ピアノ個人療法 活動報告

ピアノ個人療法 活動報告
音楽療法課 佐藤 早希恵
2012.9.13(木)
ピアノ個人療法『ピアノレッスンの会』
•曜日:毎週水曜日・土曜日
•場所:ストレスケア病棟デイルーム
•時間:一人15∼30分
•現在まで(H22年4月∼H24年9月)の参加者は、43名。
•始めるきっかけは、「ピアノを習っていた」「医師や看護師、音楽
療法士に勧められて」「未経験だが、弾いてみたい」「レッスンの
様子を見ていて、楽しそうだったので」など様々である。 ピアノ個人療法の目的
•
•
•
•
•
•
余暇の充実
気分転換・リラクゼーション
集中力・持続力・忍耐力の向上
成功体験、達成感の獲得
自己表現の場の提供
コミュニケーション能力の向上
方法
|
初心者でも気軽に楽しめるように、対象者の音楽経験に合
わせて、楽譜を作成・編曲する。
方法
方法
| 連弾形式で演奏技術をフォローすることで、
対象者が容易に演奏でき、達成感や成功
体験を獲得しやすいように工夫する。
| ピアノレッスンが中心だが、対象者の個性
や要望に応じて、歌唱や弾き語り、または
リコーダーなど楽器を用いることもある。
現在の参加者 病棟
主訴
使用曲
開始
K.R氏
40代
女性
SC
統合失調症
人形の夢と目覚め ・ 異邦人
雨だれ前奏曲(ショパン) 等
H24.8.4∼
G.Y氏
30代
男性
SC
統合失調症
素直な心(ブルグミュラー)
ファイナルファンタジーテーマ H24.8.11∼
N.Y氏
80代
女性
SC
アルコール依存症
きらきら星 ・ さくらさくら
新世界より『家路』 H24.8.29∼
Y.T氏
40代
男性
2F
統合失調症
渚のアデリーヌ スターウォーズメインテーマ H24.6.22∼
S.T氏
50代
女性
1F
統合失調症
ある愛の詩 ・ テネシーワルツ
パッヘルベルのカノン 等
H22.12.11∼
外来対象のピアノ個人療法
主訴
K.N氏
40代男性
不安神経症
G.F氏
20代男性
自閉症
使用曲
ノクターン(ショパン)
別れの曲
期間
H23.10.8∼
H24.5.27
ドレミの歌
はたらくくるま
おどるぽんぽこりん
サザエさん 等
H24.6.20∼
現在継続中
参加者の感想
退院したら、キーボードを練習してみようと思う。
| 難しいけど、その分楽しい。もっとたくさん弾きたい。
| 昔ピアノを習っていた頃のことを思い出した。嬉しかった。
| 弾いていて心が落ち着いて、精神療養になった。
| 落ち込んでいたが、気持ちがすっきりした。
| 少し覚えた実感があり、自信がついた。
| わずかな楽しいひとときのプレゼントをありがとうございます。
| 他患やスタッフから拍手をもらえて嬉しかった。
↓
対人交流のきっかけ
|
ミニコンサート発表後の感想
緊張したけど、楽しかった。
| またひとつ自信が出た。
| 退院後も趣味として続けたい。
| ピアノが欲しくなった。もっと上手くなりたい。
| みんなから拍手をもらって嬉しかった。
| 大勢の人の前で弾けて楽しかった。
| 他の患者さんから「よかった」と褒められて嬉しかった。
↓
大きな達成感や自信の獲得
|
考察
音楽の楽しさを味わうとともに、『コンサートでの発表』
という目標に向けて練習し、努力を重ねる
↓
大勢の前で練習の成果を発表し、称賛を受ける
↓
大きな達成感・自信を獲得する
↓
新たな自分の可能性に気付く
趣味・生きがいをみつける
意欲の向上
今後の課題
|
今後も継続し、特に若年層を中心に参加者を増やす。
|
日曜心の健康会(ミニコンサート)をピアノ個人療法の
参加者の発表の場として確立させる。
|
ピアノ個人療法の存在意義に対する見解が更に深まる
よう、これからも懸命に取り組んでいきたい。
ご清聴ありがとうございました。