住民説明会及びパブリックコメントに寄せられた意見等の概要

「(仮称)国立市まちづくり条例(素案)の構成」に関する
住民説明会及びパブリックコメントに寄せられた意見等の概要
実施期間
平成 27 年 9 月 20 日~平成 27 年 10 月 13 日(住民説明会
全 4 回)
Ⅰ.まちづくり条例の基本的事項について
1) 用語の定義
【Q1】P1 の「2.用語の定義」について、建築物や建築、集合住宅、集客施設とい
った用語の定義が必要かどうか改めてご検討ください。
【理由】
・定義を明確にすることにより、運用の幅が狭まり、市が意図されていることが実現
できない可能性があることを懸念します。
・例えば「学生用の寄宿舎(寮)は集合住宅なのか否か」、
「建築物の高さは建築基準
法上で判断するのか、実態上で判断するのか」、
「パン工場+販売店は、工場か販売
店か」など、数え切れない程のグレーゾーンがあり、実際の運用の場面では困る可
能性があります。
・例えば、「開発事業の関する手続き」のところに記載のある、ⅳの「集合住宅」と
いった定義は気になります。集合住宅は規制するけど、寄宿舎は規制しない、寮
も・・・という用途判断を基準法に拠ることにより、いろいろな弊害があるように
感じます。・もちろん、逆転の発想で、定義をより明確・厳格にすることで運用の
幅を狭め、実務上困ることを減らす、という選択肢もありえます。(私自身はあま
り好ましいとは思えませんが)
・そうであれは、上記定義は、「建築基準法の定義に準じる」と考えられるよう、文
言も若干修正が必要と思います。
【A1】条例を客観的にわかりやすくするために、基本となる用語は定義しておく必要が
あります。これまで開発行為等指導要綱(以下「指導要綱」とします。)を運用し
てきた経緯を踏まえ、建築や建築物の定義は建築基準法に則ることが適している
と考えております。ただし、集合住宅や集客施設の定義については、庁内で検討
した結果、周辺に与える影響が大きい事業を抽出して、定義付けしております。
なお、集合住宅については、これまでの指導要綱を運用してきた経過を踏まえて、
「共同住宅」及び「長屋」
(寄宿舎等については、延べ面積が 1,000 ㎡以上の一定
程度以上の建築物を対象とします。
)と定義付けしております。また、国立市は特
定行政庁ではないため、建築基準法上の判断をすることができませんが、一定規
-1-
模以上の建築物は全て対象となるように定義付けしております。
2) まちづくりの基本理念について
【Q2】住民が築き上げてきたまちづくり、古くはまち普請的なものや、住民同士で合
意形成を得たまちを営むハード的ルールや、住民が力を合わせて護ってきた環
境について、尊重する姿勢をどこかに明記してほしい。
【A2】ご意見のような、住民が築き上げてきたまちづくり等の環境については、基本理
念の中で、地域の特徴に合わせた土地の利用を図り、歴史的に育まれてきたまち
なみと環境を守り育て、後世に引き継いでいくという考え方を示しております。
【Q3】P3 の(1)地区まちづくり計画の目的における、「連携」の具体的な内容と
して、
「情報共有する」
、
「協議する」という2つのステップが明記されないと、
条例の運用イメージが伝わらない。
【A3】ここでいう「連携」とは、P2 の3.②の連携したまちづくりにおいて記述してい
るように、
「まちづくりは、市、市民及び事業者がそれぞれの責任と役割を自覚し、
相互の信頼関係に基づき、連携して取り組むことによって行うもの」としていま
す。この基本理念のもと、市が主体にまちづくりの将来像の実現に向けて取り組
んでいきますが、市民のみなさまに自発的にまちづくりに取り組んでいただくこ
とや、事業者に開発事業の手続及び基準を遵守していただくことなどで連携する
ことによって、より実現に向けて前進していけると考えております。
3) 市・市民・事業者の責務について
【Q4】市がやるべき責務や具体的な市の取り組み内容について、もっと踏み込んで記
載をする努力をされてください。(例;地区まちづくり協議会の上部組織とし
て、市が主導する「市まちづくり協議会」をつくる等)
【理由】
全体を通して、事業者等に対する義務等は丁寧に書いていますが、国立市自体が何
をされるのかが薄い様に感じます。市が自ら策定する条例だからこそ、自らに対して
厳しい行動制限をかけるような内容としなければ、民間事業者や市民は、条例に従お
うという気にもなりにくくなってしまいます。痛みと苦労を伴うので、意見として提
出すべきかどうか迷いましたが、せっかくの条例ですので、是非市役所内で御議論を
いただければと思い、提出させていただきます。
【A4】ご意見のとおり、市が主導でまちづくりに取組む必要があることは当然であり、
-2-
市のやるべき責務や具体的な市の取り組み内容については、P2 の4.において、
都市計画マスタープランをはじめ、まちづくりに関する施策を掲げております。
これらを実現していく上では、市が主体的に取り組んでいきますが、市民のみな
さまや事業者の方々と連携して取り組むことによって、より前進させていければ
と考えております。また、地区まちづくり協議会に対する支援は、必要な情報提
供であったり、話し合いの場に職員が出席したり、様々なことが想定されます。
実際に、運用していく中で活用しやすい制度となるように取り組んでいきたいと
考えております。
Ⅱ.市民参加によるまちづくりについて
1) 地区まちづくり計画の目的について
【Q5】P3(1)の地区まちづくり計画の目的にあるように、住民の発意による自主的
なまちづくりを推進するのであれば、実際に担保性を持って使うことのできる
手続き条例とするべきである。
① 発意を待つだけではなく、市で感じているまちづくりの課題箇所につい
て、市が地域に入って行って「地域が知っている」課題をともに話し合う
という前段の手続きを踏む過程を加えてほしい。
② その場合には、縦割りをほどき、必ず地域福祉計画との連動をお願いした
い。地域福祉計画は、多くのまちづくり課題を見つけながら、それを解決
するハードの手段を持っていない。ソフト(福祉)とハードのまちづくり
との連携・連動で、多くの課題の解消が可能となる。
③ これからも住民が市とともにまちづくりを進める手続きを条例に定める
のであれば、住民主体のまちづくり計画について、この条例を超えて、都
市計画決定(例えば地区計画)されるまでのプロセス(過程)を加えてほ
しい。
【A5】
① 現在、既に地域のルールが定められている地域や、市として課題と捉えている地域が
