エルナーニ エルナーニ

イタリア最高峰、
ボローニャ歌劇場が待望の5度目の来日! 新たな歴史を刻む瞬間、2011年9月が待ちきれない!
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清教徒
予定される出演者
フアン・ディエゴ・フローレス(T)
Juan Diego Flórez
アルトゥーロ役
「100年に一人の逸材」
という点ではマリア・カラスにも
匹敵する、奇跡のオペラ歌手。当然、ロッシーニからベッ
リーニやドニゼッティのベルカント・オペラにおける第
一人者。ペーザロのロッシーニ・フェスティヴァルを自身
の芸術上の故郷としており、
ここでオケを務めるボロー
ニャ歌劇場管弦楽団にもっとも信頼を寄せている。
日本
での初オペラ出演は、2002年ボローニャ歌劇場来日公
演の『セヴィリャの理髪師』。2006年には『連隊の娘』で
ハイC連続9回の離れ業を披露した。
デジレ・ランカトーレ(S)
Désirée Rancatore
エルヴィーラ役
オペラの華、ソプラノ。中でもとりわけ華麗でアクロバ
ティックなコロラトゥーラ・ソプラノの、新時代の期待を
一身に担うランカトーレは、容姿、演技力ともに恵まれ
た若手最高の「狂乱の場」歌い。その実力は、2007年4月
のマリボール歌劇場来日公演『ラクメ』では耳の肥えた
日本のオペラファンの度肝を抜いたほど。2002年ボ
ローニャ歌劇場来日公演のグルベローヴァとはまた
違った、新世代のコロラトゥーラ・プリマの『清教徒』に
期待が集まる。
アルベルト
・ガザーレ(Br)
Alberto Gazale
リッカルド役
イタリアの伝説の名バリトン、バスティアニーニを思わ
せる、正統派バリトン。若きガザーレの美しく響く声と
知性的な表現力に注目したムーティは、2000年ミラ
ノ・スカラ座日本公演『リゴレット』に抜擢。これがス
ター誕生のきっかけとなり、以後、ムーティ指揮の『イ
ル・トロヴァトーレ』
『 マクベス』
『オテロ』
『アンドレア・
シェニエ』
『蝶々夫人』などに出演。2006年にはボロー
ニャ歌劇場来日公演で『イル・トロヴァトーレ』のルーナ
伯爵を演じた。
ニコラ・ウリヴィエーリ(Bs)
Nicola Ulivieri
ジョルジョ役
ロッシーニからベルカント・オペラ、モーツァルトなどの
オペラの世界で、90年代後半からたちまちにしてバスの
代表格の1人に。スカラ座をはじめとするイタリア主要
歌劇場はもとより、ザルツブルク、エクサンプロヴァンス
などの音楽祭にも引っ張りだこ。アバド、アーノンクー
ル、
ガッティ、ゼッダなどから絶対の信頼を寄せられてい
る。その一方で、ニーノ・ロータの現代オペラなどでも活
躍。2003年トリエステ歌劇場来日公演の『タンクレディ』
でも絶賛を博した。
「イタリア・オペラの真 正な伝 統の守 護 者」と自他ともに認めるボロー
ベッリーニの『清教徒』は2002年のボローニャ来日公演でもグルベロー
ニャ歌劇場の真価と魅力は、
これまで4回にわたる来日公演によって充分に
ヴァ主演でいちどとりあげられたが、名手ピエラッリ演出に基く今回の舞台
示されてきたが、来る2011年9月に予定される第5回の来日には、従来の
はそれとは全く異なったもので、何よりもまず、不世出の名テノール、フロー
それをも上廻る新鮮で興味深いプログラムが組まれている。3演目はいず
レスの比類ないアルトゥーロを是が非でも日本の聴衆の方々に聴いてほし
れも、この1、2年間にボローニャで大成功をおさめたオペラや、ちかく満を
いと選ばれた演目。テノールの異常な超高音が頻出するこの難役をフロー
持して上 演 予 定の得 意のレパートリーから厳 選されたものだが、来日に
レスは完璧にクリアーするばかりでなく、その精妙なベルカント歌唱のすば
当っていっそう強力なキャストに組み変えられていて、私たちの期待をかき
らしさにも唖然とするより他はない。稀代の名テノールの最も脂ののりきっ
立てずにはおかない。
た時期にその歌唱を体験できるのはこの上ない幸運だ。フローレスのみな
これらの3演目は、内容と特質がそれぞれに異なるのはいうまでもないけ
らず、
「プリターニ・クァルテット」
とよばれる4人の主役にランカトーレ以下
