算数における電卓の活用

算数における電卓の活用
Ⅰ.はじめに
1999 年 12 月、文部省から新学習指導要領
が告示された。
今回改訂された算数において、私たちが最
も注目したのは、電卓の利用が第5学年から
第4学年へと移行されたことである。なぜ今
回の改訂から第4学年へと移行されたのか、
他の学年からでは利用ができないのかという
ことに疑問をもった。かつて私たちは、小学
校時代に電卓を活用した授業をあまり受けて
こなかった。おそらく教師自身が、どのよう
に電卓を扱えばよいのかを理解していなかっ
たからなのではないだろうか。
また、その背景
には「電卓を使うと基本的な計算技能が低下
する。
」
という考えがあったことも事実である。
今日でも、電卓の利用について様々な人たち
によって議論されている。また、インターネ
ットや文献などで電卓を扱った授業が研究さ
れ始めている。そこで私たちは、
「電卓」を今
回の研究課題とし、電卓についての理解を深
め研究を進めていくことにした。
Ⅱ.研究方法
私たちは、まず算数の授業における電卓の
メリット・デメリットを教師・子どもたち・
教具の3つの視点から考えることにした。
次に、現在小学校で使用されている教科書
では、電卓がどのように扱われているのかを
調べ、教科書出版会社の方に、これまで電卓
をどのように取り扱っていたか、また今回の
学習指導要領の改訂に伴い、今後どのように
対応していくのかということで幾つかのアン
ケートを行うことにした。
学習指導要領における電卓の利用に関する
97E13017 熊原 恵理子
97E13027 立川 真己子
97E13044 八代 悠里
事柄を理解することも重要であると考え、こ
れまでの学習指導要領を比較し、その相違点
を明確にする作業も行った。また、今回改訂
された学習指導要領について疑問に思ったこ
とを文部省に聞く機会を設けることにした。
そして、電卓を子どもたちが効果的に活用
して学習することができるようにするため、
授業でどのように電卓を取り上げたらよいか
を考えながら研究を進めていくことにした。
Ⅲ.研究内容
1.電卓利用のメリットとデメリット
新学習指導要領において、電卓を取り扱う
学年が広げられた。しかし、
電卓を扱うことに
反対する学者も数多くいるという。そこで私
たちは、算数の授業における電卓のメリッ
ト・デメリットを考えることにした。
<教師側のメリット>
・桁数を気にせずに、身近な事柄を問題とし
て取り扱える
・計算のために費やしていた時間を短くで
き、本題に力を入れることができる
・立式判断をする力を高めることができる
<子どもたち側のメリット>
・自主的・自律的な計算が児童個人でできる
・自主的・自律的な計算が児童個人でできる
ようになり、計算技能を高めることができ
る
・電卓を操作することで、課題解決の方法を
試行錯誤できる
・他の子の考えが正しいかどうか、確かめる
ことが容易になる
・電卓を使って自分で課題を作り出すこと
ができる
<教具としてよい点>
・安価であり、児童一人一人に一台持たせる
ことができる
・コンパクトで、必要に応じ随時使用できる
・コンパクトで、必要に応じ随時使用できる
・特別な施設、設備を必要としない
・使い方が比較的簡単である
<デメリット>
・電卓に頼りすぎてしまうと、計算能力が落
ちる
・暗算する力を衰えさせる
・数的思考能力が落ちる
・誤った数を打っても、気がつかない
今日では、児童の各家庭には必ずと言って
よいほど電卓がある。
したがって、学校の授業
で初めて電卓を手にしたという児童は少ない
と思われる。
そして、教えるにしてもさほどの
時間を必要とせずに、だいたいの基本操作を
教えることができるであろう。これほど簡単
で、かつ便利な教具はそれほどない。
電卓利用の最大のメリットは計算の負担
を軽減させることができ、ゆとりの時間が生
じる点である。この時間を生かして、本題に
より力を入れることができ、子どもたちも試
行錯誤できる時間が十分にとれるようになる。
また、大きな桁数の計算では特に、子どもた
ちが授業の途中で意欲を減退させてしまうこ
