組成・性状 効能・効果 用法・用量 使用上の注意

Z18
※※2007年10月改訂(第5版、販売名変更に伴う改訂)
※2005年11月改訂
日本標準商品分類番号
8
7
2
3
6
9,
8
7
1
3
9
※※
貯 法:室温保存
劇薬
指定医薬品
使用期限:外箱に表示
※※ 承 認 番 号 21900AMX01528000
※※ 薬 価 収 載
2007年12月
販売開始
1966年11月
再審査結果
2002年8月
再評価結果
1982年8月
効能追加
1994年7月
<アネトールトリチオン製剤>
使用上の注意
禁 忌(次の患者には投与しないこと)
1. 重要な基本的注意
1. 完全胆道閉塞のある患者
シェーグレン症候群に対して投与する場合は本疾患の特殊
[本剤の利胆作用により、胆管内圧が上昇する。]
性を考慮し、口腔乾燥症状の改善が認められない時には長
2. 急性期の肝・胆道疾患のある患者
期間漫然と継続しないこと。また、定期的に臨床検査(血
[肝細胞及び胆道に負担をかけ症状を悪化するおそれがあ
液検査、血清生化学検査、尿検査)を行うことが望ましい。
る。]
2. 副作用
3. 重篤な肝障害のある患者
調査対象1,390例中、187件(13.45%)の副作用が発現し、
[肝細胞及び胆道に負担をかけ症状を悪化するおそれがあ
その主なものは鼓腸放屁85件(6.
12%)、下痢28件(2.
01%)
る。]
等の消化器症状であった。(再審査終了時)
頻度
種類
皮 膚
5 %以上
注1)
過敏症状(蕁麻疹、発疹、
そう痒感等)
組成・性状
消化器
1. 組成
本剤は1錠中アネトールトリチオン12.5mgを含有する。
肝 臓
鼓腸放屁
注2)
添加物として、リン酸水素カルシウム水和物、乳糖水和物、トウモ
ロコシデンプン、アラビアゴム末、ポリビニルアルコール(部分け
その他
ん化物)、タルク、ステアリン酸マグネシウム、精製白糖、沈降炭
腹痛、下痢、便秘、嘔気等
AST(GOT)
、ALT(GPT)
等の上昇
心悸亢進、めまい、
顔面のぼせ感等
注1)投与を中止すること。
注2)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
酸カルシウム、酸化マグネシウム、ポリオキシエチレン(160)ポ
リオキシプロピレン(30)グリコール、硬化油、ポリビニルアセタ
3. 高齢者への投与
ールジエチルアミノアセテート、カルナウバロウ、黄色三二酸化鉄
本剤は、主として肝臓で代謝されるが、高齢者では肝機能
を含有する。
が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するお
2. 製剤の性状
それがあるので、減量(例えば37.5mg/日)するなど注意
本剤は、淡黄色の糖衣錠である。
表
0.1∼5%未満
裏
側面
直径
(㎜)
厚さ
(㎜)
すること。
重量
(㎎)
4. 妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有
6.0
3.6
益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与するこ
112.
4
と。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
5. 適用上の注意
薬剤交付時:
効能・効果
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよ
う指導すること。
1. 下記疾患における利胆
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、
胆道(胆管・胆のう)系疾患及び胆汁うっ滞を伴う肝疾患
更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発す
2. シェーグレン症候群に伴う唾液分泌減少の改善
ることが報告されている。]
6.その他の注意
(1)動物実験(ラット)において、人体常用量の400倍及び
用法・用量
600倍相当量を腹腔内連続投与したとき、病理組織学的
アネトールトリチオンとして、通常成人1回25mgを1日3
に甲状腺萎縮像が認められたとの報告があるので、使用
にあたっては甲状腺機能に十分注意すること。
回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(2)本剤の代謝物により、尿が濃い黄色に変化することがあ
る3)。
1
薬物動態
薬効薬理
1. 血漿中濃度
1. 利胆作用
健康成人4例にアネトールトリチオン50mgを単回経口投与したと
アネトールトリチオンは胆汁8),9),10)とともに胆汁中の成分であるコ
きの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであ
レステロール8),10)、胆汁酸8),9)、胆汁色素8)、乾燥エキス分8)、固形成
1)
分9)の分泌を促進し、実験条件により胆汁色素濃度 10)及び胆汁酸
る 。
濃度9)を増加する(イヌ)いわゆる cholaneretica タイプの利胆作
10
各点は平均値±標準誤差
(n=4)
用を有している。
2. 尿素排泄に対する作用
血 1
漿
中
濃
度 0.1
尿素の生成は肝臓の重要な機能の一つである。過窒素飼料の投与に
よる残余窒素のため肝・腎障害を起こしたウサギにアネトールトリ
チオンを投与した場合、尿素排泄は上昇するが、正常飼料投与群の
(ng/mL)
尿素排泄には変化を与えない8)。
3. 負荷色素に対する作用
0.01
0
1
2
3
4
5
投与後時間(hr)
ブロムスルファレイン(BSP)の胆汁中の排泄を促進する(イヌ8))。
6
またデヒドロコール酸と異なり、インドシアニングリーン(ICG)
健康成人にアネトールトリチオン50mgを単回経口投与した後
の血漿中未変化体濃度推移
の排泄を抑制しない(イヌ11))。
4. グルタチオン値上昇作用
血中グルタチオン値を有意に上昇する(ウサギ8),12))。
薬物動態パラメータ
Dose
(mg/body)
Tmax
(hr)
Cmax
(ng/mL)
AUC0-8hr
(ng・hr/mL)
t1/2
(hr)
50
1.5±0.3
0.96±0.34
2.96±0.94
2.3*
5.唾液分泌促進作用
(1)アネトールトリチオンはコリン作働性の刺激による唾液分泌を促
進する(雌雄マウス、雌雄ラット、ウサギ13),14),15),16))。
(2)アネトールトリチオンは唾液腺のホスホリパーゼC活性を亢進さ
平均値±標準誤差(n=4)
:平均値の血漿中濃度から算出
(注)本剤の承認された1回用量は25mgである。
*
せ細胞内情報伝達系を活性化させる17)。
6. その他
投与による肝動脈血流量及び肝動脈圧は軽度上昇を示す(イヌ18))。
2. 血漿蛋白結合率
デヒドロコール酸が肝血流量、門脈圧、肝静脈圧を上昇する
(イヌ10))
1∼0.
