ひきこもりへの対応 爽風会佐々木病院 斎藤環 ● 社会的ひきこもり ■「社会的ひきこもり」とは 社会参加をしない状態が6カ月以上持続しており、精神障害がその第一の原因 とは考えにくいもの ※ただし「社会参加」とは、就学・就労しているか、家族以外に親密な対人関係がある状態を指す。 ■社会的ひきこもりの歴史 ●1970年代;ひきこもり事例に該当する事例の出現 ●1983年;稲村博『思春期挫折症候群』 遷延型不登校への注目(1983?∼) ●1984年;笠原嘉『スチューデント・アパシー』 (岩波書店) ●1980年代;「ひきこもり」という名詞形の登場 ●1991年;厚生省(当時) 「ひきこもり・不登校児童福祉対策モデル事業」 ●1992年;富田 富士也『ひきこもりからの旅立ち』 (ハート出版) ●1993年;稲村博『不登校・ひきこもりQ&A』 (誠信書房) ●1996年;田中千穂子『ひきこもり』 (サイエンス社) ●1997年;朝日新聞で塩倉裕による企画連載「人と生きたい──引きこもる若者た ち」開始 ●1999年;塩倉裕『引きこもる若者たち』(上記連載をまとめたもの ビレッジセ ンター出版局→朝日新聞社) ●1998年;斎藤環『社会的ひきこもり』 (PHP研究所) ●2000年;狩野力八郎・近藤直司編『青年のひきこもり』(岩崎学術出版社) ●2000年2月;新潟柏崎市で少女監禁事件 ●2000年5月;佐賀にはじまる西鉄バスジャック事件 ※いずれも容疑者が「ひきこもり」状態にあったと報道され、この問題に対する注目 度が一挙に高まった ●2001年;厚生労働省の厚生労働科研究事業「社会的ひきこもり等への介入を行う 際の地域保健活動のあり方についての研究(主任研究者:伊藤順一郎 センター 国立精神・神経 精神保健研究所社会復帰相談部長)」の平成12年度の研究成果が、200 1年5月に発表された。 この調査結果に基づいて、「10代・20代を中心とした『社会的ひきこもり』をめ -1- ぐる地域精神保健活動のガイドライン(暫定版)」が作られ、各都道府県の保健所、児 童相談所、精神保健福祉センターなどに業務参考資料として約2万部が配布された。 ●2003年;NHK「ひきこもりサポートキャンペーン」 ●2002年;BBCでひきこもり紹介番組放送。 ●2003年;厚労省より対応ガイドライン決定版配布。 ●2004年;東大阪市で36歳のひきこもり男性が両親を殺害、無理心中をはかるも 死にきれず自首(類似の事件があいつぐ) ●2006年5月;「アイ・メンタルスクール」事件;名古屋市内のでひきこもり「支 援」施設で、26歳男性が監禁拘束中に死亡。ひとりの若者が「殺される」事件があっ た。 ※「アイ・メンタルスクール」責任者の姉が運営する「長田塾」、元塾生からの訴訟 で敗訴。 ●2007年;マイケル・ジーレンジガー著『ひきこもりの国』 (光文社) ●2007年;井出草平『ひきこもりの社会学』社会学的視点から書かれた最初のモノ グラフ (世界思想社) ■疫学調査 厚生労働科学研究事業「地域精神保健活動における介入のあり方に関する研 究」 (主任研究者:国立精神・神経センター精神保健研究所 社会復帰相談部長 伊 藤順一郎)の研究班による調査報告(平成12年度から平成14年度までの3 年間の研究成果) ・調査対象:全国の保健所・精神保健福祉センター(平成 15 年 3 月に実施、回 答率は保健所 94.7%、精神保健福祉センター100%) ・平成 14 年 1 月から 12 月間の全国の保健所・精神保健福祉センターにおける ひきこもりに関する相談は、電話相談 9986 件(延べ)、来所相談で 4083 件(実 数)、あわせて 14069 件 ・本人の平均年齢:26.7歳 ・30歳以上が32.3% ・性別は男性が76.4% ・小・中学校いずれかの不登校経験者は33.5% -2- 平成 14 年度厚生労働科学研究事業の分担研究、「地域のメンタルヘルス指標 の検討」(岡山大学の川上憲人らによる調査研究) ・調査対象:岡山、鹿児島、長崎の3県において、20歳以上の一般住民から 無作為抽出された1646人(協力率56.4%) ・20∼40歳台の690人について「ひきこもり」経験があるか否かを調査 したところ、9人が過去にそのような経験を持っていた。