留学レポート② 2-2 No.25 重留京香 Wie geht’s Ihnen?お元気ですか?ドイツに来て間もなく 4 ヶ月、最近は 中々上達を見せない語学に焦る日々を送っています。さて、前回のレポー トでは私の学校生活についてとり上げましたが、今回はドイツの日常生活 と日本との違い、本場ドイツのクリスマスと年越しの様子についてご紹介 します。 て面白いですよ。食器洗いはほぼ食洗機がやるの で、毎日の仕事ですが大した手間ではありませ ん。 日常生活について 私は、ドイツと日本の最大の違いは何と言っても 時間の流れ方だと思います。学校は早ければ昼に 終わり、部活もないので学生は自由な時間を多く 持っています。社会人もその多くは夜 7 時前に帰 宅でき、ほとんどの家庭で夕食は家族みんなでと っています。ではそのドイツの生活の様子を、私 のものから紹介しようと思います。 1 日の流れ 大体平日はこの様になっています。火•木には語学 睡眠 自由時間 朝食 夕食 その他 夕食 自由時 間 昼食 学校 その他 昼食 睡眠 朝食 学校 学校があり、帰宅も 8 時と遅いですが概ね毎日暇 です。また、毎週金曜日は車で大きなスーパーに 行って一週間分の食料品をまとめて買います。 週末は起床が 9~10 時になり、3 食家族皆でとる他 に夕方に Kaffeetrinken という所謂ティータイムが あります。この地域ではしない家庭も多いらしい ですが、お菓子やケーキを食べておしゃべりする この習慣が私はとても好きです。 家事は日本のように毎日全てをこなすのではな く、ある日にまとめて洗濯、まとめて掃除、と行 っています。特に掃除はモップ掛けや水垢とりな ど、細かいところまでしっかりするので時間がか かります。料理は大体ホストパパが作ります。揚 げ物など凝ったものもよく出ますが、パンとチー ズだけだったり出来合いのものを買う事も多いで す。ドイツではパン食が主流なのでとても安く買 えるし、多くの家に電動パン切り機があったりし 自由時間の過ごし方 実はこれは未だに私にとって大きな問題です。 日本では毎日部活や勉強に追われ時間が余ること なんてほとんどなかったので、今でも持て余して いるのです。1 人のときは大体ギターを弾いた り、日本から持ってきた本を読んだりして過ごし ています。中々勉強する姿勢になれないのが悩み です。ホストファミリーもパソコンゲームやテレ ビなど、普段は各々で時間を潰しているようで す。ホストママは帰宅が早い日には昼寝をするこ ともあります。そうやってゆったり過ごしている と、やっぱり日本人は生き急いでいるんだなと悲 しくなりますね。 そんな平日の自由時間に対して休日は時間が多い 分、家族で過ごす時間も増えます。Kaffeetrinken もそうですし、天気が良ければ散歩に行ったりも します。金曜日か土曜日の夜は皆で映画を観て夜 更かしをしたり、カードゲームをしたりして思い っきり休みます。ちなみに最近観た映画 は”SAYURI”という昭和初期から戦後にかけてのあ る芸者の半生を描いた物語です。ドイツ語に英語 字幕なのでよくわからない部分も多かったのです が、中々楽しく観られました。映画を観る時は大 抵ポテトチップスがお供なのですが、量が日本の 3 倍位あってかなりのボリュームで、味もとても 濃いです。 Weihnachten 続いてドイツのクリスマスについてです。クリス マスはドイツ語で Weihnachten(ヴァイナハテン)ク リスマスイブは Heilig Abend(ハイリヒアーベント= 聖なる夜)といいます。呼び方もさることながら、 その習慣も日本や日本人の考える欧米のクリスマ スとはかなり異なります。 Advent とは? ドイツではクリスマスは 24、25 日だけのイベント ではありません。11 月 30 日の聖アンデレの日に 一番近い日曜日からクリスマスまでの約 4 週間が Advent という待降り節(第 1−第 4 まである)で、そ れだけかけてクリスマスを祝うのです。