ムードル上スペイン語単語・動詞活用練習問題

ムードル上スペイン語単語・動詞活用練習問題
Raúl Nivón
Email: raoul@oiu.jp
大阪国際大学ビジネス学部経営デザイン学科
◎Key Words 1.ムードル 2.スペイン語 3.自習
1.
はじめに
外国語を教えるのも、習うのも、簡単な「技」では
ない。それは今も、昔も同じだと思う。私はスペイン
語を教え始めたのは 25 年余前のことです。今の IT 技
術を利用すれば私のスペイン語の教え方はどのぐらい
改善するのでしょうか?また、学生のスペイン語学習
はどのぐらい上達するのでしょうか?という素朴な疑
問からこの試みが始まった。一方は先生として常に
“Renovarse o morir”:「更新か後退」 (スペインのことわ
ざ)。「工夫」をしないといけない。もう一方では現代学生
の特徴の一つは集中力あまり長く続かないことだと思う。さ
て、「ムードル上スペイン語単語・動詞活用練習問題」を使
ってどのぐらい授業の改善と学生の学習上達に効果があ
るのでしょうか?以下の報告の通りで紹介する。
2. 大阪国際大学の語学教育
2.1 第二外国語
大阪国際大学(以下:OIU)には英語以外第二外国語に
は四つがある。最も人気がある中国語の次、韓国語、
ドイツ語とスペイン語である。全学年の学生が履修す
ることができ、半分ぐらい1回性で、あとは 2-4 回生
である。クラスは二つある。先生も2人。平成 21 年度
の授業日と時間帯等は以下の通りである:
 月曜日、4・5限目(15 時 10 分~16 時~40 分・
16:50~18:20)
。

クラス1:1 回生、24 名。

クラス2:2~4回生、26 名。

教員 1 名:日本人女性、主に文法担当。

教員 1 名:メキシコ人男性、実践練習担当。

教室:週に一回 PC 教室を利用する。

教科書:
「Mi Libro」強学社、2010 年
2.2 「スペイン語単語練習・動詞活用練習問題」プ
ロジェクトのきっかけと目的
私は語学教員としての役割は「教える」ということ
ュータプログラミングに詳しい先生にいきなりに課題
を投げられた:
「スペイン語授業の中で Moodle 学習シ
ステムを使ってみませんか?」
。2009 年、5 月の初めで
あった。
OIU では「Moodle」という「オープンソースソフト」
を利用し2 、Web 上で全科目をサポートする一種の
e-learning ツールである。私はその専門家ではないが
誘ってくれた先生の知恵と力を借りて、Moodle 学習シ
ステムを利用することにした。
目的は 2 つ:

スペイン語の基本語彙と動詞活用形になれる。具
体的に今年度使っている教科書に出る語彙に触れ、
意味を学習する。

授業に参加する以外の時間にスペイン語学習に取
り組む。
2.3 準備と実践
まず、今年度の教科書の巻末にある Vocabulario、語彙リス
トをデータベースにした。千余り語彙が出た。すべての語彙
が出るレッスン毎に分けた。12 課である。そこから石川先生
が練習問題を作った。12 レッスンがあって各レッスンに出る
単語を 10 個ずつのパックにした。多いレッスンには 8・9 パ
ックがある。 2009 年度、前期で初めて授業で使った。動詞活
用問題集は後期にできた。今年度の学生は両方の問題集を前
期から取り組んでいる。
「テレビ」を意味する単語は?
1 つの答えを選択してください。
a. calor
b. entonces
c. habitación
d. televisión
e. quién
3. 結果と問題点
3.1 2009 年度前期末アンケート:
よ り 「 facilitator 」 だ と 思 っ て い る :「 someone
問1:量的に子の練習問題をどこまでやりましたか?
enabling something to happen」1。というのは、学生
問2: 何時間ぐらい取り組みましたか?
問3: どこでやりましたか?(複数可)
問4:この学習は「役に立つ」と思いますか?(5 段階)
問5: この学習は「面白い」と思いますか?(5 段階)
問6: この学習は「難しい」と思いますか?(5 段階)
と教員常にお互いに影響しながら、楽しくかつ確実に
学ぶ経験の喜びを提供する。この理想を果たすには週
に2回授業に参加するだけで足りない。E-learning に
ついてあまり強い関心がなかった。がある日、コンピ
1Encarta(R)
World English Dictionary (C) & (P) 1999,2000
Microsoft Corporation
2http://moodle.org/http://docs.moodle.org/ja/Moodle%E3%81
%A8%E3%81%AF

学習者:50 名(1 回生 24 名。2 回生以上 25 名)

最も少ない:1小テスト:1名

最も多い: 全小テスト:3名

平均: レッスン4まで31小手スト
1 回生の学生はレッスン4までしか進まなかったこ
とに対して、2 回生以上の学生は平均以上の小テストに
取り組む傾向が伺えた。全小テストをやった 3 人の学
生は 2 回生であった。
問題点としては利用する期間は少なかったことで
ある。教科書を進むにつれてそのレッスンの語彙を覚
えていくことは理想的である。PC では小テストを合格
したから語彙を覚えたとは限らない。ペーパーテスト
をすることも勧められる。
グラフ3。問 3:Place of practice.
3.2 2009 年度後期末アンケート(動詞活用編)
:
(上記と同じ問。回答者:14 名、2 回生以上学生)
皆喜んで、元気で動詞活用問題を取り組んだ。14 人
中に 3 人もすべてのドリルを溶かした。6 人は半分以上
の問題をやった。半分以上の問題を取り組んだ 11 人は
平均で 6 時間を使った。おそらくそのドリルがなけれ
ばこのぐらいスペイン語学習していなかったといえる
でしょう。みな「難しい」とは思ったが 9 人は普通以
上「おもしろかった」
、
「役に立った」とも言った。
3.3 2009 年度後期末アンケート(動詞活用編)
:
自由感想(一部略)
:
1.スペイン語が難しいですが興味がありま。
5.先生、1 年間ありがとうございました。
6.楽しい授業でした。
7.問題はワンパターンだったのでもっと色んな形式
の問題にすればおもしろそうだと思いました。
3.4 2009 年度後期末アンケート(動詞活用編)
:
グラフで見るアンケート結果
全部
半分以下
7%
グラフ 4。問 4・5・6:Level of interest & difficulty
4.終わりに
目的は 40%ぐらいで達せられた。実際に学生は学習
半分以上
する時間を増やしたし、スペイン語単語にも大いに触
余りやらなかった
れて、動詞の活用にもなれた。確かに単語を「丸暗記」
21%
29%
43%
はしなかった。動詞の活用も忘れてしまう。でも、一
度覚えたことが必要となれば割合確実である。課題と
して残っているのは、他のスペイン語文法を扱う練習
グラフ1。問1Number of drills made
問題を増やすことと問題のバリエーションを加えるこ
とだ。これから本格的に「Blended Learning、ブレン
ド型学習」3に挑戦する。
3
グラフ2。問2:Time used to solve the drills.
Graham, C. R.. Handbook of blended learning: Global
perspectives, local designs. San Francisco, CA: Pfeiffer.
pp. 3-21.