現在そのような状態 であると回答したものはなかった。 ・また全対象者のうち子どもがいる人について現在「ひきこもり」状態である 子どもの有無を調査したところ、1646世帯中、14世帯にそのような問題 が存在し、その率は0.85%であった。この率を単純に平成14年度の全国 の総世帯数にかけると,41万世帯となる。 ● 「NEET(ニート=Notin Education, Employment or Training)」 ・小杉礼子(「労働政策研究・研修機構」副統括研究員)の定義: 仕事をせず、失業者として求職活動もしていない非労働力のうち、15∼34 歳 で卒業者かつ未婚で、通学や家事を行っていない者(2005年の『労働経済 白書』)。 2002年現在で、全国で85万人いるとされる(内閣府の調査)。 ・ 「多くのニートは、本当は働きたいと思っている。ただ、キッカケがつかめな いまま立ちすくんでいたり、人間関係につまずいたりして働く希望を失ってい る。ニートを生み出したのは大人がつくった社会のシステムであり、基本的に ニートの問題は大人の問題だ。ニートを〈分からない存在〉として片付ける無 関心が一番怖い。ニート問題を放っておかず、彼らの背中を押して『大人のお 節介』を大いに焼いていただきたい」 (東京大学社会科学研究所助教授・玄田有 史) ・わが国のニートの特徴: 男女比はほぼ同率 最終学歴は中学卒もしくは高校中退が多い 親との同居率が高い 六割以上が現状に焦りを感じている 求職活動をやめてしまった理由としては「なんとなく(四三・四%)」が最多 一度も求職活動をしたことがないニートの、してこなかった理由としては「人 -3- づきあいなど会社生活をうまくやっていける自信がない(四三・一%)」が最多 ・ニートのイメージ: 学校時代から孤立しがちで、不登校経験も多く、現在も困ったことを相談で きるような対人関係を持たないなど、「ひきこもり」のイメージと重なるところ が多い ・ニートは若年者だけの問題ではない。35∼49 歳の中年層のニート(中年層の 純粋無業者)は、増加率ではむしろ若年層を上回っており、状況はより深刻で ある。しかし定義上 35 歳以上はニートとされないために、支援策等は講じられ ておらず、自殺や社会保障費の増加などが懸念されている(出典:青少年の就 労に関する研究調査 中年無業者の実情)。 ・厚生労働省による就労対策: 欧米にならい、社会人としての生活習慣の習得から企業実習まで体験する基 礎訓練講座を二万人以上に実施する 中学生の段階から社会貢献活動や企業実習を記録し、社会との接点を意識さ せる「ジョブパスポート(就職手帳)」を導入する 共同生活を通じて就労訓練をする「若者自立塾」の設立 ● ニート・ひきこもりの社会的要因 ■ 成熟困難の問題 ・社会の成熟度と個人の成熟度は反比例する ・モラトリアム期間の延長 ・アイデンティティの拡散 ・通過儀礼の消滅 ・「就労」や「家族」の必然性の低下 ・地縁や血縁の希薄化 ・社会の「リスク化」「二極化」などの傾向→九〇年代以降の雇用状況の悪化などとあ いまって、若者は相対的に弱者化する ・コミュニケーション・スキルの特権化 ・体験主義の無効化 ・未成熟なまま弱者化した若者たちが、結婚や就労などといった「社会参加」の前で立 ちすくみ、ほぼなりゆきだけで親元に留まり続けた帰結が、ニートやひきこもりといった、 -4- もろもろの非社会化現象につながっている? ■ わが国の社会文化的背景 ・「家族」の特殊性 ・母子密着型の家族 ・儒教文化圏≒同居文化 ・「自立」=親孝行(≠家出) ● 高年齢化の問題 ● ひきこもりと「心中未遂」 二〇〇四年一〇月一九日、東大阪市で三六歳無職の男性が六〇代の両親を絞殺 し交番に自首してきた。