社会福祉法人東京恵明学園 平成 26 年度 Ⅰ.法 人 本 事業報告 部 平成 26 年度大きな事業としては、昨年と同様、園庭等として借地をしていた隣接の土 地約 1,835 ㎡を購入したことである。これにより、当学園の環境保全や利用空間が拡大 し、今後の事業展開にさらにいろいろな可能性が開けてきた。また、元児童部園長が急 遽に退職し、後任に児島充氏を就任したことであり、学園の一本化の取り組みが進んだ ことがあげられる。運営面では、定款変更を行い「副理事長」を廃止し、 「会長理事」を 置くことにしたことと「顧問」を設け、青梅総合病院運営管理者の原義人氏と麻生総合 法律事務所の麻生利勝氏の 2 名に就任していただくことにした点である。 《1》 本年度事業 (1)隣接土地の購入及び土地整備を行った。 ・利用の目的 児童施設の事業に供する。 ・購入の土地面積 1,835.36 ㎡ 購入金額 ・購入手続き経費及び土地整備費 ・購入資金分担 児童の遊び場、児童用菜園 950 万円 30 万 法人 450 万円 乳児部 200 万円 児童部 300 万円 (2)特別の委員会を設置して以下の活動を行った。 「セクシャルハラスメント・パワーハラスメント防止マニュアル」作成した。 《2》 昨年に引き続き次の事業を行った。 (1) 「 乳幼児ショートステイ事業」を 4 市 2 町との委託契約により実施した。 (通年) (2)「第三者サービス評価事業」を株式会社 IMS ジャパンにより実施した。(平成 26 年 11 月~平成 27 年 3 月) (3) 「児童虐待防止を考える」地域交流研修会を参加者 50 名で実施した。 (平成 27 年 2 月) 。 (4) 「けいめいバザー」 (平成 26 年 5 月)、 「けいめいフェスティバル」 (平成 26 年 10 月)を実施した。 (5)学園新聞「恵明」を 2 回発行した。 (平成 26 年 7 月と平成 27 年 1 月) (6)苦情解決委員会を開催(平成 27 年 3 月)。 Ⅱ.乳 児 部 1.平成 26 年度は、定員 35 名でスタートしたが、本年度はほぼ下回ることなく入所児 数は推移した。完全に小規模グループケア体制になり 2 年目を迎え、より家庭的な環 境の充実が図られ、愛着形成の取り組みに成果をあげることができた。 本年度も、6 月以降徐々に入所が増え、平均初日在籍数は 33.6 名で H25 年度に比較 し増加し(H24 年度 31.6 名約 2 名増)、中途入退所を含む総在籍日数は 12,392 日、 前年比 917 名増(H25 年度 11,475 日:前年比 1,483 名増、H24 年度 9,992 日)であっ た。里親委託は、今年度は対象者の減少もあり 名であった。 東京都の民間社会福祉施設サービス推進費は、「病虚弱児加算」が増え、昨年より約 273 万円増となった。今年も加算費を得て「第三者サービス評価」を受審した。 学園運営については、年度当初及び中途での職員の採用が難しく、職員の体制作りに は困難な点があった。特に、4 名の看護師が必要なところ、年度末まで 2 名の不足の 状態が続き、この充足に係る多額の職員募集経費が必要となった。しかし、職員の協 力で大きな問題はなく計画どおり事業を遂行することが出来た。 2. 養育の内容については、小規模グループケアを中心とした小規模グループ養育の 体制の中で、愛着形成を深める取り組みを展開した。行事では、1 歳6カ月以上児は 2 泊 3 日で臨海生活を、以下の児は高原生活などを行うとともに、子ども達の自立に向け た社会体験など様々な取り組みを行った。個々の子どもの発達については、心理、栄養、 看護などそれぞれの専門性を生かした職員の連携によって順調な子育てができた。 障害がある児童や発達の遅れなどがある児童への養育・看護は職員一団となって取り組 み、関係機関からも職員努力を評価する声が聞かれた。健康面でも大きな事故、病気、 感染症もなく落ち着いた 1 年であった。また、子どもの権利保障については『虹色のや くそく』に添って、 「サービス向上委員会」を中心に取り組んだ。 3. 昨年度同様、里親支援専門相談員が児童相談所や他施設の相談員と連携を取り、里 親支援の充実を図った。特別養子縁組に 2 名が委託となり、里親との交流の経過を通し、 家庭養育の必要性を再認識する機会となった。家庭支援は常勤職員 2 名体制とし、保護 者支援への強化を図った。 4. リスクマネージメントについても避難訓練・防犯訓練・防災設備点検・水質検査等 所定の事業は計画どおり実施した。 「ヒヤリハットメモ」の IT 管理は、独自開発で大変 良いものである。職員研修については、養育の質を向上させる園内研修 3 つを企画して 実施した。また、助成金を得ての「資質向上研修」などの内部研修や7施設への見学な どさまざまな外部研修を行った。 Ⅲ.児 童 部 H26 年度は、特に重点をおいて次の事業を行った。 1、小規模グループケアを推進して子どものよりきめ細やかな養育を目指した。 昨年同様の目標を持って養育に取組み、職員との密な関係性が図られた。一方、自立に 向けての取り組みでは、大学進学等自立的な意識の成長が十分にはできなかった。 2、専門機能強化型児童養護施設の指定を継続して受けた。 今年度も「専門機能強化型児童養護施設」として指定を受け、小児精神科医による月2 回のスーパービジョンを行うなど治療的養育に力を注いで取り組んだ。 3、職員の質の向上を目指した。 「成長のステージ」を活用して職員の意識向上図ると共に、別紙のとおり、多様な園内研 修によるレベルアップを図った。職員に研修に重点をおきましたが、自己研修については不 十分な点があった。 4、施設内虐待など子どもの権利侵害がない施設を目指した。 職員会議を通して資料等を配り職員に子どもの権利侵害が無いよう具体的な呼びかけ等 を行いました。また、「丘の上子ども憲章」の委員会を立ち上げ権利保障意識化、職員アン ケート、ワールドカフェ、等の取り組みを行い、子どもの権利侵害のない養育を行った。 昨年度より継続して行う事業を行った。 ① 乳児院と共に青梅市、羽村市、あきる野市、福生市、瑞穂町、日の出町と各5名の委託契 約を結び「乳・幼児のショートステイ事業」を継続実施した。 ② ・施設分園型グループホーム「ひだまりの家」、地域小規模児童養護施設「やまぼうしの 家」、「桐の家」の 3 グループホームを継続実施した。 ③ 心理療法担当職員の 3 名配置をして、虐待を受けた子どもたち、発達や育ちに課題を抱 えたた児童 21 名の心理療法を実施した。 ④ 第三者サービス評価事業を「株式会社 IMS ジャパン」と契約し実施した。また、3 月には苦 情解決委員会を委員 3 名、学園職員 8 名が参加し乳児部と合同で開催した。 ⑤ IT システムによる一元的な管理を行うことを目標にしていたが十分なシステム化ができな かった。家庭支援、心理支援システムが今後に課題を残した。一方、写真管理は順調に 進めることができた。 ⑥ 「楽しく遊び隊」「丘の上コンサートは」計画通り実施できた。 ⑦ 規律ある中でゆとりある生活の場の提供については地道な取り組みをしてきたが十分な状 況とは言えなかった。ただ、子どもたちに寄り添うことの大切さは職員意識として定着しつ つある。「あいさつ」は今後も続けていくべき課題となった。
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