結 合 力 を持 つて る凝 集 素 は 、 尚 ほ 此 血 球 に結 合 し 得 る こ こ に な る か ら 茲 に凝 集 反應 が 出 現 す る こ こ に な る。 即ち本質的 に相異 る凝 集 原 M こか N こか の如 き も の ゝ存 在 を 豫 想 せず し て、單に血球凝 醫 師 談 ( 其十六) 叢 客 。 そ れ で 我 々は、 始 め て積 極 的 の 指示を 聞 く こ こを 得 た、 今 ま 宮 入 慶 之 助鐸 作 に より て の み 之 を認 識 し 得 ろ ざ稱 す る新 凝 集 原 M 及 N こ稱 す る で は 唯 消 極 的 の こ こば か り聞 か され た が 、 こ ゝで も し 、 さ う で も それ を 私 は、 私が 諒 解 し た かぎ り を 書 し て 、 よ ろ こん で 説 明 か ゝり 得 ろ 。 六 二七 き 、 な ま け 天 氣 に こ も り 居 た る に 引 き か へ て 、 今は建設の仕事 に が り 、 風 に 當 ら ず , 邪 魔 さ れ ず 、 かね て は 引き 廻 はさ れ て 愚圖 つ 新 ら し き 企 業 を見 出 し得 る た め に。 否定 者の後 に肯定 者 が立 ち上 風 よ け で あ ろ。 此 の人 の後 へ新 ら し き 仕事 師 が や つて 來 て 、 其 の 否 定 す る評 論 家 が 必要 な のだ 。 否 定 評 論 家 は 、 開 道 者 で あ り 、 又 片 づ け る。 新 築 を 仕 上 け るの は後 継 者 の仕 事 で あ る。 そ れ 故 に 、 も の を 打 ち頽 し .破 片 を 取 り 除 け 、 後 の 新 築 に 都 合 の好 いや う に せ う 。 第 一に 、 否 定 こ い ふ も の は 甚 だ 大 切 で あ ろ。 否定は腐 つ弛 ︱ 話 し て も ら へ る な ら 、 一段 こ 有 益 で あ ら う 。 も の は 、 不完 全 な る試 験 方 法 に 基 因 し て現 は れ た る 一つ の幻 影 に 叢 我 々 の牝 め に建 て ねば な るま い改 革 案 こ、其 の實 行方法 こに就て 談 過 ぎ ざ るも の こ云 ふベ き で あ ら う 。 得 る も の に し て 、 ラ ンド ス タ イ 子 川 氏 等 の 主 張 す るが 如き免疫 操 論 上 一見 矛 盾 す るが 如 き 凝集 反 應 を も 極 め て合理的 に解繹す るを 集 素 の凝集力及血球凝集 原 の被 凝集 性 の差異 のみ を考量す れば理 91 92 叢 六二入 が 立 ちま し た 、 だ が し か し、 それ は私 が ま だ 汲 々 こ し て は け み 、 談 客 。 ハ ハア、 で は 何 か . 君 は 否 定 だ け で手 を 引 か う こ い ふ の か 、 大 に爲 す 有 らん こ努 め た ころ 、 則 ち若 い時 の こ こ で、 今 日 こな り ては も は や、 何 も 彼 も ごう で も よ い、 私 に は 何 等 の 思 ふ 所 が 無 い そ れ は 至 極 便 利 だ 。 唯 た ゝき こわ し て 、 そして後 の始末をば他人 に ま か せ る。 は 、 私 の力 に は 及 び が た い。 諸 君 の先 に立 ち て、 此 の 道 を 案 内 す 濟 の 道 を 眼 前 に 望 む こ信 す る。 但此 の道 を 諸 君 の 爲 め に開 く こ こ う こ、 私 は 十數 年 來 考 を練 つた 。 私 は 其 の 原 因 を見 出 し、 其 の 救 ら る ゝ所 の 今 の醫 師 の苦境 に は 、 元來 何 が 原 因 こな つ て 居 るだ ら こ こ を 正直 に 告 白 し て、 恥 こは 考 へな い。 