男性は二〇年間、自宅にひきこもりがちの生活を送っていた (一〇月二〇日付毎日新聞 Web 版)。自分に生活力がなく将来に不安を感じて犯行 に及んだという。 十一月二十四日には茨城県水戸市で十九歳無職の男性が五十一歳の父親と四十 八歳の母親を鉄アレイで殴り殺して逮捕された。男性は高校卒業後定職に就いてい なかった。進路を巡って家族と対立したことがきっかけだったと供述している(十一月 二十四日付毎日新聞 Web 版)。 その翌日の十一月二十五日には、やはり茨城県の土浦市で二十八歳無職の男性 が五十七歳の父親と五十四歳の母親、三十一歳の姉をを包丁と金づちで殺害して逮 捕された。男性は九年ほど前から自宅に閉じこもりがちな生活を送っており、しばしば 家庭内暴力が見られ、「いつか自分が家族に殺される前に家族を殺そうと思った」など と供述しているという(十一月二十四日付毎日新聞 Web 版)。 ● 「在宅ホームレス」問題 二〇〇五年九月二四日、『NHKスペシャル』で「ひとり団地の一室で」と題された番 組が放映された(その後『ひとり誰にも看取られず』(阪急コミュニケーションズ)として書 籍化)。テーマは「孤独死」。千葉県松戸市にある常盤平団地が、自治会や民生委員 などの協力を得て、地域ぐるみで取りくむ「孤独死ゼロ運動」が紹介された。総世帯数 五三〇〇戸の常盤平団地は、昭和35年に全国のニュータウンの先駆けとして誕生し、 最新の設備を備えた団地として入居希望者が殺到した。しかしその後入居者の高齢 化が進み、住民は年々減少していった。このため単身での入居も認められるようになり、 独身男性の世帯も増えた。その結果、四〇代から六〇代という比較的若い世代の「孤 独死」が問題化した。同団地ではこの三年間で、二十一人の孤独死があったという。 -5- 大田区福祉事務所の生活保護ソーシャルワーカーである野口誠氏によれば、生活 保護を受給するに至る単身世帯の中には、家庭内ホームレスとでも言うべき悲惨な生 活を営んでいる事例がこのところ増えつつあるという。 ● ネットカフェ難民 ネットカフェ・個室席の一例ネットカフェ難民(ネットカフェなんみん)は、 いわゆるホームレスの一種で、定住する住居を所有せず寝泊りする場としてイ ンターネットカフェを利用する人々を指した造語。 ● 「二〇三〇年」問題 二〇三〇年頃から、ひきこもりやニートの第一世代が、老齢年金の支給開始年齢で ある六五歳を迎えはじめる。それまでは親の年金で生き延び、生涯一度も納税したこ とがない高齢者が、おそらくは数万人規模で出現することになり、社会がその負担に 耐えられるか、世論は彼らの存在に寛容であり得るかが問われることになるだろう。 ● 高年齢化にいかに備えるか ● 価値共同体としての家族から経済共同体としての家族への転換(「就労」から「生 存」へ、「より良く生きる」ことから「生き延びる」ことへの重心移動) ● 経済共同体の一員として本人を位置づけ、能力に見合った立場を担当してもらう 例えば家計簿を担当させる、食費を請求する etc. ● 本人の感情労働に対するなんらかの報酬を考える? 穏やかに過ごす、会話に参 加する、怒りや強迫行為などの症状をこらえる etc. 地域通貨の使用? ● 事情を理解し合った家族間でメンバーを交換する。 ● 本人の住居を確保した上で別居し、年金受給年齢までの年収(100万円程度?) を保証する。 ● それぞれの家庭の自衛策=ライフプラン 老後の生活資金、老後子供にかけるお金、介護の問題、相続の問題、親の死後の 問題などを具体的に検討しておく。フィナンシャルプランナーなどに相談する方法もあ る。 -6- ●まずは財産リストの作成 資産としては不動産、現金・預貯金、株主権、ゴルフ場会員権、債権、その他(特許、 著作権、家財道具、自動車など)。 借金関係としては住宅ローン、振り出した約束手形・小切手、公租公課、損害賠償、 保証債権、その他借金。 収入の見込みがある場合は、年金も含めておおよその年額を計算する。 生命保険(受取人を本人に指定することで、相続の争いは回避できる)。 ●老後の生活費 総務省統計局家計調査に基づく高齢者夫婦二人が生活する為に必要となる生活 費は、1 ヶ月に平均 271,298 円(世帯主の平均年齢 63.8 歳)65歳時の平均余命を、 夫18年、妻23年として計算すると、老後に出て行くお金の合計は約 8,000 万円。 公的年金は夫婦2人期については、夫は厚生年金と国民年金の2階建ての年金に なり、妻は国民年金のみを受給。夫の死後は、妻は自分の国民年金に加えて、夫が 死亡したことによる遺族厚生年金を受給。妻が死亡するまでの年金の合計受取額は 約 5,800 万円になります。これに予定される退職金約 1,200 万円を加算すると、老後に 入ってくるお金の合計は約 7,000 万円。 以上の試算から、この会社員の事例夫婦の場合、老後に平均的な生活をするので あれば、不足額は約 1,000 万円。 ニートやひきこもりの子供がいる場合、その生活費を考慮しておく必要がある。 (参考;単身の高齢者の生活費は月額約15万円、ただし、ほぼひきこもり生活の場 合は10万円以下の場合もありうる) ●リバースモーゲッジ ●確定拠出年金 ●相続と遺言書 ● コネクションズ(イギリス) コネクションズ・サービスは,1998 年ブレア政権が青少年の非行や不況による失業が 増えている社会状況を克服し,健全育成を推進する政策の一環として創設した機構で ある。「Welfare to Work」というスローガンを掲げて,ニュー・ディール政策を打ち出し, 次代をになう青少年の福祉的教育的支援活動である。 -7- ●NPO コトバノアトリエ 若者が好きなことを仕事にできる社会環境の創造を目指して活動する非営利団体。 作家、ライター、漫画家などのクリエイティブな仕事に就きたいニート・ひきこもり・フリー ターの若者を育成・支援している。 ・神保町小説アカデミー クリエイティブなことを仕事にしたいニート・元ひきこもりの若者を育成・支援。 ・トキワ荘プロジェクト 漫画家志望の若者に格安で住居を提供することで、クリエイターとしてのスタートア ップ期を支援。 ・ニート・不登校・ひきこもり NEXT VISION FORUM 若者支援の未来を考えるフォーラム。 ・オールニートニッポン ニートのためのインターネットラジオ&マガジン。 ● 両親からの生活費支給を早い段階で中止し、第三者(治療者、支援者など)から 定期的に生活費を貸し与えるシステムを構築する。通院や第三者との接触に対し て一定の報酬を与える。後者はイギリスなどでは依存症患者や統合失調症患者の コンプライアンス維持として試みられている。 http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/6224759.stm ● 家族ネットワークの中で成年後見制度に準ずる制度を作り、両親亡き後の資産管 理をこのシステムにゆだねる。家庭内での金銭をいかに流通させるか ● ベーシック・インカム ベーシックインカム(Basic Income:BI)とは、「すべての個人に、無条件かつ普遍的 に、生存を可能にする基本的必要を満たすと同時に生産=表現の自由を行使しうるだ けの一定額の所得を給付する」所得保障の制度であり、社会構想である。 -8- 3 随伴しやすい精神症状 不登校 対人恐怖 (自己臭 視線恐怖 被害関係念慮 強迫症状 心気症状 不眠と昼夜逆転 退行・家庭内暴力 抑うつ気分 希死念虜・自殺企図 4 関連する疾患 醜形恐怖) ※初期診断が重要 − 統合失調症(ex.