「5年後の古紙業界を考える」シンポジウム 会場風景 2012 年 2 月 21 日 於:日暮里ホテルラングウッド 大久保信隆関東商組理事長 あいさつ (公財)古紙再生促進センター 鈴木節夫前専務理事 基調講演 パネルディスカッション 左から 梶野隆史 栗原護 寺松一寿 (公財)古紙再生促進センター 岡村光二関東地区委員長 (社)鉄リサイクル工業会 高橋征元理事 (株)JOP 早速明生取締役会長 qqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqq qqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqq qqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqq qqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqqq 2012(H24)4-15 No.176 巻頭言 CONTENTS 促進センターの前専務理事の 3.11 の 東 日 本 大 震 災 も 1 年 鈴木節夫さんに行って頂きま がたちました。このところマ した。古紙回収が伸びている グニチュード 6 の余震が続き 新年度に向けての課題 のは「市民の皆様と心の繋が ます。東大地震研究所による りがあるからです」故に「分別」 と 4 年以内に直下型地震が起 が確立しているのです。これ こると言われており絶えず想 からも市民の皆さんと共生は 定外を意識し行動しなくては 欠かせないと結ばれました。そ いけないと思うこの頃です。 の後パネルデスカッションも そして日曜日 NHK「平清盛」 関東製紙原料直納商工組合 良く出来、大成功の中、終了 の舞台の 12 世紀頃の天変地異 いたしました。若い力に感謝 が相次ぎ多数の死者が出て、政 理事長 大 久 保 信 隆 です。 情は乱れ平安から混乱へ行く 2 月から 3 月初めに古紙リサ 所は現在の東日本復興の遅れ、 イクルアドバイザーの試験も 福島問題、ガレキ処理問題そ 行いました。関東の受験者 666 名で皆さんの熱 して消費税と一体改革のモタモタと似ていると 気を感じ理事長としてより良い業界に発展させ 思いながらテレビを見て考えております。 ねばと思いました。 我が国の政治家の皆さんにはスピーデーに日 就任してから自治体の方々から抜き取り問題 本国を物資的に満たすだけでなく、心が豊かで を絶えず指摘されます。関東商組としては「抜 安心、安全な国を建設することを解りやすく示 き取り」行為は論外ですので「ストップ・ザ抜 して、実行して頂きたい。 き取り」ポスターを作り各社に貼ってもらい撲 私は深田前理事長のあと引き継いで 1 年 2 カ 滅運動に努めております。関係自治体から不審 月が経ちました。まず去年の 3 月 12 日栗原全 の目で見られている車両の持ち主の組合員には 原連理事長の藍綬褒章祝賀会実行委員長を務め 実態内容の報告と一切抜き取り品を買わないと ると同時に国内製紙会社へ「古紙の供給不足を する組合の行動方針に協調する誓約書を出して 起こさない」よう組合員各位へ「国内最優先」 頂くようにしております。 を呼びかけ、実行して頂きました。皆様のお陰 我々は都市資源を活用する卸売業者です。一 で昨年暮れのメーカー在庫は適正在庫を少し上 部の人達の悪い行為が古紙を扱う人が皆悪いと 回る結果となりました。この場を借りて皆様の いう風評にならないようにしなくてはいけない 協力に感謝申し上げます。 し、代々続いた業界の人達によって積み重ねて 2 月 21 日には経営革新委員会梶野委員長の きた努力によって今日があることを忘れてはい 基、委員会メンバー、三紙会の協力で「5 年後 けません。 の古紙業界を考える」シンポジュウムには 303 名の参加者がありました。基調講演を古紙再生 ɹ ࣍ 巻頭言………………………………………… 3 委員会だより…………………………………… 42 関東商組と全原連 新年賀詞交歓会… ……… 4 支部だより……………………………………… 44 関東商組理事会報告………………………… 14 みんなの広場…………………………………… 48 三紙会報告…………………………………… 18 業界人語、編集後記………………………… 51 第26回 三紙会総会報告……………………… 21 「5年後の古紙業界を考える」シンポジウム…… 22 古紙業界のあるべき姿を目指して(寄稿)…… 35 2012年古紙需給見通し(寄稿)… ………… 38 【表紙写真】 韮崎、段丘のほぼ中央、こんもりと盛り上がった、 わに塚の上にある、一本桜。 東京都西支部 ㈱梶谷商事 梶野 泰一 3 2012(H24)4-15 No.176 関東 商 組と全 原連 原連 新年賀詞交歓会 関東商組 新聞は796,265トンの仕入796,095トンの出荷であり一 平成24年1月19日ホテルラングウッド 昨年対比でいずれも−5%です。雑誌は651,861トン の仕入651,834トンの出荷であり一昨年比+2%増で 関東製紙原料直納商工組合は平成24年1月19日にホ す。在庫率は新聞、雑誌ともほぼ同じでした。段ボー テルラングウッド2階「鳳凰の間」で新年賀詞交歓会 ルは1,503,410トンの仕入で一昨年とほぼ同じで、出 を開催した。 荷は1,502,480トンで−1万トンとなり、問屋の在庫率 は2.5%増の18.5%になりました。新聞の5%減は発行 『理事長挨拶』大久保信隆理事長 〜フルコスト主義で品質向上と安定価格を確立〜 部数が減ったことが主な要因と考えます。段ボール は中国の国慶節後に輸出価格の値下がりで内外価格 差が逆転したことによるものと思われます。三品と も年間で回収・選別・プレス・出荷がスムーズに継 続されましたが、反面仕入過当競争という魔物と安 定価格が闘った年でもありました。本年の紙・板紙 の生産見込は昨年と同程度と思われるので回収量も 大きな変化はないと思います。古紙センターの互礼 会で石田理事長とレンゴーの大坪社長がフルコスト について言及されておられましたが我々も参考にし て、品質向上と古紙価格の安定を確立して古紙の連 続的な循環を継続すると共に未来へ向かってまずは5 年後に「古紙業界を考えるシンポジウム」を開催す ることで勇気をもって未知に挑戦し、根気よく行動 年頭にあたり一言ご挨拶を申し上げます。皆様方 し元気で朗らかな組合運営を行ってまいりますので におかれましては輝かしい新年を迎えられたことと 皆様方からの一段のご協力とご支援をお願い致しま お慶び申し上げます。本日の新年賀詞交歓会に多く す。 の組合員の皆様と衆議院議員の田中美絵子先生、経 最後に皆様方のご健勝とご繁栄をご祈念申し上げ 済産業省紙業服飾品課の坂本課長、古紙センターの まして年頭の挨拶とさせて頂きます。 木村専務、製紙連合会の斎藤古紙部長、王子古紙マ テリアルの岡村社長など多くのご来賓の方にご臨席 頂き厚く御礼申し上げます。さて、昨年を振り返る 『来賓祝辞』松木兼公衆議院議員 〜政権はやることをやってから消費税〜 と東日本大震災では多くの方が亡くなり、被災され た方が多くおられます。ここに哀悼の意を表すと共 大久保理事長の明るい挨拶がありました。何と言っ に一日も早い復旧と復興を願っております。我が組 ても「笑う門には福来る」と言います。暗い顔をし 合としては、日本の製紙会社に古紙の供給が滞るこ ていたらどんどん暗くなってしまいますので、明る とがない様に組合員の皆様に国内の製紙会社への優 い気持ちで今年1年を頑張っていきたいと思います。 先を呼びかけました。お陰さまで古紙の供給責任は 本来であれば河村たかし名古屋市長が出席するはず 果たせました。この席を借りて組合員の方々に深く でありましたが、名古屋市も何かと大変な様で私が 感謝申し上げます。2011年の組合員32社における新 代理で出席させて頂いております。昨年は東日本大 聞、雑誌、段ボールの在庫、入荷、出荷が発表され 震災が発生し、夏には大変大きな台風が上陸しまし たので統計数字を確認しながら昨年を振り返ると、 た。平成になってから100名超の方が亡くなられる台 4 2012(H24)4-15 No.176 部分で消費税を上げさせて頂くのであれば国民の皆 様も納得してもらえるのではないかと思います。今 のままで急にネバー・ネバー・ネバーギブアップな んて言われてもとても納得できる事ではありません。 私の娘が今年二十歳になりまして、娘は一銭も稼 いでおりませんが、早速国民年金の15,200円の請求 書がきました。この様な方の分を消費税で賄えれば 世の中に無年金の方が無くなるかもしれません。民 間の方々は日々 1銭・10銭単位でご苦労されておら れるので、その気持ちを政治家も汲みとってやって いかないと、消費税なんてどんどん上がっていきま 松木兼公衆議院議員 す。 風は昨年が初めてであります。そして自然災害では 今の日本は袋に大きな穴があいているのと同じで ありませんが原発の事故も発生しました。私の妻が あります。まずその穴を塞ぐことから始めなければ 福島県大熊町の出身で、原発から5km圏内に実家が いけないと思っております。人生には良い時も悪い あります。去年の11月に許可を得て、原口前総務大 時もあります。私も小さな政党に移って頑張ってお 臣と一緒に20km圏内へ視察に行きました。原発か りますが、これから一緒に歯を食いしばって頑張っ ら直線で500メートルのところまで行きましたが、90 ていきましょう。 マイクロシーベルトでした。これは年間20ミリシー ベルトまでは許可されている国の新しい指針の50倍 であります。そして放射線量は場所によって異なり、 『来賓挨拶』田中美絵子衆議院議員 〜超党派で回収率と使用率の差を埋める〜 妻の実家は3マイクロシーベルトでした。しかし年間 線量にすると27マイクロシーベルトになり、許容量 をオーバーしてしまいます。原発はこれからどうな るのか解りませんが、出来れば将来的にはなくして いく方向で考えなければいけないと思います。この 様な時には政治が決定することが一番大切であると 思います。その政治の決定がどうも今の民主党は出 来るのか、出来ないのかよく解らない状態なので非 常に心配しております。今年は党派を超えて一つ一 つ解決していきたい。長らく民主党にお世話になっ ておりましたが、こんな性格なので除名されてしま いました。これから心機一転で鈴木宗男さんと言う 田中美絵子衆議院議員 大変な人と手を組んでしまいましたが、 「新党大地」 昨年は3・11の東日本大震災や福島の原発事故が発 に加わって「新民主」と言う名前を付けて活動して 生し大変な一年でした。その中でも皆様方におかれ おります。2年数か月前の選挙を原点と考えて、しっ ましては、あらゆる側面方震災の復旧・復興に対し かり政治を行うことが我々の主張であります。消費 て多大なご尽力を賜り、そして古紙業界の発展のた 税は上げると言う話はしていなかったので、今の状 めに多大なご支援を賜りましたことを御礼申し上げ 況を考えれば将来的な増税は理解できますが、鳩山 ます。昨年の原発事故で輸出古紙の買いしぶりをし さんが4年間は消費税を上げないと明言され、その4 ておりましたが、国から正しい情報を伝えて、今後 年間で国会議員の定数削減や国家公務員の総人件費 この様な事がない様に対策を取ってまいります。古 の2割カットや特別会計に手を付けていません。こう 紙業界の皆様のご尽力のお陰で古紙回収率は78%と いうところをしっかりやって、その結果で足りない 世界でも高水準の数字を維持しております。今後は 5 2012(H24)4-15 No.176 回収率と利用率の差を如何に縮めて行くか国と行政 『来賓祝辞』 の大きな課題であります。この問題は超党派で進め 経済産業省製造産業局紙業服飾品課 坂本敏幸課長 る必要があります。私もリサイクルシステム推進議 〜強いリーダーシップで業界を牽引〜 連の一員として今後も手を携えて皆様方の業界が 益々発展出来る様に頑張っていくことをお誓い申し 上げ、皆様方の益々のご活躍とご健勝を心からお祈 り申し上げてご挨拶とさせて頂きます。 『来賓祝辞』佐藤夕子衆議院議員 〜政治家はぶれないことが大事〜 さきほど理事長から報告がありました通り昨年は 古紙業界にも大変大きな激震がはしりました。震災 後すぐに国内メーカーに古紙を優先的に供給するこ とを決めて頂き、古紙業界に対しまして厚く御礼申 し上げます。その後には中国への古紙輸出が滞り、 段ボール古紙の需給などに影響がでました。何とか ひと段落ついたら今度は欧州の通貨危機の影響で中 私は、名古屋で河村たかしの後継として衆議院議 国の段ボール需要が減少し日本からの古紙輸出量が 員にさせて頂きました。そして河村たかしが名古屋 減少しました。本当に古紙の需給はバランスが見通 市長になりました。私は河村市長の活動についてご せないので難しい商品であると痛感させられました。 紹介させて頂きます。政治の世界で色々なことがあ 昨年色々なことがありましたが関東商組の皆様方 りましたが、河村市長はまったくぶれずに減税を言 におかれましては引き続き業界内でリーダーシップ い続けてきました。今はもしかしたら大阪の橋本市 を発揮して頂と思っております。適格事業所や古紙 長が有名になっているかもしれませんが、実は投票 リサイクルアドバイザーの認定数を見ましても圧倒 率や獲得表数を比べても河村市長の方が上でした。 的に解る認定の実績であります。今年は J‐BRAND それだけ市民の皆様の期待を受けて当選させて頂 (日本古紙品質認定制度)をまず関東地区からスター いたと思います。河村市長は減税にこぎつけるまで トして全国展開をされると聞いておりますが、正に 随分努力されました。いよいよ名古屋では4月から5% 業界を引っ張って頂いているのが関東商組であると 減税が始まります。是非とも皆様に名古屋へ来て頂 思います。 きたいと思います。名古屋では減税することで企業 業界の方から昨年10月の段ボール古紙の値上は大 誘致を行って、名古屋から愛知を元気にして、そし 久保と大坪で決めたと聞きました。王子の岡村さん て日本を元気にする思いで今まで活動して参りまし 前でこんな話をすると怒られてしまいますが、真偽 た。なかなか河村市長の様に激しいことは言えませ の程は解りまませんが事ほど左様に強いリーダー んが、政治家たるものぶれないことが大事であると シップを持たれている理事長であります。是非是非 思っております。私も地域政党「減税日本」を立ち 強いリーダーシップでこの業界を引っ張って頂けれ 上げて昨年3月3日に民主党に離党届を出して一人で ばと思います。 頑張っております。議員会館に来られた時には第1議 員会館3階におりますので是非いらしてください。 6 2012(H24)4-15 No.176 『来賓挨拶』西川太一郎荒川区長 〜静脈産業から環境産業へ〜 でありました。必ずや今年は古紙業界にとって良い 年になるであろうと思っております。ひとつの希望 既にご案内の様に東北地方の一般廃棄物を東京23 が皆様方全員の希望になると必ず叶うと思います。 区清掃組合で10万トンを処理することになりました。 今年1年強い希望を抱きながら皆様方と共に一歩一歩 東北電力の原発がある女川町に行って打ち合せをし あゆんでまいりたいと思います。 て参りました。まず23区にお住まいの850万人の方に ご了解を頂かないといけないので、瓦礫の放射能を 一度除去して、コンテナに積んでそのまま品川に運 『中締め』山室泰洋副理事長 〜三本締めにそれぞれ意味を込めて〜 んでそこから23区の17箇所の清掃センターに移して 処理を行う予定です。 この処理を行わないと新しい住宅を作る土地も確 保できずに東北の大地が日の目を見ないことになり ます。先日細野豪志大臣がどうしても私にお礼を申 し上げたいと言われたので、私の方から環境省に行っ て話をさせて頂きました。その中で皆様方の原料業 界を静脈産業と度々言われていたので、そろそろ静 脈産業は卒業して「環境産業」と呼ぶようにしましょ うとご提案申しあげて大臣からも賛同を得ました。 『乾杯の発声』全原連理事長 栗原正雄 皆で希望を持てば辰年はきっと良いことがある 本日は大勢の方にご出席を頂きまして大変ありがと うございます。ご来賓の方々にはあり余る祝辞を頂 関東製紙原料直納商工組合の賀詞交歓会に大勢の き感激しております。冒頭に理事長から昨年の東関 ご来賓の皆様をお迎えしてこの様に盛大に開催され 東大震災の話がありましたが、復旧・復興を願いま ましたことを心よりお祝い申し上げます。皆様方に して三本締めで締めさせて頂きたいと思います。今 おかれましては全原連の活動に中核的な団体として 回は1本ずつ意味を込めて三本締めをしたいと思いま 様々な事業に参加されご指導を頂き大変有り難く す。先程申し上げました東関東大震災の早期復興を 思っております。引き続き本年もご支援賜ります様 願ってまず1本目を〆て、2本目は我々古紙業界の更 宜しくお願い申しあげます。今年の干支は辰年であ なる発展を願って、3本目は本日ご臨席の皆様方のご りますが、古紙業界にとって歴史をたどりますと、 健勝を祈念してそれぞれ意味を込めた三本締めでお いずれの辰年も古紙業界にとって大変縁起が良い年 願い致します。 7 2012(H24)4-15 No.176 な被害に遭いました。又夏場にはタイで洪水が発生 全原連 平成24年1月30日浅草ビューホテル 全国製紙原料商工組合連合会は、平成24年1月30日 (月)浅草ビューホテル「祥雲の間」で新年会を開催 した。 し日本企業の工業が被害に遭っております。これだ け立て続けに災害が発生すると地球が怒っているの ではないかと思ってしまいます。私は兵庫県の宝塚 に住んでおり、名誉市民の手塚治氏が「ガラスの地 球を救おう」「地球は非常に壊れやすいので大事にし よう」といつも言っておられました。今回の自然災 害についても地球が人類に警告を発しているのでは 会は須長利行理事(関東商組副理事長)の司会進 ないかと思います。我々は古紙を集めてリサイクル 行で開始し、開会の辞を矢倉義弘副理事長(近畿商 しておりますが、これは非常にエコロジーなことで 組理事長)が行い、理事長挨拶を栗原正雄理事長が あり、地球にやさしい活動をしておりますので皆様 述べた後、来賓として甘利明衆議員議員、平沢勝栄 方は自信を持って仕事をして頂きたいと思います。 衆議院議員、田中美絵子衆議院議員、河村たかし名 古屋市長、坂本敏幸経済産業省紙業服飾品課長、羽 「理事長挨拶」栗原正雄理事長 山正孝日本製紙連合会理事長が祝辞を述べ、近藤勝 『J ブランドを全国に浸透させ国際競争力を向上』 副理事長(東京協組理事長)が来賓を紹介し、佐野 一副理事長(静岡商組理事長)が開宴の辞を述べて、 石田隆公益財団法人古紙再生促進センター理事長の 乾杯の発声の後、定刻まで和やかに懇談が行われ、 中締めを大久保信隆副理事長(関東商組理事長) 、閉 会の辞を石川喜一朗(中部商組理事長)が述べて終 了した。 『開会の辞』矢倉義弘副理事長 『エコロジーな仕事に自信を持って』 栗原正雄理事長 新年明けましておめでとうございます。皆様方に おかれましてはご家族お揃いで健やかに新年を迎え られたことと心よりお慶び申し上げます。また本日 の新年会に北は北海道から南は九州まで、大勢の会 員の皆様方にご出席頂き誠に有難うございます。そ して本日は衆参両院の議院連盟である「リサイクル 議連議員懇談会」の座長を務められている甘利明衆 議院議員、名古屋から河村たかし名古屋市長など多 数のご来賓の方々をお迎えして新年会に錦上華を添 矢倉義弘副理事長 えて頂き心より感謝を申し上げます。昨年は大変悲 私は毎年開会の辞を担当させて頂いており、いつ しいことが重なりました。丁度1年前に全原連の新年 も京都の清水寺の管主が発表する前年を象徴する漢 会を開催中に前関東商組の理事長であられた深田和 字一文字の話をしております。去年は「絆」でしたが、 利さんが亡くなられ、会場に悲しい訃報がもたらさ 去年は私自身も恐らく「絆」であろうと思っており、 れました。その時の衝撃と深い悲しみを思い出して やはり思ったとおりでした。去年は大きな災害が起 いるところであります。そして3月11日の大震災やそ こりました。3月11日の東日本大震災から始まり、近 れに続く大型台風の襲来などで尊い命が失われまし 畿地方でも集中豪雨が発生し、奈良・和歌山が大き た。心からご冥福をお祈り申し上げます。 8 2012(H24)4-15 No.176 昨年の古紙の需給状況は、いずれも一昨年に比べ 向が日本の古紙の需給に大きく影響することは変わ て若干のマイナスでした。国内の紙・板紙の内需も りません。先日、中国の第12次5箇年計画が発表され 若干マイナス、古紙の消費量も若干のマイナス、古 ました。2010年に対して2015年の紙・板紙の生産は 紙の回収量も若干のマイナスでした。おそらく20〜 2,300万トン増加して11,600万トンであると中国政府 30万トンのマイナスで1,150万トン前後になったので が発表しております。このことで注目されることは はないでしょうか。震災の影響、需要が未だ回復し この2,300万トンの生産量の増加に対して先進国から ていないこともあって古紙業界にとっては大変厳し 購入する古紙の量はわずか400万トンしか計画してお い年でした。ただ今年は日本製紙連合会の需要予測 りません。このことから中国政府が本気で古紙のリ では5年ぶりにプラスの予測が出ております。