フランス部分(全国労働組合総連合編集、学習の友社2013年7月刊)

全国労働組合総連合『世界の労働者のたたかい 2013 ―世界の労働組合運動の
現状報告― ディーセントワークへの挑戦 賃上げ、雇用確保で暮らしの改善
を!』(学習の友社 2013 年 7 月発行)より
フランス
国際問題研究者 米沢博史(2013 年 1 月末執筆)
■厳しい経済・雇用情勢
フランスは厳しい雇用情勢に直面している。労働雇用省の発表(2013 年 1 月 25 日)に
よると失業者数は 339 万人で 20 カ月連続増。昨年 1 年間で 28 万人増、ここ 3 年間では 50
万人増である。また、国立統計経済研究所(INSEE)は、昨年 10 万人の労働者の雇用が失
われたと発表した。
2007 年の世界金融危機以降、とくに大企業の人員削減が進んでいる。民間研究機関の調
査(GE capital / ESSEC Business School «PME-ETI Sommet pour la croissance»)によ
ると、2007~2012 年に、欧州全体で大企業の従業員数は 149 万 900 人減っており、その
うちフランスは 49 万 3,800 人減(中企業は 5 万 7900 人増、小企業 25,100 人増)である。
とくに製造業の人員削減は顕著で、2007 年第 2 四半期~2012 年第 2 四半期に製造業で 34
万 7000 人の雇用が減っている(INSEE)
。また、企業倒産も増加しており、2012 年の倒
産件数は 5 万 9780 件で前年比 2.7%増加。倒産企業の従業員数は合計 24 万 5000 人に上る
(アルタレス社調査)
。
雇用の不安定化も深刻である。労働総同盟(CGT)の資料によると、2010 年 1,900 万人
の新規雇用のうち、無期雇用はわずか 300 万人で、1,200 万人が 1 カ月以内の有期雇用、
400 万人が 1 カ月以上の有期雇用である。
所得格差も拡大しており、1996 年~2010 年の所得の伸び率が 1.4%であるいっぽう、所
得の上層 10%では、伸び率が 2.1%と拡大。860 万人が月間所得 964 ユーロ以下の低所得
者で、うち半数が月間所得 781 ユーロ以下である(INSEE)。
2013 年の賃金上昇率は、エーオンヒューイットの調査(対象 127 社)では、2.6%と予
想。企業の半分がベースアップを行うとし、その賃上げ率は 1.7%としている。
こうしたなか、フランスの最有力労組 CGT(労働総同盟 ※注)は 2012 年に、
「持続可
能な人間の発展」を打ち出し、次の「10 項目の要求」を掲げて、目先の企業の利潤優先で
はなく、労働者の雇用と生活が守られ国民の購買力が向上する経済社会を求める取り組み
を進めている。
10 項目:①賃金、年金、ソーシャル・ミニマムの引き上げと男女差別の解消、②企業へ
の公的支援の規制、③企業に対する解雇に代わる措置の強制、④時間外労働に対する税・
保険料控除の廃止、⑤雇用削減の中止
⑥公共政策と公共サービス手段の発展、⑦税制の
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抜本改革、⑧公的融資機関の創設と低金利の信用制度の確立、⑨投機的資本移動への課税
と租税回避地の根絶、⑩欧州社会連帯・経済発展基金の確立。
※注:各主要労組の労働者選挙での得票率
フランスは、労働組合の組織率が 8%弱と日本よりも低く、労組の影響力は組合員数よりも各種労働者
選挙の得票率により良く反映される。2012 年に実施された小企業の従業員代表選挙での得票率は、CGT
29.5%、CFDT 19.2%、FO 15.3%、CFTC 6.5%、CFE-CGC 2.3%、直近の労働裁判員選挙(2008 年)
の得票率は CGT 34%、CFDT 21.8%、FO 15.8%、CFTC 8.7%、CFE-CGC 8.2%である。
■労働組合と政権交代
