務調査のきっか
けになり得るからです。毎期、同じように商売をして、数字が大きく変動することは「基
本的には」ありません。しかし、
「何か」があると、数字が変動してしまうのです。そして、
税務調査官はその「何か」を探しにくるのです。
あなたの会社は大丈夫ですか?税務調査官は数字の大きな変動を「必ず」見ています。
だから、利益が出ても、無意味な外注費を計上するのは止めましょう。そんな方法よりも、
きちんと節税する方法は沢山あります。まずは、通常の節税すべきポイントをチェックし
て下さい。次に、特別な方法が無いかを検討して下さい。
しかし、それを逆にしてしまう人が多いのです。この結果、「グレーになる」、
「税務調査
で説明するのが苦しい」、「税務調査で否認される」となるのです。だからこそ、やるべき
節税からやる必要があるのです。
19.税務調査官の質問の仕方
税務調査の立会いをしていると、税務調査官が聞いてきます。「社長、本当は○○なんで
すよね。」かなり核心をついた質問です。しかし、社長も何とか説明しています。ただ、税
務調査官も怪しいと思っています。
このような場合、税務調査官は「適当に時間を空けて」、「何度も角度を変えて」質問し
てきます。なぜなら、何度も角度を変えて質問するうちにボロが出ることがあるからです。
そして、これは「確実な過去の経験則」として知っているのです。だから、何度も同じ質
問をするのは「意図的」なのです。
中には1回質問されて、「ホッ」とする社長もいます。「ここは何とか切り抜けた」と。
しかし、本当はそこからが本番です。怪しいと思う部分は「何回も」質問が飛んできます。
本当に「何回も」です。なぜなら、そこから突破口を開くのが税務調査官の方法だからで
す。だから、あなたは何回も同じことを聞かれても、「違うことは違う」と繰り返すことが
大切なのです。
- 18 -
実際、私自身も大きな案件に関与したことで税務調査を受けたことがあります。この時、
私は角度が違う同じ質問に対し、「違います」という言葉を20回以上は言いました。判で
押したように(重要!)
。結局、この税務調査は空振りに終わりました。
たしかに、税務調査は嫌なものです。ビクビクすることもあるでしょう。でも、自分を
しっかり持ち、きちんと主張することが大事なのです。ある意味、税務調査ではそれが最
も大事なことなのです。覚えておいて下さいね。
20.関係会社との取り引きで注意すべきポイント1
関係会社との取引がある場合、取引の実態や合理性、取引金額の妥当性などが税務調査
で問題になることがあります。関係会社との取引は内容、金額などを任意に決められます。
そのため、それが問題になりやすいのです。また、中には節税の域を出ているケースもあ
るでしょう。
ただ、よく考えてみて下さい。相手は百戦錬磨の税務調査官です。過去に何百社も調査
してきた経験則もあります。「一般の人が税務の専門知識を持たずに、自分の会社の事例だ
けで考えた方法」と「税務職員が税務の専門知識を持って、多くの会社の事例に当たって
否認してきた方法」とではどっちが勝つでしょうか。答えは明白ですよね。
だから、私は関係会社との取引を節税に利用したいというご相談者がいらっしゃった場
合、2~3の質問をします。これは税務調査の現場でされるであろう質問です。つまり、
予行演習です。ただ、この質問に対して答えられない場合もよくあるのです。なぜなら、
その関係会社との取引に合理性が無いからです。
例えば、「A社の機械をB社に売ったことにしたい」という場合を挙げましょう。税務調
査官は「A社からB社に送った輸送費の請求書を見せて下さい」、「B社での設置費用、試
運転費の請求書、明細を見せて下さい」という質問をするでしょう。しかし、存在して当
然の書類を見せられないのです。そんな取引は危険すぎるのです。また、これは否認され
たら、重加算税の対象にもなるでしょう。
もし、関係会社間での取引が否認されると、経費(例:関係会社への外注費)として
処理していたものが「寄付金」とされます。そして、「寄付金」とされると、ほとんどが経
費にならないため、税金が増えてしまいます。
これを平成12年に東京地裁で出された具体例で解説しましょう。まずは、前提条件を
ご説明致します。
- 19 -
○
親会社A社、子会社B社
○
A社はB社に管理、技術援助、営業などを提供している
○
B社はA社に経営指導料を支払っている
この取引に関して、税務署はこう主張しました。
○
A社が一定の業務を提供していたことは認める
○
業務を個別にみると、対価性が不明確な部分もある
○
経営指導料の計算根拠も正当でない
○
一部分を寄付金とする
しかし、B社は反論しました。
○
提供された業務は個別にみるべきではない
○
過去の覚書に基づいて、支払われている
○
あるガイドラインを計算根拠としている
○
この取引は正当であり、寄付金ではない
結果、東京地裁はB社の主張を認めました。
企業規模を問わず、関係会社との取引はよくある話です。その時のポイントは「同業他
社と同じ契約をするなら、どうなるのか?」、「取引した時期、内容、実態、合理性」、「金
額の計算根拠」、「契約書などの有無」などです。
ただし、「関係会社だからこそできる費用対効果の高い取引」もあります。逆に言えば、
「第三者はそこまではやってくれない取引」ということです。この場合は、同業他社での
取引と比較できません。もちろん、費用対効果が高いのであれば、それは合理性がありま
す。こういう場合は「業務を提供されたことによる利益(=費用対効果)」で考えることも
OKです。必要以上に保守的になる必要はありません。もちろん、意味のない取引での利
益移転はいけません。
あなたの会社では、関係会社との取引がありますか?もし、あるならば、「取引の内容、
実態」、「金額の合理性」、「取引の時期」を説明できるようにしておくことが重要です。関
係会社との取引は税務調査で必ずチェックされるポイントです。必ず、きちんと説明でき
るようにしておきましょう。説明ができないような取引は寄付金とされてしまいます。
ちなみに、寄付金とされても一定額までは経費になります。つまり、税金の対象にはな
りません。その限度額は「ざっくり考えれば」、「利益額×1%」と覚えておいて下さい。
つまり、ほとんど経費にならないということです。
- 20 -
21.関係会社との取り引きで注意すべきポイント2
先日、こんなご質問を頂きました。
「私は同族会社を2社(A社、B社)経営しています。
そして、A社はB社に外注費を支払っています。この外注費が税務調査で「高すぎる」と
問題になっています。高いか、安いかはどう判断したらいいのでしょうか?