古紙の サイクルに取り組む考えがあることが伺えます。昨 主要品種が使用される新聞用紙、段ボール原紙が共 年経産省の指導で「中国古紙回収研修会」が開催され、 にプラスの需要見込みであり、きっと今年は古紙業 また古紙センターの主催で「日中古紙セミナー」が 界にとって恵まれた年になるであろうと期待してお 開催されました。中国政府の国家発展改革委員会を ります。昨年の古紙の輸出は一昨年とほぼ同量かと 団長として4つの省庁の高官が研修に参加しておりま 思いますが内容がちょっと変わっております。新聞 す。おそらくこれから中国政府が古紙リサイクルの 古紙と雑誌古紙がそれぞれ15万トン増えており、そ 発展に真剣に取り組むものと思います。そういう意 の分段ボール古紙が30万トン減っております。この 味でこれから日中の古紙関連団体との交流と聴講の ことが昨年の新聞古紙と段ボール古紙の市況を1年 結果を見ることが肝要であると考えます。それから 通してタイトな状況にさせました。そして10月か 全原連が進めております、「古紙近代化推進事業」は ら段ボール古紙の国際市場が変調をきたし、国内価 皆様方のお力添えによって順調に進んでおります。 格との格差が発生したことが段ボール古紙の減少要 今年は「古紙リサイクルアドバイザー」の更新時期 因になったと考えます。本年の古紙業界の課題は前 に当たります。4月からアドバイザーの認定を受けて 年に引続いて「古紙の抜き取り問題」「行政回収古紙 いる方々の研修会や更新試験が実施されますが、全 の高値入札問題」 「内外価格の格差」 「仕入の過当競争」 員が再認定されることを希望しております。それと であります。特に仕入の過当競争では国内の内需が ジャパンブランドについて関東地区で昨年まで色々 400万トン弱減少している中で仕入競争が起こること なテストをしておりましたが、1月から製紙メーカー は禁じ手であります。仕入競争や過当競争が起こり の調整を受けて、新仕様で実施されております。平 ますと我々古紙問屋は 残念ながら昨年はこう 成24年度からは新仕様で順次全国各地でこのジャパ いった状況の中、全国で20箇所以上の古紙ヤードが ンブランフドが全国に浸透することによって更なる 開設されております。国内の内需が増えるまで、し 日本の古紙の品質が向上し、国際競争力の強化につ ばらくの間は慎重に対処することが必要と考えます。 ながるのではないかと期待しております。今年も古 昨年の秋から引き続いて経済産業省に「紙リサイ 紙近代化推進事業を通して古紙業界の更なる発展に クルシステムの強化に関する調査委員会」が設置さ 精進してまいりたいと考えていますので今後とも引 れました。今年度から新たに政令指定都市を含む10 き続き皆様方の力強いお力添えを心からお願い申し 市町の自治体が参加しております。2000年以降の地 あげます。結びにあたり古紙業界が恵まれた年にな 方自治体の古紙リサイクルに関する割合が広がった りますと共にここにおられる皆様方のご健勝を心よ こともあり、古紙の余剰対策を目的とする取組に地 りご祈念申しあげて年頭に当たってのご挨拶とさせ 方自治体も加わって、今後の余剰事態に備えようと て頂きます。 しております。現在、日本から430〜440万トンの古 紙が輸出されて、その内約8割が中国に輸出されてお 「来賓祝辞」甘利明衆議院議員 ります。中国では2,700万トンの古紙を先進国から輸 『経済や市況に関係なく古紙リサイクルシステムを継 入しております。わが国の需給両業界を合わせた在 続させる』 庫余力は60〜70万トンしかありません。年間の回収 量の約3%であります。従って、今後も中国の輸入動 超党派のリサイクル議連会長を長年勤めさせて頂 9 2012(H24)4-15 No.176 甘利明衆議院議員 平沢勝栄衆議院議員 いている関係で全原連の皆様とも長いお付き合いに ることを言いました。大震災の直後に東京に居るベ なっております。栗原理事長をはじめ全原連の関係 トナム人の新聞記者が現地に取材に行って避難所の されている皆様には大変お世話になっております。 少年にインタビューをした時に彼が寒そうにしてい 日本には紙からインキを抜いて紙の原料にする代 たので自分のジャケットを着せてやろうとしたらポ 表的なリサイクルシステムが長い歴史の中で構築さ ケットからバナナが落ちて、少年がそのバナナを欲 れております。全原連につきましては皆様方がリサ しそうにしていたのでバナナをあげた。その少年は イクルシステムをうまく回されておりますが、経済 避難所の食料を置く場所に置いて、戻ってきてイン 変化や市況の変化の中でシステムを継続させていく タビューを受けました。 ことが重要であります。政府は行政の改革を国民負 このことにベトナム人の記者は感動して自国の新 担が少なくして行っていくかを検討しておりますが、 聞に掲載したところベトナム中に感動を呼んで、多 我々リサイクル議連も民間の活力を最大限に活用し 額の義援金が日本に贈られました。しかも義援金の て持続可能なシステムを構築されることに邁進した 中の5万ドルはその少年に上げる様にとの条件付きの いと思っております。昨年大震災が発生して物が足 義援金であった。日本の新聞もこんないい話を載せ りなくなる事態が発生しました。 るべきだと言っておきました。 全原連におかれましては梱包材の不足を防ぐため に優先的に国内製紙メーカーへ古紙を供給する様通 「来賓祝辞」田中美絵子衆議院議員 達を出して頂き、正に日本の危機に業界を挙げて対 『古紙の回収率と利用率を高めることが課題』 応して頂きました。これからも日本のリサイクルシ ステムの一翼を担う重要な機関として発展されるこ とを心から祈念して、持続可能なリサイクルシステ ムのために我々リサイクル議連も取組んでいきたい と思います。 「来賓祝辞」平沢勝栄衆議院議員 『被災地の少年がベトナムに感動を与えた』 今年の新年会はどこに行っても3・11の話ばかりで すが、出席した会でのお叱り、ご意見、ご要望はしっ かり受け止めてしっかり頑張っていかなければいけ ないと思っております。先日毎日新聞の岩見氏にお 会いした時に、3・11は暗い話ばかりだが良い話もあ 10 田中美絵子衆議院議員 2012(H24)4-15 No.176 昨年を振り返って見ますと3・11の東日本大震災と 目で「貯蓄投資バランス」があり、貯蓄と投資は等 原発の事故で本当に大変な1年でありました。全原連 しいのが正しい状態です。もし皆さんが銀行に100万 の皆様方におかれましては、いち早く国内製紙メー 円預けると今だと60%位しか借りる人がおりません カーに古紙の供給を優先されはことで紙不足が食い ので、残り40%は政府が借りることになります。そ 止められたことを熱くお礼申し上げます。また様々 れでも余った場合は外資に行きます。今の状況を借 なところで震災の復旧・復興にご支援を賜りました 金呼ばわりして増税すると言っていますが本当に大 ことに感謝申し上げます。 丈夫でしょうか。そんなことを言っている国会議員 原発事故では中国が古紙の買い控えをする状況の は聞いていて恥ずかしくなるし、全員辞めてもらわ 中で国内の在庫が増加する状況になりましたが、こ ないといけません。私は日本で初めて110億円の減税 の様な状況でも皆様方のご尽力のお陰で古紙の回収 をやりました。なんで出来たか解りますか。それは 率は78%と世界的にも高い数値を残しております。 私が自分の給料を800万円にしたからです。私の前の これからは古紙の回収率と利用率を如何に縮めて行 名古屋市長は毎年2,750万円の給料と4年毎に退職金 くかを目標にして取組んでいくことをお誓い申し上 を4,520万円貰っておりました。僕と前市長の収入の げます。 差は1億2千万円あります。名古屋市長を1期勤めると 1億円の貯金が出来るそうです。こんなことをしてい 「来賓祝辞」河村たかし名古屋市長 て庶民の政治が出来る訳がなく、政治のモラルを言っ ている場合ではない。世の中を変える前に自分を変 えろと言いたい。世界的に政治はボランティアでや るし市民と同じ給料でやっております。世界で住み 易い年のアンケートを取るとバンクーバーが長く トップに位置しております。国際会議で直接話しを 聞いたら、バンクーバーの市会議員は市民と同じ給 料をもらっており、市民に関する仕組を決める権限 があるのは、市民と同じ生活をしているからである と言っていた。名古屋では抜き取りを防止するため に監視員を2名1組の3組の6名でシステムを作ると言 い出して、どうせ警察の OB などが監視員になるこ 河村たかし名古屋市長 とになると古紙の被害額と比べて大変な人件費にな さっき平沢さんから何故あんたがここにいるのか るので、このシステムはなしにしました。古紙業界 と聞かれました。親父が原料業界に大変世話になっ は高品質の古紙を安く製紙業界に提供しており、儲 ており、全原連の副理事長をやっていました。商売 かりませんが辛抱して頑張ってください。 をやらずにしょっちゅう東京に行って特に大久保さ んのお父さんにはお世話になっておりました。その 「来賓挨拶」坂本敏幸 経済産業省製造産業局 分お袋が大変苦労していました。 『抜き取り問題を適格事業所制度で解決』 一時古紙の「備蓄」が叫ばれておりましたが、備 蓄することは問屋が立て替えることになるので何で 昨年は東日本大震災の発生に当たり、全原連におか 備蓄するのか疑問でした。私も何ヶ月かに一度古紙 れては、国内製紙メーカーへ古紙の供給を優先して ヤードに行きますが、政治の話は八百長ばっかりな 頂き行政を代表して改めて御礼申し上げます。震災 ので、古紙の荷造りは身体的にも良いし精神的に落 の後で古紙の市場は激動でありましたが、その中で ちつきます。 も全原連は業界の発展のために様々なご尽力をされ 政府が行おうとしている「増税」は経済学の無知 ております。適格事業所認定制度、リサイクルアド をさらけ出している様なものであり、財政難で借金 バイザー制度が普及率も50%から60%としっかりと 漬けは大嘘です。経済学を学ぶと最初にでてくる項 定着してきたと思います。J ブランドについても昨 11 2012(H24)4-15 No.176 紙回収システム研修会」では栗原理事長をはじめ色々 な形でご協力を頂きました。お陰さまで第3回の研修 会が無事に終了することが出来ましたことにこの場 を借りてお礼申し上げます。 昨年の紙の需要は2,820万トン対前年比でマイナス 2.9%でありました。これは震災の影響又は円高に よって輸入紙の流入が主な原因ではないかと思いま すが、これは二十数年前の水準です。今年の内需に つきましてはプラス0%の2,820万トンで予測してお ります。製紙連合会としては需要の伸びが期待でき 坂本敏幸 経済産業省製造産業局紙業服飾品課課長 ない中で政策レベルを上げることを考えております。 年度は関東地区での試行を踏まえて本格的な導入に ヨーロッパをはじめとする世界経済の情勢やパルプ はいると聞いております。古紙の持ち去り問題につ の価格や為替の問題などいろいろなことがかかわっ いては、是非適格事業所の仕組みをうまく利用して てきますので、国内の需要を如何に押さえていくか 解決につなげて頂ければと思います。 が重要な課題になります。 今年は辰年で登竜と言われております。過去60年 また中国の動向では第12回5箇年計画が発表され、 間の辰年の株価は30%上がっております。2000年は 紙の生産がプラス4.6%で計画されており、経済成長 製紙業界にとってハッピーな年でありました。年間 が7%から8%からプラス4.6%が果して達成するのか の生産と消費が過去最高の3,200万トンになった年で 又はひょっとしたら達成するかもしれないと予測す あります。今年1年政治家の先生方のご指導の元、官 る方も居ます。 民力を合わせて頑張ってまいりたいと思います。 古 紙 の 回 収 率 は2010年 が43.8 % で し た。 こ れ を 2015年までに46.7%にする計画であります。中国の 「来賓祝辞」羽山正孝 日本製紙連合会理事長 これからの生産動向や古紙の回収と需要の問題につ 『中国の5カ年計画を注視』 いては日本の製紙業界でも大変関心を持っておりま すので、情報収集や中国とどうやって付き合って行 くかを全原連の皆様方と共に意見交換をしながら中 国側とも話をしながら進めていきたいと思っており ます。 古紙の配合率の問題でいろいろな所にご迷惑をか けましたので、社会貢献活動を実施しております。 その関係で古紙センターを通じて古紙の事業の改善 を行っており、今年が5年目で最後の年になります。 この事業は全国それぞれの地域の委員会のご協力を 頂いて古紙回収率の増加や古紙回収システムを如何 羽山正孝 日本製紙連合会理事長 に大事にしていくかについて事業を実施しておりま す。この事業についても全原連の各地域の方々のご 旧年中は栗原理事長をはじめ全原連の皆様方には 協力を頂きながら、5年目の最後の年を締めくくりた 大変お世話になりました。東日本大震災に当たりま いと思っておりますので宜しくご協力をお願い致し しては、古紙の供給を国内製紙メーカーへ優先する ます。 旨の通達を出して頂き、又製紙連合会が主催した「古 12 2012(H24)4-15 No.176 「中締め」大久保信隆副理事長 われました。我々はこのことを実践していきましょ 『古紙業界は連続的な持続を実践』 う。 「閉会の辞」石川喜一朗副理事長 『自立と自律で問題解決』 大久保信隆副理事長 昨年1月31日に前関東商組理事長の深田和利氏が亡 くなられました。自分より7歳若い人間が亡くなると 石川喜一朗副理事長 いうことは私にとって青天の霹靂でありました。 適正マージンを絶対獲得する様に頑張りましょう。 世界経済や異常気象はなる様にしかなりません。 2月21日(火)に関東商組主催で「5年後の古紙業界 どんな時代でも社会から必要とされる業界、社会か を考えるシンポジウム」を開催します。224名が出席 ら必要とされる会社であることが大事であり、我々 してもらいます。これから古紙業界はどうなるのか はやれることをひとつひとつやっていきたい。全原 との気持ちが表れていると思う。先日5年後に日本で 連が進めている近代化推進事業には色々な制度があ 「古紙の国際会議」を開催しようと言ったら、時機尚 りますが、これは我々の業界の質を高めることだと 早などの意見を頂きましたが、全原連の栗原理事長 思います。是非これをうまく利用して我々の業界の が「やろう」と言ってくれたし、経産省の坂本課長 質を高めることが重要であると思います。 も「どんどんやれ」と言ってくれたし、製紙連合会 名古屋市では「持ち去り条例」が全会派一致の賛 の羽山理事長も「日本の古紙業界を世界に知らしめ 成多数で可決され1月からが施行されました。これは る手段であり、古紙は日本が供給責任を持てる唯一 名古屋では古紙の持ち去りをしてはいけないという の原料である」と言ってくれた。古紙屋だけは世界 社会の意向でありますので、これは業界として解決 の主導権を取れる可能性があるので、この世界会議 しなければならない責任であります。これを解決で を全原連で是非実行させましょう。 きたら本当に質がたかまると思います。今年は自立 古紙センターの石田理事長が今年の互礼会で「環 と自律の精神で是非解決して頂きたいと思っており 境産業は連続的に継続させなければいけない」と言 ます。 13 2012(H24)4-15 No.176 平成 23 年度 第 9 回 理事会 開催:平成24年1月19日 (木) ホテルラングウッド 理事・監事 35名 出席 30名(内、委任出席5名) 欠席 0名 講習試験実施。 栃木県支部 :1月24日リサイクルアドバイザー 講習試験実施。 ③近代化推進事業に係る各委員会報告 ●経営革新委員会(1月11日開催) ・ 「5年後の古紙業界を考えるシンポジウム」につい (Ⅰ)関東商組 関係 て ●審議事項 日時:平成24年2月21日(火)15:00 ~ 17:00 ①「古紙リサイクルアドバイザー」申請認定につい 場所:ホテルラングウッド ●安全防災委員会(12月6日開催) て ・ 「リサイクルアドバイザー」 :1月15日13社 47名 ・KYT(危険予知訓練)について(新規事業) (累計96社751名) 日時:平成24年1月19日(木)15:45 ~ 16:45 ②リサイクルアドバイザー認定試験の実施について 場所:ホテルラングウッド 東京都東支部 :24年2月4日(土) 、2月8日(水) ●需給委員会(12月26日開催) 東京都西支部 :24年2月17日(金) 、2月18日(土) ・11月から12月にかけて高値修正が行われている。 東京都多摩支部:24年2月11日(土) 支部会及びブロックを開催して仕入れ価格の適 神奈川県支部 :24年2月7日(火) 、2月14日(火) 、 正化を委員会として要望する。 2月24日(金) ●渉外広報・IT委員会 埼玉県支部 :24年2月25日(土) 、2月26日(日) *IT活用部会 千葉県支部 :24年1月20日(金) ・組合ホームページの活用を周知徹底すること。 栃木県支部 :24年1月24日(火) ・安全防災委員会「ヒヤリ・ハット事例」をHPに 茨城県支部 :24年2月9日(木) 掲載(12月) *かんとう編集部会 ・発行回数(6回)を2011年より4回(1月、4月、7月、 ●報告事項 ①正副理事長(1月16日開催) ・関東商組 平成24年新年賀詞交歓会最終打合せ ②支部市況報告について 東京都東支部 :1月31日支部会開催(リサイク ルアドバイザー講習試験等) 。 東京都西支部 :1月29日支部会・新年会開催予定。 東京都多摩支部:2月9日東・西合同ブロック会開 催予定。 神奈川県支部 :1月21日役員会開催(リサイク ・175号(平成24年1月15日新年号)編集(表紙のリ ニュアールを検討) *プラン編集部会 ・関東商組、関資連合同会報(関東パートナー紙報) 第13号(平成24年1月15日発行) ④三紙会(12月22日開催) ・裾物3品仕入実績及び仕入平均単価(10月度) 段ボール:11月前月比 99.4%、前年比 99.5% ル講習試験等) 、2月研修会開催 (仕入実績)10.62円(仕入平均単価) 予定。 新 聞:11月前月比103.6%、前年比 96.1% 千葉県支部 :1月30日役員会開催。 (仕入実績)11.01円(仕入平均単価) 埼玉県支部 :2月7日役員会開催(リサイクル 雑 誌:11月前月比 98.1%、前年比100.1% 講習試験) 。 14 10月)とする (仕入実績)8.06円(仕入平均単価) 群馬県支部 :特になし。 ⑤古紙持ち去り問題意見交換会(1月13日開催) 茨城県支部 :1月26日新年会開催 ・日時:平成24年1月13日(金) 2月9日リサイクルアドバイザー 場所:全原連事務局会議室 2012(H24)4-15 No.176 議題: (1)杉並区による氏名公表に係る関係者 のヒアリングについて (2)製紙連あての要望書は東リ協会単独 別紙報告書を「かんとう」ニュース速報と一緒に FAXにて送付致しますので組合員方々は注意す るようお願い致します(関東商組事務局より) 。 提出について (3)車両に貼るステッカー(古紙持ち去 り根絶宣言車)について ⑥紙リサイクルシステムの強化に関する調査委員会 業界ワーキンググループ概要 ・日時:平成24年1月19日(木)15:00 ~ 17:15 場所:紙パルプ会館3号会議室 (Ⅱ)関東商組 関係 ●審議事項 ①「古紙リサイクルアドバイザー」申請認定につい て ・ 「リサイクルアドバイザー」 :2月15日19社 51名 (累計96社802名) 議題: (1)古紙需給緩和の可能性について ②組合脱退の申し出について (2)古紙需給に対する古紙関連業界の取 ・脱退組合員:㈱相原紙業(神奈川県支部) 組について (3)古紙需給緩和対策について (Ⅲ)各種統計資料 *関東商組32社古紙在庫月別報告書(平成23年12月) ・脱 退 理 由:私こと都合により ・脱退年月日:平成24年3月31日(平成23年度末日) ③「5年後の古紙業界を考えるシンポジウム」の実 施について *月別在庫推移表(平成23年7月~ 12月) ・日時:平成24年2月21日(火)15:00 ~ 17:00 *古紙港別・国別輸出通関実績・古紙輸出通関実績 場所:ホテルラングウッド 推移(平成23年11月) 議題:第1部パネルディスカッション、第2部懇親 会 *古紙輸出統計(平成23年11月) ④創立50周年記念事業計画について ◎次回開催: ・日時:平成25年5月16日(木)15:45 ~ 20:00 理事会:平成24年 2月20日(月)15:00 ~ 16:30 場所:日暮里サニーホール(ホテルラングウッド) ・実行委員会(構成:正副理事長及び三紙会会長) 平成 23 年度 第 10 回 理事会 開催:平成24年2月20日 (月) 関東商組事務局会議室 理事・監事 35名 出席 30名(内、委任出席5名) 欠席 0名 の設置 委員長:大久保理事長、副委員長:全副理事長 ・事業担当責任者:式典(山室副理事長) 、 記念誌(須 長副理事長) ●報告事項 ①総務財務委員会・正副理事長・総合運営委員会・ (Ⅰ)古紙再生促進センター 関係 第1回推薦会議(2月13日開催) ●関東地区委員会(1月23日開催)に関する件 ◎第1回推薦会議について(山室推薦議長より報告) ①関東地区古紙品質調査事業実施数量(平成23年12 ・地域別推薦役員枠:本部10名、東支部8名、西支 月)について 部4名、多摩支部2名、千葉県支部3名、神奈川県 段ボール:509.73t(計画525t)97.1%、 支部2名、埼玉県支部3名、群馬県支部1名、茨城 累計4,276.02t(計画4,725t)90.5% 県支部1名、栃木県支部1名(計35名) 新 聞:502.27t(計画495t)101.5%、 ・役員被推薦者名簿提出期限:平成24年1月31日(火) 累計4,007.09t(計画4,455t)89.9% ・第2回推薦会議開催:平成24年2月20日(月)理事 ②関東地区古紙品質調査事業価格(平成24年1月~ 3月)について 段ボール:17,000円/t、協力金1,000円/t 計18,000円/t 新 聞:15,000円/t、協力金1,000円/t 計16,000円/t ③平成23年度(24年1月)古紙品質トラブル報告に ついて 会終了後) 役員候補者の推薦決定及び役員候補者への承諾書 提出依頼 ②支部市況報告について 東京都東支部 :1月31日支部会・新年会開催。 