諸君が 一致し て是 認せ 又 我が 力 に及 びが た し こ見 た 仕 事 に は 、 唯 其 の準 備 だ け で 止 め る な か つた、未 だ 曾 て我 が 爲 し 得 る 仕 事 を他 人 に譲 つ た こ こ は な い 。 行 す る の用 意 こ、 其 の途 行 こ い ふ こ こ の本 體 を 、 諸 君 が ご う 見 て な る 不釣 合 か ら來 ろ。 諸 君 頭 上 の弊 事 は こ い へば 、 諸 君が 之 を 遂 す る 所 こ、爲 し 得 る所 こ の間 な る不 一致 .見 る所 こ、 行 ふ所 こ の間 弊 事 は、 悉 く其 の 不 一致 か ら來 る も の ゝや う に あ る。 爲 さ ん ご欲 ︱ か。 客 。 然 らば 、其 の君 の 考 に 據 る こ、 今 の場 合 に 何 が 必要 であ ら う 考 ふ る所 を 、言 ふて 見 るだ け のこ こで あ る。 のだ か ら 、 只 唯 私 の 僅 ば か り の智 力が 之 を 正 し こ見 、 之 を 必要 こ る の にも 、 も う私 の壽 命 は 足 り さ う に な い。 し か の み なら す 、 諸 居 ら る ゝか、 この間 な る不 一致 から 來 るも の ゝやう に 私 に は見 ゆ き う で は な い、尊 公 も 性 急 な 人 だ 。私は未だ曾 て 怠け者では 君 は到 底 私 こ同 行 は な さ るま い、 諸 君 は 由 來 、 此 の私 を 一種 の馬 る。 諸 君 は藝 術 を演 す ベ く要 め ら れ て居 る所 に、 學 術 の應 用 に 由 ︱ 鹿 者 こ見 て居 ら れ る のだ か ら。 何 を し て か らが 、 原 則 こし て他 人 り て其 の要 に 應 じ やう こし て居 ら れ る。 だ か ら 私 は、 諸 君 が 此 の 出 發 點 に 於 て 、其 の車 を 返 さ る ゝこ こを 必要 こ信 ず る。 さ う し た 必 要 に は、 次 の件 で あ ら う。 私 の見 る所 で は、 凡 そ人 間 界 の の爲 す こは違 ふた 形 に 爲 さん こす る變 はり 者 こ見 て 居 ら る ゝのだ か ら、 客 の 心 を 我が 方 に 惹 く た め に 、隣 り の 店 の 品 物 を こき おろ 根 本的 な 處 置 は 、諸 君 の爲 め に好 都 合 なば かり で な く 、從 來 遣憾 少 か らざ り し 諸 君 の所 作 を グ ット引 き 立 て る。 口先 き ば か り で な す 市 場 の呼 賣 人 こ は、 ま さ か に 見 な さ り はす ま いけ れ ご。 諸 君 、 浮 世 が 私 を ごう 見 や う こ ても 、 そ れ は 私 に は いつ でも さう で も よ く︱ 實 行 に 於 て。 諸 君 の か つた。 同業 者が 、 事 情 に 通 ぜ ざ る弛 め や、 短 見 や、 憎 悪 やら の 業 務 上 の 所能 が 立 て直 れ ば 、 同時 に經 濟 上 の 所 得 も 之 に 伴 は ふ、 論 議 はも う 必要 以 上 に交 は さ れ た︱ 五 め に 、謂 れ なき 無 實 の 罪 を 私 に 著 せ ら れ 牝 こき 、 そ り や 私 も 腹 93 育 て 上 げ 玉 へ。 い こ。 そ し て 諸 君 の後 進 者 を 、 此 の告 白 に 相當 し 、 役 立 つ やう に 家 で あ る 、 藝 術 家 以 外 の何 者 で も な い、 断 じ て 學 者 で は あ り得 な 堂 々 こし て 世 間 に 立 ち 現 は れ 、 公 々に 言 ひ放 ち 玉 へ、 我等 は 藝 術 産者 を 、其 の自 省 自 告 の嚴 格 さ の中 に教 育 し 玉 へ。 ら省 み 、自 ら 告 ぐ るの 勇 氣 を 持 ち 、 是 に由 り て 諸 君 の後 継 者、 遺 之 を 助 く る の 法 は 、 唯諸 君 自身 の中 に 求 め得 ベ き の み。 