とがよくあるが、電卓を活用することで、や
る気を減退させてしまうどころか、自分から
さらなる計算方法の発見や、課題などを見つ
けようとする自主的な活動が期待できる。
電卓を扱う際に大切なことは、メリットば
かりに目を向けずに、デメリットを考慮しつ
つ指導計画を考えることだと私たちは考える。
電卓利用の最大のデメリットは、計算能力
の低下である。これが理由で、現在まで電卓
をあまり授業で活用していないという教師は
多い。また、キーの打ち間違えを電卓はコン
ピュータのようには知らせてはくれない。し
たがって、常に見積りなどのように簡単な確
かめをすることが大切になる。
2.教科書で見る電卓の扱われ方
私たちなりに考えた算数の授業における電
卓のメリット・デメリットを基に、小学校で
使用されている教科書では、電卓がどのよう
に扱われているか調べてみた。
教科書での電卓の扱われ方を調べるにあた
り、私たちは 6 社の教科書について 1996 年
と 1999 年の2つを比較することから始めた。
比較してみると、ほとんどの教科書で 1996
年では電卓の利用が扱われていた単元が、
1999 年では、扱われていないことが多かった。
しかし、電卓が扱われている範囲は増えてい
たように思った。
教科書では、考える時間を十分に確保す
る・計算の負担を軽減させる・見積もりの確
かめ・計算よりも立式までの過程を重視する
などの場面で電卓の活用がなされていた。ま
た、電卓遊びや電卓の使い方の単元を用い、
計算のおもしろさに気付かせたり、自分で問
題を作って立式して計算させたりして数に対
する興味・関心を高める場合にも電卓の利用
がなされていた。教科書で実際、利用されて
いる場合をみてみると、実測から円周率を導
く、帯グラフ・円グラフ、人口密度、立体の
表面積と体積の単元で主に扱われていた。例
えば、立体の表面積・体積の単元では、立体
の展開図や平面図形の面積の学習を発展させ
て、立体の表面積を求めることを重要視して
いるため、計算が複雑になる場合にはその計
算の負担を軽減させるのに用いられていた。
しかし、教科書の単元の上のところに利用し
てもよいというマークが書かれているだけで、
実際どこで利用されているか分からない、子
どもの実態をふまえて指導者が決めるべきこ
とであるなどと書かれた教科書に遭遇した。
そこで私たちは、教科書を比較し調べてい
く上で疑問に思ったことなどを、直接教科書
出版会社に聞く機会を設けた。
私たちは、幾つかの教科書出版会社に、今
回の学習指導要領の改訂による
「電卓の利用」
に関する考えと、今後どのように対応してい
くのかということで、アンケート項目を設定
し、質問した。
1.今回の学習指導要領の改定に伴い、電
卓の利用が第5学年から第4学年に移行
されたことについてどう思いますか?
・第4学年でも大きい数を取り扱っているか
らよいと思う。
・第4学年では取り扱う場面が少ないと思う
けどよいと思う。
2.教科書を作成する時に、電卓の利用の
取扱いで気を付けていること(難しいこ
と・工夫していること)は何ですか?
・第2・3学年で筆算を学習するので、それ
までは基礎を重視した教科書作りをして
いるが、第4学年からは大きい数に対して
積極的に電卓を使うようにしている。
・何でも電卓を使うと、
子どもが「計算は電卓
ですればいい」と考えてしまうことがない
ようにしている。
・円周率など、小数第2位の計算については
電卓マークをつけている。
・計算領域ではなく面積を求めるところなど
で取り扱うようにしている。
3.電卓の扱い方で、教師の支援をどのよ
うに考えて指導書を作成していますか?
・電卓を扱うときは、見積もりをさせるよう
に指示している。
・電卓の扱いを押し付けないように、児童の
実態に応じて教師が判断して扱うように
している。
4.電卓の利用が5年と6年を比較する
と、明らかに6年の方が減少しています
が、それはなぜですか?
・6年では、基本的に電卓を扱う場面が少な
いから。
5.2002年度から使用される教科書で
は、電卓をどのように扱おうと考えていま
すか?
