VD−11−3 羅驕鴛蔑禦留禦鼻書ぜ季蟷欝縮舗 VD一嘔2−1 野套耀驚誓1

第24圖日本呼吸器外科学会総会号
VD−11−3 羅驕鴛蔑禦留禦鼻書ぜ季蟷欝縮舗
VD−11−4
159 (353)
胸腺カルチノイド術後再発に対し上大静脈再建,右
上葉切除術を施行した1例
試み
大阪警察病院呼吸器外科
玉川崎市立多摩病院呼吸器外科,2聖マリアンナ医科大学呼吸器外科
坂巻 靖,城戸 哲夫,安川 発章
横手 薫美夫1,安藤 幸二2.望月 篤2,長田 薄昭2
【背景1腫瘍径の比較的大きな胸腺腫を合併する重症筋無力症に対する胸腺全
摘出術では,1方向からのみでは安全な切離線の視野確保が不十分で,胸腺
静脈剥離に際しての腫瘍圧排により撫管に過緊張がかかるなど副損傷の危険
性が増大すると考えられる.【目的】最近当科で経験した胸腺腫合併重症筋無
力症に対する胸腔鏡下拡大胸腺摘出術のうち,2方向アプローチを併用し胸
腺分割切除を採用した2例を供覧し術式の妥当性を考察する.1症例1症例1は
50歳女性,腫瘍最大径6cm(i期WHO分類type B1〉,症例2は77歳男牲,腫
瘍最大径5.5cm(II期WHO分類type AB〉で,ともに右胸腔と剣状突起下か
らのアプローチを併用し,腫瘍とその周辺の胸腺組織を先に切除し,遺残し
た胸腺組織を周囲脂肪組織とen blocに摘出して拡大胸腺摘出術を完遂した.
【手術と経過】胸腔からのアプローチは,右胸腔側に突出した大きな腫瘍と右
横隔神経との位置関係の把握を容易で確実なものにし,胸腺静脈の切離を先
行させることで後の剥離操作で腫瘍圧排による左腕頭静脈への過緊張を圃避
することができた、一方剣状突起下からは遺残胸腺摘出に際し胸腺上極処理
時と対側縦隔の組織処理時の視野確保が確実に行えた.【考察と結語】2方向
アプローチと胸腺分割切除は大きな胸腺腫を合併した胸腺全摘術適応症例に
薄して内視鏡下手術を遂行する上で有用な工夫と考えられた,
症例は48歳男性.平成14年9月,会社の健診で胸部異常影を指摘され近医を
受診,縦隔腫瘍が疑われ針生検が施行され胸線腫の診断で当科へ紹介となっ
た.腫瘍は7cm大で上大静脈に接していたが,術前の画像診駈から血管な
どへの浸潤はないと判断し,平成M年9月26日拡大胸腺及び腫瘍摘畠衛を施
行,術後右横隔摸神経麻痺を認めたが経過は良好で退院した、尚.病理診断
は胸腺カルチノイドであったため術後の補助療法を勧めたが,本人の希望で
経過観察となった.その後近医で経過観察中の平成16年10月中旬,上大静脈
を圧迫する腫瘍の再発を認め再度当科に紹介となった、画像診断から腫瘍は
上大騒脈を管外から圧迫し,一部で狭窄を認めたが内腔への浸潤は無いと診
断し,11月1目前圏の正中創に右半襟上切開を加え再手術を施行した.腫瘍
は左右腕頭静脈合流部直下から上大静脈,右上葉に浸潤し一塊となっていた
ため,部分切除では無理と判断し,まず血管再建から行い,その後肺切除を
行う事とした.癒着が高度で手術が園難と考え,まず左右腕頭青争脈,上大静
脈,にテーピングを行い,静脈カニュレーションチューブを用いて左右腕頭
静脈と右房とに一時的なバイパスを増設したのち,術中エコーをもちいて腫
瘍の浸潤範囲を同定し,人工血管(ゴアテックス)による蹴管再建を行った、
次いで右上葉切除.リンパ節郭清を追加し手術を終了した.術後経過は良好
で人工血管の閉塞も無く、放射線治療および化学療法を行い,再発なく健在
である.胸腺カルチノイドの再発に対しても積極的に治療を行うことで予後
の改善が見られる.