フランスは 2012 年 4~5 月の大統領選で、国民運動連合(UMP)のサルコジ政権から社
会党のオランド政権に代わった。
フランスの労組は、アミアン憲章で明記された政党からの自立原則から、国政選挙で特
定の候補者の支持・不支持を表明しないことが長年の慣例として確立されている。しかし、
今回の大統領選では最有力労組の労働総同盟(CGT)や公務労組の統一労組連合(FSU)
などが「反サルコジ」の立場を明確化した。これは、2002 年(前々回)
、大統領選の決選投
票に残った極右のルペン候補に反対する労組の共同行動に続く異例の事態となった。
その理由に、CGT のティボー書記長は第 1 回投票前の 2012 年 4 月 14 日、週刊誌『ヌベ
ル・オプセルバトゥール』に聞かれ次のように答えている。
「(2010 年秋)年金改悪反対の
数百万人のデモを、サルコジは無視した。再選されたら独裁化が進み、社会的権利は大打
撃を受け、不安定が常態化する」。
この 2010 年秋の年金闘争では 9~10 月に 200~300 万人規模のデモが次々起こったが、
法定退職年齢を 60 歳から 62 歳に、年金満額受給年齢を 65 歳から 67 歳に引き上げるなど
の年金改革法を強行した。これにより政労の関係が決定的に悪化するとともにサルコジ大
統領の支持率の低迷が続くことになった。
選挙最終盤、サルコジ候補は各地の演説で CGT の選挙介入批判を展開。さらに 5 月 1 日
には、労組のメーデー集会に対して独自の集会で妨害したが、メーデー集会の参加者は 45
万人(主催者発表)に膨れ上がった。
4 月の第 1 回投票直後の世論調査では CGT 支持者のうちサルコジ氏に投票したのはわず
か1%、フランス民主労働連盟(CFDT)支持者で 15%だった。
■オランド政権の発足:社会対話と富裕層への課税強化
オランド新大統領は、サルコジ前大統領との違いを際立たせるため、経営者と労働者の
社会対話を重視する姿勢を示した。サルコジ前政権時に政労の関係悪化から中断していた
政府仲介の全国労使協議を 7 月 9~10 日に開催し、
今後の労使交渉の工程表が発表された。
また、7 月の 2012 年補正予算法では、サルコジ政権が決めた付加価値税(TVA)標準税率
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の増税(19.6%→21.2%)や富裕税(ISF)減税などの撤回、大企業への課税強化、贈与/
相続税増税、入学準備金 25%増額、退職年齢(62 歳)の一部 60 歳への引き下げなどを行
った。公共企業の賃金格差 20 倍以内の制限措置や最低賃金の引き上げなどの実施も決めた。
2013 年度本予算案の提出にあたっては、1 年以内の失業低減、2 年で財政再建という目
標を設定した。これを達成するための「300 億ユーロの財政再建措置」として 100 億ユー
ロ支出削減と 200 億ユーロの増税の施策を発表した。この財源は企業と家計が折半しそれ
ぞれ 100 億ユーロを負担するとした。この予算案では、所得税の恒常的な最高税率を 41%
から 45%に引き上げたことに加え、2 年間の時限措置として、選挙公約で国内外の注目を
集めた年間所得 100 万ユーロ以上の富裕層への 75%課税の実施を決めた。
■緊縮財政措置と企業の人件費軽減策
オランド政権は、EU の緊縮一辺倒の姿勢を批判し、成長・雇用の重要性を主張した。し
かし、緊縮義務を強化する「経済通貨同盟の安定・協調・ガバナンスに関する条約」
〔2012
年 3 月の欧州理事会で 25 カ国署名、以下「EU 新財政条約」と略す〕については、
「再交渉」
を公約していたにもかかわらず、ドイツなど緊縮派の EU 諸国の反発を避けるため、修正
協議をしないまま批准を決めた。ゼロ成長と失業増大に加え、公約に反し EU 新財政協定
の批准を進める姿勢に対する国民の不満は高く、8 月にはオランド政権の不支持率が支持率
を上回る事態となった。