リサイクル試験実施(2月4、 8日) 東京都西支部 :1月26日支部会・新年会開催。 (2 月17,18日リサイクル試験実施) 15 2012(H24)4-15 No.176 東京都多摩支部:2月9日東・西合同ブロック会開 10月)とする 催。 (2月11日リサイクル試験実 ・176号(平成24年4月15日春号)編集。 施) ④三紙会(1月26日開催) 神奈川県支部 :1月21日役員会・支部会・新年 ・裾物3品仕入実績及び仕入平均単価(12月度) 会開催、2月16 ~ 18日研修会開 段ボール:12月前月比113.6%、前年比99.7% 催。リサイクル試験実施(2月7 (仕入実績)10.43円(仕入平均単価) 日、2月14日、2月24日) 新 聞:12月前月比 111.3%、前年比98.4% 千葉県支部 :2月15日支部会開催(高値修正) (仕入実績)10.95円(仕入平均単価) 1月20日リサイクル講習試験実 雑 誌:12月前月比122.7%、前年比101.6% 施。 (仕入実績)7.97円(仕入平均単価) 埼玉県支部 :2月7日支部会開催。(リサイク ⑤紙リサイクルシステムの強化に関する調査委員会 ル試験実施2月25、26日) 。 群馬県支部 :特になし。(リサイクル試験、 埼玉県支部で実施) 茨城県支部 :1月26日新年会開催。リサイク 業界ワーキンググループ概要 ・日時:平成24年2月10日(金)14:00 ~ 16:10 場所:紙パルプ会館3号会議室 議題:◎特定容器包装に表示される識別マークに ル試験実施(2月7日) 栃木県支部 :1月支部会開催。リサイクル試 ついて ◎古紙の安定取引について(逆有償になら 験実施(1月24日) ないために) ③近代化推進事業に係る各委員会報告 ◎自治体と業界の今後の協力について ●経営革新委員会(2月8日開催) ・ 「古紙品質管理マニュアル」についてIT活用部会 ◎次回開催: との連携でHPへ掲載予定。 理事会:平成24年 3月21日(水)15:00 ~ 16:30 ・古紙リサイクルアドバイザー試験実施について。 ・J-BRND運用について4月~ 6月の期間で46社を 対象に実施予定。 ・ 「5年後の古紙業界を考えるシンポジウム」につい て。 ●安全防災委員会(2月9日開催) ・KYT(危険予知訓練)について(新規事業、関 平成 23 年度 第 11 回 理事会 開催:平成24年3月21日 (水) 関東商組事務局会議室 理事・監事 35名 出席 26名(内、委任出席9名) 欠席 0名 東商組新年会に開催) ・ヒヤリ・ハット事例集完成版について(関東商組 HP掲載) ・フォークリフトの特定自主点検の申込状況につい て ・作業安全年間ポスター、春季作業安全リーフレッ トについて( 「現場力」 「安全辞典」 ) (Ⅰ)古紙再生促進センター 関係 ●関東地区委員会(2月23日開催)に関する件 ①関東地区古紙品質調査事業実施数量(平成24年1 月)について 段ボール:489.20t(計画525t)93.2%、 累計4,765.22t(計画5,250t)90.8% ●需給委員会(1月27日開催) 新 聞:455.39t(計画495t)92.0%、 ・国内市況と海外市況で月2回開催を国内・海外市 累計4,462.48t(計画4,950t)90.2% 況を合体し月1回(月末)に開催。 ・24年度秋に東アジア視察研修会実施予定。 ②関東地区古紙品質調査事業価格(平成24年1月~ 3月)について ●渉外広報・IT委員会 段ボール:17,000円/t、協力金1,000円/t *IT活用部会(2月14日開催) 計18,000円/t ・組合ホームページの活用を周知徹底すること。 新 聞:15,000円/t、協力金1,000円/t ・安全防災委員会「ヒヤリ・ハット事例」をHPに 計16,000円/t 掲載。 *かんとう編集部会(2月20日開催) ・発行回数(6回)を2011年より4回(1月、4月、7月、 16 ③関東地区古紙品質調査事業終了について 平成19年4月開始より平成24年3月を以って終了と なります。長い間ご協力頂き、 誠に有難う御座 2012(H24)4-15 No.176 います。 埼玉県支部 :3月9日支部会開催。(新年会兼 ④平成23年度(24年2月)古紙品質トラブル報告に ついて ねて26名参加) 。 群馬県支部 :特になし 別紙報告書を「かんとう」ニュース速報と一緒に 茨城県支部 :4月12日支部会開催 FAXにて送付致しますので組合員方々は注意す 栃木県支部 :4月支部会開催予定 るようお願い致します(関東商組事務局より) 。 ⑤平成23年度集団回収感謝状贈呈式について(2月 23日) ③近代化推進事業に係る各委員会報告 ●経営革新委員会(3月8日開催) ・古紙リサイクルアドバイザー試験実施について 関東商組:東京都西支部推薦5団体表彰(感謝状・ 記念品贈呈) 666名受験、合格631名、不合格35名 受験しなかった方131名、追試35名の7月までに実 (Ⅱ)関東商組 関係 施 ●審議事項 ・J-BRND運用について4月に46社を対象に説明会 ①新規組合加入申請について ・加入組合員:㈱中商(栃木県支部推薦:現在、東 北製紙原料直納協同組合、組合員) ・加入年月日:平成24年4月1日付け を実施 4月12日(木) 、4月16日(月)17:00 ~ 18:00 「5年後の古紙業界を考えるシンポジウム」につい ・ て ②組合脱退の申し出について 303名受講盛況渦終了 ・脱退組合員:大昭紙業㈱(東京都東支部) ●安全防災委員会(3月28日開催) ・脱 退 理 由:私こと都合により ・KYT(危険予知訓練)について(新規事業、関 ・脱退年月日:平成24年3月31日(平成23年度末日) ③全原連役員候補者推薦(関東商組分)について ・現在役員:理事17名、監事1名(㈱齋藤商店:齋 藤米蔵) 次期役員候補者:理事17名、監事1名(㈱國光: 朝倉行彦) ④古紙再生促進センター関東地区委員会委員増員に ついて 東商組新年会に開催) ・ヒヤリ・ハット事例集完成版について(関東商組 HP掲載) ・フォークリフトの特定自主点検の申込状況につい て ・作業安全年間ポスター、春季作業安全リーフレッ トについて( 「現場力」 「安全辞典」 ) ●需給委員会(2月27日開催) ・関東商組より齋藤副理事長、梶野副理事長の新規 加入決定(平成24年3月1日付) ・国内市況と海外市況で月2回開催を国内・海外市 況を合体し月1回(月末)に開催。 ⑤BIRローマ大会への派遣について ・24年度秋に東アジア視察研修会実施予定。 ・日程:平成24年5月29日~ 6月1日(4泊5日) ●渉外広報・IT委員会 会場:ローマ・カバリエリ・ホテル *IT活用部会(3月14日開催) 参加人数:5人以内(栗原全原連理事長・大久保 ・組合ホームページの活用を周知徹底すること。 関東商組理事長・小笠原代表参加) ●報告事項 ・安全防災委員会「ヒヤリ・ハット事例」をHPに 掲載。 ①総務財務委員会・正副理事長・総合運営委員会(3 月8日開催) *かんとう編集部会(2月20日開催) ・発行回数(6回)を2011年より4回(1月、4月、7月、 ・財務内容は予算通り推移している。 ②支部市況報告について 10月)とする ・176号(平成24年4月15日春号)編集。 東京都東支部 :5月支部総会開催予定 ④三紙会(2月28日開催) 東京都西支部 :4月支部会開催。 ・裾物3品仕入実績及び仕入平均単価(2012年1月度) 東京都多摩支部:4月13日東・西合同ブロック会 段ボール:1月前月比 82.0%、前年比101.4% 開催(立川) 神奈川県支部 :5月21日役員会・支部会・総会 開催 千葉県支部 :3月14日支部会開催、4月12日支 部会開催(新役員) (仕入実績)10.43円(仕入平均単価) 新 聞:1月前月比 82.1%、前年比 98.6% (仕入実績)10.86円(仕入平均単価) 雑 誌:1月前月比 82.1%、前年比102.1% (仕入実績)7.87円(仕入平均単価) 17 2012(H24)4-15 No.176 ⑤紙リサイクルシステムの強化に関する調査委員会 概要について 見交換会について ・メンバー構成:経営革新委員会、三紙会が主体と ・日時:平成24年2月23日(木)9:30 ~ 11:40 場所:紙パルプ会館3号会議室 する 体制:◎メーカー側との総合調整にあたるための 議題:◎古紙持ち去り問題について 幹事役を置く ◎特定容器包装に表示される識別マークに 齋藤副理事長、梶野副理事長、斎藤三 ついて 紙会長 ◎中国視察報告(経済産業省)について ◎今後の取り組むべき課題について 経営革新委員会(畑、栗原委員) ◎幹事役のもとに開催準備等の折衝にあた ⑥第5回古紙持ち去り問題意見交換会(3月9日開催) ・関東商組では持ち去り禁止ポスターの掲出、持ち る連絡役を置く ◎活動の範囲は原則として古紙再生促進セ 去り行為をしないことの宣言、適格事業所認定の ンター関東地区委員会とする 扱い等、速やかに改善するよう申し入れた。 ・古紙持ち去り根絶宣言車識別制度について意見交 換(ステッカーの検討) ◎次回開催:平成24年度 第1回理事会 平成24年 4月23日(月)15:00 ~ 16:30 ⑦製紙メーカーの若手を主体にしたグループとの意 る。 今後の市況の見通しとしては、サプライヤー在 庫が依然として過剰気味であり、また世界的に 紙需要が低迷したままであるため、春先までは 1 月 度 定 例 会 日時:平成 24 年 1 月 26 日(木) 会場:関東商組事務局会議室 幹事:新井 重樹・㈱新井商店 宮下 和丈・㈱山室 報告:相田 寛文・㈱丸興佐野錦一商店 少なくとも現在のまま弱含みで推移すると考え られる。 【上物古紙市況】 [上白・特中白] 発生は低調。価格面ではパルプ市況次第。 [白板向け見当] 発生は低調。 メーカーの操業も調整期に入るが、 原料調達を不安視するメーカーは多い。価格は 【12 月度 裾物三品仕入実績】 [段ボール]前月比 113.6% 前年比 99.7% 現状で推移。 [洋紙向け色上] [新 聞]前月比 111.3% 前年比 98.4% 発生は低調に推移しているものの、印刷用紙需 [雑 誌]前月比 122.7% 前年比 101.6% 要の低迷により需給は余剰気味に推移してい 【パルプ市況】 る。 12 月積対日価格は、NBKP 及び LBKP 共に前 [特更向け別上・切付] 月比ダウンとなった。 発生は低調に推移しているが、需給環境に余剰 7 月積み以降ほぼ毎月価格ダウンが続いてい 感がある。 18 2012(H24)4-15 No.176 [家庭紙向け] 比変動無しとなった。 産業系古紙、事業系古紙ともに発生は低調にあ 7 月以降毎月価格の下落が見られたがようやく るが、需給にタイト感はない。 下げ止まったとの見方が強くなった。 【新聞・チラシ重量調査 12 月実績(前年比) 】 朝夕刊チラシ計 価格動向の唯一の牽引国は中国のみであること から、今後の中国における紙製品需給が焦点の [読売]朝夕刊 101% チラシ 96% 合計 99% [朝日]朝夕刊 96% チラシ 96% 合計 96% 一つになる。 〈上物市況〉 [日経]朝夕刊 99% チラシ 100% 合計 99% 産業古紙、事業系古紙共に低調な発生状況にあ 【その他】 る中で、家庭紙、洋紙各社は 2 月中旬以降、原 ・季節変動係数算出の依頼 料古紙価格の値下げに踏み切った。 ・次回の三紙会は 2 月 28 日(火)15:00 ~関 家庭紙各社の背景には製品価格の値上げの失 東商組事務局会議室にて開催 敗、6 月以降の電力の値上げがある。 一方、洋紙各社は出版、商印の需要の低迷によ 2 月 度 定 例 会 日時:平成 24 年 2 月 28 日(火) 会場:関東商組事務局会議室 幹事:栗原 正光・市川紙原㈱ 井出 一之・井出紙業㈱ 報告:高橋 直人・㈱須賀 り供給過剰な状態が常態化している。 〈研究委員会〉 3 月の新聞チラシ報告の依頼 〈広報委員会〉 かんとう 176 号の原稿当番についてのお願い。 【その他】 ○第 2 回総会準備役員会を 3/9(金)開催 ○第 27 回三紙会総会を「鬼怒川観光ホテル」 【1 月度 裾物三品仕入実績(39 社) 】 [段ボール]前月比 82.0% 前年比 101.4% [新 聞]前月比 82.1% 前年比 98.6% [雑 誌]前月比 82.1% 前年比 102.1% ※ 対前年度に比べ、扱い量的には平均か微減で 維持 にて 3/25 開催 次回の三紙会定例会は【3 月 25 日】とする。 活動内容の予定は以下の通り。 ○裾物三品仕入実績報告 ○ブロック別仕入平均単価報告 ○各委員会活動報告 ※ メーカーの発注量が減少し、段ボールの在庫 が余剰気味になりつつある。 【ブロック別仕入平均単価報告】 3 月 度 定 例 会 各地区発表 三品とも価格は安定しつつある 日時:平成 24 年 3 月 25 日(日) が、輸出動向を注視 会場:鬼怒川観光ホテル 【各委員会活動報告】 幹事:今井 拓也・㈱今井 [業務委員会] 足立 進・王子斉藤紙業㈱ 〈パルプ市況報告〉 報告:佐久間明錫・㈱佐久間 1 月積み対日価格は、NBKP、LBKP 共に前月 19 2012(H24)4-15 No.176 【2 月度 裾物三品仕入実績】 NBKP、LBKP 共昨年の 12 月積以降 2 月積ま [段ボール]前月比 99.5% 前年比 104.8% で 3 ヶ月連続で前月比同値となった。 [新 聞]前月比 99.4% 前年比 100.1% [雑 誌]前月比 93.9% 前年比 103.4% 【上物市況】 事業系はやや増加傾向にあるものの、例年のト 今年の 2 月はうるう年のため受入日が 1 日分多く、 レンドからみると 15%程度の減少と推測。 前年対比では 3 ~ 4%は単純比較で増加すると考 産業系古紙は出版、商印ともに継続的な発生減 えられる。この点から考えるとD、Zは前年横這 少下にあり、事業系、産業系合わせた上物古紙 い並みに推移しているもののSについては落込ん の発生は前年を下回るものと思われる。 でいることがわかる。 震災から復興し設備再稼動した工場もあるが、 【ブロック別仕入平均単価報告】 各地区発表 【各委員会報告】 需要減少に伴い生産減少が継続すると思われ、 洋紙向け上物古紙は暫く余剰環境が継続する。 家庭紙を取巻く環境は一掃申告で、家庭紙製品 財務委員会 裾物三品の季節変動係数 【パルプ市況】 在庫(TP)は 2 月末対比 3 月末では増加する と思われる。生産調整を行っているものの、需 2 月積み対日価格は NBKP、LBKP ともに前月 給改善に全く機能していないことが見受けら 比変動なし。製紙用パルプ価格の指標となる北 れ、暫く余剰環境が継続すると思われる。 米産 NBKP の 2 月積み対日価格は$720 で決着。 http://www.kk-sakurai.com/ 20 2012(H24)4-15 No.176 第 26 回 三紙会総会報告 日時:平成 24 年 3 月 25 日(日)PM 4:30 第四号議案 会場:鬼怒川観光ホテル 各委員会次年度計画案 司会:今井 拓也 各委員会の委員長より次年度の活動計画につい て発表された。 昨年は東日本大震災の状況下において、当初計 画された鬼怒川観光ホテルでの総会実施を中止し 第五号議案 たので、2 年ぶりの実施となった。 その他 高橋副会長の開会の言葉に続き、三紙会斉藤会 三紙会組織図と名簿表が配布された。 長より挨拶がされた。 その後、議長選出が行なわれ、満場一致で㈱小 新任となりました井出氏からの挨拶後、近藤 池商店 小池氏を議長として以下の通り議案の審 (行)副会長の閉会の辞をもって滞りなく総会は 議が行なわれた。 終了した。 総会終了後、pm6:30 より懇親会が開催された。 斉藤会長の挨拶の挨拶から始まり、近藤(國) 相談役の乾杯の発生で始まった。 日頃の疲れを忘れ楽しい時間を過ごされてい た。 朝から楽しいお酒を呑み過ぎていた人もおりま したが、若干名おりましたが、楽しい懇親会とな った。 最後を平松副会長が三本締めでまとめ終了し た。 翌日のゴルフはまだ肌寒い季節ではあるものの 第一号議案 天候に恵まれた。結果は㈱大久保の遠藤氏が優勝 各委員会経過報告 をかざった。○○○○○○○○○●○○○○○○ 各委員会の副委員長より平成 23 年度の活動経 過が報告された。 第二号議案 会計報告 増田会計より次年度の収支予算案が報告され た。 第三号議案 近藤(國)氏が監事に、井出氏が広報委員長に 新たに選任され、満場一致で可決された。 ○○ 21 2012(H24)4-15 No.176 「 5 年後の古紙業界を考える」シンポジウム 基調講演「古紙余剰の時代からこれまでの歩み」 量が消費量を急激に大きく上回っています。この ~過去も今もこれからも、紙リサイクルの輪~ ギャップが結論的にいうと輸出量です。価格動向 公益財団法人 古紙再生促進センター は、在庫量が減少すると価格は上昇して、在庫量 前専務理事 鈴木 節夫氏 が増加すると価格は下落するという傾向を示して いる。1973 年ごろの第一次オイルショックのと きと、1979 年ごろの第二次オイルショックのと きに極端ですが、この相関関係が顕著に見られて います。急激に需要が増加して、価格が上昇した 後には余剰事態になるという反動的に価格が下落 するというように、需給動向に連動して反比例し て、価格反応が見られます。古紙が回収物である ため、価格である方向でしか需給調整機能しか手 段はなかった。それから需給の状況で考えるとい 昨年の 3 月 11 日、東日本大震災からまもなく うのは、今日も変わっていませんけれども、古紙 一年。私は日々、テレビや新聞報道でしか知るこ の回収量が前提なので、こういうことが顕著に起 としかできないですが、いろいろな思いで未曾有 きてくる。 の災害を見てたわけでございます。福島原発の被 余剰、価格下落を抑制しようとして需給安定を 害ということもありますので、かなり復興には長 図るために、古紙センターが設立した 1974 年だ 期戦ということが言われています。そこで、私の が、2 回の大型の共同備蓄がなされた。最初の備 話を含める前に日本の底力をみせましょう、日本 蓄は 10 万トン、2回目の備蓄は 2 万 3 千トン行 のリサイクルの底力ということをエールに送りま われている。この効果がどうであったかは、当時 して、お話をさせていただきたいと思います。 も賛否両論ありました。余談であるが、第一次オ 本日のシンポジウムのテーマは、さきほどの理 イルショックのときに我々に関する本が大変ベス 事長の話のとおり、メインタイトルが「5年後の トセラーになった。最初のオイルショックのとき 古紙業界を考える」ということで蒼々たるパネリ には、堺屋太一さんが書かれた「油断」 。第二次 ストの方がご登壇されたわけですけれども、私の オイルショックのときは森山剛さんが書かれた 話は多少古い話も含めまして、古紙の歴史のポイ 「紙の消える日」という本がベストセラーになっ ントをお話して、今後の課題について触れたいと た。 思います。そういう意味ではサブタイトルとして、 グラフの中央部をみると、1993 年から 2000 年 過去も今もこれからも紙のリサイクルというテー までのところで資源有効利用の関連法令で3R マでお話したい。 法、グリーン購入法、容リ法が施行されて、一方、 古紙の需給推移をみますと、2008 年ごろまで 地方自治体の行政回収の補助金が出すところが多 は紙・板紙生産が右肩上がりで伸びてきました。 くなってきた。そういうこともあって、メーカー それによる古紙の利用増ということで、消費量は も消費量は増大したのですが、回収量はさらに増 右肩上がり推移しています。それから在庫量は、 大している。ところが、在庫があまり変わってい 若干の凸凹はありますが、大きな変化はないと ない。これは法令の問題、それから都市ごみ減量 いうことで推移しています。2000 年以降、回収 化において、回収の補助金を出したというのも大 22 2012(H24)4-15 No.176 きな影響がある。明らかに最初のころの相関とは という再利用できる紙類がまだあるということが 違う価格の動きになっている。古紙の国内需給と 言えるのではないでしょうか。 いうのは、潜在的に弱含みで推移している。 過去も、今も、これからも紙リサイクルの環と 1995 年から 2000 年ごろは消費量は増大してい いうことで、いろいろなところで経済行為として るのに、それ以降、回収量が急激に上回る。