まずは確認です。このような外注費が高いか安いかはケースバイケースです。明確な線
引きは法律ではできません。ただ、
「法律が無いので、何でもあり」とはなりません。なぜ
ならば、税務署がこのような取引を否認する根拠があるからです。それは、「同族会社のど
んな取引でも、税務署が税金逃れとすれば否認できる」という「法律」です。
だから、形式上は合法的でも、それが税金逃れとされれば、否認されてしまうのです。
結果、線引きの無い金額の判断は非常に難しい場合もあります。だから、私はこのような
ご質問にはこう答えます。
○
第三者間で同じような取引があれば、それはいくらなのか?
○
その第三者は、今回、判断すべき同族会社と事業内容、規模などは同じか?
これら2点は平成13年に納税者が勝った事例の根拠で、これらで考えて妥当でないな
ら考え直すべきです。そして、この話をすると、詳細な取引内容をベ-スに話が進みます。
ただ、詳細をお聞きすると、「他社での事例が無い」、「あったとしても、規模が全然違う」
ということもあるのです。
だから、私は次の判断として「合理性」を考えます。企業は利益を追求することが大前
提です。だから、「経済的に合理性の無い取引」は通常、あり得ません。こういう取引は否
認されるリスクが高いのです。つまり、「経済合理性」が必要なのです。具体的には、「そ
の取引は赤字か黒字か?」、「その費用に対する費用対効果はどの程度か?」などの「経済
合理性」を考えます。
実際、過去の判例などを見ても、同じような取引でも経済合理性のある取引は認められ、
経済合理性の無い取引は否認されています。
いかがですか?あなたの会社では、関係会社間の取引がありますか?そして、費用の妥
当性を判断しにくいものがありますか?その最終的な判断は誰にもできません。基本的に
は、税務調査の際に判断されるからです。だからこそ、現時点での「経済合理性という考
え方」が重要なのです。
否認されてから、「あー、やっぱり」と思わないで下さいね。税務調査が終わった時、そ
の結果に「あー、しまったなあ」と思う方が多いことも事実です。そういう強く印象に残
- 21 -
っている時期にこそ、今後の対策をして下さい。そうしないと、歴史は繰り返されてしま
います。私はそういう会社を「何社も何社も」見てきたのです。
22.休眠している会社と事業の実態
今回の事例は平成5年に国税不服審判所から出た裁決です。まずは、前提条件をご説明
します。
○
A社の事業は建設業(黒字)と食品製造業(赤字)
○
赤字と黒字を相殺して申告するので、納税が減少
○
食品製造業の設備、土地などはA社の所有
○
食品製造業はA社の事業だが、B社の名前で販売していた
○
納品書、預金口座、公共料金の支払いなども「全て」B社名義
○
食品製造業の損益、預金はA社で計上
この状況の中で、税務署は下記のように否認しました。
○
設備などの名義がA社であっても、食品製造業はB社の事業(設備の所有者と事業
主は関係ない)
○
納品書、出荷用ダンボールなどは全てB社名義
○
道路の案内板、電話帳にもB社が掲載
○
食品販売業はB社で計上すべき
○
A社が負担した食品販売業の赤字はB社に対する寄付金(B社に対する寄付金は大
半が経費にならない)
これをまとめると、帳簿上の取引の全てをA社で計上し、形式上は「誰が見ても」食品
製造業はB社の事業という状態です。これに対して、A社も反論しました。
○
食品製造業はB社ではなく、A社の事業
○
B社は設立したものの休眠中
○
食品ブランドのイメージのため、B社の名前を使っただけ(建設業A社のイメージ
で食品は売れないから)
○
損益も預金もA社で計上することは妥当
この双方の主張に対して、国税不服審判所は
○
B社は休眠中であり、事業を行なっている証拠は無い
- 22 -
○
B社の申告書には「営業活動なし」と記載
○
A社は食品製造業もA社の事業として申告
○
食品販売業はA社の事業であり、B社は単なる名義借り
と判断し、A社の主張を認めたのです。
いかがでしょうか。関係会社が別の事業を行なっている場合はよくあります。ただし、
その場合は「その取引、収益はどの会社に帰属するのか?」という点にご注意下さい。
この場合、
「その根拠となる書類、議事録はどうなっているのか?」
、「その活動をしてい
る社員はどの会社の社員なのか?」
、「その社員の名刺、制服のネームはどの会社なのか?」
などの「形式」は当然、重要なポイントになります。
実際、今回の事例では「形式上は」B社の事業だったのです。だからこそ、形式「も」
整備することは重要です。なぜなら、意味の無い指摘を受ける可能性もあるからです。当
然、最も大切なのは「その事業を行なっている会社の実態」です。これが無くては意味が
ありません。
春、秋は税務調査の多い季節です。上記の事例は「争っても」、勝てたからいいのです。
私が税務調査で一番嫌なのは争えないケースです。
例えば、下記のような状況です。
○
税務調査官は「単なるミス」に重加算税をかけると主張
○
このミスは「単なるミス」かそうでないか、微妙な部分あり
○
調査官も気付いている「突っ込まれたくないポイント」あり
突っ込まれたくないポイントを否認されたら、致命傷です。だから、こういう場合は争
いにくいですね。私にとって最も重要なことは「顧客の今後の事業が最もスムーズに進む
よう」に税務調査の結果をソフトランディングさせることです。
だから、私はこういう場合、社長と話し合います。そして、今後の事業の効率を優先さ
