トップインタビュー 社是・経営理念に込められた想いを従業員と共有し、 『快 適 環境のソリューショングループ』を さらに進化させていきます 文化シヤッター株式会社 代表取締役社長 茂木 哲哉 インタビュアー 日経CNBC キャスター 分林 里佳 氏 ―創業から3年でアフターサービスをスタートですか。 「業界のパイオニア」 と言われる所以は、創業当時から 息づいているのですね。 な取り組みとしては、 1989年に浅草の仲見世通り商店街の シャッターに壁画を描き、商店街に活気と彩りを与えること で地域の活性化にも貢献してきました。さらに近年は、環境 問題の解決や高齢化社会の到来を見越し、環境配慮製品や そもそもシャッターとは、人々の暮らしに 「安心」 「安全」 を ユニバーサルデザイン製品開発にも積極的に取り組んでい 提供するためのものです。それが万一開閉しないとなれば、 ます。今後も、弛みない技術開発と革新によって、社会に 「安 私たちは何の使命も役割も果たしていないことになります。 心」 「安全」 「快適環境」 という価値をお届けし続けます。 そこで、 1982年に365日24時間のアフターサービス体制 「ATSS」 をスタートさせました。当時、業界にそうしたサービ スはなく、当社としても思い切った施策でしたが、 この生活 「エコ」 と 「防災」 をキーワードに社会課題の 解決に貢献する 者視点の決断こそが今の当社の基盤をつくり、お客様から の信頼を得ることにつながったことはいうまでもありませ ―社会の変化とともに、企業の社会的責任が一層問われてい ん。やはり、お客様の生活全般を把握し、必要とされる製品 ます。 こうした状況について、 どのようにお考えでしょうか。 やサービスを提供する 「ライフ・イン」 の発想と、 そこから生ま れた製品やサービスを 「安心」 「安全」 かつ末永くお使いいた 2015年、文化シヤッターは創業60周年を迎えました。日経CNBCの分林里佳キャスターを迎え、社会の成長とともに 歩んだ60年の歴史を振り返り、 これからのめざす姿やCSRについて、 文化シヤッター社長の茂木が語りました。 「ライフ・イン」 の発想、 ―創業からこれまでを振り返られていかがでしょうか。 「ライフロング・パートナーシップ」 のコンセプトは、 創業当時から培われたBXグループのDNA 7 だき、お客様との永続的な信頼関係を構築していく 「ライフ 資源・エネルギー需要の増大など、解決すべき社会課題が山 ロング・パートナーシップ」 。この2つのコンセプトは、今後も 積みです。私はそうした社会課題の解決に向けて、 より深く 当社グループにとって不変のDNAとして継承していきたい 関わっていくことが大事だと考えています。企業はステーク と思います。 ホルダーのみなさまをはじめ、社会との関わりの中で成り 立っています。つまり、社会の一員として社会的責任を果た 文化シヤッターの歴史は、 技術の開発と革新によって、 社会の要請に応え続けた歴史 勢であると考えます。当社グループではCSRを経営の中核 に位置づけ、事業を通じてこれまでに蓄積したノウハウや人 材などの経営資源を活かし、私たちの得意領域を中心に社 を次々と生み出してこられましたが、そうしたものづくり 会課題の解決に向けた取り組みを強化していきたいと考え の姿勢がその所以なのでしょうか。 ています。 創業当時の日本は高度経済成長期にあり、国民のライフ お客様のニーズや社会の要請をしっかりと把握し、技術の 社は、当時まだ珍しかった防火、防犯、耐風の機能を持つ店 開発と革新によってそれらを解決してきたことが、 「 技術の 舗向けのシャッターの製造・販売を担う会社として創業しま 文化」 と呼ばれる所以ではないでしょうか。これまでの取り 文化シヤッターは1955年の創業以来、各種シャッターを した。そして、創業から3年後の1958年、業界初のアフター 組みをいくつかご紹介しましょう。 1972年、大阪千日デパー はじめ、 ビル用建材、住宅用建材を製造・販売から施工・アフ サービス制度をスタートしました。今でこそ、商品にアフター トの火災を機に防煙シャッターに対する社会的要請が強まる ターサービスまでを担う総合建材メーカーとして、お客様の サービスは付きものですが、当時はそうではありませんでし 中、 1974年に防火・防煙シャッターを開発しました。その後、 様々な暮らしに役立つ多彩な製品とサービスを通じて、 「安 た。 しかし、創業者は考えたわけです。ものを作るだけでは本 1991年には業界で初めて耐火試験炉を導入しました。 心」 「安全」 、 そして 「快適環境」 を提供してきました。こうして 当のものづくりではない、販売後の修理対応や故障を未然 2004年には、住宅への侵入盗が急増し防犯への要請が高 60年という節目の年を迎えることができましたのも、 これま に防ぎ、お客様に 「安心」 「 安全」 に一生涯使っていただくた まる中、 CPマーク (防犯性能の高い建物部品に付けられる で支えていただいたお客様をはじめとするステークホルダー めには、保守・点検などのアフターサービスが必要だと。こう マーク) を付与した製品を開発しました。 2008年には、 さらな のみなさまのご愛顧とご支援の賜物であると、 この場をお借 した生活者視点のものづくりの精神、発想を創業当時から る技術力向上をめざしライフインセンターを設立、試験所の りして改めて感謝申し上げます。 貫いてきたからこそ、今があるのだと思います。 国際規格 「I SO17025」 を認証取得しました。一方、 ユニーク BXグループ CSR報告書2015 すこと、社会課題の解決に向けて取り組むことは当然の姿 ―昔から 「技術の文化」 と呼ばれ、業界の先駆けとなる製品 スタイルが大きく変わっていく段階でした。そうした中で当 ―20 1 5年4月、 文化シヤッターは創業60周年を迎えられました。 社会には気候変動をはじめ、世界人口の増加や高齢化、 BXグループ CSR報告書2015 8
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