ここ 紙リサイクルが論じられる。古紙の画期的な出来 で古紙余剰ということが社会的な問題となり、古 事というか歴史を変えるようなことは、問屋さん 紙業界にとって苦渋の選択として赤字輸出を実行 の大型ベーラーの導入。道路整備も進み、コンテ した。苦難の時代だといえます。特に雑誌古紙は ナによる船輸送も可能になった。製紙メーカーの 一部の地域で逆有償ということも出まして、家庭 利用比率の向上もありまして、古紙の消費量は飛 内備蓄という言葉も使われた。グラフでいえば右 躍的に増大しました。しかし、紙のリサイクルは 側の 2000 年のこの時期から中国の需要が増大し 排出段階のボランティア活動が基点だということ てきた。 を忘れてはならないと思います。紙のリサイクル その余剰というものを、国内から中国に一気 が量的にも質的にも高水準にあるのは、この排出 に 300 万トン輸出していく。今まで 30 万トン台 時の「こころ」を基点にしているからだといって だったものが、10 倍の 370 万トンになった。こ も過言ではないと思う。地域特有の信頼関係の中 れは中国が主体だが、そういう時代になってき で、分別排出のこころが次の工程に活かされてい た。2009 年には過去最高の 491 万トン。回収量 る。今では紙・板紙の生産量ナンバーワンの中国 の 20%を超える輸出をし始めた。国内の需給に で国内回収が高まっていると思いますが、日本の 大きな影響を与えるようなことになった。こうい 紙リサイクルのシステムを学びたいとすでに日中 うことで、海外輸出というよりも、 ビックユーザー の交流も始まっています。しかし、文化の違いも が 1 社増えたという認識でして、国内側は輸出価 ありますが、官主導だけでは必ずしも日本のよう 格に引っ張られて上昇するという内外価格差が生 な紙リサイクルにはならないと思います。日本の じた。まさに古紙も国際化の時代に突入していっ 自治体でも資源化してと言っても、紙類なら何で た。 も一緒でも良い、ごみが減少すれば良いという考 それから 2008 年、価格がぼんと下がっている え方もまだあるようです。ましてや、アメリカの ところがあるが、世界経済が大きなマイナス影響 ような混合回収、いわゆるコミングルでは再利用 を及ぼし、日本経済も大幅に減退して、紙・板紙 な資源も使えなくなってしまうと思います。した 生産は左端の 3000 万トン台から 2600 万トンま がって、ボランティア活動の「こころ」を念頭に で落ちた。15%から 20%も落ち込んでしまった。 おいて、分かりやすく紙リサイクルの広報活動を このため、また余剰になるのではないかと予想 行うことが大切だと思います。補足ですが、2008 されましたので、2008 年末に急遽、関東地区の 年に起こった古紙配合偽装問題、これは正しくは みで緊急備蓄を 27 年ぶりに 1 万トンの備蓄をし 配合率の表示違反ということですが、マスコミは た。今後、国内安定のために中国のみならず、海 偽装問題ということで取り上げた。これはやはり 外の動向をよく注意していただきたい。このグラ メーカーの中に古紙に対する原点、ボランティア フの追加説明として、1990 年に古紙の利用率が 活動の「こころ」の部分を忘れて、再生紙販売と 51.5%になっており、いってみれば製紙原料の主 いう損得に走った結果ではないかと思います。 原料になった。50%を超えました。以降、古紙が 最後に、紙リサイクルの課題について、私は温 製紙原料の主役の座を譲ることはありません。現 故知新ということだと思います。製紙産業は日本 在では 63%ということで、回収率が約 80%とい の誇るべき伝統ある産業です。回収業者も問屋も うことですから、この差し引いたものがほぼ輸出 製紙メーカーも、この日本の宝物を育てるつもり 量に回っている。逆にいえばあと 20%は回収さ で取り組んで欲しいと思います。課題として一番 れないで、ごみ化しているか他で利用されている、 大切なのは、人材の育成だと思います。誰がどの 23 2012(H24)4-15 No.176 ようにやるのか、ということです。スーパーマン みたいなリーダーを育てることではなくて、業界 のレベルアップを図るということです。私は問屋 さんの業界が全体のレベルアップを図っていくこ とに力を強化してもらいたいと思います。 古紙は回収物であるという特性は変わらないと 思いますので、国内の有用な資源として、用途開 発と拡大、雑がみやオフィス古紙の利用拡大、機 密書類の利用拡大、在庫機能の拡大、地産池消、 ジャパンブランドの確立、これは課題達成のため 〜古紙の輸出先である中国の動向は〜 に、機能を充分活用することが大切だと思います。 早速 中国の購入量は日本の輸出の大部分をもっ センターはそういうことを専門的にやっている ていて 300 万トン強。ところが、あくまで主役は 機関です。それと地産地消ということで、回収さ アメリカなのですね。アメリカから中国に輸出さ れた地域に近いところで納入されて利用されるこ れた古紙は、2010 年で 1,014 万トン、2011 年で とが一番いいと思います。紙リサイクルの環も地 1,280 万トン。昨年は 2,300 万トンが輸出されて、 産地消からだと思います。回収側の皆さんは品質 そのうち半分を中国が買った。ということは日本 を安定させて、安定した販売体制を構築すれば無 の約3倍の量を中国は米国から調達している。同 駄な競争をしたり、輸送コストをかけなくて済む 時にヨーロッパも同じく、2010 年が約 500 万ト はずです。これは取りも直さずメーカーにもメ ン、昨年が 560 万トンという形で増えている。日 リットがあることだと思います。 行政回収は最近、 本はというと、2010 年は 350 万トン輸出したが、 価格優先とした入札制を導入していますが、地産 昨年は逆に 340 万トンと減っている。これは地震、 地消を優先させるべきではないでしょうか。 放射能、それと秋以降の段ボールの国内メーカー の引き上げ。こういうことにより日本だけがシェ アを落とした。これは何を言いたいかというと中 パネルディスカッション 国は自分達の購入するものは、圧倒的に輸入しな 【コーディネーター】 いと原料はまかなえない。そのまかなう原料に対 ㈱梶谷商事 代表取締役社長 して、もちろん日本のメーカーでも一緒だが価格 梶野 隆史 氏 【パネリスト】 の安いところからまず買う。すでに3月後半をい くらにするかという引き合いが来ている。輸出業 公益財団法人 古紙再生促進センター 者としては、常に値上げということを古紙業者は 関東地区委員長(王子エコマテリアル㈱ 言うが、新しいニュースとしてはアメリカサイド 代表取締役社長) が上がってきている。海外市況は関係なく、アメ 岡村 光二 氏 の弊害が出ている。そうすると、将来的に一番考 ㈱JOP 取締役会長 早速 明生 氏 社団法人 鉄リサイクル工業会 元理事 高橋 征 氏 えないといけないのは、購入するメーカーから見 て、品質と価格とシッピングスケジュールという 到着時期ですね。例えばLCが来ましても、日本 はすぐ1カ月以内に貨物が到着する、ヨーロッパ ㈱寺松商店 専務取締役 寺松 一寿 氏 から買ったら 2 カ月以上あるいはそれ以上到着し 栗原 護 氏 いう意味から考えても、日本は圧倒的にデリバ 栗原紙材㈱ 開発営業部部長 24 リカが下がろうが値上げを図る。これは過当競争 ない。その間、買うほうは資金が寝ている。そう リーでは有利だと思う。しかし、品質面において 2012(H24)4-15 No.176 は近年では非常に落ちている。肝に銘じていただ 寺松 古紙問屋の本質は、社会的な意義という役 きたいのだが、例えば段ボールでいえば、 紙管ばっ 割で安定した集荷を行って、良質な製紙原料を製 かりのベールを積んだり、あるいは雑誌でいえば 紙会社に納めること。その過程のなかで、さまざ MIXは No.3 というスタンダードでの規約にも まな社会的な信用を経てという本質は変わらな とづいてということでやっておるのですが、2009 い。国内製紙会社はいうにおよばず、回収数量の 年のアメリカのスタンダードにおいても 10%以 20%を調達するような販売先があることは、一般 下の中質紙は混入してはいけない、10%以上を混 的に考えても主要な取引先であり、国内製紙会社 入するのは No.2。ところが中国はほとんど No.3 と同様、主要な販売先である。具体的にいうと、 で契約しているが、現実は日本の古紙業者が増え 寺松商事は福岡の小さな街である久留米を拠点 ているのは、行き場の失った上台紙とか、下ボー に、九州、山口、沖縄という日本のもっとも西側 ルの類がだいぶ混入している。これが中国の不満 のエリアで商売をしていることもあり、海外と結 の要素になっている。品質面ではあえて日本の高 びつきが強い。ビジネスの観点で、できる限り海 い古紙を買い続けることが疑問になってくる。同 外にも自分達の品物を自分達で販売したいという じようなものであれば、当然安いものを買う。品 考えが根底にある。フェイス・トゥ・フェイスを 質、価格、デリバリーを総合的に考えた場合に、 原則に付き合っている。工場の担当者の顔ぶれが まだまだ価格が合えば日本の古紙を最優先に買っ 言われたら、すぐ頭に浮かんでくるといったほう ていきたいという気持ちは強いと思います。 が分かりやすいかも知れません。 栗原 輸出は大きなシェアを占める出荷先であ 〜国内メーカーの調達の考え方については〜 る。10 年間出荷できるところということは、安 岡村 古紙は必要不可欠な資源である。リサイク 定した出荷先である。回収量の 20%が向けられ ルを推進していくが、とはいえコストダウンが必 ている先ということでもある。逆にいうと輸出が 要。コストアップするとリサイクル推進が成り立 なければ困ってしまうのが現状。問題点がいくつ たないと個人的に思う。したがって、リサイクル かあって、輸出先のメーカーと顔が見えるお付き 推進するために古紙を使い続ける。それには国内 合いができていない。 での古紙回収と利用、バランスのとれた古紙輸出 のバランスが必要ということを考えながら、一番 目に古紙調達はあるときは買えて、あるときは買 えないというのは困りますので、いかに安定した 調達を図るか。二番目に最近、品質がかなり低下 している。古紙品質の向上をなんとかして欲しい。 三番目として、輸出が増えている以上、いろい ろな古紙を上手く使わなくてはいけない。そうし ないと利用率アップがなかなか進まない。工場で は、古紙利用技術の向上、実際には設備対応をお 25 2012(H24)4-15 No.176 願いするというスタンスである。四番目として再 い古紙を、工場で使っていいか判別して使用す 生可能な古紙価格であると。かつ安定的であれば る。四番目はお願いしたいのだが、再生産可能な なおさらいい。問屋さんに安定して納入していた 価格体系というのを考えている。あと、古紙の不 だくために、なるべく当社グループの生産状況を 足時、これは輸出あるいは発生が低調なときに起 情報発信するようにしている。従来、古紙は発 きる。あるいは古紙価格が高騰したときにどうす 生物なので、不規則というか反動がある。一方、 るか。昔は他の古紙を考えていたが、今はチップ メーカーは工場の点検があり休む部分がある。し から作るパルプと古紙から作るパルプは、基本的 たがって、古紙の発生のタイミングと我々の使う にまだ古紙は安いのだが、実は昔ほど差はない。 タイミングが必ず合っていない。ここ最近は備蓄 昔は 50 円のときもあったが、あの頃と何が違う ヤード、古紙の保管ヤードの増強をやろうと、当 かといえば製品価格が違う、紙・板紙の製品に対 社グループで五、六年かけて七カ所ばかり増強し する品質要求が違っている、環境対策が違ってい ている。 る。前提が違っているので、あの価格を今もって 一番お金がかかったのが江戸川の一万数千平 こられると古紙は使えない。じゃあ価格が上がっ 米、四千坪弱を古紙ヤードにしている。それから たときにどうするか、我々としても、古紙を含め 受け入れ体性の整備は迅速にやっていくことを心 て適正な原料を考えていかないといけない。それ がけている。もうひとつ無駄な在庫をもつこと と六番目、古紙の輸出と共存により、アジア全体 を止める。いわばデッドストックをなくす。以 の古紙需給バランスの安定をどのようにやってい 前、ある工場には古紙があるが別の工場にはな くか。経産省の坂本課長からいろいろご指導いた い。その工場は何でも使う。じゃあ全体の工場の だいていまして、需給バランスをどう安定を図る 在庫をみながら、それを必要あればそれを転送し のか、我々としては中国、東南アジアを含めてみ ましょう。無駄な在庫を持たないようにしましょ ていく必要がある。 うと心がけている。古紙の品質に関しては、取れ ないというものがあり、残念ながら工場に人手を 配置して、古紙の投入場で開梱してチェックする ことがやらざるを得なくなっているほど、古紙は 悪くなっている。一方、紙の製品に対する品質要 求としては厳しくなっている。トラブルが起こっ た後に原因究明をきちっとやる、それを社内外に どう発信するか、それの改善をお願いするという ことをまずややろうと。あと一メーカーではなか なかできない、古紙センター、全原連にお願いし 〜他業界の視点はどうか〜 て、業界関係者で品質改善に取り組むことをやっ 高橋 ちょうど今から 15 年ほど前に、鉄リサイ ている。三番目の古紙利用比率の向上は、我々と クル工業会で約5年半から6年かけて構造改革し しても設備を使っていきましょう、未利用古紙を た。当時は会員数は 2,000 社ぐらいで始まった。 なるべく発掘していきましょうということです。 それがだんだん少なくなり、千社切るかなという 洋紙で古紙の新聞用紙は品質要求が厳しいので使 状況で、そのときに活性化をどうやって図るか、 いやすいものを使う、次に使いやすいのは洋紙関 また余剰化現象が急速に出てきた。グローバル化 係の白い紙だが、それはたくさんない。雑誌古紙 がまだ出ていないときでそろそろ考えなければい は単品なら使える、回収雑誌もいいものであれば けない時期にさしかかっていた。1997 年、98 年 使えるという形で同じ回収雑誌でもグレードをつ だった。業界がよく似ているというのは体質の問 けて、いいものを洋紙に使う。それを使って板紙 題。私の発言は鉄リサイクルでの発言ということ は未利用古紙、機密古紙を含めて他の使っていな で受けとめていただきたい。これは一つは過当競 26 2012(H24)4-15 No.176 争、それから群雄割拠だとか、規律がないとか、 化のためです。これを進めて業界を残していく、 いろいろなことが重なって、それを一定方向に それが説得力がある。これを真似しろということ もっていなかない限り業界の活力がまずないし、 ではなく、自己犠牲はいろいろな払い方がある。 メーカーの需要家に対して発言力がなかった。パ お互いに辛いという道を勧めていく、それで国際 ワーをもっているという意味ではなくて、きちっ 的信用を得るというのが協業化につながる。こう ときた規律をもった体系をつくっていかないとダ いう会合にも積極的に出て、まとまっていく仕組 メだと。ましてや国際的な信頼を得るということ みをつくっていく。各地区に東京が押し付けて も欠かせないということがテーマにあった。現実 いってはうまくいかない。 にはある一定の主張をもって、過当競争という公 取上の問題もあり、出来ないし、地方の資源業界 〜需給ギャップの問題をどう解消するか〜 と都会の資源業界は全く異質のもので、その地域 早速 昨年の 12 月に中国の第十二次五ヵ年計画 に合った構造改革をやっていかないといけない。 が発表されて、紙・板紙の総生産量は 2015 年は 1 億 1,600 万トンと考えている。これは 2010 年の 生産量が 9,270 万トンですから5年後に約 2,000 万トンほど増えている。それから、1 億 1,600 万 トンの生産に対する原料としての古紙は国内は約 5,400 万トンの消費、それから輸入は 3,000 万ト ンになっている。国内は回収増で補おうという感 覚で、2011 年の国内の古紙は四千万トン。した がって、4,000 万トンに対して、5,400 万トンです ので、1,400 万トン増やしている。ところが輸入 は 2011 年は 2,400 万トン、これに対して 3,000 万 五年後、会員数もかなり増えて、一時期、半分 トンを計画している。輸入に対して 600 万トンし ぐらいになりそうだったが、だいたい 1,200、1,300 か増やしていない。イコール国内の「二〇一五年 社まで増えた。このとき印象に残っているのは品 問題」の集荷回収増を目指して、同時に輸入はな 質の問題で、これをどうやって確立するか。皆の るべく抑えようと。抑えようとしても輸入もおの 心が一つにならなければ活力が出てこない。そん ずと増える。この輸入の増える分は 2011 年の総 なことを律することが大切だということはそれぞ 輸入量が 2,700 万トンですから、300 万トンしか れが自己犠牲をどれだけ払うかという観点がな 増えない。300 万トンというのは、アメリカの全 かったらできない。自分だけよければいいという 輸入比率からみると 43%、イギリスが 21%、日 のではできない。業界のために品質をきちっとす 本が 12%というのがあるが、日本は 360 万トン るという自己犠牲。関東の鉄源協会で 15、16 年 という数字になる。2011 年度の 340 万トンの輸 続いている。要は協業化という視点、自己犠牲と 入から考えると 22 万トンしか、日本から中国へ いうのが協業化の第一歩だから、自己犠牲をどう は増えない。これは単純にパーセンテージで比率 やって協業化に結びつけるか。M&Aとか、TO を述べたもの。もちろん価格などを勘案して、米 Bとかそういう類のものではなく、個々に皆さん 国は 2,000 万トンを輸出しているが、日本は同じ お店やっているわけですから、やはり共通項を ように回収量を 2,000 万トンとした場合、4割の もっていくということが大切。その中でいかに自 800 万トンも輸出できないことはない。そこまで 分が自己犠牲を払っていけるか。こういうことが の数値は中国側も問題なく吸収していくだろうと 基盤をつくっていける。最近はグローバル化に いう考え方である。 なって、個々にバラけている感触を持ち始めてい 岡村 2015 年、2020 年の内需推計はあまり現状 る。私は今は事業を完全に止めた。基本的に協業 と差がない。基本的には、減ることがあっても増 27 2012(H24)4-15 No.176 えることはない。減る場合でも、大幅なギャップ る。そのときに2カ月経ったらアウトですよとい が考えられる。これまで斬減というパターンでき う認識だけはして、それに対応する考え方は今の たが、一つと仮定としてだが場合によっては急激 うちから考えおかないといけない。 に落ちることも想定しながら、我々としては進ん でいく必要がある。じゃあ古紙の数量が必要でな くなるかというと、どうしても古紙の回収量と内 需の差があり、現状の回収率と利用率の差から、 古紙の輸出は将来的に必要不可欠である。もう一 つ、確かに中国の十二次五ヵ年計画で増えるのだ が、分からないのが中国の古紙の回収率が 43.6% だが、中国の回収率が3%強ということなので、 その通りになるのか果たしてもっと伸びるのか。 それを数値だけ考えるのではなく、いろいろな データをみながら総合的に判断する必要がある。 栗原 需給の調整ということなので、在庫のバッ 寺松 この議論はおそらく東京とか大阪、名古屋 クにあたる部分について説明したい。日本で回収 とか大都市。地方でも中核都市で全く事情が異 される国内の在庫余力ということで、問屋はも なってくる。地方は都市部に比べて、相対的に発 てる在庫は 76 万トン、メーカーで持てる在庫が 生量が少ない。それに過疎化という問題と抱える 100 万トンぐらい。そのうち、問屋の流通在庫は 地域もある。そういった地域の観点から補足させ すでに 38 万トン。それとメーカーの在庫で 70 万 ていただく。弊社は輸出に大変早く取り組んでき トンぐらいと考えると、我々、古紙問屋を両方 たということもあり、2000 年以降、各ヤードで 足しても 68 万トンぐらいの在庫バッファーしか ランニングストック程度でほとんど在庫がなかっ ない。68 万トンという物量で、輸出のところで た。在庫の考えというのは、施設や土地を確保し いくと輸出が 36.5 万トン。輸出が2カ月もたな てきたつもり。今でもあまり使っていないで保 い程度しか、我々の在庫能力しかない。輸出が何 有し続けているという実情がある。そういう結 らかの事情、こないだの地震があって、放射能が 果、都市部と地方の大きな違いがあり、土地もた あってということがあったが、2カ月止まったら くさんあり、発生も相対的に少ない、人口も減っ アウト。2カ月止まったら、受け入れできない。 ているという事情もあり、そういう意味では地方 何を意味するかというと物理的に入らない。問屋 において相当量を在庫できるような状況になって はベールできない。社会的な役割である行政回収 いる。現状において、在庫は取引先の要望によっ で回収されたものをリサイクルに回すという機能 て、在庫する時間もなく荷物が出ている。少なく が放棄されるということ。