VD一嘔2−1 野套耀驚誓1覇鴬漏島豊莫蘇蕪蕪
VD−12−2
東北大学病院呼吸器外科
新潟大学医鹸学総合病院第二外科
岡田 克典,野田 雅史,遠藤 千顕,宮本 彰,松村 輔二,近藤 丘
青木 正,土田 正鋼,橋本 毅久,小池 輝元、本野 望,林 純一
【はじめに1当施設では,数年前より胸骨挙上用機械(ラパロリフト)と寵管シ
頸部から上縦隔に連なる滑膜肉腫に対して術前化学療法後に頸部前方アプロ
ーチと胸部後側方アプローチにて腫瘍摘出を施行した症例を供覧する・1症
例】 27才男性 2006年4月右眼瞼下垂を自覚していたが放置していた.6月
の検診で胸部異常陰影があり近医を受診した.縦隔腫瘍が疑われて入院した.
頸部の針生検で滑膜肉腫の診断であった.頚胸部CTでは,腫蕩が甲状軟骨
のレベルから始まり椎体に沿って上縦隔主気管支レベルまで達していた、
ーリングシステム(リガシュア)を用いた胸腔鏡下拡大胸腺摘除術について報
告しているが,今回、上記手術に準じた手法で縦隔巨大良性嚢腫摘除を行っ
たので供覧する.1症例】症例は31歳女性.風邪をひいた際に近医で撮影した
胸部レントゲン写真で胸部異常影を指摘され当科紹介となった.CT上,右
胸腔腹側に104×120×!13mmの大きな嚢胞性腫瘤が認、められた.腫瘤内容
頚胸部領域に発生した滑膜肉腫に対して前方および
後方アプローチにより切除した1例
物は均一であり,PETでは嚢腫壁に集積を認めなかった.AFP,HCG,
工FM,ADM,VP−16,CPAによる術前化学療法を行いPRとなり,2006年
CEAの値はいずれも正常範闘内であった.術前診断として心膜嚢腫または
10月に手術を施行した.1手術】1頸部1右頸部より胸骨切痕を通り鎖骨に沿う
逆L字切開をおく.右鎖骨中枢側2/3と第一肋骨肋軟骨を切除した.鎖骨下
動脈総頚動脈,横隔神経,迷走神経を同定してテーピングした.斜角筋脂
肪識を切除するとその深部の頚長筋の中に腫瘍が存在していた.頭側は甲状
軟骨のレベルまで腫瘍が存在していた.椎骨動脈から腫瘍を剥離して,頚長
筋と共に腫瘍を椎体から尾側に向けて剥離した.なお前頚筋群は内側に牽引
し,気管壁は露出せずに剥離が可能であった、鎖骨下動脈の下方で開胸とし、
腫瘍を胸腔内に落としておいた.頸部創を閉鎖した.【胸部】頸部操作の後に
左側臥位として後側方切開第4肋闇で開胸した.腫瘍は上葉と癒着していた・
まず胸壁胸椎から腫瘍を剥離し,上縦隔では縦隔胸膜を合併切除して腫瘍を
上葉側に付けた.上葉を部分切除して腫瘍摘出を完了した.胸腔内から観察
して迷走神経,反回神経は温存されていた.閉胸した、1術後経過1術後反回
神経麻痺を発症したが,嚥下障害はなく術後化学療法を施行した、
胸腺嚢腫を考えた.【手術】右第4(3cmの皮切)および第5肋問前腋窩線より
トラコポートを挿入、胸骨下に5cmの皮切をおいてラパロリフトを挿入し
胸骨を挙上した.第4肋聞の小切開部から嚢腫壁にタバコ縫合をおいて内容
物を吸引した後に,主にリガシュアを用いて鏡視下に嚢腫切除を行った.嚢
腫正中側上部を切除する際にやや視野が悪かったが,完全摘除可能であった.
嚢腫壁は比較的厚く,内壁には柔らかい白色の物質が多数付着していた.病
理診断は,成熟奇形嚢腫であった.【まとめ】右胸腔内の大きな嚢腫であった
が,内容物を吸引することで視野を確保でき,胸腔鏡下の完全摘除が可能で
あった.