ありますので、そのような地域については、市から権利者の方々に地区まちづくり計
画の制度を説明させていただき、制度の活用を促したいと考えています。
② 地区内における福祉に係る課題についても、地区まちづくり計画の仕組みを利用して
市の施策との連動を図りながら、ソフト面の取組みとハード面の整備とを関連させた
ルールを定めることで、課題の解決に導くことが可能かと考えます。
③
まずは地区まちづくり計画の制度が活用され実績を積むことが先決であると考えて
います。地区まちづくり計画を検討する中、計画の決定後に運用していく中で、地
区住民の方の賛同が集まれば地区計画として格上げすることも可能ではないかと考
-3-
えています。また、地区計画の策定手続については、「国立市地区計画等の案の作成
手続きに関する条例」において規定しておりますので、本条例では規定しておりま
せん。
【Q6】「II.市民参加によるまちづくり」の内容は、
「地区まちづくり計画」の記述に
終始していますが、他市事例には、「日野市:全て市民だけでつくった市民版
マスタープラン」などもあるようです。地区計画のみならず、全市的なマスタ
ープランへの市民参加についても記載してほしい。
【A6】都市計画マスタープランも含めて、各種計画を策定したり見直したりする際は、
市民のみなさまのご意見を把握する必要がありますので、各種計画を検討する中
で、その計画に即した手法を活用して実施されていくものと考えております。
【Q7】国土交通省都市・地域整備局が実施したアンケート調査によると、参加のまち
づくりの問題点として、調査した地方公共団体の 41%が、
「代表性・公平性の
確保、市民の活動拠点の不足(欠如)、専門知識のない人向けの対応の難しさ等」
を挙げています。
そして、
「いくつかの地方公共団体においては、市民の主体的なまちづくりへ
の取組みを行政が技術面、資金面で支援するため、専門家派遣や活動費助成な
どの施策を実施している。」として、事例が挙げられています。具体的な市民
参加支援策についても記載してください。
【A7】国立市においてもいくつかの条例等において、各種活動団体に向けての支援が規
定されております。本条例における市民参加支援策としては、本条例において仕
組みを定める地区まちづくり計画の策定に関わる地区まちづくり協議会に対する
専門家の派遣や活動費の助成を検討しています。
【Q8】地区まちづくり計画をつくっていくことは結構なことだが、これまでに策定さ
れた地区計画は地区まちづくり計画に移行していくのか。地区計画はそのまま
継続していくのか。
【A8】地区計画は都市計画法に基づき決定しているルールであることから、そのまま存
続されます。本条例において地区まちづくり計画の仕組みを定めることによって、
地区計画が地区まちづくり計画に移行されることはありません。
-4-
【Q9】これまで地区計画を進めてきたが、地区まちづくり計画の制度ができたことで、
国立市民のまちづくりの希望が改善されていくのか。市民にどのようなメリッ
トがあるのか。
【A9】地区計画は、法律による規制であり法的拘束力がありますが、その反面、法律に
よる規制になりますので、地区内の権利者のほぼ全員の合意を目指す制度である
ことから、定めるにあたってはかなり難易度の高い制度になります。一方、地区
まちづくり計画は、法的拘束力が条例による規制の強さでありますが、まちづく
りに関する施策に適合していれば、地区まちづくり協議会における話し合いの場
で出される地区住民による身近なルールから地区計画で定めるようなルールまで
様々ルールづくりが可能となります。また、既に自主的にルールを定めている地
区がある場合は、地区まちづくり計画として決定していくことによって、区域内
で規則に定める建築行為等を行う者には、市への届出を義務付け、適合を審査す
ることとなります。
【Q10】開発事業により国立市ではこれまでいくつも紛争が起きているが、地区まちづ
くり計画は、事業者にとって脅威になり得るのか。
【A10】過去の経緯から、突然大きなマンションが近隣に計画されることによって紛争に
なるケースが多くあります。そのようなマンションが計画される前に、住民の方々
が自らの地区の将来を考え、予めルールを定めておける仕組みを条例で用意しま
した。加えて、市内のほぼ全域に高さの基準を導入し、開発事業の手続と関連す
る手続として事前調整制度を定めたことにより、近隣住民の方々と事業者が公に
調整を行なえるようにしています。このような制度により、なるべく紛争が起き
ないように調整していきたいと考えています。
【Q11】地区計画と地区まちづくり計画の違いは、地区計画を定めようとすると都市計
画決定の手続き等でハードルが高いが、それよりもハードルを下げて地区住民
がみんなで話し合いながら、地区計画で決められること以外の生活のモラルな
ども含めて地区のルールが決められる、住民に使い勝手の良い仕組みを盛り込
んだということではないか。したがって、地区計画の良いところもあるし、地
区まちづくり計画の良いところもあるということではないか。
【A11】ご意見のとおり、地区計画と地区まちづくり計画は、法的拘束力、手続の難易度、
定められるルールの種類という点で、双方にメリットの違いがあります。
-5-
【Q12】市民がまちづくりに関心を持っていないと、個人の想いに止まってしまい、住
民同士で「事前」にルールをつくるという機運につながらないのではないか。
地区住民が集まりを作っていかないと、この制度は活かされないのではない
か。市として、市民に関心を持ってもらえるような活動を考えているのか。本
日も出席者が少ない。目の前に問題が起こると行動を起こすが、「事前」にま
ちづくりを考える、ということをどうすれば、スムーズに啓発できるか。
【A12】この制度が運用開始された後は、既に自主的にルールを定めている地区が市内に
何ヶ所かありますので、このような地区のルールを本条例に基づく地区まちづく
り計画として策定していけるように市から働きかけをしていくことを考えていま
す。事例ができれば、他の地区へも制度を活用して、地区のまちづくりを推進し
ていきたいとの思いが生まれるのではないかと考えています。また、
「わくわく塾」
等によって市民のみなさまに周知し、制度の活用を促していきたいと考えていま
す。
【Q13】矢川都営住宅の建替えや跡地利用の話があるが、そうしたことと、地区まちづ
くり計画への取組が絡むことはあり得るのか。計画の段階で住民が関わりを持
つと、建替え後の管理面での活動などにも生かされるのではないかと考える。