せます。結果、税務署の主張を飲まざるを得ないこともあります・・・。こういう場合は
歯がゆいですね・・・。だからこそ、普段から取引、処理には注意して欲しいのです。「税
務調査の連絡が来た。それ、準備しろ」では遅いことも沢山あるのです。
ただ、現実としてはこれでは防げないものもあるのです。だから、税務調査があると、
多くの会社が否認されるのです。また、調査を受けた会社の「5社に1社」に重加算税が
課されるのです。ただ、これは事前対策を行なっていれば、回避できた例もあるでしょう。
- 23 -
重加算税は「税務調査の連絡があった後でも」回避することができる場合もあるのです。
税務調査があったら、きちんと事前の準備をして下さいね。ただし、その事前準備の全て
をここで書くことはできません。そのため、事前準備の1つを次に書きます。
23.税務調査と事前準備
今回は「税務調査と事前準備」についてお話しします。法人に対する税務調査の約9割
は事前連絡ありの税務調査です。もし、あなたの会社に事前連絡があったら、何をすべき
でしょうか。まずは、日程、場所(通常は本店)、調査の対象税目、調査対象の事業年度、
用意しておくべき資料、担当調査官の名前、人数を確認して下さい。
もちろん、これらのことは税理士が確認することが多いので、あなたは顧問税理士に聞
けばOKなのです。もし、顧問税理士が確認していなければ、確認してもらって下さい。
なぜなら、その情報から税務調査の準備ができ、当日の流れが推察できることもあるから
です。
それから、下記に「一般的に」用意すべき資料を記載します。こういう総括的なチェッ
クリストはあまり無いので、事前準備にご活用して下さい。税務調査は「事前準備」が非
常に大切ですので、最低でも下記の内容はご確認下さい。
書類名
チェック欄
定款、謄本、議事録(取締役会、株主総会)
□
会社案内、組織図、株主名簿、社内規程など
□
決算書、申告書、届出書
□
契約書、保険証券、稟議書、見積書、納品書、請求書、領収書など
□
総勘定元帳、現金出納帳、売掛金台帳、買掛金台帳などの帳簿
□
振替伝票、入金伝票、出金伝票
□
給与台帳、タイムカード、扶養控除等申告書、社会保険関係書類など
□
預金通帳、小切手帳、手形帳、当座勘定照合表など
□
在庫表、入出庫伝票など
□
レジペーパーなど
□
- 24 -
24.税務調査はロスタイムに注意
税務調査において、社長に対するヒアリングが行なわれることがあります。その中で「思
わぬ社長の一言」から大きな否認額になった事例は沢山あります。もちろん、税務調査は
基本的には帳簿などを調査します。そして、その結果を踏まえて、「最終日の最後」に社長
へのヒアリングをすることもあります。「最終日の最後」、これが「ロスタイム」です。こ
のロスタイムが注意すべき時間帯なのです。
実際に「2日間の帳簿の調査での否認額
<
社長の「最後の一言」から出た否認額」
ということともあります。また、「ロスタイムで100点取られました」という社長にお会
いしたこともあります。
税務調査官がロスタイムで社長に質問する場合、帳簿の調査をして、ある程度つかんだ
上で、直接的、間接的な質問を交えて、社長が得意になるような話題を混ぜながら、同じ
質問を何度も角度を変えて、「意図的に」質問してきます。ロスタイムには十分にご注意下
さいね。
25.税務調査で「絶対に」やるべきこと
税務調査を受ける場合、多くの会社でやらないことがあります。それは会社の経理担当
者が「質問されたことなどの「全て」に関するメモを取っていない」、「税務署に渡したコ
ピーの控えを取っていない」ということです。もちろん、税理士はこれらのことをやって
いるでしょう。しかし、会社自体にこれらの資料が残っていないことが多いのです。それ
では、次回の税務調査の時に困るかもしれません。
なぜなら、次回の税務調査の時、顧問税理士が同じとは限らないからです。これでは会
社は前回の税務調査の詳細が分かりません。また、顧問税理士が同じでも、その事務所に
何年分が保存してあるかは税理士次第です。もちろん、経理担当者が退職している場合も
同様です。
だから、会社自体にも資料を残しておく必要があるのです。そうしないと、前回の税務
調査の流れが分からなくなるのです。当然、税務調査官は前回の税務調査の資料を見た上
で、税務調査に来ます。しかし、こちらはそれを見ていない、知らない・・・。それでは、
準備不足なのです。
だから、あなたの会社が税務調査を受けるなら、「必ず」メモを「詳細に」取ってくださ
い。渡したコピーも会社に保存して下さい。メモをとることは大変ですが、次回の税務調
- 25 -
査時に必ず役に立ちます。例えば、どういう流れで何を調べたのかが分かります。指摘や
否認があった事項は覚えていても、全体的な流れは覚えていないことが多いのです。ただ、
大切なことですので、きちんとメモをとって下さいね。
26.飲食店に税務調査が入ったら
先日、税務調査官だった方とお話しする機会がありました。今回はその方が飲食店(フ
ィリピンパブ)を調査した時の実話をお話しします。まず、事前調査のため、実際に店で
飲食をしました。その際に税務調査官が下記のことを店内で行なったそうです。
○
自分達、周りの客の注文内容
○
店内の客の状況(現在の客数、入出店の時間と人数)
○
トイレに行った際、レジ周りの状況の確認(予約帳などの有無の確認、使えるクレ
ジットカードの種類の確認
→
予約分も売上計上されているか?、クレジットカ
ードの全種類が売上計上されているか?)