諸 君 は自 のた め の 同 盟 、だ め、 新聞 紙 上 で 書 き 立 て ろ こ こ等 、 一切だ め。 だ め、 野 師醫 征 伐 、だ め、 ス ト ラ イ キ、 だ め、 經 濟 上 の利 益 擁 護 の能 くす ベ き 所 で は な い。 身 分 法だ め 、 試 験 を むつ か し く す る、 嚴 禁 す ベ き も の た ろ を 考 へ玉 へ。 此 の目 的 を 達 成 す ろ は、 小細 工 の業 務 た る や、 本來 王業 で あ つて 、 手 職 人 や 、 日傭 取 等 の出 入 を い ふ ので 、 此 の業 を選 ん だ 者 は、 皆落 伍 し て しま は う から。 醫 師 つ た より は、 醫 者 に な つた方 が 、 社 交 的 に 立 派 に 喰 ふ て行 け る こ れ ば 、 天分 を持 た ざ る者 は随 從 し 來 り 得 な く な るか ら 、 靴 屋 に な 人 々 々 の所 能 を グ ット高 く な け れば な ら ぬ こ 要 め な さ るや う に な 從 て 亦 諸 君 の社 交 上 の地 位 も昇 ら う。 な ぜ か こ言 へぼ 、 諸 君 が 個 其 の處 置 を 是 れ く 診 断 す ら つ い て ゐな い。 偶然 に 都 合 よ く經 過 は し た も の ゝ、 さ て し やば つた 彼 れ の仕 事 は、 湯 屋 か床 屋 か の助 手 の し さ う な 事だ 。 れ の した 事 は、 教 授 も 多 く あ る の に . 博 士達 をも さ し お いて、 出 其 の顔 つき は 私 を嘲 け るが 如 く 、 其 の言 語 は私 を驚 かす 。 何だ 彼 こ握 手 せ う こす れ ば . ごう で す諸 君 、 私 の 周 園 の 連 中 の擧 動 は。 いた。 或 入物 の な か く う な海 を渡 つ て來 ろ風 こ な る。 諸 君 の爲 め に 私 は し ば く のそよく 上 げ ゐ、 す る こ先 生 方 は 、 從 て 一流 の説 明 を なさ ろ。 我 々の 藝 術 眞 理 な るも のを嶢 き 上 げ や う こな さ る のだ から 。 我 々が 或事 を 仕 の 日常 生 活 の食 卓 か ら こ ぼ れ 落 つ る ﹁パ ン﹂の屑 を集 め て、 そ れ で は, 我 々の手 助 け を し て下 さ る わけ に 行 か な い。 先 生 方 は、 我 々 其 の 仕事 は、 先 生方 の諒 解 さ れ る種 類 の も の で な い、 從 て 先 生 方 も の は道 樂 に屡 す るも ので 、 仕 事 は こ い へば、 實 行 ば かり で あ る かせるこ, こを ば 止 め て いた 穿き た い こ。 我 々 の家 で は、 學 識 な る う か、 我 々 の家 の方 で は 、 こん な 香 が す る か こ、 嗅 き 鼻 を ひ こ つ はり 行 く 學 識 を ふや す こ こ、 換 へる こ こに 努 め ら れ た い。 た が こ 六 二 九. の わ け で 斯 う し た こ、 其 の適 應 を數 へ上 げ る 良 い仕 事 を す る のを 見 て 、 私 が 其 の人 物 恥を か 國 か ら 昔 話 に聞 く や 諸 君 を, 未 熟 な若 者 扱 ひ をす る 學 者 連 こは 、 断 じ て縁 を縄 ち 玉 へ こ こ す ら 出 來 は し な い、 ごう ひ いき 目 に見 て も 、 唯 の經 験 者 だ 、 は 、 先 生方 に こり て は、 遠 いく 解 剖 學 者 、 生理 學 者 、 化學 者 、 細菌 學 者 、諸 先 生 に乞 ふ て、 先 生 其 の處 置 は 非 學 術 だ こ評 す る。 