欧州経済危機を契機に、フランスや欧州の財界や IMF、保守陣営からの「企業負担増で
は雇用や競争力が減退する」「フランスは他国と比べ人件費が高すぎる」との圧力が強まる
一方、高失業や生活難に苦しむ国民からは具体的な雇用対策を求める世論が高まった。
こうしたなかエロー内閣は 10 月、企業競争力強化と雇用対策の政策提言をまとめるよう
にガロワ投資総合局長(元 EDAS 最高経営責任者)に委託した。11 月 5 日に発表された「ガ
ロワ報告」では、フランス企業の「競争力の重大な欠如」を指摘し、他国よりも高い社会
保険料の企業負担の軽減と、その財源確保のために“家計の許容範囲内”での TVA 増税や
CSG(労働所得にも不労所得にかかる福祉目的税)増税などを提言した。
エロー内閣は翌 6 日、「ガロワ報告」を受けて、「グローバル化におけるフランスの戦
略」として 35 項目からなる「成長と競争力と雇用のための国家協約」を発表し、そのなか
で企業の人件費軽減を打ち出した。
その内容は、最賃~最賃の 2.5 倍給与を得ている従業員にかかる社会保険の企業負担に、
給与総額に比例した「競争力と雇用のための控除(CICE)」を 2013 年~2015 年に設定(規
模は 2013 年度分 100 億ユーロ、2014 年分から 200 億ユーロ)するというもの。財源は歳
出削減で 100 億ユーロ、TVA 増税と環境増税で 100 億ユーロを捻出するとし、2014 年 1
月から TVA の標準税率を現行 19.6%から 20%に、外食や住宅修繕など現行税率 7%の品目
は 10%に増税するとしている(食品・光熱費・書籍・障害者向け商品など現行税率 5.5%
の生活必需品については 5%に減税)。
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エロー首相は発表のなかで、これにより「経済成長率の 0.5%引き上げ」「2017 年には
20 万~30 万の雇用増」が得られるとしている。財界団体の MEDEF(フランス企業運動)
はさっそく、この措置に歓迎を表明した。しかし、11 月 8 日に発表された世論調査(仏経
済紙「レゼコ―」が世論調査機関 CSA に委託して実施)では、62%の国民が TVA 増税に
反対との結果となり、オランド政権とエロー内閣の支持率は 4 割を下回った。
労働組合も批判を強め、11 月 14 日の緊縮策に反対する欧州共同行動で、CGT のティボ
ー書記長は欧州とフランスの緊縮策とのたたかいを呼びかけた。フランス共産党や左翼党
などから成る左翼戦線は予算案に反対票を投じ、予算案は上院で否決、国民議会(下院)
の可決でようやく成立した。
2012 年 12 月 29 日、違憲審査権を持つ憲法院は、CICE は合憲と判断したものの、年収
100 万ユーロ以上の高所得者への 75%課税については、個人に課税する徴収方法(フラン
スでは所得税は世帯課税方式)を違憲として棄却した。エロー内閣は高所得者への 75%課
税については、徴収方法を変更して再提出すると表明した。
雇用規制の緩和:「雇用の安定性」に関する全国労使協議
政府が仲介した「雇用の安定」に関する全国労使協議が、主要 5 労組のうち CGT と FO
(労働者の力)の 2 労組の反対を無視した形で 2013 年 1 月 11 日に妥結し、CFDT、CFTC
(キリスト教労働者同盟)
、CFE-CGC(幹部総同盟〔管理職労組〕)の 3 労組が署名に応じ
た。
その最終合意(
「雇用・競争力協定」)では、任意加入の付加健保への全従業員の加入、3
ヵ月未満の有期労働契約を対象とした社会保険料の増額措置、再就職した失業者が未使用
の失業手当受給期間を次回の失業時に割り当てられる制度や職業訓練を受ける権利を蓄積
できる制度の導入などが認められた。これらと引き換えに、後述のような解雇規制や労働
規制の緩和が協定に盛り込まれ、MEDEF のパリゾ会長は「このまま法制化すれば歴史的