5μg/mLの濃度範囲
ヒト血漿中での in vitro 蛋白結合率は0.
2)
のに対し、アネトールトリチオン投与の場合、肝血流量9),10)、及び
で96.6∼97.4%であった 。
**
門脈圧10),18)は不変又は軽度低下を、また肝静脈圧10)は軽度低下を示
3. 代謝及び排泄(参考)
健康成人又は肝疾患患者に、アネトールトリチオンの治療量(12.5
す(イヌ)。ウサギ肝臓細胞の組織学的並びに電顕的所見よりアネト
∼25mg×3回/日)を経口投与した場合、24時間尿中に 4-hydroxy-
ールトリチオンは直接肝細胞に作用することが認められている19)。
phenyltrithione 及びそのグルクロン酸抱合体を認めた。なお、そ
の硫酸抱合体及び未変化体は認められなかった3)。
:日本人のデータではない。
**
有効成分に関する理化学的知見
臨床成績
一 般 名:アネトールトリチオン(Anetholtrithion)
(JAN)
1. 利胆
– –Methoxyphenyl)
–3H–1,2–dithiole–3–thione
化 学 名:5(4
(1)
二重盲検法による比較試験
分 子 式:C 10 H 8 O S 3
胆のう・胆道疾患を対象とした二重盲検比較試験で、本剤は対照
分 子 量:240.36
薬ヒメクロモンと同程度の臨床効果が得られている4)。
化学構造式:
(2)
一般臨床試験
有効率(有効以上例数/評価対象例数)
胆道系疾患*
61.5%(190/309)
**
52.1%(099/190)
計
57.9%(289/499)
肝疾患
性 状:本品は淡褐色∼褐色の結晶又は結晶性の粉末で、特異な
:胆のう症、胆のう炎、胆道ジスキネジー、胆道疾患、胆石症
**:急性肝炎、慢性肝炎、
血清肝炎、アルコール性肝炎、中毒性肝
障害
* においがあり、味は苦い。
本品はアセトン又はクロロホルムにやや溶けやすく、エ
タノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに
2. 唾液分泌促進
溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
(1)
二重盲検法による比較試験
融 点:105∼110℃
シェーグレン症候群の口腔乾燥症を対象とした二重盲検比較試験
で、本剤はプラセボに比べて、有意に唾液分泌量を増加させると
ともに、全般改善度においてもプラセボに比べて有意に優る成績
が得られている5)。
包 装
(2)
一般臨床試験
フェルビテン錠12.
5mg:PTP 100錠、500錠、1000錠
一般臨床試験で効果判定が行われたシェーグレン症候群の口腔乾燥
症に対する有効率は49.5%(46例/93例)であった6),7)。
バラ1000錠
2
主要文献
01)東 純一ほか:フェルビテン錠(アネトールトリチオン)のヒトに
おける血漿中濃度(日本新薬社内資料)
02)林 敏夫ほか:医薬品研究,21
(4),584(1990)
03)Gmelin,R.et al.
:Arzneim.Forsch.
,13,130(1963)
04)亀田治男:臨牀と研究,54
(6),1949(1977)
05)鳥飼勝隆ほか:臨床医薬,6
(3),469(1990)
06)鳥飼勝隆ほか:診療と新薬,26
(11),1733(1989)
07)鳥飼勝隆ほか:臨床医薬,6
(8),1715
(1990)
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(1)
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09)宮原 了ほか:広島大医誌,14
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10)高橋忠雄ほか:Felvitenの使用成績(日本新薬社内資料)
11)平山千里ほか:Felvitenによる肝胆道疾患の治療成績(日本新薬
社内資料)
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13)Ukai,Y.et al.
:Arch.int.Pharmacodyn.
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(1/2),248(1988)
14)鵜飼洋司郎ほか:薬理と治療,18
(3),1051(1990)
15)鵜飼洋司郎ほか:Anetoltrithionのマウス及びラットにおける唾液
分泌に対する作用(日本新薬社内資料)
16)Ukai,Y.et al.
:Arch.int.Pharmacodyn.
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(2),206(1984)
17)Ukai,Y.et al.
:J.Pharm.Pharmacol.
,41,247(1989)
18)島田宜浩ほか:Anetoltrithion(Felviten)の肝循環動態に及ぼす
薬理作用(日本新薬社内資料)
19)川島健吉ほか:綜合臨牀,15
(12),1993(1966)
文献請求先
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06
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
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0805(1)14