【A13】矢川都営住宅の建替えは、市のまちづくりに関する施策として進めています。矢
川都営住宅の建替えのみではなく各種まちづくりに関する施策は、本条例におけ
る地区まちづくり計画の仕組みを使うまでもなく、市が市民のみなさまに施策内
容の周知、検討過程で様々な意見の把握を行います。
2) 地区まちづくり協議会について
【Q14】地区まちづくり協議会に、市民が政治的意図、その他様々の意図を持った人が
参加することの危険性を指摘せずにはいられない。
【A14】地区まちづくり協議会は、地区まちづくり計画素案の策定を目的に組織されるも
のになりますが、認定をする際には、地区まちづくり計画素案に盛り込もうとす
る内容が市のまちづくりに関する施策に適合しているかなどの認定要件を満たし
ておく必要があります。
-6-
【Q15】P4 の(3)地区まちづくり協議会の認定要件②の「地区住民の5人以上で認
定」を変更し、
「5権利者(5世帯)等で認定」としてください。
【理由】
・住民の定義をかなり幅広くしていますので、地区住民には子どもなども含んでしま
います。家族だけで地区まちづくり協議会が認定されるのを全面的に否定するつも
りはありませんが、制度としては不適切な印象ですので、変更をされた方がよいと
思います。
【A15】ご意見のとおり、地区住民の5人以上とすると、家族のみで協議会が構成されて
しまうことが想定されます。協議会は人数ではなく世帯で捉えて構成することが
適切かと考えておりますので、認定要件については規則の中で規定しますが、そ
のように読み取れるように規定もしくは運用していきたいと考えております。
【Q16】P4 の(3)地区まちづくり協議会の認定手順②は、
「市長は協議会の認定にあ
たっては、認定要件への適合について、審議会の意見を聴くものとします」と
修正してください。
・また、③は、「市長は協議会を認定したときは、その旨を公告するものとし
ます。また、認定しないときはその理由を申請者に示すこととします」と修
正してください。
・※については、
「市長は認定した協議会に対して、必要な支援を行うことと
します。
」と修正してください。
・さらに、追加で「市長は認定要件への適合が確認できたときは、地区まちづ
くり協議会として認定しなければならないこととします」との要件を加筆し
てください。
【理由】
・協議会の認定はできるだけ幅広く認められるべきものと考えますので、審議会への
意見を聞く内容は限定的にすべきですし、認定しない際にはその理由を明示すべき
です。認定した協議会に対しては、必要な支援は行うべきですし、認定要件を明示
している以上は、認定要件に合致しているのであれば認定すべきと考えます。
・細かい言葉尻の問題かも知れませんので、上記趣旨を勘案し、適切に条例条文案を
作成していただければと思います。
【A16】市民の活動は幅広く認めるべきであるということは、ご意見のとおりです。審議
会への意見聴取は、認定要件の適否を判断する際、必要な場合に限って行うもの
として修正します。
・協議会の認定の可否については、申請者に通知するとともに、認定した場合は
-7-
公表しますので、ご意見のような規定に修正します。
・協議会への支援は、協議会の活動内容を確認した上で、判断することになりま
すので、必要な支援を行うことができるとしています。
・協議会の認定に当たっては、認定を受けようとする団体からの申請に基づくも
のであるため、認定要件に適合している場合は、市長は協議会を認定できるこ
とと規定します。
【Q17】5人程度で地区のまちづくり協議会を作り、審議会が認めれば次のステップに
進めることとなっているが、審議会が公平な立場で許可を出すかどうかわから
ないと思う。
【A17】協議会の認定に当たって、審議会に意見聴取する際は、主に協議会の活動が市の
まちづくりの施策に適合しているかを判断するものであり、審議会の考えで認定
するか否かを判断することはありません。
【Q18】P4 の(3)の認定要件②において、5人以上で協議会を設立できるとなって
いるが、自治会単位とした方が良いのではないか。
【A18】区域設定できるのであれば、自治会単位で定めることも考えられますが、要件と
して規模が大きくなってしまうと、発意のある市民にとってハードルの高い制度
になってしまいますので、5人(世帯)以上としております。
【Q19】P4 の(3)の認定要件において、向こう三軒両隣の人が集まって協議会をつ
くれるようになるのか。その範囲、面積はどうなっているか。
また、
(4)③の同意要件については、例えば、5人のそこだけの3分の2
の合意を得なければならない訳なのか。一定のというのは5人が立ち上げてど
の辺までの3分の2の人の同意を得ればいいのか。
【A19】例えば道路に囲まれた一区画の街区のように、区域が明示でき、ある程度まとま
っている区域内でルールを定められる仕組みとしています。一定割合の同意につ
いては、ルールを定める区域内の地区住民の同意としておりますが、定める区域
によっては協議会が全ての地区住民を把握することは困難だと思われますので、
協議会で地区住民に対して説明会等により内容を説明してもらい、その後は市が
計画素案や計画案を公表する中で、地区住民の意向を把握していきたいと考えて
おります。
-8-
3) 地区まちづくり計画素案の提案について
【Q20】P4 の(4)〈地区まちづくり計画素案の市への提案要件〉の①の基準につい
ては、地区まちづくり協議会の認定要件に(もしくは地区まちづくり協議会の
認定要件として重複記載する)移してください。
・④は、
「各種法制度や市のまちづくりに関する施策に反していないこと」と
修正してください。
【理由】
・①の基準は区域の話ですので、協議会の認定要件に「まちづくり計画素案の策定を
目的とすること」と書いている以上、認定時にも確認すべき内容と思います。
・④の基準については、単なる提案要件なので、反していない、という程度の表現で
十分だと思います。一方で、基準法や都市計画などの既存制度に反しない、という
趣旨は盛り込まないと、とんでもない提案が出てくる可能性もあります。
【A21】ご意見のとおり、協議会を認定する際に計画区域に関しては、一定の想定がされ
ていなければなりませんが、計画区域は定めるルールの内容と関連するとともに、
協議会で話合う中で流動的に変わることが考えられますので、計画区域は計画素
案として固まった段階で適否を確認するものとしています。
・関係法令に反していないことは、当然に必要であると考えますので、規則等に