叢 方 は こう ぞ 御 役 目 に相 當 し た事 こ も に 骨 を 折 ら れ 、 其 の時 々に 變 談 94 談 叢 六三○ 父 親 の配 慮 を 、 し つ かり こ理 會 し た 若 者 な ら ば 、 諸 君 の最嚴 し き ら う こす れ ば 、 或 は 晝 師 こな り 、 俳 優 こ なら ん こ志 す も の こ同 様 す る 饒 舌 に 耳 を かさ な いで あ ら う 。 さ うす れば 、 若 者 が 醫 師 に な の、 其 の 伜 を 父 親 の 金 で 強 いて 浮 き 上 が り た る 地 位 に進 め やう こ た る時 のみ 、 其 の人 を 養 ふ こ こを 、 そし て虚 榮 にあ こが れ る女 房 いふも の は、 其 の人 の 天分 が 、 何 れ か の點 に 於 て他 の 凡 庸 に越 え さ うす れ ば 、 世 の 父 た る者 は、 其 の子 に教 へるで あ ら う 、 藝 術 こ 術 を學 ば ん こ 望む 者 は 、 然 るべ き能 光 を 備 へた る 人 に 限 るそ こ。 民間 に向 ふ て告 げ 玉 へ、 私 は 藝 術家 だ 、 凡 そ我 が 門 に就 き て 此 の だ。 ぶ つ切り に 切 の 分 ち て 、 專 門 家 に勝 手 な ま ねを さす べ く 與 へる の に、 其 の杓 子定 規 な 治 療 法 を な げ 返 し て やり 玉 へ。 あ れ は 人間 を で , 病 み た る人間 に あ て は ま る病 理 學 を編 み 玉 へ。 學 術 な るも の こす る 沢 度 を 、諸 君 は た ゝき 折 つ て しま いな さ い。 諸 君 自 ら の手 通 す こ こを 教 へ玉 へ、責 任 を 負 ふ習 慣 を つけ 玉 へ。 解 剖 , 生 理、 無 く さ せ る。 二 十 四時 間 、 間 断 な く 仕事 し 、 食 はず 、 休 ま ず 、 押 ゆ る處 置 を 手 に 入 れ、 傷 つき 爛 れ た 體 部 に對 す る、 いや な 心持 を 人 看護 の普 通 の 方 法 を 習得 さ せ る。 病 人 に觸 れ . き た な ら し く 見 先 づ 一年間 、 豫 備 の 小 間 使 ひ を さ せて 見 玉 へ、 大 病 院 に 於 て 。 病 せ ぬ道 を通 ふて 居 る連 中 を い ふ ので はな い。 は い へ、 彼 の 夢 を 見 て居 る美 學 者 、 其 の 心 か ら 自 然 へこ, 作 り も ろ し 。 詩 人 で あ つ ても よ し 、 書 家 でも 、 音 樂 家 で も よ ろ し い。 こ の、 そろ り こ動 き 、 光 る眼 の、 わ か る ま で は い つま で も 尋 る、 よ て其 の 天分 を 見定 め 玉 へ。 胸 の狭 く、 尻 の廣 き は た め 。 岩乗 な手 き物を細かく切れく 其 の 若者 等 は 、 學 者 に な つ ては いけ な い、 書 物 讃 に な つ たり 、 全 分 に 適 ふた る所 に 落 ち つ いた 例 を 。 三度 も 四 度 も 其 の 上も 、 其 の業 を 求 め 求 め て 、 終 に能 く 本 來 の 天 ま こ こ に止 む を 得 な い。 考 へて見 玉 へ、 多 く の 優 れ た 人 々の 中 に っく 時 間 其 の 修業 振 り を 見 た 上 で、 こ れ はだ めだ こ 認 め た な らば 、 さ 自 ら 薦 む る者 の中 に 就 き て 、 入 念 に 後 継 者 の 選 擇 をし 玉 へ。 一定 要 求 に 應 じ て 、 本 式 に は ま り こむ 。 人 の此 の 世 に 於 け る や.所 謂 化 學. 博 物 の 必要 なた け を授 け 玉 へ。 だ つて 考 へて見 玉 へ、 諸 君 . 學 者 先 生方 の、 け し か ら ん 差 出 が ま し さ で . 諸 君 に用 ゐ さ せ や う 出 世 し た こか ,成 功 し た こ か、 よ つて 良 い 食 ひ 口に あ り つ いた こ に、 私 人 の 門 に 就 て 學 ぶ で あ ら う 。 