合意」と歓迎している。
これに基づく法案は 3 月上旬に国会に提出され、5 月に採決に付される見込みである。
CGT がこの協定を「雇用の安定ではなく、解雇の安定になる」として署名を拒否した理
由は以下の通り。
①配置転換の自由化(現行では部署や職場の配置転換の拒否権が多くの場合、労働者に
認められているが、これを制約可能にする)。
②遡って未払い賃金支払いや損害賠償を請求できる期間を現行 5 年から 3 年に短縮する
(例えば現行では 5 年前以降の残業未払い賃金を要求する訴訟を起こせるが、これを 3 年
前以降に短縮する)。
③現行では労働者の賃下げや労働日削減の拒否を理由に解雇できないが、これを、
「雇用
維持」を約束する代わりに賃下げや労働日削減を認める労働協約(期限 2 年)が結ばれ場
合、これを拒否する労働者は解雇可能になる。
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④労働期間と非労働期間が併存する「断続的」無期雇用契約を 50 人未満の企業に自由化
するなどの規制緩和を認める。
⑤経済的理由による集団解雇は、現行では事前の社会計画の策定、専門家の分析、再就
職の斡旋など実施するまでに厳しい規制が設けられているが、この規制を緩和し、99 人以
上の集団解雇は 2 カ月、500 人以上の集団解雇は 4 カ月で可能にする。
CGT と FO は、これを「社会的反動」ととらえ、3 月 3 日にこれに反対する全国統一行
動を展開することを提起。公務労組 FSU なども参加を表明した。
■相次ぐ大企業のリストラ計画発表
2012 年も欧州や国内の経済不況と営業不振を理由に、製造業などの大企業が工場などの
生産や研究施設の閉鎖や人員削減などのリストラ計画が次々に発表された。大企業の雇用
削減計画とのたたかいと国内産業の保護・育成・振興が大きな課題となっている。
▼自動車:PSA プジョー・シトロエンのリストラ計画問題
自動車大手の PSA プジョー・シトロエン社(以下 PSA と略)は 7 月 12 日、オルネー工
場閉鎖や同社史上最多となる 8,000 人の人員削減などの「合理化計画」を発表した。
エロー首相は同日、「地域や産業に与える影響は大きい」として、国内生産維持により雇
用が守られることを最優先に、労働組合と経営陣の協議を開始するように求めた。オラン
ド大統領は革命記念日(7 月 14 日)のテレビインタビューで、
「計画はそのままでは受け入
れられず、再検討されるべき」だと強調し内外の注目を浴びた。
しかし、PSA の財務審査を行なった政府諮問委員会のサルトリウス報告は 8 月、経営上
の問題点や労使対話の不足などを指摘しつつオルネー工場閉鎖を「妥当」と判断した。政
府は 10 月、監査役会への政府代表と従業員代表の参加、人員削減数の軽減、解雇された者
の再就職先の確保と引き換えに PSA ファイナンス銀行に 3 年間で 70 億ユーロを保証する
ことを、PSA に求めた。PSA は銀行救済のために政府の監査会への参加は受け入れたが、
人員削減数の軽減は表明していない。
CGT は、人員削減に反対し、
「工場閉鎖は機能移転先の工場を過重負担にする」と批判。
55 歳以上の従業員が 1 万人以上に上ることを指摘し、
「解雇ではなく 55 歳での(退職金等
の優遇がある)早期退職認許と従業員全員の無期雇用」という代案を示してたたかってい
る。
▼鉄鋼:アルセロール・ミタルの高炉閉鎖問題
ロレーヌ地方の鉄は、独ルール地方の石炭とともに長年の独仏対立の種となり欧州統合
の出発点ともなったことで有名だ。アルセロール・ミタル(仏国内の従業員 2 万人)は 10
月 1 日、このロレーヌ地方のモーゼル県にあるフロランジュ製鉄所の高炉 2 基の閉鎖を発
表した。労働組合は「ロレーヌの鉄を守れ」と運動を展開し、高炉と雇用の維持、その保
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障のための製鉄所の国有化を要求した。