・基本的には変わらない。第4学年に電卓の
マークが書かれる程度。
・扱い方は、今と変わらないだろう。
・第4学年では複雑な数値は少なく、電卓を
使う場面も少ない。おもしろい計算などで
電卓に親しむことなどを取り入れたりす
る。
・桁数の軽減があるため、それを超える計算
の場合は電卓を扱うようにする。
・第4学年では、使える範囲が少ないが、第
5・6学年では電卓を利用する場面を増や
した。
6.分数電卓についてどう思いますか?
・各学校に備わっているものではないので、
分数電卓を扱った教科書は作成できない。
・分数は電卓を使って計算するものではない
と思う。
・帯分数が削除されたため、複雑な分数の計
算はあまりないと思うので、分数電卓は必
要ない。
電卓を用いると電卓に頼ってしまい誤操
作などによる誤りに気付かない場合が出てく
る。これを防ぐためにも、計算に取り掛かる
前に計算の見積もりをすることを習慣化する
必要がある。また、筆算を確実に定着させる
ことも重要であるが、計算が難しいと言って
すぐ電卓に頼る子よりも積極的に新しい計算
方法を自分たちで作り出し、それらを活用し
て工夫して計算できるような子どもを育てる
ことも教師次第である。学習指導要領に沿っ
て作られた教科書はあくまでも学習の素材で
あり、それをどのように子どもたちに伝える
かで子どもたちの算数に対する興味・関心や
学習に対する意欲の喚起につながってくるの
ではないであろうか。
教科書は学習指導要領を基に作成される。
そこで私たちは、今回の改訂にどう対応して
いくのか、教科書では電卓がどのように扱わ
れるようになっていくのか、ということを考
えるために、これまでの学習指導要領を比較
し、その相違点を明確にすることにした。
3.学習指導要領における電卓の扱い
今日身の回りにあって手軽に使える道具で
ある電卓が、算数の学習において用いること
が認められたのは、最近のことではない。
昭和43年の学習指導要領から、「簡単な
計算機などによる乗法・除法の指導」を必要
によって行うことは差し支えないとされ、平
成元年から適宜用いさせるようにすることと
された。計算機に変わり電卓という言葉が使
われるようになったのは昭和53年からであ
る。
また、学習指導要領に書かれている電卓の
利用について比較し、整理してみると
・昭和53年 「第5学年以降において適宜
用いさせることは差し支えな
いが」
・平成元年 「第5学年以降において適宜
用いさせるようにすること」
・平成11年 「第4学年以降において適宜
用いさせるようにすること」
と改訂ごとに積極的な利用が勧められるよう
になってきている。
ここで、新・現行学習指導要領の「第3 指
導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱
い」を比べてみると、
(1) 現行学習指導要領では
現行学習指導要領の「2内容の取扱い」に
は、
「(6)統計的に考察したり表現したりす
る際に大きな数を多く取り扱う場面や小数の
乗法及び除法で計算法則が成り立つかどうか
を確かめる場面などで計算の負担を軽減し指
導の効果を高めるため、そろばんや電卓等を
第5学年以降において適宜用いさせるように
すること。その際、概算などによって、計算
の結果の見積もりをしたり計算の確かめをし
たりする場面を適切に設けることにも留意す
ること。
」と示されている。
(2) 新学習指導要領では
一方、新学習指導要領の「2内容の取扱い」
には、
「(5)問題解決の過程において、
桁数の
大きい数を扱ったり、複雑な計算をしたりす
る場面などで、そろばんや電卓などを第4学
年以降において適宜用いるようにすること。
その際、計算の結果を見積もりしたり、計算
の確かめをしたりする場面を適切に設けるよ
うにすること。…」と示されている。
現行の「第5学年以降」を1学年下げ、さ
らに「問題解決の過程において」と、現行よ
りも電卓を用いる場を広げている。
このことは、新学習指導要領「1指導計画
の作成」に「(2)論理的な思考力や直観力、問
題解決の能力育成するため、実生活における
様々な事象と関連を図りつつ、作業的・体験
的な活動など、算数的活動を積極的に取り入
れるようにすること」と関連していると読み
取ることができる。なお、新学習指導要領で
は「計算の負担を軽減し指導の効果を高める
ために」という文はないが、この趣旨は変わ
らないといえる。
2002 年度から、
小学校では新学習指導要領
に沿った授業が展開されることになるが、こ
の改訂を機に算数でどれだけ電卓の利用が増
えるのだろうか。私たちは、新学習指導要領
で分からなかったこと、疑問に思ったことを
まとめ、文部省小学校課 吉川氏に「算数科
学習指導要領での電卓の扱い」についてお話
を伺いました。
(3) 文部省への質問
1.なぜ電卓の扱いが第4学年になったの
でしょうか?