こ いふ こ こは 主 で は な い、 に す る人 にな つ てな らな い こ こを 考 へ、 從 こ それ を 追 ひ出 し 玉 へ、 た こ ひ それ は 氣 の毒 で あ つ ても 、 か︱ が 試 験 を 受 け た 時 の、 尨大 な 覺 え溜 め の、 其 の 残絵 の いか に僅 か 今 日の 人 の普 通 考 ふ る如 く︱ 其 の 人 は 仕 事 を爲 し 得 る か. 如 何 こ問 ふべ き のみ 。 95 後 の所 見 をた し かめ る。 若 者等 を ば 、 かま へて彼 の學 術 的 系 統 の 唯 聞 く、 唯 患 者 の處 置 に 参 加 す る、 死 屍 の検 査 に 立 會 ひ 、 生前 死 學 を許 す 。 此 の學 校 は ク リ ニー ク の他 の何 物 で も な い。 唯 見 る、 一年 の終 り に 於 て、 其 の能 力 を 發 揮 し得 た者 に は 、 醫 學 校 への入 る か を。 同 じ 型 ば かり を 切 つて 居 る職 工 に はし な 部 分 が 、 諸君 を し て 現 に あ つば れ 立 派 な醫 師 の 仕 事 を さ せ て 居 其 の師 匠 こ 共 に絶 え す 一所 に 生 活 し て、 其 の若 き 頭 腦 を 練 り あ げ も 同断 。 若 者 の中 に も 選 擇が 必 要 で あ る。 其 の仕 事 、 其 の問 題 、 し た る を 要 す 。 外 科 、 産 科 、 或 は 眼科 の專 門 家 た ら ん こす る人 に か、 講 師 こ かに な る は、 必ず 十 年間 は 一般 の實 地 治 療 の經 験 を爲 おく が よし 、 此 の人 々 は、 此 の所 で 其 の流 義 を 指導 す る。 助 手 こ 血 を喰 ひ 、 磯 を 喰 ふ。 大 き な研 究 室 は、 研 究者 や學 者 に ま かせ て 市 は大 禁 物 、 徒 に 埓 も な き 所 に出 入し 、 衒 學 は彼 等 の 時 を 喰 ひ、 定 規 に從 ひ 、 又 し ても く ねば な ら ぬ。 演 壇 上 の雄 辯 術 や、 美 辭 佳 句 を 持 出 し ては 悪 い、 唯 そ れ は師 た る に は何 の 役 に も 立 た な い、 師 た るも のは 、 爲 て見 せ 一に 師 で な く て は な ら ぬ。 聰 明 な 研 究 で 、 厚 い本 を 書 き 上 げ ても に 在 り、 友 の 如 く、 父 の 如 く 、 親 密 に付 き 合 ふ、 こ いふ中 に 、 第 一人 の師 匠 が 、 少 數 の學 生 を 指導 す る、 師 匠 こ學 生 こ、 終 日 一所 眼 こ獅 子 の 爪 こを . し つ かり こ會 得 さ せ 玉 へ。 や、 身 振り 、 其 の起 居 の惣 容 を 看 て取 り . 心解 す る や う に。 鷹 の け 玉 ふ な。 目で 見 て 、 心 で 判 断 す る こ こを 教 へ玉 へ、 人 間 の顔 貌 た め のも ので は な い。 材 料 、試 験 責 め の 、 少 し 程度 の 高 い中 學 た るに 過 ぎ な い。 醫 師 の う。 何 の 彼 の こ、 むつ か し い規 定 は あ るが 、 結 局、 時 間 表 、 暗 誦 は 一の舊 習 で あ つて 、 哲學 者 や、 言 語 學 者 や 、 法 學 者 に はよ から 教 へる こ この自 由 、 教 は る こ この自 由 に陣 吟 す るを 止 め よ 。大 學 時 間 相 見 るば か り、あ こは 退 屈 し て居 る、こに かく 師 匠 で は な い。 は な い。 彼 等 に 講 義 を す る先 生 方 を ば 、 彼 等 は 一日 の中 、僅 か の 役 に 立 ち さ う に も な い。 時 間 を 室 費 し て、 一人 の 之を 導 く者 こて 廻 は つて居 るが 、 其 の年齢 に 合 せ て 、多 く は 目 が き いて 居 ず 、 又 に あ ち ら こち ら こ走 り 書 物 に書 いて無 い事 の み を 教 へる のが 肝 腎 。 