より提案要件を定める中で検討させて頂きます。
【Q22】P4 の(4)の地区まちづくり計画案の要件のうち①区域の要件は、非常に曖
昧な表現だと思う。もっと明確に表現できないのか。
【A22】骨子案では 3,000 ㎡以上の計画区域という面積要件を規定していましたが、地区
住民の発意が、面積要件に縛られて形にならないことを避けたいので、計画区域
として明示しやすいもので囲まれている区域であれば面積は問わない要件として
います。
【Q23】P4 の(4)の地区住民の同意について、「一定の割合」というのは誰が判断
するのか。申請する側がよいと思っても、誰かが適当ではないと言ったら計画
ではなくなってしまう。「一定の割合」だと考えて申請を出しても、それは一
定ではない、と言われたらどうするのか。誰がどういうかたちで、適当な割合
と判断するのか。
【A23】検討段階では、定めるルールの内容によって必要な地区住民の同意の割合を変え
るという方法を挙げました(建築物や土地利用に関わるルールは2/3、それ以
-9-
外は1/2)
。しかし、一般的に財産の権利関係は複雑多岐に分かれていることが
多く、権利者の総数を協議会が確認し、所在を明らかにすること自体が現実的に
難しいことが想定されます。そこで、地区まちづくり計画の実績が多くある世田
谷区を参考に、地区住民に対する説明や意見書の取交しを通して地区住民の意向
を確認し、地区まちづくり計画を作成していくという方法を取入れます。
4) 地区まちづくり計画素案の公表・縦覧について
【Q24】P5 の(5)及び(6)の計画案(素案)の内容について、市民の意見を聞く
という規定における「市民」とは国立市民全員のことなのか。
【A24】地区まちづくり協議会が提案した素案を公表する際は、実際にルールが定められ
る地区住民の意見を聴き、計画案を作成することが適切かどうかの判断をします。
その意見を踏まえて、市が計画案を作成した後には、当該計画は本条例における
まちづくりに関する計画となりますので、市民全体の意見を聴くこととします。
5) 地区まちづくり計画の決定について
【Q25】P5 の(7)の地区まちづくり計画の決定者を“市”に修正してください。
・地区まちづくり計画の決定を行うのは、”市”であって市長ではなく、公告・
縦覧を行うのは“市長”であって市ではないと思います。単なる表現だけの
問題かも知れませんが、条例化の際にはこれらの使い分けについてはご留意
ください。
【A25】地区まちづくり計画の決定に当たっては、公告することによって行うこととして
おります。そのため、決定者は市長としております。
6) 建築行為等の届出
【Q26】P5 の(8)建築行為等の届出の3行目の「許可等の申請の前に市長に届け出
る」という文言は、
「許可等の申請の前若しくは当該行為を行う前に市長に届
け出る」と修正をしてください。(地区まちづくり計画の内容次第では、申請
手続きを前提にできない場合がある。)
【A26】ご意見のとおり、計画区域内で行われる建築行為等が、許可等の申請が必要ない
行為であることも考えられることから、
「当該届出行為を行う前」に市長に届け出
ることを追加した内容で修正します。
- 10 -
Ⅲ.秩序ある開発事業等によるまちづくりについて
【Q27】この条例ができても迷惑施設が建てられることを防ぐことはできないのか。
【A27】建築物の用途制限に関しては都市計画による用途地域及び地区計画の中で定めら
れています。住環境保全のために特定の地域における建築可能な建築物を法律に
よって制限を加えたい場合は、地区計画によって制限する方法が考えられます。
また、新築(増築)される建築物の規模が延べ面積 1,000 ㎡以上又は高さ10m
以上である場合は、本条例に基づき開発事業の手続が必要となります。その場合、
事前協議や事前調整制度の手続の中で、事業者に近隣住民への計画説明、意見調
整することを規定しています。
【Q28】P7 以降の開発事業等によるまちづくりの章について、条例化にあたっては、
他法令や他条例による手続きがあることも含めて事業者にわかり易いように
記載してさしあげてください。
【理由】
・例えば、P10 の工事着手の記載振りや P14 の大規模な土地取引にかかる届出のフロ
ー図、P15 の一番下の開発事業承認申請書の提出、といった記載については、実態
上は国土利用計画法に基づく届出が必要であったり、開発許可が必要であったり、
基準法 42 条 1 項 5 号指定の手続きが必要であったり、何より工事着手前には、ほ
とんどの場合は確認申請が必要であったりするはずです。
・縦割りの「国立市だけ」という事務手続きを記載するのでは、事業者に対して不親
切ですし、(仮に事業者は専門家なので分かるはず、というのでも良いと思います
が)一般の国立市民にはこれらの内容は伝わりません。出来れば一項目ずつ丁寧に
(例えば、開発許可や確認申請の手続き等も)記載していただきたいですが、少な
くとも文章中やフロー図のどこかに、「これらは国立市に対する手続きのみを記載
したものであり、東京都や特定行政庁等に対して別途手続きが必要となる場合もあ
る」的な注意書き記載を盛り込まないといけないのではないでしょうか。
【A28】今回公表させていただいた条例(素案)の構成、現在策定作業を進めている条例
案では、各種法令の手続については記載しておりません。これらについては各種
法令により規定されており、本条例においては規定するものではないと考えてお
ります。しかし、本条例に規定する手続との関連手続等は市民のみなさまにご覧
になっていただいても理解していただけるようにしなければいけないと考えてお
りますので、条例の運用していく上では、手続の流れがわかりやすいように資料
を作成する予定ですので、その中で関係法令の手続について記載することを検討
します。
- 11 -
【Q29】本条例に基づく判断結果を他法令や他条例に基づく手続きにも反映できるよ
う、措置してください。
【理由】
・特に P20 の「3.の建築物の高さにかかる基準」で考えると分かり易いのですが、
当該基準に合致していない開発事業を行おうとする事業者に対して、国立市はどの
ように対応されるのでしょうか。下記の様な例を考えると、本条例に基づく結果(対
応方針)は、本条例による勧告等だけではどうしようもないことが多いですが、東
京都等の法令に基づく手続きに影響させることでより一層、その効果を発現させる
ことが可能だと思いますのでぜひご検討ください。
例1:開発許可の必要な物件(P8 の3.