それが消化できないと とも地方の会社から出される古紙程度の量であれ なれば、ごみに燃やすのか、赤字を出して輸出す ば、在庫問題は販売先としっかり関係を築いてお るのか。それを問屋がもつものなのか、行政の責 けば、それほど心配はいらない。 任なのか、誰の責任で受け持っていくのか、国内 高橋 将来を誰が予測するか。時代の変化はもの の 68 万トン以上のものを溜めるとなったときに すごく激しい。それよりも足もとを固めることで 問題になってくる。幸いにして、ここ 10 年ぐら はないかという議論でやった。海外のことは日本 いについては中国を始めとする輸出という大きな で決められない。まずは足元からきちっとしない お客様ができた。その中で、 古紙の流通がよく回っ 限りは、海外と折衝するにしてもできないという ていることでそういう局面にはなっていない。中 議論が根底にある。皆さんが想像するより時代の 国の回収が増えたとかいろいろな条件が重なった 変化のほうがおそらく早いから、対応が遅れて発 ときに、古紙の余剰問題というのはどこかで起こ 生してくる。在庫というのは先物。先物のリスク 28 2012(H24)4-15 No.176 は分からない。金融専門家を交えて話すならと 買の利益の薄い仕入れで物量を集めていかなけれ もかく、現実に足元はどうなのかというのが課 ばならなくなる状況がうまれる。見た目が地味か 題。それと地球の裏側のEU諸国であれだけの金 もしれないが、いざ有事が起きたときの対応に差 融問題が経済全体にものすごい影響をもたらして が出てくるのではないか。究極的にはこういう競 いる。日本的な感覚でいうと考えられない。とい 争はどこまでいってもなくならない。ヤードを展 う私の実業の体験。過去は全部反省することはで 開するのはそれぞれの会社の考え方。何ともいえ きるけれど、将来は本当に予想が難しい。それと ないがそこには必ずリスクがあってそのリスクを 古紙のJ-ブランドは何が必要なのか。相手の国 それぞれがどういうふうに考えていくか。 とどのようにやっていくのか。資源のニュースは 高い安いの議論が非常に先行している印象を受け 〜人材育成や業界のレベルアップをどうすべきか〜 る。まずは自分の位置をきちっとしかないと、座 寺松 外部環境が厳しくなるなか、われわれは何 標軸がブレてしまうと収集がつかなくなる。 をすべきなのか。誰もが興味があるところだと思 う。シンプルであるが、業界や組合で取り組むべ きことと個別の企業で取り組むべきことを二つに わけて話させていただきたい。組合がやるべきこ と。全体のパイが減少する、市場が縮小するとい うのであれば、 パイが減らないように努力をする、 またはパイが増えるように市場を盛り上げる、そ ういう部分を補うために新しい市場をつくって いったらどうか、というのが私の一つの考え方で ある。古紙の掘り起こしも一つの興味深い議論で あるが、ここでは一つの例として親和性の高い機 密文書処理というのを例に挙げてみたい。すでに 多くの同業者が機密文書処理市場に参入してい る。 個人情報保護法以来、 市場は確実に大きくなっ 〜古紙問屋の過当競争の行く末は〜 ているのだが、日本の市場規模というのはアメリ 栗原 問屋の過当競争の流れは、手形商売が減少 カを例に出してみると非常に小さい。いったいな してきて、輸出は商社に販売するようになった。 ぜこんなに小さいのか。果たして機密文書の発生 仕入れから販売するまでの現金のサイクルがどん 数量はアメリカに比べてそんなに少ないのか。お どん早くなってくる。そうなると需給の逼迫とい そらくそんなことはない。相当量の機密文書が日 うのがおきて、いつも在庫がない。現金をもって 本でも出ている。ヤードの中や回収先で明らかに おく必要性がなくなる。これが早くなってくるの 機密文書と思われるものが、古紙として流通して は本来いいことで、 キャッシュフローが良くなり、 いる場面をみたことが一度ぐらいはあるのではな 資本の回転率が上がる。金融機関からみると借金 いか。もちろん機密性というのは排出事業者が判 がしやすい状況になる。そこで、その後の対処で 断するわけではあるが、セキュリティの関係であ どうなるかで分かれる。もっとお金が稼げるとい るとか実はお話をしても、交渉の現場ではコスト うことで新しいヤードを展開していくというのが が一辺倒になると。お金を払わないと機密処理が 一つ。財務体質の強化にそれを使っていくのがも できないケースがあり、まだまだ市場は大きくな う一つ。新規ヤードを出した結果、さらにお金を る可能性がある。古紙の市場が小さくなるのであ 借りて、さらに早く現金を回さないといけなくな れば、親和性の高い新しい適切に人為的に作って る。そうすると是が非でも物量を集めていかない いく、マーケットをクリエイトしていく提案をし といけなくなり、過当競争の原因になる。薄利多 てみたいと思います。お互いの立場もあるが、全 29 2012(H24)4-15 No.176 体のパイを大きくする考え方は、お互いに協力で 実だろう。回収率が高く、アメリカに次いで第二 きるのではないか。価格は重要なファクターであ の輸出国という大きな蓄積があるにも関わらず、 るが、同じ土俵ではなくて競争する軸というのを そういう場では日本のことを何も知らない。世界 移して競争してはどうかという考え方です。その と関係しなくても、それなりの生活はやれるが、 とき、一番大事な要素というのがマネジメントで 世界とつながったほうが楽しい。私はそれが楽し あったり、経営全般の高度化、付加価値化という いからやっている。 ものと思っております。 〜世界からみた日本の古紙の立ち位置は〜 栗原 世界の経済の中で、古紙の仕事というのは 非常に影響を受けている。輸出価格が変わったり する現状がある。10 年前ぐらいそういうことが vvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvvv シンポジウム 私の感想 「紙リサクルの起点は“心” 」 あったかというとそこまでなかった。30 年前は もっと影響がなかった。あるアメリカの問屋さん と話していると、そのときは(価格が)上がって いく時期だった。上がりそうだから、日本は安売 りするなというわけです。彼にいわせれば市況を わかっていない奴に荒らされたくない、そういう ニュアンスを感じた。もしそういうことが本当に 我々の置かれている状況なのであれば、業界全体 が損をしているのではないかと思った。去年、参 加したBIRでは、 (参加者が)目をぎらつかせ ている。僕らの知らないところでルールが決まっ 講師(公財)古紙再生促進センター ていることにもなり兼ねない。日本の古紙は世界 前専務理事 鈴木 節夫 で2億トンぐらい古紙が発生している 10%であ る。10%を握っている我々の声が何の影響もなく、 2 月 21 日 15 時から、関東商組主催の「5年後 世界のルールが決まっている現実がいまそこにあ の古紙業界を考えるシンポジウム」が開催され、 る。やっぱりそこについては、品質が下がったと 私は「過去も、今も、これからも紙リサイクルの いわれるが、ボランティアで分けて回収していた 環」と題して基調講演をさせていただきました。 だけている状況は世界的にみればものすごいアド (財)古紙再生促進センターを退任して1年半 バンテージ。品質をもってして、世界と話をする のブランクがあったので、躊躇していましたが、 ことも必要だと思うし、逆に世界の潮流を我々が 梶野隆史さんと栗原護さんの熱心な主旨説明もあ 勉強する必要がある。その潮流を 10%の古紙を り、自分の経験や知見を報告する良い機会でもあ もってつくることも可能ではないか。 ると考えてお引き受けしました。 寺松 厳しい時代、環境がつづくが決して悲観す *当日参加者は 303 名、会場は満席。関東地区の ることはないと思う。なぜならまだまだやれるこ みならず、東北、中部、中四国など遠方から、ま とがたくさんある。 変化を恐れないでいいと思う。 た国、行政、関連企業からの応募があり、古紙業 グローバルな視点でいうと、BIRに出席させて 界に対する関心の高さと組合員の熱い思いがひし いただいて、まず間違いなく日本だけでなく、世 ひしと感じられました。 界規模でダイナミックに動いている現実がある。 今回は初めての試みであり、反省点、課題はあ しかし、日本やヨーロッパの人と話したときに顔 りましたが、一言“成功!”と拍手を送りたいと が見えないということはよく言われた。それが現 思います。もう少しテーマを絞って時間を掛けた 30 2012(H24)4-15 ら、もっと面白くなるのでは?今後も続けて行っ No.176 『5 年後の古紙業界シンポジウム』に参加して てほしいと思っています。進行役の梶野さん、パ ネリストの5人の方、三紙会の裏方役の皆さんそ パネリスト 高橋 征 して大久保理事長、本当にご苦労様でした。 *“人材の育成”は業界の大きな課題ですが、若 手は問題意識を持っているし、頭脳明晰で国際感 覚も身に着けてきている者もいます。期待出来ま す。 業界のレベルアップを図ることが重要で、日本 の宝を守り、育てることに力を合わせることが大 切だと考えます。 会場で、広報担当の腕章を巻いてカメラマンに 徹している須長利行さんとお会いし、われわれ年 寄り?は心豊かに、大きな舵取り役として後方支 先ずは、歴史のある古紙業界がこの度企画され 援に徹するべきだろうとお話ししました。 た『5 年後の古紙業界シンポジウム』が大成功を 岡村光二さん(関東地区委員長)が提唱されて 修めた事に敬意を表し、又壇上の席にお招き戴き いるように、古紙業界は日本製紙連合会や古紙セ ました事に謹んで感謝を申上げます。 ンターを利用して、定常的に交流の場をもつこと 此の度貴業界初めての研修会に出席者総数が に大賛成です。難しいことを考えずに、早期に具 300 名以上にも達する程の参加者の大盛況振りの 体化してほしいです。特に、公益財団法人古紙再 背景には、貴業界が改革に取組む次世代の熱意は 生促進センターの機能をもっともっと活用すべき 勿論の事、激動する経済変化による古紙業界の経 と思います。 営環境の厳しさが重なり、業界関係者の熱意が高 *私の基調講演については、38 年間の歴史を語 揚して居る事から関心度が高まり、真に時宜を得 るためのグラフ(古紙センターの貴重な資料)を た企画であった事に改めて敬意を表します。 パワーポイントにしなかったので、説明が分かり 振返れば昨年の 3 月 11 日、世界経済激動期に 難かったのではと懸念しています。しかし、私が 我国は東日本地域の大震災と福島原発施設の爆発 最も伝えたかった日本の紙リサイクルの起点は、 事故による放射能汚染の拡散に遭遇し、漸く半年 排出段階のボランティア活動の“心”にあるとい 後に国内産業の一部が立直り始めた矢先、此れま うコンセプトを、坂本紙業課長が懇親会の冒頭挨 で世界経済の激変による円高に適応するべく東南 拶で引用されたことは、何よりも力強い後押しが アジア地域に生産基地を展開し始めた主要産業を 得られたと励まされました。 襲った豪雨は、周辺地域を洪水が襲って我国産業 今年は寒さの厳しい冬でしたが、間もなく桜花 基盤の主要部品生産基地が洪水の被害に遭遇し、 の候。3月 11 日東日本大震災から1年。私はテ 我国経済基盤を形成している中枢機能を失うなど レビや新聞など報道で毎日見るだけですが、瓦礫 悲惨な事態が繰返された一年でありました。 の山の前で苦難に耐える被災者の姿や笑顔に驚 他方、激動する地球規模経済が展開されて居る き、逆に元気を与えられています。 中で、EU 諸国では金融危機・経済危機が急進し 今私は、古紙センターの事業を通して広報宣伝 て日欧米先進工業国の経済再生にも大きな影を落 活動(OB ボランティアに登録)のお手伝いをし として居りますが、此の度の古紙業界の次世代 ようと思っているところです。 リーダ達が取組み始めた業界改革のプレゼンテー 自分の出来ることを小さくても一つ一つ積み重 ションは、 単に直近の経済変動の対応策では無く、 ねて、日本の底力を見せようではありませんか! 今後数十年、或いは何世紀にも至る業界の構造改 革に取組んで居る事が伝わり、此の度のシンポジ 31 2012(H24)4-15 No.176 ウムに於ける次世代の若手企画委員皆さんの調査 ては此れまでの努力が水泡に帰して EU 全域の経 研修内容からも十分に伝わりました。 済発展が期待出来なくなる事を認識し、EU諸国 偶々、小生は異業種の立場にありますが十数年前 は 21 世紀の地球儀経済に適応する為に今は後戻 に取組んだ鉄スクラップ業界の構造改革に取組ん り策を一切排除して取組んで居る熱意も伝わり、 だ頃を思い起こし、一層の感銘を受けた次第です。 正しく此の度の古紙業界の改革取組みに酷似して 勿論当時と今日とでは時代も異なり、地球規模 居る事を痛感した次第です。 の経済が展開されている訳ですから当然かも知れ 従って此の熱意ある貴先輩業界の業界革新に取 ませんが、21 世紀に於ける新興国の経済躍進が 組む業界に対してアドバイスなど決して出来る筈 目覚しく、加えて EU 諸国の経済統合が促進され などありません。 る昨今、EU 経済機構の改革中にギリシャの財政 其の代わりと言えば大変に失礼ではあります 問題で躓き、殊に近年実物経済を取り囲む金融危 が、小生の凡そ 40 年間に亘る体験と、類似の貴 機が EU 全体の経済改革に支障を来たし、EU 経 業界が抱える群雄割拠・過当競争・低収益構造・ 済発展の構想に支障を来たし居り、実物経済が発 経営不安定の業界特性及び業界内相互の信頼関係 展する為には EU 全域の金融財政問題の重い扉が の形成に効果を発揮した体験を参考までに記述し 開かれなければなりませんが、旧態構造に回帰し て『シンポジウムの感想』に代えさせて頂きます。 群雄割拠の業界が抱える特性と取組み策 ■群雄割拠の業界に起き易い特性 ①隣接する同業者間で相互に刺激し合う。 ☆他団体に対して排他的・対立的 ②過剰反応の連鎖が域外同業者に蔓延。 ☆鉄R業界・ELV解体業界・非鉄金属R業界・ ③過剰反応が過激化して不採算臨界点に到達。 産廃業界 ④不採算臨界点に達して漸く危機感台頭。 ⑤ほぼ全員が不利益を蒙って沈静化に向う。 原因=加害者と被害者が多数混在する不安心理 ■過当競争の是正策 ■個別企業では国・行政は決して動かせない。 ☆閾値化活動 ■経済特区構想によるコスト削減策構想。 ☆輸出展開の海外活動と協業化促進 ■協業化促進と国際競争力の強化策。 ☆業界全体が『ビギナー』で改革促進 ■IT化によるロジステックス改革と経営効率。 最後に、貴関東製紙原料直納商工組合をはじめ皆々様の業界が末長くご発展する事をお祈り申し上げます。 「5 年後の古紙業界を考える」総括と反省 昨年の 7 月から始まったこのプロジェクトは、 長いようで短い期間でした。この間、実行委員長 コーディネーター 梶野 隆史 の栗原護君とは色々な話をしながら紆余曲折を経 てシンポジウムまで漕ぎ着けました。シンポジウ ムを作り上げるのは、実行委員長である栗原護君 の仕事であり、私の仕事はシンポジウムを作り上 げる間のドキュメンタリーをプロデュースするこ とでした。 当初、栗原君は熱い情熱を持って経営革新のメ ンバーに語りかけていました。実行委員長として の意気込みとやる気に満ちていたと思います。皆 32 2012(H24)4-15 No.176 もそれに答えるかのように色々な企画案を持ち寄 ということでした。栗原君の思いを皆に伝えた時 りましたが、それを制する形で私は過去にあった が「起」 、プロジェクトチームにして他の委員会 事象の検証を命じました。なぜならば、経験の浅 に協力してもらったのが「承」 、企画内容が決ま い彼らがいきなり未来のことを語りだすのは非常 らず失望感を抱いていたのが「転」 、実行委員長 に危険なことで、自己満足の世界に陥りかねない が焦りながら飛び回る姿を見て皆の気持ちが一つ と危惧したからです。過去に起こったことの関連 になったのが「結」ということです。今だから語 付けを作ることにより、問題の本質がなんである れるシンポジウムが行われるまでの一つのドラマ かということを皆で議論することで共通認識を持 です。これを見た経営革新委員および実行委員長 たせたかったのです。次にこれから起こりえると は、起こると思いますが。この場をお借りして深 予測される事象をあげ、また関連付けを行ってき く陳謝いたします。 ました。この作業だけで実に 3 か月以上の時間を 話をもとに戻しますが、今回のシンポジウムを かけました。実行委員長の栗原君も経営革新委員 成功に導いたもう一人の立役者は、井出君です。 も残りの時間を計算すると準備に時間がないので 彼がいなかったら、ここまでの演出をすることが 焦っていたと思います。まとめ方の戸惑い、時間 できませんでした。私も彼も、 (社)東京青年会 のなさの焦りからできないのではないかという失 議所(略称 JC)という団体に所属しておりまし 望感がよぎったのではないでしょうか。失敗し た。 (40 歳で卒業なので、現在は OB です。)皆 ちゃうかもしれないでも、これだけ多くの人を集 さんご存知かわかりませんが、選挙前に公開討論 めて、皆を失望させることはできないという葛藤 会というものを各地域で開催しております。これ があったと思います。このことが、彼を前へ進ま を主催しているのが「JC」です。特に解散選挙 せる原動力になると確信していました。自らが汗 が行われる場合は、いつ解散するかわからないの まみれになって動く姿をみた経営革新委員もなん で、実質 1 か月ぐらいでこのような討論会を開催 とか彼の思いを遂げさせてあげたいという気持ち しなければなりません。したがって、今回のよう になり、皆の心がシンポジウムに向かって一つに なシンポジウムは日常茶飯時のように行われてお なったと思います。本来であれば、経営革新委員 り、段取り等は心得ているのです。私も彼も杉並 も各支部のアドバイザーの試験を行いながらの作 区委員会というところの委員長を務めておりまし 業ですから、そんなに余力がある状態ではなかっ たので、阿吽の呼吸で動いてくれたことが本当に たと思います。このことは、私自身本当に申し訳 助かりました。だから、当日の段取りに気を取ら ない気持ちでいっぱいでした。心から経営革新委 れずにシンポジウムの内容に専念できました。彼 員に、感謝すると同時にいいメンバーに巡り合え がいなかったら、ここまで余裕を持った行動は取 たことに「ありがとう」の感謝の気持ちを伝えた れなかったと思います。 いと思います。 また、今回他の委員会の方にもプロジェクトに 経営革新委員は、当初 15 名程度の小さな委員 参加して頂いており、需給委員会の藤川委員長、 会でした。亡くなられた深田前理事長が、各支部 広報委員会の須長委員長、 三紙会の斉藤会長には、 をまわる度に組合員の息子さんを委員会のメン はじめから参加して頂き、色々と栗原実行委員長 バーへと集めて頂いて、今では 24 名の在籍数で にアドバイスとフォローを頂きました。需給委員 す。需給委員会に次ぐ二番目に大きな委員会にな 会の藤川委員長には、将来の需給予測を予測部会 りました。今思えば、皆を一つにまとめてくれた の高橋成治部会長に依頼して作成頂きました。広 のは、故深田理事長の人徳のお蔭です。 報委員会の須長委員長には、地区委員会、回収団 前述のドキュメンタリーをプロデュースすると 体等への広報宣伝や当日の写真やビデオ等の撮影 いうことは、シンポジウムを立ち上げ開催するま にご尽力いただきました。 三紙会の斉藤会長には、 での間に、 「起承転結」の場面をどう演出するか 会場内外の並びに受付などに三紙会メンバーの動 33 2012(H24)4-15 No.176 員をして頂き、当日の段取りの良さには誠に感服 動きはしなさ もし風さえ吹かなかったら お前 するばかりでした。 皆さん方のご協力がなければ、 が風になればいい」は、今の環境に嘆くよりも自 ここまでの成功はなかったと思います。改めて、 分自身で将来を切り開く意気込みが必要だという 感謝申し上げます。 メッセージを伝えたかったのです。また、 「人が 普段、それぞれのテーマで取り組んでいる委員 作った標識など決してまどわされないで 変えて 会なのであまり接点がありませんが、一つの目標 いくのはお前自身さ 決めていくのはお前さ」は、 に向かって取り組むことにより、お互いの一体感 親のやってきたことを踏襲してばかりいるのでは が得られたことは本当に良い効果だったと思いま なく、自分自身が変える意気込みを持って、自分 す。この企画をプロジェクトチームで編成したい 自身で決めて行けというメッセージです。経営革 と正副理事長会議申し上げ、このような編成をし 新メンバーには、非常に不評でしたが、私がどう て頂きました。当日も、大久保理事長をはじめ、 しても皆さんに伝えたかったメッセージだったの 栗原全原連理事長、山室副理事長、滝本副理事長、 で、 委員長と実行委員長のわがままで通しました。 斉藤副理事長にお越し頂けたことは、本当に感謝 実際、音が小さかったので伝わらなかったのでは の念に堪えません。 ないでしょうか。 ちょっと心残りな気がしました。 今だから話せる衝撃の事実「シンポジウムの企 後日、ある経営革新委員より「我々の委員会は、 画内容は、今年に入って作った」です。 もっと理事会に色々な提案をしていかなければい 実は、今年の 1 月 4 日に企画内容を詰めました。 