判事への手紙 「夫婦別姓公判」担当 OO 殿 来る 12 月 16 日、 「選択的夫婦別姓法案」について最高裁が判断を下されるそうですが、是非反 対していただきたくお願い致します。その理由は以下の通りです。 女性が結婚しても旧姓を使いたいと考えれば今でも可能です。一部、官公庁などで旧姓を使用で きないところもまだありますが、ほとんどの民間企業では旧姓(通称)を使えます。平成 13 年 7 月に各省庁が「通称使用に関する申し合わせ」を行なうなど、通称を使うための法整備は整いつつ あります。また別姓推進派が主張する「夫婦別姓が世界の常識」というのは嘘です。むしろ個人主 義や家庭崩壊が深刻な社会問題になりつつある欧米ではファミリーネームの存続に努めています。 フランスやスウェーデンなどは別姓推進派が「理想の社会」と賞賛していますが離婚率が 50%を 超え、新生児の約半数は非嫡出子です。 世界の国々はそれぞれ婚姻時の夫婦の姓に関する法律を持っていますが、それはその国の歴史、 文化、伝統、宗教と密接に結びついています。中国、韓国は夫婦別姓ですが、それは父系血縁社会 だからです。日本は中華文明の枠の中に入らず、欧米の制度とも違う、独自の家族観に基づく制度 を作ることを選びました。そしてその制度は私たちの生活に定着しています。もし夫婦別姓が法案 となり、制度となったら私たちの生活は変質してしまいます。たとえば三世帯住宅の表札が 4 枚に も 5 枚にもなり、これまでの「OO 家の墓」が使えなくなる事態も予想されます。これまで家を中 心に築かれてきた日本社会の根底が揺らぐことになるでしょう。 もっとも深刻なのは子供の心に与える影響です。今の法務省の案は「子供の姓は夫婦どちらかの 姓に統一する」というもので、一見自由に選べて良いように見えますが、子供が父親と母親の板挟 みになって悩むことは火を見るより明らかです。また一つの家族の中に姓の違う人がいることで家 族の一体感は当然、薄れます。同姓夫婦の間に生れた子供から学校でからかわれたり、いじめられ たりすることが予想されます。 別姓推進派が主張する「選択的夫婦別姓は女性の不便を解消するためのもの」というのは嘘だと いうことがこれでお分かりいただけたと思います。現行制度のままでも支障はなく、法律を変える 必要はないと考えます。どうか賢明な判断をしていただきたくお願い申し上げます。
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