(1)ⅰ)に該当)の場合には、条例に基づ
き、勧告・命令までするのは当然のことですが、これらは東京都からの意見照
会を受けて国立市の都市計画審議会で議論されると承知しています。したがっ
て、当然に当該審議会から東京都に対して返す意見も、「非同意」となると思
っているのですが、一方で、都市計画審議会の審議には独立性が担保されなけ
ればいけません。市都計審と今回条例との関係がいまひとつ不明です。
例2:通常、特定行政庁や民間確認検査機関とのやりとりだけで建築等できる物件(P8
の3.
(1)ⅲ)~ⅴ))については、事業者が国立市の条例を知らなければ、
淡々と東京都や民間検査機関に確認申請を出して動き始めてしまいます。した
がって、特定行政庁との連携は不可欠だと思いますが、確認申請が出された物
件について、国立市に自動的に情報提供してもらえるような協議が進んでいる
のでしょうか。
【A29】都市計画法に基づく開発行為においては、許可権者である東京都へ申請する際に
必要となる市の公共施設の管理者としての同意を本条例における手続の中で行っ
ていくため、手続が連動する形になります。その他の事業については、本条例に
おいて行政手続を定めていますが、開発事業の基準に適合していないことについ
て、特定行政庁等の関係機関に対して、法定手続を止めるなどの措置を求めてい
くことは困難であると考えております。なお、本条例の開発事業の適用となる事
業で、本条例の手続がなされずに確認申請が出されるということは想定されるた
め、特定行政庁である東京都と今後運用に向けての連携について調整していきた
いと考えております。また、制定後は民間確認検査機関へ周知していきたいと考
えております。
- 12 -
【Q30】大規模開発事業における大規模開発構想については公表期間が21日間とか、
開発事業における事前協議書については14日間とかあるが、どういう方法で
公表するのか。また、21日とか14日というのが市民の意見を適切に反映さ
せるうえで適切なのか。市民に意見を問う方法についても、市民の耳や目にき
ちんと大切な情報が入る方法で公表を行なえるのか。
【A30】公表期間については、
「国立市パブリックコメント手続実施要綱」における規定を
準用して決めています。また、公表方法については規則で規定していきますが、
公表する内容によってホームページへの掲載、都市計画課の窓口等で縦覧などを
検討しています。
現行の開発行為等指導要綱には、開発事業の資料の公表に関する規定がありませ
んので、本条例では積極的に情報公開をしていくことを目的に規定していきたい
と考えております。
また、開発事業の近隣住民の方々には、事業者から計画内容を説明会もしくは個
別に説明してもらいますので、意見書を提出できる近隣住民の方々にはもれなく
情報が届くと考えております。
【Q31】大規模開発事業や開発事業の際に、事業者が市民に対して行う説明は、建築基
準法などに詳しくない市民にはわからないだろうし、事業者は事業を行ないた
いので、都合の良いことしか説明しないことが想定される。また、市に説明結
果を報告する際にも、住民の意見の都合のいいところだけを聞いて、特に悪い
意見ありませんでしたよと報告することも考えられる。特に問題がないという
報告がされれば、審議会も素通りしてしまい、市が認めていく気がする。説明
をしなかったから問題が起きるのではなく、説明をしても問題は起きる。何か
もっと工夫したほうが良いと思う。
【A31】現在は指導要綱に基づき開発事業の手続を行っていますが、近隣住民との意見調
整の仕組みはありません。本条例では新たに事前調整制度を取入れ、事業者と近
隣住民の方々が公に意見調整ができるようにしています。さらに、大規模開発事
業の場合は、構想段階という前段の状況においても意見調整を行うことができる
ものとし、開発事業の際と二段階で手続を行うものとします。
- 13 -
【Q32】規模は小さくても周辺住民に影響を与えるものについては、本条例における対
象事業にできないのか。例えば、学校の通学路沿いにあり、大きなトラックが
出入りしたり、そのことで歩道が凸凹になっているなど、周辺環境に良いとは
言えない施設ついては、事業者が申請すれば無条件で許可されるのか。
【A32】開発事業の対象については、本条例において手続や基準への適合を指導していく
必要がある事業として、現行の指導要綱と同等の対象事業としています。手続や
基準に適合してもらうためには、事業者には整備にかかる費用等の負担をお願い
しなければなりませんので、一定の規模以上の事業を対象としています。
【Q33】(上記関連)東京都に書類を提出し認可がおりれば、市は関係ないということ
か。
【A33】事業の内容によっては法に基づく許可が必要になることがありますが、市が権限
を持っていないものは対応することができません。
【Q34】土地区画整理事業でできた土地に事業所ができる可能性がある。
【A34】土地区画整理事業が行われた地域で地区計画を定めている場合、土地所有者の意
向に基づき、建築できない事業所の種類等を決めています。制限に該当していな
い事業所であれば建築することができます。
【Q35】まちづくり条例というのは、みんなで良いまちをつくろうと謳っているが、周
辺に影響のある建物が出来てしまうような条例なのか。条例の対象事業になら
ないならば適用されないということか。それでは、まちづくりではない。事業
者の言いなりになっている。(寺之下地区について)
【A35】寺之下地区は、土地区画整理事業によって土地所有者の方が自ら土地を出し合っ
て道路等の公共施設を整備するとともに、地区の権利者の合意のもとで、土地利
用の制限を上乗せするなど地区計画としてルールを定めています。
【Q36】地区計画を決めていく際、周辺住民の意見は関係ないのか。土地所有者だけの