我 々 の後 継 者 に は、 諸 君 が も し 、 若 き 人 々 に、 講 義 を 聴 か せ るた め でな く , 眞 個 教 育 捏 ね ぬ く。 今 の學 生 は こ 見 れ ば 、 思 ひ く 學 校 の腰 掛 に 、 ポ カ ンこ口 を 開 け て、 空 し く時 を 過 ご さ せ 玉 ふ な を受 け さ せ や う こな さ る な らば 、 其 の當 局 に對 し て、 若 き 人 々に 玉 ふ な、 彼 等 に 學 究 的 な 、 記 憶 術 的 に切 り きざ んだ 暗 誦 材 料 を 授 二 年 の後 に は 、 地 方 病 院 に やり 、 そ れ か ら 忙 は し き 實 地家 の助手 六三 一 仕事 を さ せ る べ く 要求 し て よ い筈 で あ る。 さ う す れば , 來 り 學 ぶ 叢 に。 さ うす れば 、 修 業 に 要 す る費 用 は グ ット減 ゐ。 若者 等 に 大 都 談 96 る、 是 れ は 元來 、 求 職 者 の爲 め に 差 當 り 必要 こ され て居 る のた か あ らう 。 さ う な れ ば 、 彼 の 貧弱 な 實 診 所 の 如 き も の は 要 らなぐ な で あ ら う。 け れ ご 、 此 の 少數 の醫 師 は 各 其 の 存 在 の權 利 を 持 つ で 者 も 、 何 程 も あ り は し な い。 從 て醫 師 た る者 の數 も、 グ ヅト減 る いだ か ら 我 々の負 ふ た る 重荷 を も 、潔 き 態 度 で 負 ひ 通 さ うで はな こは あ るま い、 我 々の 此 の 世 に あ るは 、 享 樂 の た め に の み で は な く は あ るま い、 少 く こも 、他 の業務 者 の荷 ふ所 の重 さ よ り 重 いこ 此 の理 想 を 懐 に し て此 の 世 を 行 け ば 、 大 抵 の こ こ は さ う こ ら え 悪 凡 そ 人 間 た るも の ゝ永 久 の理 想 は 、 節 約 に 安 住 す る 所 に 存 す る。 六三二 ら 。 し て又 、 荷 も 病 人 らし く見 ゆ る者 な れば 、 サ アお出 で こ 迎 へ いか、 其 の爲 め に は 、 我 々は 強 く な く ては な ら ぬ。 強 く あ る ベき 叢 言 ふに 忍 び な いほ ご の零 碎 搾 取 を 爲 す も のも 清 え 失 せ や う、 偶 然 爲 め には 、 我 々は 個 々獨 立 人 で あ り 、 有 能 者 で あ る を要 す る。 身 談 の出來 事 あ るこ こに 、 之 を ぐ す ぐ ,こ引 き のば し 、 大 袈 裟 に吹 聴 分 こ い ふ、 限 ら れ た 一團 に つめ こま れ て は 、 た こひ 其 の 團 は大 き る を見 て、 シ ュウ ェー ニ ン ガ アは 物 を も 言 はす に 其 の ソ ップ を か ね て あが つ て は 悪 い こ言 ひ お き た る ソ ップ を前 に坐 はら れ た 去 らん こし た こ いひま す。 又 或 時 ビス マ, ルク, の 食 堂 に通 る こ、 獸 醫 を 召 さ れ たが よ か ら う こ、 司 ュウェ ー ニン,が アは直 に辭 し マル クは 不機 嫌 に、 そ の や う な こ こは 要 るま い こ い ふ、 然 ら ば た めた こ いひ ま す。 初 診 に 於 て問 診 が 長 く 續 き た る こき 、 ビ ス に 對 し ても 、 他 の患 者 に 對 す る こ い さ ゝか も 異 ら ざ る扱 を し た 如 何 に し て ビ ス マルク の信 頼 を專 ら に し得 た る か。 ビ ス マ ルク 九 ○ 六 年 の著 を譯 し た も の で あ りま す。 