理由としては、電卓を積極的に扱うように
することが挙げられる。ゆとりのある教育が
展開できるように、より一層計算の負担を軽
減することが重視されたからである。
「低学年から使うべきである」「小学校に
おいて電卓を使うべきではない」など、意見
は様々で、いろいろ話し合いが行われて、4
学年からにしようということになった。
2.他の学年(低学年)で扱ってはいけな
いのでしょうか?
先にも述べたが、意見は様々です。マイナ
ス面では、早くから電卓を使うと計算能力が
落ちるということです。プラス面では、計算
の意味についての理解を深めることができる
ということです。
3.
「適宜」の意味は?
適切にという意味でとってください。ふさ
わしい場面(例示してある場面などで)で、
適切に用いるということです。
4.桁数の制限があり、複雑な計算が軽減
される中、電卓の活用範囲を広げています
が、逆に活用する場面が減ってしまうので
はないですか?
今回桁数が細かく決められていますが、そ
の範囲では、筆算でできるようにすることを
重視しています。計算について、第一に計算
の意味について理解できるようにすること、
第二に計算の仕方を考えること、第三に計算
を適切に用いることができるようにすること
が大切です。電卓を用いることで、計算の意
味や計算の仕方などについて理解を深めるこ
とができます。
子どもたちの身近な問題では、
桁数の大きい計算や複雑な計算はもちろんあ
ります。そのため、電卓を適切に用いるよう
にすることが大切です。
5.今後電卓の扱いは増えると思います
か?
先生の意識・判断による。電卓を扱うこと
がいいと思えば使うだろうし、よくないと思
えば使わないだろう。
①電卓を取り扱う学年について
数学者や教育関係者の間では、「低学年か
ら電卓を積極的に扱うほうがよい」「小学校
で電卓を扱うべきではない」など、賛否両論
であり、
今後も議論される課題であると思う。
早くから電卓を使うと計算能力が低下すると
いうマイナス面も、計算の意味や計算の仕方
などの理解を深めるために低学年からという
プラス面もどちらも納得できるので、どの学
年から使うべきなのかは難しい問題である。
しかし、最初にも述べたが、電卓には教具と
して素晴らしい利点があり、電卓を有効に活
用することで算数の学習が楽しいものになる
ことを期待したい。新学習指導要領では、
「整
数の四則計算についての学習が一応完成する
第4学年以降において計算の意味や基礎的・
基本的な技能を確実に身につけつつ電卓を用
いていくようにする必要がある」と述べられ
ている。子どもたちが基礎的・基本的な計算
技能を身につけた上で電卓を利用した方が、
計算能力を高めることができるのではないか
と思う。
②電卓を扱う場面について
新学習指導要領では、「桁数の大きい数の
計算を扱ったり、複雑な計算をしたりする場
面などで」と示されているが、今回の改訂で
計算の桁数が制限されたり、複雑な計算は軽
減されている。このことから、私たちは電卓
を活用する場面が逆に減ってしまうのではな
いかと疑問をもった。私たちは、桁数の小さ
い数の計算については筆算や暗算ができるよ
うにすることが望ましいと考えている。やや
複雑になったら、その処理には電卓と見積り
を活用すればよい。今後教科書の内容では、
おそらく電卓を活用する場は増えないだろう。
しかし、子供たちの身の回りの事象を問題と
して取り上げることは非常に大切なことであ
ると思う。このとき桁数が大きくなることが
予想されるので、このような場面で電卓を活
用するようにしたい。例えば、消費税の問題
や円周率の問題など、小数第2位の乗法の計
算は削除されたが、この程度の計算なら筆算
で指導してもよいと思うが、あまりにも大き
い桁の計算は、
筆算や暗算でしなくてもよい。
新学習指導要領では、標準授業時数のおよそ
8 割の時間数で指導できる内容で構成されて
おり、2割の時間的な余裕ができる。その余
