大豆紫斑病の防除を徹底しましょう 大豆紫斑病の防除を徹底しましょう

大豆紫斑病の防除を徹底しましょう
紫 斑 病 は 病 気に罹った 植 物 体 からでも 伝 染しますが 、主に
種子で伝染します。病斑が子実に発生すると外観品質が著しく
低 下し、商 品 価 値が無くなるので、防 除を徹 底することが肝 要
です。
防除のポイント
●紫斑病が多発した圃場では、罹病した植物残渣を土中に埋めるため、
秋耕します。
●紫斑粒の混入が無い健全種子を播種します。外見上健全な種子で
正常粒
紫斑粒
も紫斑病菌が感染している場合があるため、必ず種子消毒を実施
します(推奨する薬剤:キヒゲンR-2フロアブル、キヒゲン)。
●僅かに発病した種子の混在でも成熟期の紫斑病発生を引き起こすため、開花後に必ず薬剤を散布する必要が
あります。使用する薬剤は下記の「開花後の薬剤防除のためのガイドライン」を参照してください。
●収穫後は速やかに乾燥します。収穫後乾燥せずに数日間放置すると、紫斑粒率が増加します。
開花後の薬剤防除のためのガイドライン
●防除効果が高いストロビルリン系(アミスター20フロアブル)を基軸にした防除体系とします。
・アミスター20フロアブルの成分「アゾキシストロビン」は耐性菌が出現しやすいので、本剤は隔年使用と
する必要があります。
・アミスター20フロアブルは原則1回散布、それ以外の薬剤は最低2回の散布とします。その際、1回目と2
回目は異なるグループの薬剤を使用する必要があります。採種栽培では良質種子生産の観点から、アミス
ター20フロアブルを使用する際も別グループの薬剤と組合せて最低2回散布します。
・ベンズイミダゾール系の薬剤(トップジン、ベンレート)は、耐性菌発生率が依然として高いので使用で
きません。
●散布時期は開花15∼35日後とし、1回目散布はこの期間の早い時期に行います。ストロビルリン系とエルゴ
ステロール合成阻害系は予防効果と治癒効果が期待できますが、有機塩素系、グアニジン、無機化合物は予
防効果のみなので、特に散布時期が遅れないように注意してください。
●薬剤散布は茎葉に満遍無く付着するように丁寧に行います。
紫斑病に登録のある薬剤の特性
グループ名
薬剤名
成分名
(殺菌剤のみ表示)
平成22年7月12日現在
防除効果
耐性菌
出現リスク
高
高
低
ストロビルリン系(QoI)
アミスター20フロアブル
アゾキシストロビン
有機塩素系
スミチオンダコニール粉剤DL
TPN
やや高
エルゴステロール合成
マネージDF
イミベンコナゾール
やや高
阻害系(DMI)
サンリット水和剤
シメコナゾール
やや高
グアニジン
無機化合物
ベルクートフロアブル
スミチオンベルクート粉剤DL
Zボルドー粉剤DL
中
イミノクタジン
塩基性硫酸銅
中
中
高
低
低
薬剤は購入前に使用方法・使用時期を確認し、使用前に必ずラベルをよく読み、正しく使用しましょう
栃木県
・ JAグループ栃木/JA 全農とちぎ ・ ㈳栃木県米麦改良協会
平成22年7月
大豆子実の病害虫被害粒の防除方法
褐斑粒・着色粒
大豆のウイルス病は、褐斑粒や着色粒等の原因になるため、本病を伝搬
するアブラムシの発生を確認したら薬剤を散布して初期防除に努めます。
また、圃場内および周辺部の除草を徹底し、アブラムシの発生源を無くすと
ともに、本病感染株を除去して周辺株への伝染を防ぐことも重要です。
褐斑粒
着色粒
カメムシ類・マメシンクイガ・シロイチモジマダラメイガ
カメムシ類による吸汁害とマメシンクイガ等による食害は、減収や品質低下を招きます。防除時期は開花期の
15日後、25日後、40日後の3回で、発生が多い場合は50日後にも防除します。
イチモンジ
カメムシ
アオクサ
カメムシ
ホソヘリ
カメムシ
カメムシ類による
肥大後期の被害粒
マメシン
クイガ幼虫
シロイチモジ
マダラメイガ幼虫
同左幼虫
による被害粒
フタスジヒメハムシ
登熟期に莢の食痕からカビが侵入し、黒斑粒や腐敗粒が生じます。
多 発生すると幼虫による根粒食害の影響で生育が抑制されます。前年
に発生が多かった場合は播種前に粒剤を溝施用します。また、生育期に
成虫の発生を見たら薬剤を散布します。
フタスジヒメハムシと被害粒(黒斑病)
大豆に登録のある主な薬剤と適用病害虫
平成22年7月12日現在
適用病害虫
グル ープ 名
合成ピレスロイド系
有機リン系
ネオニコチノイド系
フェニルピラゾール系
オキサダイアジン系
IGR剤
薬 剤 名
アミスタートレボンSE
マネージトレボンフロアブル
MR.ジョーカーEW
スミチオンダコニール粉剤DL
ダイシストン粒剤(劇)
ダイアジノン粒剤5
クルーザーFS30
ダントツフロアブル
スタークル顆粒水溶剤
キラップフロアブル
トルネードフロアブル
マトリックフロアブル
アタブロン乳剤
カスケード乳剤
成分名
(殺虫剤のみ表示)
エトフェンプロックス
エトフェンプロックス
シラフルオフェン
MEP
エチルチオメトン
ダイアジノン
チアメトキサム
クロチアニジン
ジノテフラン
エチプロール
インドキサカルブMP
クロマフェノジド
クロルフルアズロン
フルフェノクスロン
シロイチ フタス
コガネ
アブラ カメム マメシン
ハスモン
モジマダ ジヒメ
ムシ類 紫斑病
ムシ類 シ類 クイガ
ヨトウ
ラメイガ ハムシ
幼虫
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調製による被害粒除去も重要な作業です
★大豆選別機や色彩選別機に通して、紫斑病等の病害粒と虫害粒を除去します。
★特に種子生産者は、紫斑粒・褐斑粒・着色粒の種子伝染性病害粒の混入を防ぐため、色彩選別機を通した後、手選別に
より確実に除去してください。