○
代金の支払状況(レジを打ったか、セカンドバックから釣り銭を出したか?)
○
店に入る前、出た後の店外での調査(客の入出店の状況確認、オーナーの乗ってい
る車の確認)
○
非常口の有無の確認(無予告調査の場合、逃げられないようにするため)
これらの情報をトイレでこっそりメモしたそうです。そして、その後に税務調査に入っ
たそうです。すると、注文した内容の一部が売上に計上されていませんでした。つまり、
売上除外です。当然、重加算税の対象です。ちなみに、重加算税は「追加の税金×35%」
です。もったいないですよね。しかし、こういう事例は世の中から無くならないのです。
税金は「収入-経費」で計算されます。だから、税金を安くするためには、「収入を減ら
すか」、「経費を増やすか」しかないのです。
もちろん、その他にも税務調査のポイントは「消費税を控除できない項目につき、控除
をしていないか?」、「源泉所得税を徴収すべき項目につき、徴収もれが無いか?」、「裏金
などの不正は無いか?」なども税務調査のポイントになります。ご注意下さいね。
- 26 -
27.その議事録は本物?偽物?
あなたの会社では株主総会、取締役会などの議事録をきちんと作っていますか?もちろ
ん、これらをきちんと開催し、議事録も作っている会社は問題ありません。しかし、多く
の中小企業では議事録が形骸化していることも事実です。しかし、税務調査でこの真偽が
問題になることもあるのです。
まず、平成10年に国税不服審判所から出た裁決をご紹介します。これは、役員退職金
を決議した取締役会議事録の真偽が争われた事例です。最初に前提条件をご説明します。
○
取締役会は開催されたが、議事録作成は司法書士に丸投げ
○
議事録に記載された開催時刻は午前11時45分(実際の開催時刻は午後6時)
○
議事録に記載された出席取締役は8名全員(実際の出席者は取締役A以外の7名)
○
議事録に記載された議長は代表取締役(実際の議長は「別の取締役」)
この状況で税務署は下記のように主張しました。
○
この日、取締役Aは出張だから、午前11時45分の取締役会には出席できない
○
取締役会の議事録は事実と相違している
○
役員退職金の決議がされた事実は認められない
○
役員退職金を経費として認めない
そして、納税者は税務署の主張を受け入れず、下記のように主張しました。
○
取締役Aは日帰り出張のため、午後6時の取締役会には出席できる
○
取締役Aのタイムカードの退社時刻も午後6時47分となっている
○
別の取締役の手帳に「18時に取締役会」と記載があった
○
以上の理由から、取締役会は実際に開催されている
○
役員退職金は経費として認められるべき
結果として、国税不服審判所は納税者の主張を認め、税務署の主張を退けることになっ
たのです。実際にはもう少し細かいのですが、ここでは止めておきます。このように、議
事録の真偽が問題となり、問題になる可能性もあるのです。
あなたの会社では議事録を適正に作っていますか?もちろん、株主総会、取締役会を適
正に開催し、議事録を適正に作成することに越したことはありません。ただし、中小企業
では、株主総会、取締役会が形骸化し、議事録の紙だけが作られていることも多いのです。
しかし、「その真偽が問題となることもある」ということを覚えておいて下さいね。
- 27 -
28.クルーザー、フェラーリは経費になるのか?
「会社名義のクルーザー、フェラーリは経費になりますか?」と聞かれることがありま
す。クルーザー、フェラーリの他に別荘なども聞かれることがあります。さあ、これは「会
社の経費になる」、「会社が社長の個人的な費用を負担している」のどちらでしょうか。
これに関して、面白い裁決があるのでご紹介します。まずは、前提条件です。
○
クルーザー、フェラーリを会社名義で購入している
○
クルーザーは接待用、福利厚生用
○
フェラーリは通勤、移動、出張用
○
クルーザーを利用した接待、福利厚生の記録無し
○
出張旅費規定もあり、フェラーリで移動した記録あり
これに対して、税務署は下記のように否認しました。
○
同族会社だからできることである
○
クルーザー、フェラーリとも個人的な物である
○
減価償却費は認められない
○
クルーザー、フェラーリの購入費用は役員賞与である
しかし、会社は下記のように主張しました。
○
クルーザーには給油の記録があり、接待用、福利厚生用として利用している
○
フェラーリは2人乗りではあるが、特殊ではないし、実際に、会社で使用している
○
フェラーリを自宅に保管しているのは、管理上の問題
そして、最終的に、国税不服審判所はクルーザー、フェラーリのそれぞれに関して、別々
の判断をしました。クルーザーに関しては、「接待の記録が無い」、「福利厚生の規定、記録
などが無い」、「個人的に使用した場合の利用料を取っていない」ということで、税務署の
主張を認める。フェラーリは「他の役員が使用しても記録無し」、「出張旅費規定により、
旅費精算書の記録あり(処理も適正)」
、「個人的な趣味があっても、会社で使用されている
からOK」、
「個人名義でも自動車を所有(経費は個人負担として区別)」ということで、会
社の主張を認める。
つまり、クルーザーは認めないが、フェラーリは認めるということです。
いかがですか?同じような物でも、判断が分かれたことは興味深いですね。ここで大切
なことは「クルーザー
=
会社の経費にならない」ではありません。クルーザーに関し
- 28 -
て「会社が接待、福利厚生の事実を立証できなかった」ということです。
自分が主張するなら、「自分で立証」しなければならないのです。普段から記録を残すこ
とは税務調査で大きな力を持つのです。あなたの会社は「自分が主張することに対する立
証責任」があるのです。
逆に、税務署は「否認することに対する立証責任」があります。しかし、税務署には「同
族会社の場合、税務署が駄目と言ったら否認できる」という伝家の宝刀があります。今回
の事例でも税務署はこれを使って、否認してきました。
いかがですか?あなたの会社では、グレーゾ-ンの事実はありますか?もし、あるなら、
必ず「立証するための証拠」を残して下さい。それが「会社側の大きな力」になるのです。
29.税務調査官のミスで認められたことはOKか?