こうしたなか、モントブール生産回復相は、
「問題は高炉にあるのではなくミタルにある」
「ミタルはフランスを尊重してこなかったのだから、これ以上フランスにいてほしくない」
(仏経済紙「レゼコ―」11 月 26 日付)などとアルセロール・ミタル経営陣を強く批判し、
繰り返し国有化の支持を表明した。
オランド仏大統領は 11 月 27 日、アルセロール・ミタルのラクシュミ最高経営責任者と
協議し、高炉2基の閉鎖回避、雇用の維持・確保、協議の継続を求めた。
政府は 11 月 30 日、国有化ではなく、アルセロール・ミタルが従業員約 630 人の雇用確
保と高炉維持のために今後 5 年間で、1 億 8000 万ユーロを投資すること、施設存続のため
に EU の低炭素型の技術開発「欧州環境プロジェクト(ULCOS)
」に高炉の活用を図るこ
とを、アルセロール・ミタルと合意したと発表した。
しかし、国有化に期待していた労組側は「アルセロール・ミタルは 2008 年にも〔同県の〕
ガドランジュ工場に 3 億 3000 万ユーロを投資すると約束しながら、投資額はゼロで閉鎖さ
れた」(ロペラ CGT 代表)
、
「財界の勝ちだ」(マルタン CFDT 代表)などと猛反発。
さらに 12 月 6 日、アルセロール・ミタルが ULCOS の申請を取り下げたことが発覚。オ
ランド大統領は自らが合意実施の「保証人になる」と表明し、アルセロール・ミタル側は、
1 億 8000 万ユーロの投資を 2013 年第 1 四半期に着手し、うち 1300 万ユーロを ULCOS
への高炉の活用を将来的に可能とする技術研究に投資するなどと説明したが、労働者の不
信と怒りは募るばかり。2013 年に入ってもデモや集会などの運動が続けられ、大きな社会
問題となっている。
▼航空:エールフランス・KLM
エールフランス・KLM 社は 6 月 21 日、2015 年までに 20 億ユーロの経費を削減する事
業再建計画の一環として、2013 年末までに同社従業員の 1 割に当たる 5,122 人の人員削減
を発表した。同社は労組に対し、労組がこの計画を認めるならば「強制解雇」はせず、早
期退職で 3410 人、退職者の未補充による自然減で 1,712 人の削減を行なうと説明。このた
め労組側は、リストラ計画の承認と解雇を取引するやりかたを脅迫として反発し、これに
反対する運動を展開している。同社の 15~16%の株式を保有する国は、解雇よりも労使交
渉を優先するよう AF-KLM 社に求めている。
▼製薬:サノフィ
製薬大手のサノフィは 2012 年 9 月、新興国のジェネリック製品との競争による業績悪化
などを理由に 2015 年までに 914 人の人員を仏国内で削減するリストラ計画を発表した。同
社はすでに 2009~2011 年に 4000 人の削減を行っている。モントブール生産再建相は計画
発表直後、サノフィ社が昨年 50 億ユーロの利益をあげたことを指摘し、
「リストラは認め
られない」とテレビで発言。CGT と FO が共同で抗議集会を行うなど労組は反対運動を展
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開するとともに、政労使の 3 者協議を要求している。
▼タイヤ:グッドイヤー
米国系企業のグッドイヤーは 2013 年 1 月 31 日、中央企業委員会(労働法典で 50 人以
上の企業に義務付けられている経営者・労働者・労組代表の経営協議機関)閉会後、
「5 年
間の労使交渉の実りが無く、工場閉鎖が唯一の解決策だ」とアミアン・ノールの工場(従
業員数 1,173 人)の閉鎖を発表した。CGT はフランス全土のグッドイヤー労働者の反対行
動を呼びかけ、ストなどの行動で応え、マスメディアでも大きく取り上げられている。□
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