けないのではないか」という意見がでた時は、委 栗原君が考えていた企画内容と私が考えていた企 員長としてとてもうれしかったです。 画内容の差はほとんどなく、実質 3 時間程度でま 最後に、シンポジウム後はじめて故深田理事長 とまりました。ポイントは一つだけで、聞きに来 のお墓に今回のシンポジウムの報告をして参りま た次世代を担う経営者が、暗い気持ちになって帰 した。深田理事長が思い描いていたこと「若手が るか、頑張ろうと思えるような内容にするかでし 業界をリードしてく組合を盛り上げる」という夢 た。この企画の目的「次世代を担う若手経営者に を一つでも具現化するまでは、お墓に行くことが 将来を考えるきっかけをつくる」は勿論、自信を できませんでしたが、今回のシンポジウムの成功 持って地面に足をつけて一歩踏み出す勇気を与え を報告することができ、やっと肩の荷がおりまし るものでなければならいないと思い、後述を選択 た。 致しました。そのためにエンディングにメッセー 「起承転結」のないまとめ文で誠にすみません ジを込めたかったのです。 が、これを起点に次世代につながる組合を考えて エンディングに流れた「SAMURAI」 (長淵剛) いきましょう。 の歌詞、「時代のせいに、よりかかっても 船は 発信者 東芝情報機器株式会社 東日本営業統括部 首都圏支社 〒 135 − 8505 東京都江東区豊洲 5 − 6 − 15 (NBF 豊洲ガーデンフロント 7 階) TEL 03(5144)3490 FAX 03(5144)3287 システムソリューション第二営業部 担当:生田 34 2012(H24)4-15 No.176 古紙業界のあるべき姿を目指して 全原連経営革新委員会 委員長 瀧本 義継(寄稿) は、 「分別排出」 、 「分別回収」という日本独自の 古紙回収システムがなければできない制度です。 古紙業界の基盤整備事業の一環として、全原連 一方で分別回収であるが故に、労働集約性がより 30 周年を記念してスタートした「優良性評価事 強くなり、住民の方々の分別排出という無償の協 業」も、業界の普遍的問題である「作業安全」か 力がなければ成り立たない制度でもあります。こ らスタートして 2 年後、 「優良性評価三事業」に の日本独自のシステムを維持、育成してゆくこと 取組んでまいりました。全国レベルで初の共同事 が、業界生き残りのカギになります。先のシンポ 業でしたが「安全」から始めたことが、その後の ジウムの基調講演で、鈴木節夫さんが述べておら 事業展開へも比較的スムーズに進めた要因であっ れた住民の「こころ」という無償の協力がなけれ たと思います。 ば、分別排出は成り立たないシステムです。しか 24 年度は 7 年目に入りますが、その間、全国 し、業界はこの「こころ」にたいして裏切り行為 の組合員がこれらの事業に真摯に取組まれ、何よ をしていないでしょうか。これについては後で触 りも若い方々が真剣に取り組まれる姿を見なが れさせていただきます。 ら、業界の将来に明るい希望を抱いております。 1990 年代初め、ドイツは従来のリサイクルシ また、2 月 21 日開催の関東商組経営革新委員会 ステムに、再資源化物の分別排出を前提としたシ 主催のシンポジウム「5 年後の古紙業界を考える」 ステムを加え、ディュアルシステムドイッチェラ の開催は、若い力を中心に実行できたことに、大 ンド(DSD)の運用を開始しました。 きな意味が含まれていると感じております。業界 ドイツ人らしく緻密な分別排出システムであっ をやがて背負う方々が経営哲学を持ち、この 10 たこと、廃棄物業者がイニシアティブを持って実施 年そしてこれからも、国際化の波にもまれてゆく したこと、など、収集にかかるコスト面から再生資 業界の推進力として頑張っていただきたいと思い 源物一括回収システムに変わり、それを選別して資 ます。 源化するようになった結果、品質の低下を招き競 本年は「古紙リサイクルアドバイザー」認定試 争力を失いつつあります。一方で、産業系古紙回 験という、業界にとって初めての経験をいたしま 収は従来からのシステムで継続しており、品質に した。全国で 1800 名を超す方々が受験され、試 も支えられ主として国内で消費されております。 験という関門を経た「古紙リサイクルアドバイ 米国も分別排出、分別回収を前提に、1990 年 ザー」が誕生することになりました。業界の明日 ごろから始まったカーブサイド回収が資源化物一 への可能性を感じることができました。カエサル 括回収に変わり、段ボール古紙以外の品質低下が の言葉によれば、人は「見たいものしか見えない」 進んだ結果、 新聞古紙(NO8)の NO6(込み新聞) といわれますが、「見たくないものも見る」努力 化、雑誌類の MIX 古紙化が進んでいます。分別 をしながら、変化を自ら求めてゆくことが、業界 回収は回収にコストがかかることは事実ですが、 生き残りのために必要であると思います。 ドイツも米国もこれらに従事するターキーやヒス パニックという低賃金の労働力があっても機能し DSD(デュアルシステムドイッチェランド)は なかったことは、住民の協力を要する分別排出に 古紙で何故機能しなかったのか も問題があったと思われます。近年は日本の同じ 今年は業界にとって新しい挑戦課題が待ってい 品種に比較しても価格の低下のみならず、歩留率 ます。「日本古紙品質認定制度」「J-BRAND」の の低下による環境負荷を増加させており、「中国 スタートです。古紙という再生資源のブランド化 では使える」ので行えていると感じております。 35 2012(H24)4-15 No.176 ドイツにしても米国にしても、一括回収した古紙 を自国ではほとんど使っておらず、中国またはア また、 ブランド化は「物」だけではありません。 「業」のブランド化も「物」と同様に重要です。「古 ジアという市場があって成り立っております。 紙商品化適格事業所」は「業」のブランドです。 これらの国々もいずれは自国の環境問題から質 全原連では渉外広報委員会、経営革新委員会協 の改善がなければ使えなくなるでしょう。一括回 働で、優良性評価事業の広報活動にも力を入れて 収の国々の「質」が課題になるのも、時間の問題 まいります。 「古紙商品化適格事業所」を名実とも と思います。 に日本ブランドにすべく努力してまいりましょう。 労働集約型産業はブランド力が生残りの条件 市民の「こころ」を裏切る「古紙持去り」問題 労働集約型産業とは多くの労働力を要する産 我が国の製紙産業の父、渋沢栄一は「ルールと 業、すなわち多くの人の雇用に貢献している産業 マナーの無い経済行為は犯罪に等しい」といって ともいえます。労働集約型産業はブランド力がな います。しかし、現況の回収古紙業界は「古紙持 ぜ必要なのかについては、昨年秋の「かんとう」 去り行為」によって、古紙業界の信用を棄損しつ でスイスの精密機器産業、フランスのワイン及び つあります。 「古紙を集める」 ための手段として「持 ファッション、イタリアのファッション産業を例 ち去り」が横行しているのですが、その結果、古 えに話をさせていただきました。日本でも第一次 紙を分別排出される住民の信頼性を決定的に失い 産業の生き残り策としてのブランド化が進んでい つつあります。古紙回収現場は古紙業界にとって ます。 市民との距離の一番近い唯一の現場です。住民目 日本の古紙は物理的(ヤード能力)に一括回収 線に「持ち去り行為」はどのように映るのでしょ への対応はできません。 一括回収の欧米に対して、 うか。現場でのトラブルも報告されています。行 ブランド力を付けて評価されてゆくことは、結果 政への苦情もあとを絶たないのが現実です。住民 的に分別排出を維持、育成しながら、日本の古紙 目線が古紙業界とは?~と、なったら分別排出の 業界を守ることにもつながります。また、分別排 みならず、古紙回収促進への影響は計り知れませ 出、分別回収システムは、それを通じて様々な社 ん。持ち去り行為に対する業界目線はまだ低いよ 会貢献的付加価値を付けられる可能性を持ってい うに思います。 ます。 行政のスタンスは再生資源回収を民 , 民のシス 許認可制時代の廃品取扱い業者は、警察の防犯 テムに移行する方向にあります。住民との距離は 組織への協力を通じて犯罪(窃盗など)の抑止力 ますます近づいてゆきます。組合としても全力を にも貢献していました。 あげて「持ち去り撲滅」に取組み、住民イメージ 「古紙リサイクルアドバイザー」の重要な役割 を変えなければ分別排出協力への啓蒙は困難にな として、分別排出の啓蒙活動が義務付けられてい るでしょう。 ますが、市民の「こころ」という無償の協力に対 して、分別回収システムを利用した恩返しも考え 自治体の古紙資源化進出への懸念 られるのではないでしょうか。主要三品を対象に 古紙業界が過当競争や犯罪ともいえる「持ち去 した「J-BRAND」のようなナショナルブランド り」行為に対応している間に、遅れているとはい のみならず、それ以外の古紙ではプライベートブ え行政改革は徐々に進捗してゆきます。行政組織 ランド(PB)を協業化などで作ってゆくことも は放置しておけば自己肥大するもので、特にごみ 考えられます。このような共通の認識とそれに伴 減を含めて環境問題への対応には、強い関心を う課題を持つことが、無為な過当競争を排除する 持っています。 ことにもなると思われます。その結果、コストに 日本の可燃ごみ量は約 4000 万㌧強で、この内、 しわがより、行き過ぎると安全と品質を犠牲にす 湿原単位で紙類は 30%といわれています(実態 る危険性もあり、いつか破綻をきたします。 は 5 ~ 600 万㌧) 。ごみ減の手段の一つとして、 36 2012(H24)4-15 No.176 地方自治体は雑がみの資源化を直営、委託を含め れれば 80%)がナショナルブランド化すること て雑がみ回収を積極的に実施しております。 になります。その他の古紙については、需要の 全原連では自治体のこのような動きに対して、 普遍性において同一視することが出来ないので、 域内の「古紙商品化適格事業所」の活用をお願い ニーズに応じて各社が「PB」の方向で進めるべ しておりますが、対応を間違えると古紙業界の職 きだと思います。 域に行政が進出する結果になり、業界が縮小する J-MIX は主たる需要先中国に 2001 年日本から 危険性をはらんでいます。そのようなことになら 22 万㌧輸出したことに始まります。2011 年は雑 ないように、古紙業界は秩序を持って対応する必 誌名目で 120 万㌧、その他名目で 55 万㌧(全量 要があります。特に古紙直納業界の行政対応は 「落 が J-MIX ではない) 計 175 万㌧輸出されています。 下傘入札」や「超高値入札」など「集める手段」 その他を除いても 120 万㌧、日本国内消費量 223 としてしか見ておらず問題があります。 万㌧の 55%になります。 一つには、輸出という販売手段が有って出来て この J-MIX の品質仕様について中国では問題 いることであり、二つには、コスト面からも業界 化しつつあります。使い勝手の良さから価格的 粗利益を減少させ業界の再生産性を阻害してゆく にも J-OCC とほぼ同評価を受けておりましたが、 ことになります。 文字通りミックス化しており品質面(仕様面)で 自由競争という言葉をエクスキューズに使いな の強さを失いつつあります。 がら、自社が良ければ、として行っていることで J-MIX には二つの強さがありました。①紙以外 すが、地元の組合や業者等と協業を前提に行うな の混入が無く歩留まりが良い、 ②仕様(スペック) ど、地元業者を活かすシステムにしないと、種々 の幅があり選別付加価値が付けられること、です。 な軋轢から行政自らが資源化作業を実施する危険 中国ニーズの方向性としては人件費の高騰などに 性もあります。本能として仕事を作ってゆく行政 より、①の方向にシフトが進むと考えられます。 の仕組みを甘く見てはいけません。 ②はニッチ需要に特化してゆくでしょう。 古紙は「発生物」であることからローカル色の J-MIX の仕様低下については、行政の雑がみ回 強い物です。また、製紙原料という単一用途から 収が増加し資源化能力が伴わないこと、古紙業者 価格的にも限界があります。これからの業界は、 以外の扱いが増加していることなどが考えられま 価格中心の「狩猟型」から生産物としてとらえる す。放置しておくと欧米のミックス並みの評価に 「農耕型」にスタンスを移すことにより、可能性 なる可能性があります。日本古紙の中で唯一、収 はより大きくなっていきます。全原連の「優良性 集において一括化の方向にあるのがミックス系古 評価事業」は農耕型経営促進のために行っている 紙です。古紙業界としては、物理的対応の実態も 事業でもあります。 狩猟型経営は業界利益の減少、 考慮しながら、どのレベルまでなら同一仕様で出 品質の低下により、やがて行き詰まることは必然 来るのか、その結果、雑誌との位置づけをどうす ではないでしょうか。 るのか、などについて対応を進める必要がありま す。生産物的発想を持って業界から発信する必要 「J-MIX」ブランド化の必要性について 性は、目先に来ているのではないでしょうか。悪 「段ボール古紙」と「新聞古紙」のブランド化 貨に良貨が駆逐されないためにも。 は本年運用を開始しますが、その結果をチェック 古紙業界のあるべき姿を目指して、当面、解決 しながら可能な限り早く軌道にのせ、次のテーマ すべき課題に触れてまいりました。我々の生活基 として平成 25 年は、J-MIX のブランド化に取り 盤である業界を良くするも悪くするも業界人の在 組む必要があると思っております。先の 2 品種と り方で決まります。方向性を定めて変化を求めれ 異なり、J-MIX ブランド化は品質仕様において相 ば見える景色も変わってきます。そこに、シンポ 当な困難が伴います。 ジウムのテーマ「2015 年、2020 年の古紙業界」 これが出来ると日本の古紙の 70%(雑誌を入 が見えてくるのではないでしょうか。 37 2012(H24)4-15 No.176 2012 年古紙需給見通し 三ツ矢産商株式会社 トンと比べ 7% 程度増えることになる。しかし、 代表取締役社長 杉山 正幸(寄稿) 輸入量の増減がが必ずしも中国の古紙需給の実 態をを表しているとは言えないようだ。中国造 古紙の輸出価格は中国の国慶節を境に大幅に下 紙工業 2010 年報告によれば、2009 年の古紙輸入 落した。米国の OCC は 10 月下旬から一か月ほ 量 2,750 万トンに対し実際の消費量は 2,570 万ト どの間に最大 US$70 per S/T 程度も下がり、日 ンとしている。一方 2010 年の輸入量 2,435 万ト 本の OCC も一時同程度の下げ幅を記録した。そ ンに対し実際の消費量を 2,615 万トンとしている。 の後は中国の春節前の駆け込み需要等でどちら 2010 年は 2009 年より輸入量が少ないが、2009 も US$20 per S/T 程戻した状況で推移している。 年の古紙輸入量の内 180 万トンは在庫となって翌 欧州の債務危機による景気の減速、中国の金融引 年に消費されたとみなしている。 き締めや輸出減が紙・板紙の市況下落を促した。 これまで中国造紙協会の報告に輸入古紙の実際 中国では供給過剰で弱含み状態となっていたが 9 の消費量は示されていなかった。2009 年はリー 月から 10 月にかけて紙・板紙価格の下げ幅が拡 マンショック後の輸入古紙価格暴落と中国での大 大し古紙価格が下落した。最大手のナインドラゴ 幅な金融緩和により在庫積み増しとしての輸入が ンは 2012 年以降の新規設備投資を遅らすことを 大量にあったことを考慮して注記されたものと思 発表した。 われる。 予想を超えて上昇していたパルプ価格が 250 ド 2011 年の古紙輸入量は前年の輸入古紙消費量 ル以上も下落した。それに伴い上級脱墨古紙等の とほぼ横ばいか若干の増加になりそうだ。国内古 輸出価格も大幅に下落した。中国で繊維原料であ 紙の回収増で輸入依存度は着実に低下している。 る DP が不足し、その代替としての針葉樹パルプ の需要が増えていたが、DP や綿花の供給が増え 「日本の 2011 年古紙需給」 たことで需要が減少した。 日本の古紙輸出の 11 月迄の合計は前年比 3% 中国の製紙産業は生産量が間もなく 1 億トンに 増の 411 万 9 千トンで、内訳は段ボールが同 11% 達し、年間に約 2600 万トンの古紙を輸入する。 減の 180 万トン、上質系古紙が 48.5% 増の 14.5 世界の古紙市況は中国の製紙原料の需給に大きく 万 ト ン、 新 聞 が 39% 増 の 54.9 万 ト ン、 雑 誌 が 左右される。 14.1% 増の 111 万トン、その他が 0.1% 減の 51.1 万トンとなっている。中国向けの輸出は 311 万ト 「中国の古紙輸入」 ンで前年同期比 2.8% 減っている。輸出全体に占 2011 年 10 月までの中国の古紙輸入量は 2,200 めるシェアは 75.5% に下がった。2009 年の 85.2% 万トンで前年より 10%増えている。日本からの から 2010 年は 79.8% に下がっていた。 輸入は 284 万トンで 3.6% 減っているが、米国か 福島原発の事故による放射能の影響で更に低下 らは 964 万トンで 15.3% 増えている。ヨーロッパ したものと思われる。11 月単月の合計輸出量は からも英国は 5.6% しか増えていないが他の国々 前年比 19% 減の 26 万 7 千トンと急ブレーキがか からは 10% 以上と大きく増えている。各品種と かり、2009 年 2 月以降では最小となった。通年 も前年より増えており、輸入量の最も多い段ボー での合計は 440 万トン程度で前年より 0.5 ~ 1.0% ル が 1,248 万 ト ン で 8.3% 増 え て い る。 新 聞 が 程度増えそうだ。品種別数量を見ると震災の影響 6.7% 増の 524 万トン、雑誌を含めた MIX 古紙が や洋紙の生産減を反映した結果になっている。段 19.5% 増の 368 万トン、上質系古紙が 49.7% 増の ボールは 2009 年をピークに年々減少しているが、 58.7 万トンとなっている。2011 年合計では 2,600 11 年も減少幅が大きい。11 月の輸出量は 9 万 1 万トン強に達すると予想され、2010 年の 2,435 万 千トンでリーマンショック直後の 2008 年 1 月を 38 2012(H24)4-15 No.176 も下回った。国内メーカーが値上げした一方で輸 国内古紙の回収率は 2004 年まで 30% 前後で停 出価格が急落した。輸出価格が国内向け価格を 2 滞していたが 2005 年の 30.6% から年々大きく上 割以上下回ってしまったので、国内メーカー向け 昇して 2010 年は 45.7%(2009 年の輸入古紙の内 に環流したことによる 180 万トンが翌年に消費されたことを考慮すると 古紙再生促進センターの統計に因れば、1-10 月 43.8%)に達した。国内古紙の回収は順調に伸び の紙・板紙の消費量は対前年比 0.8% 減の 2,280 ており 2011 年の回収率は 46% 程度になると予測 万 ト ン。 古 紙 回 収 量 は 同 0.8% 減 の 1,790 万 ト される。 ン。回収率は前年通年と比べ 1.4 ポイント上昇し 中国の紙・板紙の生産量はこれまで GDP の伸 て 78.5% となっている。国内メーカーへの入荷 び率より高いか、それに近い数字で伸びてきた。 は 2.4% 減の 1,395 万トンで消費は 2.5% 減の 1,404 しかし、2010 年は GDP の伸び率 10.3% に対し、 万トンとなっている。 7.29% で 3 ポイント低かった。今後も鈍化傾向は 紙・板紙別の古紙消費量では紙向けが対前年比 続く見通しで、昨年 10 月に開催された「日中古 8.7% 減の 490 万トン、板紙向けが 1.2% 増の 91 紙セミナー」で中国造紙協会副理事長の牛副理事 万トンで段ボール原紙や白板紙等の板紙の生産増 長の講演では「2015 年の紙・板紙生産量 1 億 1,600 に対し洋紙の生産減を反映している。 万トン、年平均成長率 4.59%」としていた。 品種別に見ると段ボールが入荷 2.2% 増、消費 紙・板紙の生産設備の新規増設も当然減速する 1.6% 増と増えている。新聞が入荷・消費それぞ ことになりそうだ。最も積極的に新増設を進めて れ 11.1% 減、10.4% 減、雑誌が入荷・消費とも 3.2% いるナインドラゴンは 2011 年半ばから 2012 年に 減 と 減 っ て い る。10 月 末 の メ ー カ ー 在 庫 率 は 稼働を予定していた白板紙や段ボール原紙のマシ 45% で過去 1 年間では最も低くなっている。特 ン 6 台を半年から 10 か月程度先延ばしすること に段ボールの在庫率が低く、 8 月や 9 月よりも減っ を 9 月に発表した。板紙需要の低迷を理由にして て 29.6% まで下がった。関東商組の主要 32 社の おり更に延びる可能性もある。この中には遼寧省 10 月末の段ボールの在庫率は 8.4% で前年の 9.7% の瀋陽や福建省の泉州の新工場も含まれている。 より減っている。