A社に税務調査がありました。その際、特殊な「事故防止の保険料」が否認されました。
つまり、経費にならないということです。しかし、A社は反論しました。なぜなら、「A社
は前回の調査で詳細な説明をした(管轄官庁にも確認)」
、
「当時の調査官も「OK」と回答
した」からです。これが今回の税務調査で否認されたのです。過少申告加算税も付いてき
たのです。さあ、どうなるのでしょうか。
この事例は平成15年に国税不服審判所から出た裁決です。結果はA社が勝ちました。
まあ、当然と言えば当然ですね。詳細な説明をした上で、
「OK」という回答をもらったの
ですから。しかし、税務調査官も間違った判断をすることもあるのです。
実際、私自身も同じ体験をしたことがあります。私の事例はある取締役が「役員、また
は、役員兼従業員のどちらになるか」で争った事例です。この会社はその取締役には従業
員としての賞与を支払っていました。だから、それが経費になるかが問題になったのです。
前回の調査では「詳細な説明」をした上で、
「役員兼従業員でOK」
、「従業員としての賞
与もOK」ということになったのです。それが今回の調査で指摘されたのです。だから、
私は反論しました。上記の裁決も事例に挙げました。その結果、税務署は私の主張を認め
てくれました。税務調査官も人間だから、ミスをすることもあります。
大切なことは「指摘に対して説明した資料、記録を詳細に残しておくこと」、「次回の調
査時には、それを提示すること」、
「詳細に説明し、
「OK」となったことには反論すること」、
「それが税務調査官のミスだった場合、今後は改善すること」です。
- 29 -
いかがですか。税務調査に関して、よくある質問に「前回、指摘されなかったからOK
ですか?」、
「前回、認めてもらったからOKですか?」というものがあります。
この回答は「前回、指摘されなかったからOKですか?」については、「見つからなかっ
ただけかもしれない(=OKとはいえない)」ということです。
また、「前回、認めてもらったからOKですか?」については、「詳細な説明の上、認め
てもらったなら、基本的にOK」、「それが調査官のミスなら、今後は改善」、「否認はされ
ていないが、指摘されたことは改善」ということです。
税務調査では色々なことが起こります。だから、現場で対応する能力が問われるのです。
正直、税理士により税務調査に対する考え方、対応能力、過去の判例などの知識量は違い
ます。この結果、税務調査の結果も変わってきます。だからこそ、自分の身を自分で守る
ための最低限の知識が必要なのです。最終的に申告書にハンコを押すのはあなた自身なの
です。
30.税務調査は根本的な趣旨から考える
今日は【少しだけ難しい】ですが、
【非常に大切】な内容です。読みながら、必要なこと
を【紙に書いて】、【ゆっくり】読んで下さいね。
以前、税務調査で調査官と意見が相違したことがあります。今日は、こういう場合の考
え方をお話しします。
まずは前提条件ですが、少し複雑なので、下記条件を【必ず】紙に書いて下さい。
○
A社はC社に出資
○
A社はC社に多額の資金も貸している
○
B社(上場会社)もC社に出資
○
C社は大赤字で債務超過
この状況の中、B社からA社に「C社を連結対象から外したいから、追加で増資してく
れないか」という依頼がありました。A社がC社に増資すれば、B社の持分が下がります。
だから、C社はB社の連結対象から外れるのです。
しかし、A社にはお金がありません。そこで、「C社に貸している貸付金」を「資本金」
に振り替える増資をしました。
- 30 -
具体的には、下記のようになります。
○
A社の処理
「C社への貸付金」
→
「C社株式」
○
C社の処理
「Aからの借入金」
→
「A社からの出資」
ただ、まだまだC社は債務超過です。その後、A社は決算時に「C社株式の評価損」を
計上して、申告しました。しかし、その評価損が税務調査で問題になったのです。
なぜなら、「増資後の株式の評価損は駄目」という通達があるからです。税務調査官はこ
れを根拠に譲らない態度です。
しかし、私は反論しました。この通達は「増資
=
業績の回復を期待
=
評価損の
対象にならない」という趣旨です。もちろん、通常の増資であれば、業績の回復を期待し
てのことでしょう。なぜなら、無駄になると分かっているお金を投資する会社は無いから
です。
確かに、通達の表面上の形式では、評価損は計上できません。しかし、この場合は趣旨
が違います。しかし、今回の増資は下記の状態です。
○
業績の回復を期待したものではない
○
C社をB社の連結対象から外すこと【だけ】が趣旨
○
A社にはお金が無いので、C社に対する貸付金で増資
つまり、意味が全く違うのです。だから、私は下記を見せ、反論しました。
○
「法人税基本通達逐条解説」という本に書いてある通達の趣旨
○
平成7年に納税者が勝った国税不服審判所の裁決(今回の事例に似ている)
その結果、評価損の計上は認められました。当然、相当なやり取りを調査官ともやりま
したが・・・。
いかがですか?確かに、形式だけを考えれば、今回の評価損は計上できません。そして、
調査官は形式から否認しようとしました。だから、私は「形式ではなく、実質から」反論
したのです。その根底にある趣旨なども含めて考えなければ駄目なのです。当然ですが、
法律で全てのことを決めることはできません。だから、グレーゾーンが発生します。そこ
は形式だけではなく、【物事の本質】で考えるべきなのです。形式だけで判断してはいけな
いことが沢山あるのです。
- 31 -
皆様からの熱いメッセージが私の活力となります。
この税務調査の小冊子をお読み頂いたご感想をお寄せ下さい。
会社
例:東京都港区(都道府県と市区町村のみで OK)
御社名
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お客様から頂いた上記の内容を「お客様の声」として、弊社ホームページなどに掲
載させて頂いてもよろしいですか?