考え方でやっていいということか。どうしようもないのか。
【A36】寺之下地区は当該地区計画の制度により土地利用を規制しています。条例ができ
たとしても、建物の新築や増築時に適用されるので、既存の建物の建替えや増築
- 14 -
を行わない限り適用対象にはなりません。
【Q37】大規模な事業に対しての規制のことの以前に、現状を少しでもいいまちづくり
をしていただきたい。
【A37】開発事業の基準は、一定の公共公益施設の整備を求めますので、一定規模の事業
を対象として線引きする必要があります。地区住民が同意した上で地区まちづく
り計画が策定されれば、条例による対応は可能ですが、地区計画で決められた制
限を緩和することはできません。
【Q38】寺之下地域は業務用地となっているのか。住宅は建設できない地域なのか。業
務用地で住宅が建設できるということなのか。
【A38】都市計画上の用途地域は準工業地域になっており、都市計画マスタープランにお
いては「環境に配慮した業務ゾーン」
「住環境に配慮した住工混在ゾーン」となっ
ています。住居系の用途地域とは異なり一部制限がありますが、住宅も建築でき
る地域になります。また、寺之下地区地区計画区域においては敷地面積の最低限
度を 300 ㎡以上とする規制があるため、業務系の土地利用を誘導する内容になっ
ています。
【Q39】こういう条例を作るということは、この先、現実に問題となる開発が想定され
るということなのか。
【A39】これまでも、大規模なマンションが建築される場合等に、近隣住民の方が反対さ
れ、なかなか合意がみられないということがありました。紛争を防ぐために関係
者間で事前に意見調整を行いやすい新たな仕組み設けています。
【Q40】80 戸以上の集合住宅が対象というのは、かなり大規模なものになるので、そ
れほど対象となる事業がないのではないか。
【A40】通常の開発事業の対象事業は 10 戸(16 戸)以上の集合住宅を対象としていますが、
80 戸以上の場合は過去の経緯を踏まえると周辺への影響が大きいと考えられるた
め大規模開発事業の対象としています。大規模開発事業に該当した場合は、P14 及
び P15 のフローにお示しするように、2段階の手続を必要としています。
- 15 -
Ⅴ.開発事業に係る基準について
【Q41】規則に規定予定の「開発事業の整備基準」については(用語の定義と同じ趣旨
ですが)細かい定義が無いですが、基本的な運用は国立市が行うとの趣旨であ
ればその旨を記載された方がよいと思います。
【理由】
・例えば、「高齢者用住戸」
、「ワンルームタイプ、ファミリータイプ」、「接道緑化」
といった文言について、その定義を(内部規定でよいので)しっかり持っておくこ
とが必要と思いますのでご留意ください。
【A41】開発事業の基準で使われる用語については、規則等の規定の中で定める際に留意
させていただきます。
【Q42】まちづくり条例素案では、大規模開発事業の手続きの流れが随分と改善されて
いると思った。公園や緑は、本市は全国的に見ても少なく、下から数えた方が
早い。以前は森のような雑木林があったが、今は雑木林もなくなり家が建って
いる。大規模開発に際して公園を設置するように取り組んでいけば良くなる。
また、建築物の最高高さについて決めるのは、将来的に良いと思う。
【A42】緑化の基準については、市内の緑被率を向上させる観点から開発事業の種類や規
模に応じた基準を定めます。また、建築物の最高高さについては、まちなみの統
一性を図る上で、市の考え方を基準としてお示ししています。
【Q43】市には、住民の強い要望があれば動くという話を聞いたことがある。そのほか
にもいろいろな基準もあるのですね。
【A43】各担当部署が所管している基本計画や基準等が基本となります。
【Q44】公園の管理で協力会を住民で組織しているが、公園の管理だけでは住民が集ま
らないという悩みがある。もっとまちづくりの枠が広がって、人のつながりも
広がっていくとよいと思う。
【A44】本条例では開発事業を行う場合は、開発区域内に緑地を整備する基準を設け、民
有地も含めた中で市内の緑被率を高めていければと考えています。
- 16 -
【Q45】国立市内では、10 階を超える建物は建てられなくなるということか。
【A45】指定容積率 400%以上の地域は、高度利用を図るべき地域として本条例で高さ制限
の基準は定めていませんので、10 階を超える建築物を建てることはできます。た
だし、都市景観形成条例では、10 階以上の建築物が該当すると考えられる高さ 31
m以上(国立駅前周辺及び大学通り沿道は 20m以上)の建築物については、景観
審議会に審議されるという取扱い基準があります。
【Q46】駅周辺地域について条例で高さ制限をしないということについては、合意を得
ているのか。駅舎を低く保全している周辺で高い建物ができるのは、理想では
ないが、この条例ではそれを認めていこうという方針か。
【A46】積極的に高さの高い建物を認めるということではありません。都市景観形成条例
では、国立駅前周辺及び大学通り沿道において 20m以上の建築物が計画される場
合、景観審議会に審議されます。
また、当該地域は容積率が高いことから、地区内の権利者の合意により地区計画
や地区まちづくり計画で高さ制限をかけることが望ましいと考えています。その
場合、国立駅周辺については国立駅周辺まちづくり基本計画に基づくことになり
ます。
【Q47】従来、駅周辺や通り沿いとその裏との容積率の差が大きいという課題があると
ころで紛争を防ぐためには、地区住民が事前に地区まちづくり計画を作らない
といけないということか。
【A47】特定の地域にルールを定めるためには、地区計画や地区まちづくり計画で対応す
ることが考えられます。都市計画の用途地域の変更は行う予定はありませんが、