新聞・雑誌を合わせた三品合計 しかし、既にナインドラゴンは 2011 年に 6 台 の在庫率は前年とほぼ同じ 11.6% で段ボールのみ の新マシンを完成させて生産能力を 1,145 万トン 在庫率が減っている。 に増やした。生産品目も新規に印刷筆記用紙 45 東日本大震災による製紙工場や営業倉庫の被災 万トンを加え、白板紙も高級板紙を生産できる で巻き取り損紙が発生したことや生産拠点の西日 体制になった。生産量第 2 位の理文造紙も 7 月 本重点化等も重なり、古紙の市況は複雑な状況で に 50 万トンの段ボール原紙マシンを稼働させた。 推移した。更に紙・板紙の秋以降の値上げ等で仮 富陽地区でも正大や永泰が白板紙生産設備を増設 需が発生して輸出市況とは必ずしも一致しない状 した。吉安紙容器も 65 万トンの白ライナーと 25 況が出現した。 万トンの中芯マシンを稼働した。洋紙分野の新増 設も多く特に APP 海南工場の 140 万トンの上質 「中国の紙・板紙生産と国内古紙回収」 コート紙が大きい。王子製紙の南通工場の 40 万 中国の国家統計局によれば 2011 年 1-11 月の紙・ トンマシンも完成して洋紙は著しい設備過剰と 板紙の生産量は対前年比 15% 増の 1 億 172 万ト なり市況は大幅に下落した。APP を筆頭にテイッ ンとなっているが、近年この統計数字は実態よ シューの増設も続いている。板紙も春先から需要 りかなり大きすぎる。同統計は 2010 年合計を同 が低迷し始めていたが新規の大型マシンが稼働し 11.4% 増の 1 億 35 万トンとしている。中国造紙 たために供給過剰状態に陥り製品市況が悪化し 協会の統計では 2010 年の紙・板紙の生産量は同 た。 7.29% 増の 9,270 万トンとなっており、こちらが 実態を反映している。2011 年の生産量の伸びが 「中国経済と紙板紙の需給見通し」 仮に 5% 程度に減速しても 9,700 万トン程度で前 中国の 2011 年第 3 四半期の GDP 成長率は 9.1% 年より 400 万トン以上増えることになる。 と前期から 0.4 ポイント減速した。2011 年通年で 39 2012(H24)4-15 No.176 は 9.2% 程度と予測される。成長の牽引役である 長戦略路線を復活させたことになる。他に、高級 輸出は 10 月に対前年比+ 15.9% でリーマンショッ 白板紙で、APP の 120 万トンマシン、山東ボー ク以降では 2009 年 12 月にプラス転換して以来最 フイの 100 万トンマシン等の大型計画が目立つ。 も低い伸びとなった。人民元の上昇と最低賃金の 中国政府は 2011 年 12 月 30 日に「製紙産業の 大幅上昇で中国の価格競争力が低下したのに加 発展に対する第十二次五カ年計画の方針」を発表 え、総輸出の約 25% を占め最大の輸出先である した。それに因れば 2015 年の紙・板紙の消費量 欧州景気の減速が下押し材料になっている。 は 1 億 1,470 万トン、生産量は 1 億 1,600 万トン 内需については自動車や家電の販売振興政策に と予測している。どちらも 11 年以降年率 4.6% ず よる減税制度の期限切れや、食糧インフレの長期 つ伸びるとの想定だ。製紙原料の総量は 1 億 457 化等が下押し材料となり緩やかに減速している。 万トンで古紙パルプの比率は 64.0%、6,692 万ト 金融引き締めによる数度にわたる預金準備率の引 ンで有姿の古紙の数量を 8,365 万トンとしている。 き上げで銀行の貸出余力は低下しており、特に中 国内古紙が 5,359 万トン、輸入古紙が 3,006 万ト 小企業に与える影響は大きい。資金調達が困難に ンとなっている。2010 年の輸入古紙消費量 2,615 なった中小企業は高利の民間金融に依存せざるを 万トン比べ 391 万トン増えているが、輸入依存率 得なくなり、その結果倒産や夜逃げが増えている は同年の 39.9% から 35.9% に下がっている。因み といわれている。 にこれらの数字から国内古紙回収率を試算すると 消費者物価上昇率は 10 月に 5.5% と政府目標の 46.7% となるが実際にはもう少し高くなるものと 4% を上回っているが 7 月に記録した 6.5% から 予測される。 低下した。政府は中小企業の苦境や欧州景気の減 また、この方針の中では環境問題と原料問題を 速に配慮して預金準備率の引き下げ等引き締め策 重視して「林紙一体化」による揚子江流域と南部 を一部緩和する動きも出てきた。2012 年秋には 地区での植林と製紙工場の立地を奨励している。 政権交代が行われ党や政府の大規模な人事異動が 一方 2011 ~ 2015 年の間に非木材パルプ使用の 実施される。政府機関や地方政府などが実績作り メーカーや年産 1 万トン以下の古い小規模なマシ のために投資を促す可能性も高いが、インフレ懸 ン合計 1 千万トンを閉鎖するとしている。 念は残っておりリーマンショック後のような大規 模な投資にはならないとみられる。内需は底堅く 「欧米の紙・板紙の生産と古紙需給」 推移すると思われるが、GDP の 27% を占める輸 リーマンショック後世界各国は景気刺激のため 出は更に不安を増している欧州景気の失速で減速 に大規模な財政支出を行った。その結果欧米では する公算が大きく、2012 年は全体として景気は 政府の債務が膨らみ深刻な債務危機に陥り、世界 やや減速して 8.5% ~ 9.0% 程度の成長にとどまる 景気に大きな影を落としている。米国は 2010 年 と予測される。 秋以降の量的緩和拡大で株高となり 11 年初めに 紙・板紙の需要の伸びも 2011 年よりやや減速 は雇用や個人消費が順調に拡大したが、中東や北 する。需要の低迷で生産調整が行われる可能性も アフリカの政権崩壊による混乱から原油価格が高 高く、新増設の計画はナインドラゴン以外でも先 騰した 3 月以降は消費の勢いが減速した。 延ばしされる可能性がある。 日本の震災の影響を受けた自動車生産・販売の しかし、現時点での新増設計画は 2013 年以降 不振や債務上限をめぐって政治的混乱も続くなど のものも含め目白押しだ。理文造紙は重慶の工場 景気の先行きに対する楽観論は後退した。雇用は で 2012 年前半に 40 万トンの段ボール原紙、江西 緩やかに回復しているが、住宅市場の低迷と家計 省九江市の新工場に 2012 年に 55 万トンのライ のバランスシート調整で民間需要は引き続き力強 ナーと 2013 年に 35 万トンの中芯マシンを計画し さに欠ける状態が続いている。GDP 成長率は 11 ている。これが完成すれば同社の段ボール原紙マ 年が 1.7%、12 年はやや上昇して 1.9% 程度の見通 シンの生産能力は 635 万トンに達する。更に、60 しとなっている。 万トンの白板紙マシンを東莞第 2 工場に 2012 年 ユーロ圏では債務危機から大幅な緊縮財政を余 に建設する。日本製紙の資本参加と技術援助で成 儀なくされている PIIGS 諸国で低成長が続いて 40 2012(H24)4-15 いる。ドイツは 11 年の半ばまではユーロ安を受 No.176 「日本の 2012 年の紙・板紙需給と古紙需給」 けて輸出が好調に推移したが、欧州債務問題の深 3 月の東日本大震災で多くの生産設備が喪失 刻化と新興国向けの輸出の鈍化で景気は秋以降に したが、予想以上に速い復興を果たした日本の 急速に悪化している。11 年のユーロ圏の GDP 成 11 年の GDP 成長率はマイナス 0.3% 程度の見通 長率が 1.7% 程度に対しドイツは 3.1% 程度になっ しとなっている。1-11 月の紙の生産量は 6.1% 減 ているが、12 年の見通しはユーロ圏がマイナス の 1,411 万トン、板紙が同 1.8% 増の 1,023 万トン 0.0%に対し、ドイツも 0.8% 程度と大きく減速す で合計で同 3.0% 減の 2,434 万トンとなっている。 る見通しとなっている。ユーロ圏にとって債務問 輸入が増えており全体で 10.9% 増の 168 万トンだ 題は対応を誤れば共通通貨ユーロの崩壊にもつな が、紙が 16.9% 増の 138 万トンと多い。 がりかねない。これを回避するためにはユーロ圏 2012 年は復興需要により GDP の成長率はプラ の財政統合を行う等の大きな課題を抱えている。 ス 1.9% 程度と予測されている。段ボール原紙は しかし、各国の国民を納得させその方向に進むた 前年比 1.2% の増加が予測されているが、洋紙を めのハードルは高い。欧州債務問題の長期化は避 含めた紙・板紙全体の需要は微増にとどまると予 けられず、欧州域内のみならず新興国に対する影 測される。古紙の発生増はあまり期待できず、古 響も大きく、世界景気全体の足を引っ張る状況が 紙の仕入競争は解消されにくい状況が続くと予測 続くと見ざるを得ない。 される。 このような状況下で欧米ともに消費は低迷して 中国の古紙需給が日本の古紙需給を左右する状 おり、紙・板紙の需要も低調に推移した。 況に変わりはないが、今年は欧州の債務危機が世 米国の 2011 年の 1-11 月の米国の紙・板紙生産 界経済に与える影響が中国の古紙需給の鍵を握る 量は 7,485 万トンで対前年比 1.4% のマイナスと ことになりそうだ。 なっている。紙が大きく減っているためで、板紙 新興国から欧州への輸出減、欧米の銀行から新 はほぼ横ばいの 0.1% 減である。リーマンショッ 興国に供給されていた資金が引き上げられる可能 ク後の紙・板紙の生産量は、2008 年の 8,740 万 性等で新興国の景気の減速が予測される。特に世 ト ン か ら 2009 年 に 7,852 万 ト ン に 激 減 し た が、 界最大の紙・板紙の生産・消費国である中国は内 2010 年に 8,287 万トンまで回復した。2011 年合 需依存を高める必要に迫られる。国内で回収され 計では紙の生産減により 8,200 万トン弱まで減り る古紙の量が増える可能性も高く、古紙需給が緩 そうだ。 和されると予測される。しかし、中国では古紙消 欧州ではドイツが 1-11 月は合計で 1.0% 減って 費量が継続的に増えており、輸入の絶対量は余り いるが、紙が 3.3% 減と減少幅が大きい。紙・板 減らない。底堅い需要が市況を下支えする可能性 紙共に 6 月以降大きく減少しており、板紙でも毎 が高いが、日本からの古紙の輸出価格は円高の影 月 2.2% ~ 5.9% 減と大きく減っている。ドイツ、 響で弱含みに推移すると予測される。欧米での古 イタリア、フランス等で包装材としての段ボール 紙回収が減る可能性も高い。世界の貿易量の減少 原紙の価格が8月頃から下落し始め 12 月までに による海上コンテナ不足の可能性もある。グロー 合計 50 ~ 100 ユーロ /MT 程度も下がった。製 バル化が急速に進み、複雑に絡み合った政治・経 紙メーカーは操業短縮を余儀なくされ、古紙の購 済・気候等が交互に作用して古紙の需給も複雑さ 入も制限した。そのため、古紙価格も 9 月以降 を増している。巨大化した中国の古紙需要は、小 下がり始め OCC は 12 月までに 50 ~ 70 ユーロ / さな変化が世界的には大きな影響を与えることに MT 程度下がった。今後は景気の悪化により古紙 なる。今年は主要各国で政治的な変化のある年で の発生も減ることが予測されるが、紙・板紙の生 もあり、古紙需給も想定外の状況が起こらないと 産は低調で古紙の域内の需給は弱い状況で推移す は言えない。 ると予測される。更に、超ユーロ安が続く可能性 ( 2012 年 1 月 13 日記す。) が高く、ヨーロッパの古紙はドル建ての輸出価格 が低く抑えられることも予測される。 41 2012(H24)4-15 No.176 委員会だより 経 営 革 新 委 員 会 「リサイクルアドバイザー講習・試験」奮戦記 でが自ら受講されている会社が多かったことは、 この講習会を開催していくことへの理解と支持を 得ていると実感する場面でした。 委員長 梶野 隆史 今回一番苦労した点は、支部で登録されている 東西南北、関東の各支部へ飛び回った一か月間 アドバイザーの人数と会場の立地および大きさの でした。改めて関東の広さを実感した今回の古紙 問題でした。人数が少ない支部は、他支部の会場 リサイクルアドバイザー講習会および試験でし で受講して頂くようにしたのですが、移動しやす た。すべての会場にお邪魔するつもりで意気込ん い地域と移動しにくい地域があり、会場の場所に でいたのですが、途中インフルエンザでダウンし よっては思っていた支部ではない支部で受講され て 1 会場だけ行くことができませんでした。シン るケースがあり、受付の際に常に事務局と連絡を ポジウムの準備の最中疲労が溜まっていたのかも 取りながらアドバイザーの申請書 (台帳) をファッ しれません、少し心残りでしたが、各支部の支部 クスしてもらうケースが多々ありました。休日ま 長さんをはじめ幹事の方のご協力のお蔭で運営も で出勤して頂いた事務局の吉川さんには本当に感 スムーズに進み、大したトラブルもなく無事終了 謝いたします。 することができました。 今回、感じたことはアドバイザーの方々の真剣 さを目にして、この業界も変わろうしているとい う意志が伺えたことです。各会場を回るのは大変 でしたが、アドバイザーの皆さんの真剣な姿を見 ると自ずと来た甲斐があったと、自分の大変さな どどうでもいい気持にさせられました。 最初の支部で受験者の数名が「所属組合名」を 記入していなかったので、よく考えてみれば普段 組合活動に参加されている方やトップの方であれ ば、自分の会社が所属している組合名はわかるは ずですが、現場の方などはわからないのも無理は ないと思いました。その後開催された支部におい ては、試験前に「所属組合名」は「関東商組」と また、東京東支部の講習会では、大久保理事長 書いてくださいと言うように指示したのですが、 自ら受講者となり受験されていました。社員に受 関東商組だけでなく、他の単組の方も受講されて 講させるケースがほとんどの中、会社のトップま いる支部もあり、回収後「所属組合名」を書き直 42 2012(H24)4-15 No.176 したという笑い話もありました。他の単組ではな いことでしょうが、今回は試験を行うということ もあり、他の単組の方が関東商組で受講して、自 分の単組の講習会の参考にしようという方が数名 おられました。遠いところから自費で参加された 方、ありがとうございました。 当初、関東商組のリサイクルアドバイザーの数 は、675 名でしたが、実際に講習会をはじめる時 には 802 名まで増え、3 か月間で約 130 名弱の方 が新規で登録頂いております。今までは、ヤード の責任者だけの登録でしたが、次世代の責任者の 講習会は、 「セーフティー・ファースト」運動 社員教育の理由で一社複数受講される方が増えま の説明から始まり、イラストを使ったテストでは した。全原連でも約 1800 名の認定数が 2189 名ま 錯覚の体験ができ、KYTの意味・必要性で締め で増えております。このように、古紙リサイクル くくるという入門編のような内容でした。 アドバイザー認定制度も内容の充実と共に各組合 詳しい内容につきましては、関東商組ホーム 員の方のご理解とご協力も深まってきたという実 ページ内の安全防災委員会ページに当日の資料と 感を得た今回の講習および試験でした。 まだまだ、 解説を掲載していますので、是非ご覧ください。 各支部での講習を受講されなかった方、あるいは 残念ながら合格できなかった方の追試のフォロー を行わなければなりませんが、皆さんが一生懸命 取り組まれている姿を、見ていると一人でも多く の方が合格して頂きたい気持ちで頑張っていきた いと思います。 最後に自ら率先して動いてくれた関東商組経営 革新委員会のメンバーに感謝いたします。 安全防災委員会 最後に、錯覚のテストから1問出題致します。 KYT ( 危険予知訓練 ) 講習会 次のテーマを頭の中、または紙に描いてみてくだ 委 員 長 齋 藤 米 藏 さい。①丸を描いてください②その上に三角を描 平成 24 年1月 19 日の関東商組 新年会の前に、 いてください」 . . .無事、描けたでしょうか?こ 安全防災委員会主催の「KYT講習会」が行わ の問題の答えは1つではなく複数あり、この複数 れました。KYTとは、危険の " K "、予知の " あるということがポイントです。あなたは答えの Y "、トレーニング(訓練)の " T "、それぞれの パターンをいくつ見つけることができますか? 頭文字を取り略したものです。講習会当日は中央 答えは、 下記 URL (Web アドレス) の 「KYT(危 労働災害防止協会の中里様を講師に迎え、関東商 険予知訓練)講習会 2011」の中にあります。 組からは 40 社 63 名の方々にご参加頂き、盛況 http://www.kantoushoso.com/news/kyt/2011/ のうちに終えることが出来ました。 kyt01.html 43 2012(H24)4-15 No.176 支部だより 関東商組神奈川県支部 厦門視察研修報告 副支部長 須長 利行 神奈川県支部〜廈門(アモイ)四冊研修3日間 平成 24 年 2 月 16 日(木)から 18 日(土)ま で神奈川県支部では、木下支部長の企画でサイコ リンク社の白社長と王営業担当の 2 名が同行し て、中国南部の廈門(アモイ)に視察研修の旅行 を開催した。 サイコリンク社のグループである親会社が板紙 経営陣と意見交換 製紙メーカーとシート、製凾の工場を有し、中国 内でも中堅大手になる泰盛(TAISON)集団を成 平成 24.2.16(木)〜 24.2.18(土) 長させている。 株式会社共益・商会 滝沢 勝義 工場は、古来より中国の海外貿易の港になって いる福建省の廈門(アモイ)の郊外。成長する欧 廈門空港到着後、 バスがなかなかこなかった事、 米輸出の基地として 230 万人強の中規模都市は、 宿泊ホテルの急な変更、バス移動時の危険な走行 製紙産業としても内外へ発展する活力のあるエリ 等ハプニングの連続だった。2 月 18 日(土)研 アである。 修旅行 3 日目は、 廈門シェラトンホテルを出発後、 報告書は、当支部の習わしで担当者を 3 人決め、 遊覧船を乗り継ぎ中国屈指のリゾート地コロンス 各自が伝える形をとり、参加者の研修を兼ねる。 島を電動カート 2 台に分乗して、島一周の観光後 名門メリディアンアモイが地方政府に強引にダ 廈門空港へ向かい無事帰国となりました。 ブルブッキングされ、支配人がわざわざ当支部に 今回初めての中国旅行の経験で感じた事は得に お詫びの夕食や手土産を届けるなど、中国の国家 廈門地区は経済特区に指定されており、習近平氏 像が感じられるエピソードも楽しかった。 が廈門市長、 福建省省長を歴任していた事があり、 現在人口 230 万人程の都市で今後益々の発展を遂 げていくと強く感じました。それに伴い中国全体 も成長率は若干の調整があるかもしれませんが、 まだまだ経済成長が続くと思いました。中国への 古紙輸出は、今後も引続き継続して行くものと強 く感じた次第です。今回の研修旅行については、 木下支部長始め、幹事、諸先輩方、サイコリンク 白社長、王さんには、大変お世話になり、とって も良い勉強をさせて頂きましてありがとうござい 砲門の先は台湾海峡 44 ました。 2012(H24)4-15 No.176 (前年実績)計上しており、社員の 40%は障害者 の方を雇用し社会福祉にも貢献しているとの事で す。 現状では、175 万トン / 年産しており 2015 年 には 265 万トン / 年まで持って行くとの事。 製品の出荷先としては、中国国内の飲料関係及 び食品会社に納品しているとの事。 工場見学終了後は、昼食を泰盛包装彩印有限公 製品の在庫スペースが手狭 司の社長・副社長が準備して下さったレストラン で頂き、懇親会を実施させて頂きました。 その後、泉州市内を視察(開元寺・泉州海外交 通史博物館など)して、夕食を取りホテルに帰っ てまいりました。 本日は、バスでの移動時間が往復で 5 時間以上 と言うスケジュールで、2 日目は疲労困憊の内に 終了致しました。 株式会社ツルミ紙業 鈴木 大介 ビニール番線を上下に 4 本でベーリング 成田空港では早朝、小雪がちらついていた二月 十六日より三日間、神奈川支部は中国でも台湾に 近い厦門視察研修に出発致しました。 株式会社金澤紙業 秋山 俊之 参加者は組合支部から十三名、加えて、今回は 2 日目は朝 6 時 30 分起床で、8 時にホテルを出 現地業界視察の為、サイコリンク株式会社様から 発しバスに乗り込み約 210 kmの移動と言うハー 白社長、王さんが同行して頂き、総勢十五名での ドなスケジュールとなっております。 視察研修となりました。恥ずかしながら、この研 視察先としましては、蒲田市にあります泰盛包 修は私の初海外旅行となり、初日、厦門のホテル 装彩印有限公司を視察させて頂きました。 にチェックインするまではなかなか気持ちが落ち サイコリンクさんは泰盛包装彩印有限公司の原 着きませんでした。 料調達会社としてオランダ・イギリス・日本から 今回、研修に向かいました中国厦門ですが、華 古紙を調達して、泰盛包装彩印有限公司に原料を 僑の故郷と言われ、福建省の南東部九龍江の河口 出荷しているとの事。 に位置する港湾都市で、台湾海峡を隔てて台湾と 泰盛包装彩印有限公司は、 段ボールシート・パッ 対峙しています。