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「はい」にチェックを入れて頂いた方には、見田村が税務会計のポイントを書き下ろし、ア
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「はい」にチェックされた場合はアドレスをご教示下さい)
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- 32 -
✉info@j-central.jp
最後に
私の税務調査ノウハウの「全て」を活字にするためには膨大な時間がかかります。そのため、
セミナーを開催し、このノウハウをお伝えしたところ、下記のお声を頂きました
さらに深い税務調査ノウハウをお知りになりたい方はDVDをご覧下さい。巻末にお申込用紙が
ございます。
福岡県北九州市 株式会社アービックマネジメント 代表取締役 山崎勝次 様
税務調査に対する漠然とした不安がありましたが、事前の心構えやその準備がわ
かった事は心強い。脱税ではなく、経営者自ら節税の勉強をしようと思う。
愛媛県松山市 大石コンサルティング事務所 大石雅一 様
税務調査の対応方法が具体的に理解でき、事前に何をすべきか良くわかりまし
た。”調査前の○○○○”は参考になりました。税務署との応酬話法にも自身がつき
ました。
東京都小金井市 益田税理士事務所 税理士 益田あゆみ 様
税務調査の本は手にしますが、今回のセミナーは、本よりも深い内容で、理解を得
ることができました。調査前のポイントが多かったので、お客様にも提供していきた
いと思いました。沢山の経営者の方々からご相談を受けている見田村先生ですの
で、たくさんの事例からの話でしたので、理解が深まりました。
東京都葛飾区 座間英明会計事務所 税理士 座間英明 様
今回はお客様にどの様に税務調査対策を講ずるべきか、知識の再確認の為、参加
させていただきました。税務調査を有利に進めるには調査官の立場状況を理解し、
利用して交渉するのがポイントであるかと思います。その中で、調査官も「人」であ
り、「不用意な喧嘩は売るべきではない」というのが印象的でした。私の周りには、調
査はケンカだ!!と言っている税理士もいますが・・・。具体例を混えた解りやすいご
説明、ありがとうございました。
兵庫県芦屋市 外資系生命保険会社勤務 金園哲雄 様
税務調査官の心理、人事考課から来る調査方法などが良く理解できました。 特に、
事前連絡がある場合の事前準備などが参考になりました。 前後しますが、いつもメ
ルマガを拝見させて頂いてます。非常に参考になることが多いメルマガなので今後
も宜しくお願いします。 最後に、見田村先生、本日はありがとうございました。
- 33 -
東京都新宿区 (有)ウィードビジネスコンサルティング 代表取締役 佐藤治夫 様
税金にくわしくない者でもわかりやすいテキストと先生のお話しぶりでした。 テキスト
の各ページについての解説を適切な時間内で説明していただき、集中して聴くこと
ができました。
神奈川県横浜市 佐藤亜津子税理士事務所 税理士 佐藤亜津子 様
本日はありがとうございました。知識の整理をすることができました。また、主張すべ
きこと、譲らなくてよいこともクリアになりました。
新潟県三条市 有限会社住宅仮設工業 熊倉博之 様
たいへん分り易く、今後の改善に役立てたいと思います。
熊本県宇城市 有限会社中央総合設備 吉井章 様
・売上基準がはっきりした点が特にためになった。
・税務調査の受け入れ態勢がよくわかった。
東京都江東区 有限会社フレスコ 紺野慎一 様
今年の2月に初めての税務調査を受けました。会社設立が1994年ですから、10年以上経って
のことです。 具体的な準備や心構えもないまま、嵐のような勢いで2日間に渡る調査が過ぎてい
きました。 後の祭りですが、今日のセミナーを受講していれば防げたはずの内容があり、もっと早
くに駆け付けていればと思うと残念です(笑)。 二度と税務調査は御免ですが、そうはいかないで
しょうから、次回調査にしっかりと役立てたいと思います。
神奈川県横浜市 株式会社メイクリーン 代表取締役 船越芳孝 様
重加算税の怖さを知りました(特に役員への支払いがらみ)。調査前の○○○○の手続を上手に
使って、過去のものを見直してみたいと思います。又、特殊支配同族会社の社長給料の損金不算
入の件もすっきり理解出来ました。ありがとうございました。節税のセミナーがあったら又出席した
いと思います。
東京都目黒区 有限会社ワイズ 代表取締役 栗山由夫 様