まちなみの景観を保全するために、本条例で地区まちづくり計画の制度や高さの
基準を定めます。
【Q48】P22 の建築物の高さの最高限度を定めることによって、これまでに比べて、規
制が厳しくなるというところはあるのか。
【A48】第1種低層住居専用地域及び第2種低層住居専用地域、地区計画区域の一部以外
の地域には、これまで建築物の高さの最高限度(斜線型高度地区を除く)がありませんで
したので、新たな規制となります。
- 17 -
Ⅵ.まちづくり条例に規定するその他の事項について
【Q49】まちづくり審議会には学識経験者または公募の市民が入るということだが、市
がメンバーを選定した後、メンバーを公表して市民からメンバー選定に関する
判断を受けつけるのか。市に対して協力的な学識経験者を集めるのではないか
といった懸念がある。
以前、国立駅のロータリー周辺についての話合いの際にも審議会があったが、
会長になった方の意見によって、審議会の判断が大きく左右されたことがあっ
た。まちづくりは皆の意見を取り入れて行うことが基本だと思うので、市の示
す方向に賛成の学識経験者ばかりを集めるということになれば、市民が参加す
る意味がない。審議の際には、賛成、反対の両方の意見を戦わせ、その過程で
市民が気づくことも多々あり、やはり市の意見が良いということになれば市民
が合意したまちづくりになると思うが、そうでなければ市が決めた市民不参加
のまちづくりになりかねない。そのあたりについて検討をよろしくお願いしま
す。
【A49】現段階では、どのような方に審議会の委員をお願いするかは未定です。現在設け
られている景観審議会は公募による市民と学識経験者の方に委員になって頂いて
いますので、同様な方法で選出していきたいと考えています。学識経験者は、専
門性に長けている方、国家資格を持った方、市の進めるまちづくりを理解して法
律や条例を正しく運用して頂ける方など、できるだけ適任の方を探したいと考え
ています。
国立駅周辺に関する検討組織は、様々なアイデアや実例を持ち寄り、今後の具体
的な国立駅周辺のまちづくりについて検討する会議です。本条例で設置するまち
づくり審議会は、そのような検討を行う会議ではなく、地区まちづくり計画の内
容や開発事業の内容等が都市計画マスタープランなど市のまちづくりに関する施
策に沿っているものかどうかを、必要に応じて、審議を行い、判断する機関にな
ります。
【Q50】景観審議会は、この条例ができても継続するのか。この条例で、別の審議会が
できるのか。
【A50】本条例の付属機関としては、「国立市まちづくり審議会」を設けます。景観審議会
は審議内容が異なるため、現状では存続していくことを考えています。
- 18 -
【Q51】まちづくり審議会の委員は誰が、どのように決めるのか。また、市民委員は公
募になるのか。
【A51】現段階では、まちづくり審議会の構成メンバーは、市民と学識経験者を想定して
います。市民委員に関しては、他の審議会等と同様で、公募により行う予定です。
【Q52】罰則については定めないのか。「命令」と「公表」という処分までか。
【A52】地方自治法に基づく自主条例では、罰金は上限が 50 万円となります。この程度の
罰金では事業費と比べるとかなりの少額になるため、事業者に与える実質的な抑
止力が期待できないと考え、公表により本条例の実効性を確保したいと考えてお
ります。
【Q53】工事停止命令はやらないのか。また、工事停止命令を破った場合はどうなるの
か。
【A53】手続を怠った場合や協定内容に違反して工事着手した場合には、手続を行うこと
や協定内容に即した事業を行なうように勧告を行ないます。その勧告に従わない
場合は工事の停止命令をすることができる規定にしています。また、工事停止命
令に従わない場合は、当該事業者の指名、違反内容等を公表することができる規
定にしています。
【Q54】取締りを強化するよりも、みんなでよいまちづくりをやろうという取組を進め
た方がよいという考え方かと思うが、国立のまちは事業者から狙われているの
で、ルールの実効性の確保はぜひ、がんばってほしい。
【A54】手続の実効性が確保されるように、事業計画が出されるはじまりの段階から協議
の中で意見調整できるように手続を工夫します。
- 19 -
その他
【Q55】大規模開発が悪という誤った常識があるがむしろ逆であり、大規模開発の方が
優れた開発が行われるといっても過言ではない。3,000 ㎡という大規模開発が
問題なのではない。むしろ逆に一軒の敷地の狭小化が問題なのだ。
最近は景気の悪化とともに敷地面積の減少、狭小化が進んでいる。ミニ開発の
面積も 150 ㎡ぐらいから 100 ㎡を切るケースが増えてきた。それらは何が問題
なのか。具体的に住宅を建てると建蔽率 50%だと、7mの四角で建築面積 49
㎡、総2階で 98 ㎡で 100%の容積率は目いっぱいとなる。それに車一台分の
スペースを確保すると建物と敷地境界との隙間は1メートル足らずとなる。つ
まり建築の足場分しかなく、植木一本も植える地面は残されていない。国立の
谷保地区においては畑のミニ開発が進み、緑はどんどんなくなっている。そも
そも建蔽率 50%は狭小敷地において高すぎる。最低敷地面積と敷地の広さご
との建蔽率規制を新たな住宅条例ですべきであろう。今回の1敷地当たり 110
㎡以上の規制など 110 ㎡だったら良いといっているに等しい。今後、すべての
土地取引について国立市は先買い権を持つことが望ましい。かつての 200 ㎡の
区域の分割は許可せず、場合によっては市がそのまま買い、200 坪でそのまま
買う人を探すべきだ。
【A55】本条例は大規模な開発事業における手続や基準を定めておりますが、大規模開発
事業を否定しているのではありません。手続を通して、市のまちづくりに関する