裕を生かして、基礎・基本を繰り返し学習す
ることも必要であり、また学んだことを生か
す場面を使って、発展的に学習できるように
することも必要である。子どもたちの身近な
問題(桁数の大きい計算)は、基礎・基本の
技能を発展的に応用できる場であり、2割の
時間を有効的に使って学習できるようにする
ことが大切であると思う。
③教師の意識の問題
結局のところ、電卓を用いた授業をするの
か、
しないのかは教師の判断に任されている。
1997 年、大阪府教育センターの「算数に対す
る意識および問題に対する考え方の調査」に
よると、約6割の教師が電卓を授業で積極的
に利用したいと考えているようである。今後
電卓を教具として取り扱う教師もいれば、ま
ったく扱わない教師もいることだろう。身近
な問題も電卓なしで、子供たちに考えさせる
こともできるという教師もいるかもしれない。
しかし、電卓のキーを操作する楽しさ、身近
な問題に取り組む楽しさを子どもたちに味わ
ってほしい。電卓を用いた授業では、少しは
子どもたちの眼に輝きが表れるのではないだ
ろうか。教師は電卓を扱うとき、どのような
場面で、どのようなねらいをもって授業を展
開するのか、しっかり教材研究をする必要が
ある。また、児童の実態もきちんと把握して
いなければならない。
Ⅳ.おわりに
今回私たちは、電卓の利用に焦点を当て研
究活動を進めてきた。研究した結果、私たち
は子どもたちが実際に教室で電卓を利用でき
る機会は少ないのではないかという疑問をも
った。なぜならば、教科書の内容は電卓を用
いなければならないほど複雑な計算を取り扱
ったものはほとんどと言っていいほどない。
よって、
電卓を用いた授業を行いたい場合は、
教師自作の問題を作らなくてはならない。ま
た、無理やり簡単な計算に対して積極的に電
卓を利用しようとしたならば、子どもたちは
今後簡単な計算に対しても電卓を利用しよう
としてしまうだろう。
それを避けるためには、
確かめとして電卓を利用するなどという約束
を、
子どもたち全員に徹底させる必要がある。
「電卓=計算能力の低下」と言われることが
あるが、それは電卓を扱う教師の利用の仕方
次第であると言える。「計算は電卓でよい」と
捉えるか、「考えるのは人間」と捉えるかによ
って、子どもたちの計算能力は明らかに変わ
ってくる。また、教科書の内容やその他の問
題に対して、筆算・見積もり・暗算・電卓の 4
つの計算方法を場面に応じて、子どもたちが
自ら適切に用いることができるようになるこ
とが、今後の情報化社会を生きようとする子
どもたちには大切であると考えた。
小学校の教師は子どもたちを中学校へと橋
渡しする役割を持ち、中学校へ行って困らな
いだけの基礎・基本の学力を養わせなければ
ならない。
中学校では桁数の制限がないため、
突然子どもたちは、複雑な計算に出会う機会
が多くなるであろう。その時、子どもたちが
困惑することを防ぐためにも私たちは、小学
校で身近な問題として複雑な計算となる問題
を用意しなければならないと思った。その時
に電卓を利用することを提案したい。
今回の研究に協力して下さった教科書出版
会社の方々、文部省吉川氏有り難うございま
した。これらの研究を生かし、今後の私たち
の教育活動に役立てていきたい。
参考文献
・教員養成セミナー 99 年 2 月号 P51
・学習指導要領 文部省平成 11 年 5 月
・日本数学教育学会誌 1999 第 81 巻第 2 号
社会法人日本数学教育学会算数教育 48−1
・日本数学教育学会誌 1999 第 81 巻第4号
社会法人日本数学教育学会算数教育 48−2
・教科書 1996・1999 年の 5・6 年上下
大阪書籍・学校図書・教育出版・啓林館・
大日本図書・東京書籍
・楽しい算数科授業アイデア集成 11・13
教材・教具活用のアイデア 1
電卓を活用した授業アイデア
明治図書 片桐 重男 1995 年