税務調査を受けたことがないので、色々と参考になりました。重加算税がそれほど簡単に課税さ
れるとは思いませんでした。今後は、もう少し考えて、税務対策をしたいと思います。
東京都葛飾区 高橋浩税理士事務所 税理士 高橋浩 様
実際の体験に基づいた対策はとても参考になりました。また、事前予防策まで教えて頂き、とても
助かります。
- 34 -
大阪府四條畷市 有限会社八佳堂 代表取締役 井上博司 様
小規模の為か、10年以上税務調査はありませんが、 来るべき調査に向けて参考になりました。
調査対象のセミナーですが、最後の質疑応答などの中でそれ以外の税務関係の話も聞くことが出
来良かったと思います。
新潟県三条市 有限会社住宅仮設工業 熊倉純子 様
参加する前は話の内容がむずかしくて、理解できなかったらどうしようかと思いましたが、 ホワイト
ボードを使っての説明は、わかりやすかったです。 資料の説明が具体的で、これからの仕事に役
立てそうです。いろいろな質問にも答えていただきありがとうございました。 ※メルマガも楽しく役
立っています。
東京都港区 有限会社アイピーエキスパート 代表取締役 野口恭弘 様
備えあればうれいなし。大変有意義でした。 創業して税務調査は未経験ですが準備できました。
兵庫県神戸市 青木秀雄 様
全般的に非常にわかり易いセミナーでした。 今迄何度も税務調査、又料調、広域を受けています
のでかなり理解していたつもりでしたが、 知識不足も多々有り、参考になりました。
兵庫県加古川市 菱神産業株式会社 代表取締役 上野勇次 様
12年以上税務調査を受けておりません。創業社長が死亡時、1995年の保険金収入で航空機の
レバレッジドリースを3千万入れました。 次決算9/末でしたが満期になり、多額の収益が発生しま
す。先期2007年9/末も本業で1千万以上の利益が出たため、 13年前に一度(初めて)受けた
以来の決算、調査対策に非常に役立ちました。ありがとうございました。
新潟県新潟市 有限会社広伸 総務部長 須貝玲子 様
税務調査官もサラリーマンで出世がしたいのだと言うことなのですネ。ちょうど9月に税務調査が
あったばかりですが、 事前に知っていれば、良かったなぁと言う事がいろいろありました。 次回の
調査の前には役立てたいと思います。
栃木県芳賀郡市 有限会社レストラン栃の葉 見目良一 様
本日は有難うございました。税務は適正に処理されていないといけないことが分りました。 今まで
アバウトで行っていた所がありましたのできちっとしていきたいと思いました。
福岡県大牟田市 有限会社ダイユウ商事 森永瑠理 様
具体的な税務調査の内容というか、ポイントがわかりました。それに伴い、 私の処理(経理)で反
省する点や改善する点が沢山あることに気づきました。 もし、税務調査という事になった時も、少
しは対応ができる様になれたんじゃないかと思います。ポーカーフェイスになるとか。 ありがとうご
ざいました。
- 35 -
静岡県三島市 有限会社市川バラ園 市川明彦 様
テンポ、流れがよく、わかりやすかったです。 普段から整合性、シンプルに経理をしていく必要が
あると思いました。税務調査官と仲良く出来そうです。
愛媛県西条市 アプライズ株式会社 代表取締役 曽我部要義 様
税務調査が来た時の心構えが出来ました。 前回(3年前)の税務調査時は全くの無防備だったこ
とが悔やまれます。
大阪府守口市 松本工務店 松本昌士 様
税務調査への対策はもちろんのことながら、それ以前の 日々の業務についても、いろいろと勉強
させていただくことができました。ありがとうございました。
神奈川県横浜市 セイノーロジックス株式会社 清水伸子 様
ただいやで怖いだけと思っていた税務調査の意識が少しだけ変わりました。先生のおっしゃる通
り、 経営にとっては益のない労力ですから、できるだけ簡潔に終わることのできるよう、準備や心
構えをしたいと思います。 税務署員や受ける側の精神的な部分のお話がたいへん参考になりま
した。
埼玉県上尾市 ヴェルデランド株式会社 岩崎賢一 様
税務調査の基本的事項、具体的対応方法、 考え方を学ぶことができました。有難うございまし
た。
東京都港区 小川昌宏法律事務所 小川昌宏 様
今後の税務調査への対応、対策の指針がみえたように思います。 ありがとうございました。
埼玉県川口市 有限会社大黒堂 安藤哲也 様
税務調査の時期や税務調査官の習性なども知ることが出来て、 とても有益でした。
東京都豊島区 有限会社イエローダック 前田雅博 様
知らない事など色々教えて頂き、大変参考になりました!
