カキ殻活用による強化コンクリート・モルタルの開発

技 術分野: 環 境
大学名 :近畿大学
研究成果
カキ殻活用による強化コンクリート・モルタルの開発
利用分野
住宅 や ビル などの 建築建材 、食品 、医薬品
中小 企業が 利用できる シーズの 概要
【 従来 技術の 概要 】
貝 殻 と コンクリート・ モルタル との 組 み合 わせはこれまでにも 行 われている。 粉
砕 した 貝殻 を骨材 として 利用 したも のでは 、 貝殻 と セメントの 粒子 とは 親和性 が低
いため 、 貝殻は セメント 粒子 と 結合 す ることなく、 機械的強度 の 向 上 を 図れない 。
さらに 、 貝 の多 くは河口近辺 で 採取 さ れるが 、 海 や 河川 に 流出 する 産業廃棄物 と共
存している 場合が多 く、重金属等有害物 が混入してしまい、 安全性に問題がある 。
【 開発 技術の 概要 】
広島県では島嶼部 が多くあり、海 に恵 まれた
土地柄である。そのため 、広島県 の瀬戸内沿岸
ではいたるところで牡蠣の養殖が盛んに行わ
れている。しかしながら 、食用後 にでる 牡蠣殻
の多くはほとんどが埋め立て塵として廃棄処
分となり、資源 とし て有効利用 されていないの
が現状である。牡蠣 殻のカルシウムの利用が 考
えられたが、自然界 から得られるカルシウム に
は重金属等 などが含 まれており、それらを分離
しカルシウムのみを抽出することは難しかっ
た。
そ こ で そ の 牡蠣 殻 を 焼 成 して 得 られ る 酸化 カ ルシ ウ ム を も ちい て 不純 物 を 取 り 除
いた カ ルシ ウ ムイ オ ン水 を 調整 す る こ と がで き た 。 そ れを 骨 材 や セ メン ト に 配 合 し
た モ ル タ ル や コン ク リー ト を 作 成 した と ころ 、 経過 日 数 に 伴 って 、 コン ク リー ト の
曲げ 強度及 び歪度が 高くなった 。
【 開発 技術の 段階 】
貝 殻 から 不純物を 含まない 高濃度 の カルシウムイオン水溶液を 製 造 できるので 、
食品業 界 や 製薬業界等幅広 い 分野での 利用が 可能 である 。 また 、 こ の カルシウムイ
オン 水 を 用 い、 機械的強度及 び 耐久 性 を高めた セメント 硬化体 を 提 供 できるため、
モルタ ル、 コンク リート 等 を 使用する 建築分野 での 利用 が 可能 であ る 。 また 、 セメ
ント 硬 化体 の優 れた靭性 を 有 するの で 、既存の コンクリート建造物 のひび割 れ 補修
にも 利用できる。
【 技術 の提供時の 指導 の 有無】
可能