れども、舞台づくりと演出の手法もさまざまで、常に伝統の革新を怠らない
の精鋭を配した盤石の布陣である。
ボローニャの姿勢をうかがわせる。まず『エルナーニ』では、イタリアならで
『カルメン』はこれまで私たちの知識にあるどのような『カルメン』
とも異
はの美 感にみちた壮 麗な舞 台の美しさを満 喫することが 出 来る。ヴェル
なった、斬新でユニークな発想から生まれている。
ドラマは19世紀のスペ
ディ30歳の年に書かれたこのオペラ、ヴィクトル・ユーゴーのロマン主義戯
インではなく、カストロ政権下のキューバで展開される――という具合で、
曲に基づくドラマだけに、それまでの『ナブッコ』や『ロンバルディ』のような
すべてが既成概念をひっくり返すような意外さだが、
ビゼーの音楽とカルメ
歴史劇とは異なって、はげしい情熱に駆られた登場人物たちの性格を力強
ン像に新しい角度から新しい光を当てた試みに興味がつきない。大げさな
く歌い出すことが必要であり、
リチートラ、テオドッシュウ以下粒よりの名手
誇張を排した「自然体のカルメン」
とその生気あふれる歌唱がボローニャで
たちをズラリとそろえた今回のキャスティングによってようやく十全な上演
も好評だったスルグラーゼのタイトル・ロールをはじめ、いま欧米のオペラ
が可能になったのだ。外来オペラ団による『エルナーニ』の上演はこれが最
界でめざましい人気をあつめているハンサムな新鋭カウフマンとショットも
初に当る。
大きな話題となるにちがいない。 髙崎保男(音楽評論家)
ミケーレ・マリオッティ ボローニャ歌劇場首席指揮者
レナート
・パルンボ
若き俊英、32歳のシャイーを首席指揮者に、36歳のガッ
ティを音楽監督に抜擢したボローニャ歌劇場。その両者
の間に一時、
クリスチャン・ティーレマンを首席客演に
抜擢していたという先見の明には脱帽であるが、次の首
席指揮者はなんと1979年生まれのマリオッティ。ペーザ
ロのロッシーニ音楽院で作曲を学び、2007年11月、ボ
ローニャ2007/08年シーズン・オープニングの『シモン・
ボッカネグラ』で大成功を収める。イタリア・オペラの将
来を担う指揮者として期待されている。
初めて指揮台に立ったのは16歳のとき。以降、オペラ指
揮者になることを目指して声楽、オケ指揮、合唱指揮、ピ
アノ、作曲を精力的に学び、19歳のとき『イル・トロヴァ
トーレ』でオペラ指揮デビュー。
ミラノ・スカラ座、パリ・
オペラ座、英国ロイヤル・オペラ、ボローニャ、フィレン
ツェ、ローマ、
ヴェローナなど欧米主要歌劇場で指揮し、
2006年からベルリン・ドイツ・オペラの音楽監督も務め
た。
レパートリーも広く、その情熱的な音楽づくりは極め
て高い評価を得ている。
Michele Mariotti
エルナーニ
清教徒、
カルメン:指揮
Renato Palumbo
エルナーニ:指揮
予定される出演者
サルヴァトーレ・
リチートラ(T)
Salvatore Licitra
エルナーニ役
人気・実力ともに、イタリア人テノール歌手の第一人
者。
「パヴァロッティの再来」
とも言われる。シチリア系
の両親のもとに生まれ、豊麗で明るく暖かみのある声
を持っている。情熱的で叙情的な表現に優れており、
『エルナーニ』はまさに、はまり役。またムーティに認め
られ、
ミラノ・スカラ座の主役を次々と務めた。2000年、
2003年のスカラ座来日公演、2005年のナポリ・サンカ
ルロ歌劇場来日公演でも主演し、コンサートも圧倒的
人気を博す。
ディ
ミトラ・テオドッシュウ(S)
Dimitra Theodossiou
エルヴィーラ役
伝説のソプラノ、マリア・カラスの独壇場と言われた『ノ
ルマ』
『メデア』
『アンナ・ボレーナ』を完璧にこなし、
ドラ
マティックで力強い声とコロラトゥーラの超絶技巧を併
せ持つ希有なソプラノ。
こうした声楽上の特徴が遺憾な
く発揮されるのが、ヴェルディの初期の作品群。2000年
末のムーティ/ミラノ・スカラ座シーズン・オープニング
の『イル・トロヴァトーレ』主演以降、ヴェネツィア・フェ
ニーチェ座来日公演ほか、
日本でも圧倒的支持を持つ。
舞台姿に気品漂うソプラノの名花。
ロベルト
・フロンターリ(Br)