東京都目黒区 株式会社シティライフ 佐藤静司 様
税務調査の具体的な考え方、対処法を検討、再確認できました。
愛知県名古屋市 小木曽綜合行政事務所 小木曽卓馬 様
今後の税務調査が本日のセミナーを生かして楽しみになりました。 ただ、本日いただいた「絶対
節税の裏技77」を十分利用した上で(脱税ではなく、節税をし)、調査をむかえたいと思います。
本当にありがとうございます。
- 36 -
東京都港区 株式会社やぶ食堂 国松孝一 様
本当に基本的なことから細かく説明してくださったので、大変わかりやすかったです。
長崎県長崎市 株式会社コアワークス 代表取締役 山口和孝 様
自己責任の重さをしみじみと理解致しました。大変勉強になり、ありがとうございました。
滋賀県大津市 株式会社ブレインズ 代表取締役 服部久敬 様
将来来るであろう税務調査への具体的な対策や心構えの準備ができました。ありがとうございまし
た。
東京都品川区 アーバンホーム株式会社 代表取締役 川東明夫 様
参考になりました。自分の会社に振り返り、気になる点があったのでいくつかチェックしたいと思い
ます。
神奈川県横浜市 株式会社ヨツモト 四元昭弘 様
法人化して10年経過し、当社はまだ1回も税務調査が入っておりません。 今回の税務調査セミ
ナーは非常にわかりやすく、今後来るであろう税務調査に対しての心構えができました。 本当に
ありがとうございました。
神奈川県相模原市 庄司敬子 様
事前に税務調査の本質について理解して用意しておくかおかないかで恐らく結果がかなり違うの
かもしれないと思いました。 DVD だと何度も見る事が出来、重要なことを頭にたたき込めるので
最高の教材だと思う。 相手の事情がわかると漠然とした不安を軽減でき、心強い味方ができた気
分です。ありがとうございます。助かります。
埼玉県入間市 匿名希望 様
税務調査を受けた経験はありませんが、多方面にわたり参考になりました。
東京都千代田区 匿名希望 様
今期8期目となりますが、いまだに税務調査がないのですが、今回のセミナーを受講し、いつ税務
調査が来てもいいように、 準備体制をととのえたいと思います。 今回のセミナーは非常に参考に
なりました。
長野県長野市 税理士 匿名希望 様
税務調査に対する心構え、それを前提とした client への指導で見直すべき点があらためて洗い出
せたことがとても良かったと思います。日常の業務に活かしていきたいと思います。税務調査のこ
ない申告書の作成と税務調査が来た時の論的根拠についてはいつも心がけていますが、やは
り、経験値にはかなわないなと思って参加しましたが、勉強になりました。ありがとうございました。
- 37 -
静岡県富士市 匿名希望 様
このような講習に始めて出席したので、非常に面白く、勉強になりました。税務署の調査を前にし
て調査に対する心構えが出来ました。これからも日本中央会計事務所を活用させていただこうと
思いました。
東京都板橋区 匿名希望 様
ただでさえ本体の業務で忙しいのに税務調査のための準備や心がまえは難しいと思っていまし
た。 ネットで調べても断片的には得られますが、やはり無料なので、満足のいく情報はなかなか
ありませんでした(机上レベルばかりで…)。 今回のセミナーでは「調査される側が考えるべきこ
と」が明確になりました。又、具体的にどうすれば良いかを教えて頂けたので、 理解する時間と手
間がはぶけました。 メルマガで無料で役立つ情報を発信して頂いたので、何となくセミナーにも参
加してみよう、という気持ちでしたが、 他の税理士さんとはやる気が違うなと感じました。 参加し
て本当に良かったです。ありがとうございました。
福岡県福岡市 匿名希望 様
経理業務合理化目的として、「税務調査に備えてどこまで帳票類を揃えておく必要があるのか」 を判
断する基準を整理したくて、参加致しました。まだ税務調査を受けた経験はありませんが、 今回のセミ
ナーを参考に業務の手順を見直し、余裕を持って日々の業務を進めて行きたいと思います。
東京都中央区 匿名希望 様
本日はありがとうございました。過去に数度、税務調査を受けた中に、1度異常に感じる程の調べ
方をされた事が、今でもトラウマとなり、毎度、必要以上に神経質になって臨んでおりました。何も
不正な事はしていないにもかかわらずです・・・。今回のセミナーで、特にS51年の方針の存在を
知れた事が参考となりました。また、事前の○○○○についても知る事ができて良かったと思いま
す。確りと準備をポイントを絞って行い、堂々と臨める様になりたいと思います。
茨城県ひたちなか市 匿名希望 様
実例を交えての話だったので、とても興味深く、参考になりました。 税務調査はいつくるかわから
ないですが、本日、セミナーに参加したことで、税務官が来ても、 日常の自分で対応できるような
気がします。
大阪府大阪市 匿名希望 様
まだ1度も税務調査が来たことのない会社なので、何から手をつけて良いのかさっぱり分かりませ
んでしたが、 今回のセミナーを受け、今後のイメージ作りをすることができました。参考にします。
ありがとうございました。
青森県八戸市 匿名希望 様
税務調査のポイントが良く分かりました。 明日から実務対策に努めます。ありがとうございました。
- 38 -
さらに深い税務調査ノウハウをお知りになりたい方へ
この小冊子は過去のメルマガを編集したものなので、ご紹介しきれていないノウハウもあります。
もっと色々なノウハウをお知りになりたい方はDVDをご覧下さい。このDVDでは
このノウハウの具体的内容の一部をご紹介します。
税務調査の連絡があったら、「その時点で」必ずやるべきこととは?
税務調査の対象となる会社とは?
勘定科目別の税務調査の対応方法とは?
税務調査の結果に不服な場合、どこまで争うべきなのか?
業種別の税務調査のポイントとは?
重加算税を回避するためのポイントとは?
税務調査官に「判例で決まっている」と言われた時の対応方法は?
これらのノウハウを学んで頂ければ、もう税務調査は怖くありません。このノウハウでは税
務調査官出身の税理士からこっそり教えてもらった内容も含まれています。そのため、市販
の書籍には書けない内容も含まれています。是非、ご覧下さい。
DVDの概要
タイトル
税務調査の徹底対策セミナー
講師
税理士 見田村元宣
内容物
・DVD3枚
・A4サイズテキスト
52,500円
定価
内容にご不満の場合、全額を
返金致します。
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○ お電話(03-3539-3047、平日午前9時~午後5時、担当:総務部 戸張(とばり))
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