ドイツ人 は、リース型の 4 本セットの蝋燭 Adventskranz に 毎週ひとつずつ火を灯したり、日めくりで開ける とチョコレート等が入っている Adventskalender を めくる度にクリスマスが近づいていることを実感 するんだそうです。これは私のカレンダーです が、毎日 1 つチョコレートを食べるのは正直辛く Adventskranz Adventskalender て、年が明けた今もまだ残っています…。 話はそれてしまいましたが、この Advent の期間の Kaffeetrinken はとても大切なものです。各家庭で クッキーを手作りし、Kaffeetrinken で少しずつ消 費していくのですが、我が家では 11 月 22 日にそ の Keksbacken を行いました。朝 10 時から夜の 8 時まで、ホストママとシスターの 3 人でたっぷり 5 缶分のクッキー作り…終わりが見えない分しん どかったですが、そのおかげで毎週おいしいクッ キーが食べられて幸せでした。クッキーの他に は、日本でも比較的メジャーな Stollen(ドライフル ーツやナッツが練り込まれたどっしりしたケーキ) やチョコレートも並び、普段よりさらに豪華な Kaffeetrinken を過ごしました。写真では電気がつ いていますが、実際は蝋燭の明かりだけで行って います。このティーセットはクリスマス用で、柊 やベルなどの装飾がとてもかわいらしかったで す。 Nikolaustag ドイツではプレゼントをもらえる日がなんと 2 日 もあります。クリスマスイブとこの Nikolaustag で よく行くスーパーの冷凍食品コーナ ー す。12 月6日のこの日は、前の夜に部屋の前に置 いておいた靴に聖ニコラウスがプレゼントを入れ てくれます。プレゼントは大体甘いもので、私は 沢山のチョコレートとみかんをもらいましたが悪 い子には石しかくれないという話もあります。ま るでサンタクロースみたいですよね。実はサンタ クロースの起源はこの聖ニコラウスなのだそう で、オランダ版のシンタクラースがアメリカに持 ち込まれ、サンタクロースとして広く世界に浸透 したらしいです。ちなみにサンタはドイツにも逆 輸入され、Weihnachtsmann(クリスマス男)として知 られています。またキリストの生まれ変わりとし てプレゼントをくれる天使の Christkind も有名 で、子供達はこのふたりのどちらが本物なのかと いった論争も起きるそうです。残念なことに私は このドイツにおけるサンタがどうなっているのか 未だに理解できていません… Heilig Abend の過ごし方 さて、ドイツでは意味は違えど日本と同様にクリ スマスイブも大切な日です。この日は遅めのブラ ンチで済ませ、昼食はとりません。Kaffeetrinken の後に家族皆が湯船に浸かって身体を綺麗にし、 Christkind と Weihnachtsmann 夜 7 時頃からドレスを着てクリスマスを祝いま す。ドイツではクリスマスプレゼントは 25 日の朝 ではなくここで開けます。あらかじめツリーの下 に置かれた沢山のプレゼントを、ひとりずつひと つずつ開けていくのはいかにもヨーロッパという 感じでとても楽しいです。私も服やバッグ、帽子 などのプレゼントをもらいました。それから大量 のお菓子も…。祖父母からのプレゼントもあった りするので日本でいうお年玉と同じ感覚のようで す。そしてこの日は伝統的にポテトサラダを食べ るらしく、夕食で我が家も例に漏れずホストパパ が大量に作ったポテトサラダとソーセージをいた だきました。食後はボードゲームをしてゆっくり 過ごしました。 ドイツならではのクリスマスの習慣に、26 日も祝 うということが挙げられます。この日は近所のレ ストランへランチに行きました。ドイツ料理はま ずいとよく言われますが決してそんなことはな く、この日はサーモンのムニエルをいただきまし た。1 人前をママと分 けて出していただいた のですが、それでもか なりの量でした。この 辺がさすがヨーロッパ だなと思います。