厦門の中心は、本土と橋で結ば ケージ工場として 1993 年に設立された会社であ れた十三キロ程度の円形の厦門島で、高崎国際空 り、現在は天津・浙江省は稼働中であり、今後は 港も島内にあります。また、厦門島の南西にある 中国国内に 15 社のパッケージ工場を新設して コロンス島は、南京条約で開港以降の古い洋館が 行くとの事。 建ち並ぶ異国情緒豊かな観光地となっています。 中国国内でトップ 100 社に入っている優良企業 厦門は 1980 年に経済特区に指定され、華僑資本 であり、売上高としてはグループ全体で 100 億元 や日本企業が進出しています。 45 2012(H24)4-15 No.176 さて、日本を発って約四時間、眼下には厦門の は数多くの砲台が並ぶ敷地と兵舎を見学。今は気 街並みが見えてきます。市街地や本土と厦門島を 軽に観光客が訪れている場所ですが、厦門のすぐ 結ぶ厦門大橋の横をすり抜け、島の北端にある厦 先には、現在台湾が領土を主張している金門島が 門高崎空港に着陸です。 あり、 飾りとなっている砲台の向いている方向は、 この地の戦争の歴史を感じさせてくれました。一 番の見所は、現存する世界最大のクルップ砲で、 ギネスブックにも登録されており、長さは十四 メートルに及ぶものでした。 社内損紙をひとまとめにする(左側にベール在庫) 本社ビル前で経営陣と一同パチリ ここで観光を終えた我々に添乗員からアナウン ス。 「共産党会議で使用の為、研修で予定したホ テルは使えなくなりました。 申し訳ありませんが、 今、代わりを用意しておりますので・・・」 、程 自社グループにベールプレス(左側)して送り出す 度の差こそあれ、建国以来一党独裁制維持の中国 です。その代わりで用意頂いたシェラトンホテル 初日の天候は少し肌寒いくらいの曇り、専用バ は非常に快適で、中国で初めて起きたアクシデン スを待つこと三十分、乗車した一行は一路、観光 トは良い思い出となりました。 スポットである『胡里山砲台』へ向かいます。道 チェックイン後、バスで移動し懇親の夕べとな 中、街を観察しましたが、島内は道路が整備され、 りました。薄味の海鮮料理が福建の名物料理のよ カラフルな市内バスが頻繁に行き来しています。 うで美味しく頂けました。 島内の主な交通機関は路線バスのようで、運転マ 初日の厦門研修視察を通じ、自分の考えていた ナーはさておき、始点と終点、系統番号まで表示 以上の中国経済発展の速さを身近に感じました。 され整備されたバスのシステムは日本と全く変わ この中国というトレーラー並の大型車が今現在の りないものに見えました。街中は至るところ工事 ように高速で安全走行する為には、ドライバーの が行われており、建設中の高層ビルが目立ちます。 高度なテクニックと安全知識が必要です。テク 経済特区という地域性もさることながら、中国の ニックが欠けても、安全知識が欠けても、道を間 経済発展のスピードには驚かされます。 違えることも当然出来ない。今の中国はスピード 観光スポットである胡里山砲台へ到着した我々 を上げたまま高速走行しています。すぐ横にはイ 46 2012(H24)4-15 No.176 ンドという大型車も並びそうになって走っている た皆様、そしてサイコリンク株式会社の方々には 中で、中国のドライバーがどのような走りを見せ 大変お世話になり大変感謝しております。お蔭様 るのか目が離せません。 で右往左往することなく初の海外研修を終えるこ 今回の視察では、木下支部長を始め、同行頂い とが出来ました。本当に有難う御座いました。 泰盛包装の社長(左)と副社長 共に 40 才そこそこの若さ 広大な原紙倉庫から一貫生産 3 人のレポーター:奥から鈴木・滝沢・秋山各氏 コロンス島に向かう遊覧船内にて コロンス島でサイコリンク(株) 白 (Haku Syo)社長(右) 王丹 (Wang Danni)さん(左) 貿易経済でアモイは活気がある 経済格差?もの乞いも集る 開元寺前の観光スポットで 47 2012(H24)4-15 No.176 「試 験」 金久保 力雄 (株式会社今井) いた事に内容を暗記しておりました。 初めまして、私は株式会社今井野田営業所の金 試験場で題名にあわせて考えをまとめ試験をク 久保力雄と申します。 リアしたことを、今、考えると良い思い出に思え 今回のテーマが試験とのことで戸惑いもありま ます。 すが、思い浮かんだのが母と社会人になった後の 試験(テスト)にも多くの種類があると思いま ことです。 すが、物事に対する姿勢(考え方)等、職場の参 『試験を受ける』イコール『勉強』となると思 考になればと思い、私の好きな姿勢(考え方)等 いますが、私は好きな事はすぐに覚えますが、勉 を職場の皆さまに紹介しております。 強は面倒くさいとなるタイプです。 『素直な心で皆さんの知恵を集めてください、 私が小学生の頃だと思いますが、 母が突然(100 知識では有りません。自分自身で物事の本質を見 点とったら 100 円あげるよ)と言い出しました、 極めてください。それを職場その他で生かしてく それ以後、試験(テスト)で 100 円を貰う度に嬉 ださい。 』 しかったことを思い出しました、母は私を見抜い このような事も勉強ですか。長くなりそうなの ていたのかもしれませんね。 で終わります。 社会人になった後の試験は大変でした、昇格試 験です。 井 上 泰 彦 一般問題と論文ですが、 特に論文が大変でした、 一口に「試験」といっても入学試験や学力試験、 試験場で題名が提示されるのですが、原稿用紙 5 資格試験や就職試験など、その種類は様々です。 枚以内で提出しなさいとの試験です。 また、人を対象とする試験のほかにも動作試験や 原稿用紙に書くだけで時間が足りなくなりま 安全性の試験などの、物を対象とする試験もあり す、論文の書き方から勉強せざるを得なくなりま ますが、私の場合、試験という単語を聞いて最初 した。 に頭に浮かぶのは高等学校に入学するために受け 最低でも(現在の状況把握) (分析) 、 (問題点) 、 、 た入学試験です。 (王子斎藤紙業株式会社) (対策実行)、 (結果及び検討)を論じなければな 高等学校に入学するための入学試験というもの りませんでした、どこか環境 ISO の PDCA に似 は多くの人にとって本格的に受ける初めての試験 ていますね。 になるだろうと私は思っています。中には小学校 次に時間の問題を解決しなければなりませんで や中学校の入学試験や、幼稚園の入園試験のほう した、題名を適当に考えて原稿用紙に論文を書き が高校受験よりも先だろうとおもう人もいるので 時間を計ることにしました。 しょうが、幼稚園の頃の試験は当人が幼すぎて当 時間が足りません、訓練のつもりで 2 回ほど手 時の記憶はほとんどないでしょう。これから幼稚 直しを行い原稿用紙に論文を書いてみました、そ 園に入園しようとしている歳の子供が試験という こそこに時間をクリアすることができました。驚 ものを意識していないだろうと思います。 48 2012(H24)4-15 No.176 小学校や中学校は義務教育ということもあり、 に対する文句に応えて「大人になったら毎日が試 多くの場合無試験で入学できるので、本格的な試 験なんだぞ。 」と言う冴えない担任の先生の言葉 験という意味とは少し違うのではないかと思いま でした。 す。だからこそ、高校受験というものが、多くの 当時の私は何を言っているんだこのおっさん 人にとって初めて受ける本格的な試験ということ は・・・くらいにしか感じていない小生意気な若 になるのだと思います。 造でした。 どこの高等学校に入学するかでその後の進路も しかし、 國光に入社してからはまさに 「試験」 (試 変わってくるでしょうし、小学校や中学校の時と 練?)の連続。 は違い、多くの人が別々の学校に行くことになる 5 年の社会人経験を経ての転職で、意気込んで ので新たな友人関係での期待や不安もあります。 乗り込んだつもりが、全くの空回り。周りから見 もちろん中高一貫という例外もありますが、高校 られている、試されているという初めての感覚に 受験というのは、多くの人にとって人生の岐路に 戸惑い、委縮し何もできなかった入社当時の自分 なり得るものだと私は思っています。 がいました。 人生の岐路という意味では、高校受験だけでな そんな赤点だった私に、故深田前社長をはじめ く大学受験や就職試験も人生の岐路になります。 上司の方々からのアドバイス。 お酒の席での叱咤・ というよりも、高校受験が初めて経験した人生の 激励の言葉をいただいたのを今でも忘れられませ 岐路というだけで、大学受験や就職試験のほうが ん。今頃になり当時の言葉ひとつひとつが身に染 より一層重要で期待と不安が入り混じったものに みて感じるようになり、現在は、当時教えていた なります。これは私個人ではなく多くの人に言え だいた試験に対する答えを思い出しながら追試験 ることだと思います。高校受験から大学受験、そ を受けているのかもしれません。 して就職試験と、自分の進路を決める試験という お陰様で、今では前向きに日々の「試験」に向 物は、その人の人生においてとても重要なことだ き合えているような気がします。いくら感謝して と思います。 も足りません。仕事で成長した自分を見せていく 私個人として、最後に受けた試験は就職試験で しか返しようがないと思い、勉強の毎日です。 した。この大きな試験が終わり、社会人生活がス 3 月より組合の安全・防災委員会に出席させて タートして一年が過ぎようとしていますが勉強不 いただくことになりました。組合での活動をお手 足を実感する日々です。学生時代と違い短期的な 伝いすると同時に会社に持ち帰り水平展開を図っ 勉強の結果を求めるというよりも日々の積み重ね ていきたいと思っております。そして、あわよく の大切さを感じています。 ば先輩方が与えて下さっている将来役に立つ「試 まだまだ至らぬ点が多くありますが、頑張って 験」の答えをカンニング?していきたいと思って いきますのでよろしくお願いいたします。 おりますので宜しくお願いします。 山 室 一 敏 名 口 功 二 (株式会社國光) (東京紙業株式会社) 初めまして。みんなの広場初登場の㈱國光の山 今回のテーマは「試験」ですが、この言葉を聞 室と申します。 くと楽しく感じる人は少なく、嫌だなと思う人が 今回のテーマとても難しいです。試験に関して 圧倒的に多いのではないでしょうか。私も例外で 皆さんにお話しできるような、面白エピソードや はありません。小学校のときからテストをし、高 思い入れ等は一切ありませでした。 校入試をパスした後も中間、期末と試験だらけ。 その中で、考えに考え抜いて「試験」という言 日本での教育の過程でほとんどの人が試験に難色 葉で思い出したのが、学生時代、抜き打ちテスト を示すようになるのではと思います。 49 2012(H24)4-15 No.176 でも、よく考えてみると試験自体はそれほど嫌 テーマだと思いました。何せ体を動かす事は好き なものではなく、試験でよい結果を出すための勉 ですが、勉強は大の苦手で「試験」という事に関 強が辛いので、試験イコール辛い、となる気がし しては、良い思い出がほとんどありません。でも ます。勉強をしないで試験に臨めば当然落第点に 「試験」と言われ、まず頭に浮かんだのは学生時 なり、親や先生に叱られたり、追試となったりし 代の入学試験や、学生試験でした。私はあまり勉 ます。逆に勉強を十分にすることは大変ですが、 強に積極的な学生ではありませんでしたが、それ その見返りとしてある程度の点が期待できます。 でも人並みに「一夜漬け」をしていた事が思い出 これは当たり前のことであり、だれもが学生時代 されます。 に経験したことです。 社会人になってからは、共益・商会の前に1社 社会に出てからも様々な試験に出くわします。 佐川急便で働いていた事があります。佐川急便の 入社試験に始まり、簿記検定、各種資格試験など。 入社試験では、面接とテストがあり、面接では礼 これらの試験も学生時代のそれと同様に十分努力 儀正しさ、声の大きさ、借金が有るか無いかを聞 した人にはパスする可能性が大きくなります。実 かれました。 あとで佐川の上司に聞いた話ですが、 際に私も社会に出てからいくつかの試験を受けて 「借金がある方が返済の為に真面目に働くから」 きました。 と、聞かされました。20 年前の佐川は、辛くて やはり、事前に納得いくまでとはいわなくとも 辞める人が多かったですから。テストでは足し算 ある程度勉強したものは合格、そうでないものは や引き算、漢字の読み書きといった、簡単なテス 不合格でした。これは試験に関わらず、仕事を進 トでした。 (小学生並でした) めるうえでも同じではないかと思ったりもしてい 採用されると、 「江の島研修」という自衛隊並 ます。事前に十分な用意が出来ていればよい仕事 の研修が1週間ありました。ここまでが、佐川急 が出来るし、そうでなければ仕事は進まないもの 便の苦い思い出の入社試験でした。 です。こう考えると、試験を通してよい成果を出 共益・商会に入社してから「試験」という思い す方法を学んできたような気がします。私自身、 出があるとすれば、古紙リサイクルアドバイザー 今後も試験を受ける機会がまだあるだろうし、仕 の認定試験でした。いままでは、古紙リサイクル 事も続けるつもりですので、前段取りに力を注い アドバイザーの資格は講習を受けるだけだったの でいけるよう心掛けたいと思います。 ですが、今後は試験をすると聞いた時は、気が重 ただ、資格試験というものはかなりの数があり、 くなりましたね・・・。さすがに古紙関係のホー 自分にとって本当に役立つものとそうでないもの ムページを見て勉強しました。 「一夜漬け」です があるようです。自動車免許などは自分にとって けど。 実用的であり、取得した甲斐がありましたが、一 回答が○ ? だったので、解らなくてもどちらか 度も使わず忘れてしまっている資格もあるような に付ければ良いかという、運試しもありました。 気がします。やはり、試験を受けるからには合格 「結構、運は良い方なんで・・・」 (笑) し、その後も有意義に活用して初めて価値がある 共益・商会に入社し 20 年近く経ち最近では「試 ものだと思います。 験」 とは縁遠い生活をしていますが、 「 試験 」 とは、 その字の通り経験を試されている事と思い、日々、 駒 井 克 久 (株式会社共益・商会) 緊張感を持ち、自分の経験を共益・商会、古紙業 みなさんこんにちは。 界に活かしていきたいと思います。 株式会社共益・商会の駒井克久です。今回、広 つまり私にとっては毎日が「試験」を受けてい 報誌「かんとう」より原稿依頼があり、テーマが るようなものかもしれません。 「試験」と聞かされた時、私には、全く縁のない 50 2012(H24)4-15 No.176 わけですが、当業界はその 状況を見事に打破し今日に 古紙業界に入り、今感じること 至っています。それもその はず、古紙は人が集め、人 が加工して初めて世に送り 丸紅ペーパーリサイクル株式会社 出され、それぞれの過程で 飯牟礼直也 思 い が 込 め ら れ て い ま す。 ここまで念が込められてい る商品なので、多少のこと では落ち込んだりしないは 丸紅ペーパーリサイクル株式会社の飯牟礼(いい ずです。 むれ)直也と申します。昭和 54 年 6 月生まれ、医療 色々な方に古紙のイロハを教えて頂き、また叱咤 機器メーカーでの海外営業勤務を経て古紙業界に足 頂き、今日に至るわけですが、当業界は人で成り立ち、 を踏み入れて早 5 年、まだまだ勉強中の 32 歳です。 助け合い、またそのバランスが崩れることがない業 本文では短い年数ながらも小生が当業界に入り、 界だとつくづく思います。会社以上に人間が前面に 当業界をどう感じたかを綴りたいと思います。 出ているからこそ、世界に通じるリサイクル力、品 入社当時、古紙業界はニッチな業界だと思ってい 質が今日まで維持されているのではないでしょうか。 ましたが、古紙は立派な国際商品であり数多くの古 人にしかできないことが他業界と比べこの業界は強 紙問屋また多くのプレイヤーを有す業界とは思いも く出ていると思います。それが人間力という動力に しませんでした。 なり今後も発展していくのではないかと感じる今日 また当時は資源バブルということで面白いほどに この頃です。 国内外の古紙価格が上がっていた年でした。無理だ これからも助け合い、尊重し合いこの業界を生き と思われた値上げが素人の交渉でも簡単に通ってい て行く諸先輩方の後を追い、小生もこの業界で生き た時代ですのでエリート営業マンと勘違いしてもお て行きたいと思います。 かしくない頃だったかもしれません。 (その後のリー 最後になりますが、このような機会を頂いたこと マンショックで痛い目を見ることになるのですが…) で未だお会いしたことない方々にも本文をご高覧頂 リーマンショックで国内外の古紙需給のバランス くことができ有難く思います。今後とも宜しくお願 が崩れ、誰もが経験したことのない時代が到来する い申し上げます。 編 集 後 記 今年の夏にはロンドンオリンピ ながら一気に放出されてゆく様は ギリシャといえば昨年に債務問 ックが開催されます。毎回開催地 他の大会とは違うと言わざるおえ 題で世界中が注目していました。 に選ばれた国は長い年月をかけて ません。 今年こそ、景気が回復し政治が将 嗜好をこらしており、観る人々に オリンピックは古代ギリシャの 来を見越した政策を立ち上げ、そ 多くの感動を与えてくれます。今 オリンピアで4年に1度行われた れを私欲に走らず誠実に実行でき 回は夏季オリンピックとしては 競技会で、近代オリンピックはこ る官僚が支えるような国づくりの 30 回目の記念すべき大会となる の古代オリンピックをもとに 年になってくれたらなあ、などと ため、一層盛り上がりそうです。 1896 年にギリシャのアテネで初 儚い夢をみつつ春を待ちわびるこ 4年間のアスリートの努力と情熱 めて行われたのはよく知られてい の頃です。 が一つに集結され、火花を散らし ます。 小池 茂男 51 2012(H24)4-15 No.176 関東製紙原料直納商工組合 組織図【支部・近代化推進事業および外部委員会】 総会 平成24年4月1日 現在 監事 ・中田 章 ・永田 耕太郎 理事会(役員会) ★理 事 長:大久保 信隆 ◆副理事長:山室 泰洋 ◆副理事長:瀧本 義継 ◆副理事長:須長 利行 ◆副理事長:藤川 達郎 ◆副理事長:齋藤 米藏 ◆副理事長:梶野 史 正副理事長会 総務・財務委員会 ◎委員長:◆山室 泰洋 需給安定基金運営委員会 ◎委員長:★大久保 信隆 経営革新委員会 ◎委 員 長:◆梶野 史 ○副委員長:棚橋 和利 ○副委員長:新井 重樹 安全防災委員会 ◎委 員 長:◆齋藤 米藏 ○副委員長:山室 新太郎 需給予測部会 需給委員会 ◎部 会 長:高橋 成治 ◎委 員 長:◆藤川 達郎 ○副委員長:新井 勝夫(オフィス古紙、その他紙担当) ○副委員長:高橋 成治(需給予測担当) ○副委員長:鈴木 斗史雄(輸出、国内需給担当) 渉外広報・IT委員会 ◎委 員 長:◆須長 利行 ○副委員長:小池 茂男 総合運営委員会 ◎委員長:★大久保 信隆 支部長会議 ◎議 長:◆瀧本 義継 三紙会(諮問機関) ◎会 長:斎藤 大介 ○副 会 長:高橋 德行 ○副 会 長:近藤 行輝 ○副 会 長:平松 邦明 ・相 談 役:近藤 國宏 (Ⅰ)かんとう編集部会 ◎部 会 長:小池 茂男 (Ⅱ)IT活用部会 ◎部 会 長:名古路 勝彦 ○副部会長:佐々木 兼一 (Ⅲ)プラン編集部会 ◎部 会 長:◆須長 利行 東京都東支部 ◎支 部 長:新井 勝夫 ○副支部長:増田 唯之 ○副支部長:◆齋藤 米藏 第1ブロック…(千代田・中央・港) 第2ブロック…(文京・台東・荒川) 第3ブロック…(墨田・江東・葛飾・江戸川) 第4ブロック…(足立) 東京都西支部 ◎支 部 長:平松 邦明 ○副支部長:◆梶野 史 ○副支部長:中田 章 第1ブロック…中田 章 (大田・世田谷・品川・渋谷・新宿・目黒) 第2ブロック…◆梶野 史 (北・板橋・豊島・練馬・中野・杉並) 東京都多摩支部 ◎支 部 長:小池 茂男 ○副支部長:土方 十四江 神奈川県支部 ◎支 部 長:木下 一升 ○副支部長:◆須長 利行 ○副支部長:金澤 基彦 横浜・川崎ブロック…伊藤 裕久 湘南ブロック…岡村 雄司 相模原・厚木ブロック…関 高男 千葉県支部 ◎支 部 長:斎藤 大介 ○副支部長:佐久間 浩 ○副支部長:栗原 正光 千葉ブロック…佐久間 浩 成田ブロック…斎藤 秀樹 船橋ブロック…栗原 正光 松戸ブロック…斎藤 大介 埼玉県支部 ◎支 部 長:近藤 豊 ○副支部長:今井 文男 ○副支部長:永田 耕太郎 京浜ブロック…太田 西部ブロック…四元 東部ブロック…小池 北部ブロック…山口 吉計 修 昌志 直 群馬県支部 ◎支 部 長:海原 健二 ○副支部長:斉藤 久雄 栃木県支部 ◎支 部 長:坪野谷 光男 ○副支部長:粕田 晃 茨城県支部 ◎支 部 長:水越 盛行 ○副支部長:植田 修一 外部委員会 事務局 ◎専務理事:富所 富男 古紙流通環境情報交換会 ◎委員長:◆須長 利行 リサイクルポート推進委員会 ◎委員長:◆藤川 達郎 ※理事長・副理事長は、氏名を太字にしています 52 組合員数 116 理 事 33 監 事 2
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