Roberto Frontali
ドン・カルロ役
カルメン
予定される出演者
ヨナス・カウフマン(T)
Jonas Kaufmann
ドン・ホセ役
今、世界の歌劇場がもっとも出演を欲する人気No.1テ
ノール。
ミュンヘン出身のドイツ人で、立派な声、美しい
容姿、
レパートリーの広さという3つの強力な武器に加
え、抜群の演技力を併せ持つ。2006年末に演じたロイヤ
ル・オペラ『カルメン』
ドン・ホセ役で、それが見事に開
花。このDVDは今、オペラ界のベスト・ロングセラーと
なっている。そのドン・ホセが遂に日本で実現。
「ポスト・
ドミンゴ」、いや、それ以上のオペラ的境地に達する逸材
©Uli Webber かもしれないと期待されている。
ニーノ・スルグラーゼ(Ms)
Nino Surguladze
カルメン役
映画女優からスタートした、エキゾティックな美貌を持
つグルジア出身のメゾ・ソプラノ。
ミラノ・スカラ座のア
カデミアで学んでいたときに優れた音楽性に注目され、
早くからスカラ座の舞台に立つ。当時の音楽監督ムー
ティに抜擢され、スカラ座シーズン・オープニング公演
『モゼとファラオ』などに出演。
『カルメン』は当たり役の
一つとして数多くの歌劇場で歌っている。2008年夏、イ
タリアのマチェラータ音楽祭で主演した『カルメン』の
DVDは、
日本でも発売されている。
パウロ・ショット(Br)
Paulo Szot
エスカミーリョ役
ブルソンやヌッチの次の世代において、他のイタリア
ン・バリトンの追従を許さない圧倒的存在。イタリアの
主要歌劇場のほかウィーン国立、英国ロイヤル、METな
ど世界の檜舞台で常に最高の賛辞に浴している。来日
公演では、1996年フィレンツェ歌劇場『ランメルモール
のルチア』、2008年ウィーン国立歌劇場『ロベルト・デヴ
リュー』でグルベローヴァと共演。近年は『ナブッコ』
『リ
ゴレット』などバリトンがタイトル・ロールになっている
ヴェルディ・オペラに引っ張りだこ。
ポーランド系のブラジル生まれ。オペラの修業を積んだ
が、ダンサー、俳優としても優れた才能を持ち、2008年
ミュージカル『南太平洋』でトニー賞主演男優賞に輝い
た。一方、2010年3月にはMETでゲルギエフ指揮『鼻』の
主演を務めるなど、オペラ界でも今や最注目の台風の
目。2011年1月には同じくMETにて『カルメン』に出演。
低音の充実した美声、歌唱構築力、抜群の演技力とダン
ス力、類い稀なる舞台容姿…新オペラ俳優スターが日
本でもブレイクするのは時間の問題である。
フェルッチョ・フルラネット(Bs)
アレッサンドラ・マリアネッリ(S)
Ferruccio Furlanetto
シルヴァ役
性格俳優的な役回りが多いバス歌手の中で、現在実力
世界トップはフェルッチョ・フルラネットと言っても過言
ではない。1974年デビュー。1979年、
ミラノ・スカラ座で
クラウディオ・アバド指揮の『マクベス』バンクォー役を
演じて以降、MET、
ウィーン国立歌劇場などに出演、カラ
ヤンにも認められたバスである。重厚な声と渋みのある
歌唱が特徴。貴族的な容貌に円熟さが加わり、
『ドン・カ
ルロ』のフィリッポ2世役、
『エルナーニ』のシルヴァ役な
©Alena Kuznetsova どでは右に出る者がいない。
イタリア統一150周年企画に ふさわしい、豪華な布陣!
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Alessandra Marianelli
ミカエラ役
20代前半という若さでヨーロッパはもとよりMETでも活
躍するソプラノの新星。弱冠15歳でカシナリリカ国際コ
ンクール第2位に輝き、16歳のとき『フィガロの結婚』バ
ルバリーナ役で歌手デビュー。瞬く間に話題となり、
フィ
レンツェ歌劇場『ドン・カルロ』でメータが即キャスティ
ングした。ロッシーニ・フェスティヴァルの『イタリアのト
ルコ人』に出演。
『ジャンニ・スキッキ』
ラウレッタ役、
『夢
遊病の女』アミーナ役など、小娘のヒロイン役なら地の
ままで比類なきリアリティを発揮する。
※出演者は変更になる場合がございます。公演日ごとの最終的な出演者は、公演当日に発表させていただきます。
©三浦興一