シ ュヴ , ェー ニン が アは 是 れ は 此 れ 、 ビス マルク が 信 頼 し た る, シユウ ェ ー ニ ン, ガ アの 一 く こも 、 到 底 強 く は あり 得 な い。 ( 終り) し て、 僅 かば かり の 報 酬 を得 る な ご、 本 來其 の要 の な き、 從 て 又 無 用 な る 行爲 も 止 む で あ ら う。 さ うし て見 た 所 で、 諸 君 は 又少 き に 過 ぐ る こ こも あ るま い、 如 何 こ なれ ば 、 有 り もし な い必要 を有 り こし て 人 々に説 明 し て聞 か せ る のは 、 諸 君 の爲 す べ き こ こで は な いか ら。 天 分 を稟 け て其 の職 自分 の米麥を穰ら せ に 在 る者 の爲 す ベき 所 は、 人間 の 紛 々た る 汚 物 を 掃ひ 集 め て、 之 を 各 自 の田 畑 に 送 り こみ 、 此 の所 に 其 れ く る やう な 、 そん なも ので は な い。 諸 君 は少 數 者 で あ ら う 、 故 に 亦國 家 に 向 ふて 悲 鳴 を發 し 、 乞 食 に も 均 し き 恥づ べ き 業 を 爲 さ ぬが よ い。國 家 こは 何 人 で も な い。 國 家 は國 民 の金 で あ る。 諸 君 は、 向 ふ隣 り の パ ン屋 や、 軒 竝 び の大 商 人 の納 め た 税 金 に頼 り て、諸君 の勝手元 を豊 かに賄 ふベき權利 を持 ち は し な い。 97 窓 か ら捨 て た こ いひ ま す。 いか さ ま 此 の 人 は. 醫 師 は 患 者 に 對 し て 支 配者 で な く て は な ら ぬ、この 信 條 を 實 行 し た こ見 えま す 。 但其 の 行文 あま り に簡 潔 にし て親 蓄 深 く 、 譯 者 の力 に餘 り ま し 録 た、 定 め て 不 明 の個 所が 多 か つ たら う こ 讃 書諸 賢 に お詑 を 申 上 けま す 。 抄 抄 猩 紅 熱 ノ血 清 療 法 及 豫 防 接 種 法 小 林 六藏 ( 見 科 雜 誌 第 三七 九號 ) 録 著 者 ハ本講 莚 ニテ ハ猩 紅 熱 ノ原 因 論 及 ビ 成 因 論 ニ關 ス ル 一論 ヲ ノ ベ、猩 紅 熱 ノ血清 療 法 殊 ニ本 症 ノ恢 復 期 血 清 ヲ以 テ ス ル法 、猩 連 菌 抗 毒 性 免疫 血清 ( 吉 田抄 ) ヲ 以 テ ス ル法 竝 ビ ニ Di ck u .Dochez等 ノ 血 清 療 法 ニツ イ テ筵 ベ最 後 ニ猩 連 菌 毒 素 ニ ヨル猩 紅 熱 ノ豫 防 接 種 ニ論 及 セ リ。 猩紅 熱 ノ腦 脊髄 ニ關 ス ル病 理 學 的 研 究 正山勝 ( 満 洲 醫 學 雜 誌 第 十 六 卷地 第二號 ) 猩 紅 熱 腦 脊 髄 五 例 (三例 ハ敗 血症 二例 ハ中 毒 性 轉 歸 ヲ ト ル)ヲ精 査 シ.左 ノ 一、 外 胚 葉 系 統 ニ於 テ ハ神 經 細 胞 ノ變 化 ハ ﹁ニ ッ スル﹂染 色 ニテ ハ 之 ヲ断 如 ク總 括 ス。 ハ多 ク増 殖 的 ニ變 化 シ、 一例 ニテ ハ退 行 性 變 化 ヲ主 ト セリ。 小 腦 ニテ ハ定 定 シ得 ザ ル モ、﹁ビ ル シウ スキ ー﹂染 色、 髄 鞘 染 色 ニテ ハ變 化 ナ ク膠 質 細 胞 型 的 ﹁グ リ ア﹂灌 木 叢 モ、登 疹窒 扶 斯 ニ見 ル ガ如 キ結 節 モ認 メズ 。 唯 海 馬角 ニ ハ 一般 ニ圓 錐 體 神 經 細 胞 ノ脂 肪 變 性 ヲ 生ズ 。 二、 中 胚 葉 系 統 ニテ ハ主 ト シ テ組 織 球性 反 應 ヲ 呈 ス。該 反 應 ハ軟 腦 膜及 ビ 髄 質 血 管 ニ現 ハ レ、後 者 ニ ハ又 心臓 等 ニ見 ル モ ノ ニ類 似 セ ル小 結 節 様 集 簇 六 三三
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