施策への適合や事業者と近隣住民との間での合意形成を図ることができる制度を
設けることによって良好なまちづくりを推進していくことを目的としています。
また、最低敷地面積は、住生活基本法に基づき住生活基本計画において定められ
た最低居住面積水準を満たすことのできる規模として規定しています。
【Q56】中高層地域は本来、都市の公共的利用の観点から空間を効率的に使おうという
ものである。従って問題は高さなどの制限は、基本的に用途地域の数値にのっ
とり決めるべきであり、例えば、それに対して高さが高すぎるとか市民らが異
議を申し立てることは筋が通らない。意義があるのであれば、住民たちは国立
市に事前に異議を申し立てるべきなのだ。建築業者が計画を立ててから異議を
申し立てることを「市民参加」などとして考えているのであれば見当違いもは
なはだしい。
【A56】手続で適合を判断することとなる開発事業の基準のうち、建築物の最高高さにつ
いては、高い建築物を単に否定しているのではなく、地域ごとの特性に応じた建
- 20 -
築物の高さを市の考えとして基準で示すことにより、歴史的に引き継がれてきた
まちなみの景観が保全できると考えております。
【Q57】市民が土地を買った場合でも、法文化された規制に則るのは当たり前だが、さ
らに建築設計においては自治体の専門家と建物の設計について打ち合わせが
なされ、設計は共同作業となる。しかしそれは都市計画課の担当者と行うので
あり市民なる利害の絡むあいまいな相手ではない。都市計画課はどのような街
にするのか具体的にすでに計画を持っていて、多くの市役所では、都市のモデ
ルを持っていて公開しているので市民はそれを目で見ることができる。都市計
画はその時において市民と打ち合わして合意される。つまり事前にどのような
街にするのか決めて土地の所有者はそれに資金を投じて協力する立場なのだ。
【A57】ご意見にありますように、まちづくりは都市計画法による制限を組み合わせて規
制することが大前提です。しかし、地域特性等に応じて、都市計画法の制限だけ
ではカバーしきれない内容があります。その地域のニーズに合った手続や基準を
本条例において定めることによって、都市計画マスタープランにおけるまちづく
りの将来像の実現に寄与することを目的としています。
【Q58】本市のまちづくりの基本構想はできあがっているのか。
【A58】市の都市計画の基本的な方針は都市計画マスタープランとなります。また、関連
する個別計画として国立駅周辺まちづくり基本計画や南部地域整備基本計画等が
あります。審議会の審議のもととなる「まちづくりに関する施策」は、市の基本
構想や基本計画、都市計画マスタープランをはじめとする関連計画や基準となり
ます。
【Q59】都市計画マスタープランが今年度で5カ年計画の最終年度であるため、改善を
やろうとしているのか。
【A59】現行の都市計画マスタープランは平成 23 年2月に改定されたものになりますが、
5年を目途に評価や見直し等を行うこととしております。現在策定しているまち
づくり条例の必要性はかねてよりあり、都市計画マスタープランの評価や見直し
等を行うことに当たって策定するものではありません。
- 21 -
【Q60】まちづくり条例案は、どの程度まで市民に内容が浸透しているか伺いたい。
【A60】今回の説明会の案内は市報やホームページでお知らせするとともに、自治会に回
覧板による周知をお願いしました。説明資料はホームページに掲載し、冊子を主
要な公共施設に置きました。
【Q61】ある程度話が進んでから案や計画の内容を出されても、意見が反映されない状
況になっていることが多い。地元に大きな建物が建つところであれば、周りの
方たちは関心があると思うが、少し離れてしまうと、情報はほとんど入ってこ
ない。やはり地域の情報交換、メディアを使うとよいと思う。市のホームペー
ジを見ている方は少ないと思うので、チラシでもよいので、現状の進捗につい
てお知らせが見られるとよい。掲示板に貼るなど、オープンに情報公開をして
もらえれば、もう少し皆さんの関心も集まると思う。
【A61】5月の骨子案の公表の際には、説明会のお知らせを全ての掲示板に貼りましたが、
残念ながら掲示板を見て説明会へ来られた方はいらっしゃいませんでした。掲示
板による周知効果は確認できましたので、今回の素案の公表においては、市報と
ホームページ以外に自治会への回覧依頼や大規模な敷地をお持ちの学校や法人な
どにダイレクトメールでお知らせする方法を取りました。
なお、本条例に基づく(大規模)開発事業の手続における近隣住民への計画周知
については、事業の種類や規模に応じた範囲に対し事業者から説明が行われるこ
とになります。また、事業計画の資料を都市計画課窓口で縦覧することになりま
す。
【Q62】条例はいつごろ決定されるのか。
【A62】今回市民のみなさまから頂いたご意見をまとめ、庁内検討会やアドバイザー会議
を経て、現段階では、早くて平成 28 年3月議会に条例案を付議したいと考えてお
ります。
【Q63】この条例は、これまでになかったもので、今回、はじめて作るのか。
【A63】本条例において開発事業の対象としている事業については、これまでは開発行為
等指導要綱に基づき、近隣説明や基準への適合をお願いしてきました。本条例は、
これら手続や基準に事前調整制度や市民参加のまちづくりの推進を目的とした地
区まちづくり計画の仕組みなどを加えて、今回はじめて制定される条例になりま
- 22 -
【Q64】この条例で、国立市が大きく変わるということではないということか。
【A64】国立市のまちづくりについては、都市計画マスタープランでまちづくりの将来像
を掲げ、各地域のまちづくりの方向性をお示ししております。本条例は、この都
市計画マスタープランのまちづくりの将来像を実現するための一つのツールとな
ります。
- 23 -