ラン チの後はまた散歩へ行 き、帰ってからシスタ ー達とゲームをしたり 昼寝をしたり…祝うと 言ってもあまり特別な ことをする訳ではあり ませんでした。ただこ の日はドイツで初めて ボウリングへ行きました。久しぶりだから下手す ぎて残念でしたが、クラスメイトと偶然会えたの もあって楽しかったです。ビリヤードがあったの Frohe Weihnachten クリスマスイブは伝統的に厳かに祝うドイツです が、クリスマス当日はもう少しカジュアルに楽し む印象です。伝統的なことといえばお昼にガチョ ウの丸焼きを食べることでしょう。詰め物を全て リンゴにするか野菜にするかの違いはあります が、どの家庭でもガチョウを食べるそうです。付 け合わせは赤キャベツとクヌーデル(マッシュポテ トを丸めてゆでたもの)でした。これらはかなりポ ピュラーなドイツ料理なので、食卓によく並びま す。さて、ガチョウの味はというと鶏肉を赤身に した感じだなと思いました。ただ大きな鳥なので 7kg もあったらしく、身が見た目程ないのに相当 な量でした。私は滅多に食べられるものじゃない し、と言い訳して食べ過ぎてしまいました。食後 に散歩はしましたがきっと太ったに違いありませ ん。この日はガチョウの他に、我が家の伝統とし て家族で映画を観ました。”Love Actually”という クリスマス映画の定番で、ドイツ語吹き替えに英 語字幕という逆境でも楽しく観ることができまし た。 は流石だなと思いましたね。 Weihnachtsmarkt ここまで私の過ごしたクリスマスの様子を紹介し ましたが、ここからはドイツならではの Weihnachtsmarkt について紹介しようと思います。 近年日本でもクリスマスマーケットとして広まっ てきましたが、本場ドイツのものはやはりケタ違 いに美しいです。マルクトは大体 12 月初旬から遅 くて 1 月 7 日位まで開かれており、毎年観光客で 大にぎわいです。私は 12 月6日にクラスメイトに 誘ってもらい、Hamburg で一番大規模な市庁舎前 広場のマルクトへ行きました。定番のソーセージ やピザ、Grühwein、中にはクリスマスツリー等の オーナメント専門店まであり、少し狭いながらも 本当に沢山のお店がありました。人もすごく多く て、ほぼ全員が Grühwein のカップを片手に持って いました。ドイツだとこういう露店のカップは地 域や店ごとに違うデザインで、デポジット式なの で返却するなり持って帰るなりできます。私もひ とつ買いました。Weihnachtsmarkt は何もかも綺麗 で素晴らしいですがスリも多いそうで、入り口で 木を売り始めます。デコレーションも様々です 入り口のサンタクロースのそり キャンドルの露店 友人に鞄はちゃんと抱えててねと言われました。 Weihnachtsbaum 当たり前ですがドイツでもクリスマスツリーは飾 ります。Baumschule という木の畑みたいな所があ るのですが、クリスマスが近づくとどこももみの が、我が家のはこんな感じです。 ツリーは大きなオーナメントは下の方、小さなの は上の方に飾るとバランスがいいそうです。金色 の垂れているものは雪を表しています。球体の は、元々はリンゴを飾っていた名残だとか…ホス トパパ情報です。このツリーですが、飾り始めた のが 23 日とかなり遅かったので少ししか楽しめな いと思っていたのですが、年が明けてもまだ仕舞 われません。 まとめ 実際にドイツのクリスマスを体験してみて感じた のは、日本のお正月に非常に近いということで す。家族で厳かに祝い、プレゼントを贈り、決ま ったものを食べる。日本のキラキラした恋人向け のクリスマスも悪くないですが、好きで来ている のもあってやっぱり本場ドイツの方が素敵だなと 私は感じました。何なら世界一のクリスマスだと 言ってもいいくらいです。こんなに素晴らしいも のを体験できて本当によかったです。今年はいら れないのがすごく残念です…。
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