文部科学省認可通信教育 「音楽Ⅰ」学習指導書 門 谷 行 宏 大阪芸術大学短期大学部 通信教育部 ○音楽理論について 音楽理論には、楽典、和声法、対位法、管弦楽法、楽式論等があるが、この教 科書では、その中で最も基礎的な理論である楽典を学ぶこととする。 ○音楽理論の学習はなぜ必要か 音楽を演奏するには、楽譜の読譜力が必要である。でないと正しい演奏は出来な い。また音楽を鑑賞する場合でも必要な場合が多々あるので、音楽理論の学習は大 切である。しかし最初に音楽を学ぶものにとって、すべての音楽理論が、初めから 必ずしも必要とは限らない。学ぶ必要性がでてくれば、順次学習すればよい。 ○音楽理論の学習方法 1 .学習は、文章等をよく読み、ひとつの項目の内容を理解して記憶してから 次の項目に進むこと。理論は積み重ねなので、忘れてしまうとうまくいか なくなるので注意すること。 2 .楽語も記憶したほうがよい。専門の用語が多くでてくるが、名称と意味を 記憶していつでも思い出せるようにしてほしい。 3 .練習問題とレポートの設題は、よく考えて解答して、能力の向上に努めて ほしい。 ○音楽理論の学習要点 学習要点とは、各章ごとに、どのような点に気をつけなければならないのか、 ということを書いたものである。そこをしっかりと学習しなければならない。特 に重要な章の学習要点は以下のとおりである。それから、問題集の各章の範囲を 示したが、最初は解答集を見ないですること。そして分からない時は、その章を 読み、最後に解答集で答えあわせをすること。 ―1― 第1章 音名 ・音名とは ・幹音とは ・各国の音名と比較 ・全音、半音とは ・黒鍵と白鍵の位置関係 ・オクターブとは ・標準高度と演奏会高度 ・一点イ音の振動数 ・変化記号に使用される記号の名称と意味 ・変化記号の効力(調号・臨時記号)とは ・派生音につけられる音名とは ・異名同音の理解 第2章 音部記号 ・音部記号とは ・音部記号の種類 ・ハ音記号の種類(ソプラノ記号、メゾ・ソプラノ記号、アルト記号、テナー記号) 各音部記号の一点ハ音の位置 ・譜表とは ・五線の名称 ・大譜表とは ・総譜とは ・問題集Ⅰ 音名と譜表に関する問題(P.158 ∼ P.160) ―2― 第3章 音符 ・音符とは ・音符の記譜の仕方 ・音符の形と名称と音の長さ ・付点音符の意味、形と名称と音の長さ ・複付点音符の意味、形と名称と音の長さ ・連符とは 第4章 休符 ・休符とは ・休符の形、名称と休符の長さ ・付点休符の意味 ・休符の特別な用法とは ・問題集Ⅱ 音符と休符に関する問題(P.161 ∼ P.163) 第5章 縦線と小節 ・縦線とは ・複縦線の 4 種の使用例(段落、拍子が変わる、調号が変わる、楽曲の終結) の理解 ・小節とは 第6章 ・拍子とは ・拍子記号の意味 ・拍子の種類 ・単純拍子とは ・ 2 拍子とは ―3― 拍子 ・ 2 拍子の種類 ・ 3 拍子とは ・ 3 拍子の種類 ・ 4 拍子とは ・ 4 拍子の種類 ・複合拍子とは ・ 6 拍子とは ・ 6 拍子の種類 ・ 9 拍子とは ・ 9 拍子の種類 ・12 拍子とは ・混合拍子とは ・ 5 拍子の構造 ・ 7 拍子の構造 ・各拍子の強拍、弱拍、中強拍の位置についての再確認 ・強起と弱起の違い ・完全小節と不完全小節 ・シンコペーションの意味 ・4 種のシンコペーションの例(同小節内、2 小節にまたがる場合、休符による場 合、記号による場合)の理解 ・メトロノームとは ・問題集Ⅲ 拍子に関する問題(P.163 ∼ P.166) 第7章 音程 ・音程とは ・旋律的音程と和声的音程とは ・単音程、複音程とは ・全音階的音程と半音階的音程とは ・長・短・増・減・完全音程の関係(P.56 の図の理解) ―4― ・音程の測定(P.57 の表の理解) ・転回音程とは ・協音程、不協音程とは ・問題集Ⅳ 音程に関する問題(P.166 ∼ P.173) 第8章 音階 ・音階とは ・音階各音の名称 ・長音階の全音と半音の配列 ・ハ調長音階の理解 ・嬰種長音階 7 種の理解 ・変種長音階 7 種の理解 ・調名の意味と例(ト長調、ホ短調)の理解 ・調号とは ・嬰種長音階の調号のつけかたの理解 ・変種長音階の調号のつけかたの理解 ・短音階の種類 ・自然短音階の全音と半音の配列(P.67 の自然短音階の例は、イ調自然短音階) ・和声短音階の全音と半音の配列(P.67 の和声短音階の例は、イ調和声短音階) ・旋律短音階の上行形と下行形の全音と半音の配列 (P.67の旋律短音階の例は、イ 調旋律短音階) ・嬰種短音階の和声短音階 7 種の理解 ・嬰種短音階の旋律短音階 7 種の理解 ・変種短音階の和声短音階 7 種の理解 ・変種短音階の旋律短音階 7 種の理解 ・ 5 度円とは ・問題集Ⅴ 調号と音階に関する問題(P.173 ∼ P.180) ―5― 第9章 調 ・移調とは ・移調楽器とは ・近親調とは ・属調、下属調の理解と違いについて ・平行調、同主調の理解と違いについて ・近親調をみつける方法の理解 ・P.82 の表の理解 ・転調とは ・転調 5 種の理解 ・調の判定とは ・問題集Ⅵ 移調に関する問題(P.181 ∼ P.184) ・問題集Ⅶ 近親調に関する問題(P.184 ∼ P.187) ・問題集Ⅷ 転調に関する問題(P.187 ∼ P.189) ・問題集Ⅸ 調の判定に関する問題(P.189 ∼ P.199) 第 10 章 そのほかの音階 ・教会旋法とは ・ 5 音音階の種類 ・半音階とは 第 11 章 速度標語 ・速度標語の名称と意味 第 12 章 強弱標語と記号 ・強弱標語と記号の名称と意味 ―6― 第 13 章 曲想 ,奏法に関する標語と記号 ・曲想標語の名称と意味 ・ほかの標語につけて意味を限定する用語の名称と意味 ・奏法に関する標語と記号の名称と意味 第 14 章 装飾音と装飾記号 ・装飾音の前打音、後打音の記法と奏法 ・装飾記号の記法と奏法 第 15 章 省略記号 ・小節に関するもの 4 種とは(記号、楽語の意味と理解) ・音符に関するものの記法と奏法 ・問題集Ⅹ 楽語および奏法に関する問題(P.199 ∼ P.208) 第 16 章 3 和音 ・和音とは ・ 3 和音とは ・ 3 和音 4 種(長 3 和音、短 3 和音、増 3 和音、減 3 和音)の理解 ・主要 3 和音と副 3 和音とは ・ 3 和音の基本位置と転回形(第 1 転回和音、第 2 転回和音)の理解 ・和音の配置(通常 4 声体)の理解 ・共通和音について ・和音の機能 T、D、S とカデンツの理解 ―7― 第 17 章 7 の和音 ・ 7 の和音とは ・ 7 の和音 6 種(長 7 の和音、短 7 の和音、増 7 の和音、減 5 短 7 の和音、減 7 の和音、属 7 の和音)の理解 ・ 7 和音の基本位置と転回形(第 1 転回和音、第 2 転回和音、第 3 転回和音)の 理解 ・和音の分析の理解 ・問題集Ⅺ 和音に関する問題(P.208 ∼ P.217) ・問題集Ⅻ 総合問題(P.218 ∼ P.231) ○補足 ・第 8 章音階で、P.62 ∼ P.63 の嬰種長音階 7 種と P.64 の変種長音階 7 種の各調 号は、次のとおりです。 ―8― ・嬰種長音階 〈ト調長音階〉 〈ニ調長音階〉 〈イ調長音階〉 〈ホ調長音階〉 〈ロ調長音階〉 〈嬰ヘ調長音階〉 〈嬰ハ調長音階〉 ―9― ・変種長音階 〈ヘ調長音階〉 〈変ロ調長音階〉 〈変ホ調長音階〉 〈変イ調長音階〉 〈変ニ調長音階〉 〈変ト調長音階〉 〈変ハ調長音階〉 ― 10 ―
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