精神分裂病 もっとも重要) ※鑑別のポイント 幻聴の存在 独語、空笑、奇妙な姿勢 妄想のあり方 「テレビやラジオで自分の悪口が放送される」など、メディアを巻き込 む場合や、共感や了解が困難な飛躍を含む場合 コミュニケーションへの態度 コミュニケーションへの憧れが強い→ひきこもり コミュニケーションを拒否して「自閉」→統合失調症 スチューデント・アパシーと退却神経症 回避性人格障害 境界性人格障害 思春期妄想症 うつ病 分裂病質人格障害 循環性気分障害 -9- 図1 ひきこもりシステム模式図 通常のシステム 3つのシステムは相 互に接しており、互い に影響を及ぼしあっ て作動を続けている。 個人 「接点」とはコミュニ ケーションのことで ある。 家族 社会 ひきこもりシステム 社会 3つのシステムは接 点を失ってばらばら に乖離し、相互の働き 個人 かけはストレスに変 換されて、いっそう乖 家族 図2 離を促す。 ひきこもりの悪循環模式図 ひきこもり状態 本人の不安・ 焦燥感 家族の不安・ 焦燥感 家族から本人への 圧力・叱咤激励 - 10 - 社会的ひきこもりへの対応指針 治療全体の流れ (1)家族相談(情報伝達) (2)個人治療(精神療法、ときに薬物療法) (3)集団適応支援(デイケア、たまり場、自助グループなど) 家族の基本的心構え 覚悟と根気 本人が安心してひきこもれる関係づくり → 信じて待つ しつけ的発想をやめてみる まず両親が一致団結する 北風より太陽 「怠け」 「甘え」 「わがまま」などは禁句 きょうだい、親戚には頼らない 愛情より親切 振り回されない距離感 → 「友達の子どもを預かっている」 受容の枠組み設定(金銭管理は一定額に 犯人探しは禁物 暴力は徹底拒否) 親もプライヴェートを楽しむ 環境の変化は慎重に 依頼はまず丁寧に頼む、断られたらその場は引き下がる、あるいはやってみせる コミュニケーションの回復 「会話」がすべて 相互性と共感性を大切に うらおもてのない、わかりやすい態度で 断絶の場合はまず挨拶の励行から 「これみて悟れ」式は不適 本人からの訴えは、さえぎらずに最後まで聴き取る ただし「言いなり」は禁物 話す態度の問題:父親は尊大な権威者、母親は婉曲な皮肉屋になりがち 話題の選択:不自然さを恐れず、話したい態度を示す 将来、仕事、学校、過去の栄光、同級生の噂話、などは禁物 ニュース、スポーツ、芸能界など時事的なものは可 ペット、趣味、ギャンブル インターネット 家庭内暴力への対処法 予防:退行させない=スキンシップを禁じ、会話でおぎなう 初期:刺激せずに対話をこころがける 慢性期:家庭の密室化 + ※ 本人の退行 暴力に暴力で対抗しない! = 慢性的暴力 密室化の予防法:(1)第三者の介入 (2)司法(警察通報)の介入 避難の三原則:(1)暴力直後の避難 (2)避難直後の連絡 - 11 - (3)避難 (3)帰宅のタイミング 保健福祉行政の役割 ●社会的ひきこもりの支援体制において必要なもの; 相談窓口(精神科クリニック、カウンセリング、保健所、精神保健福祉センター) 家族会 電話相談・メール相談 訪問支援活動(保健所、民間NPO) デイケア・たまり場・居場所・自助グループ グループホーム 就労支援施設(ヤングハローワーク、若者自立塾など) ● 自治体による取り組み 札幌市、横浜市、神戸市、京都府など;官民一体の支援ネットワーク作りに着手 すでにある民間団体の活動を公的機関が支援する形式が多い(資金面・場所の提供など) 和歌山県田辺市の例; 市役所に勤務する保健師の発案で、理想的な支援ネットワークが作られた例 市役所職員、精神科医、ケースワーカー、臨床心理士、作業所職員などのメンバーから なる「ひきこもり検討委員会」 - 12 -
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