教育と哲学研究特論 - 日本教育大学院大学

科 目 名
科目区分
教育と哲学研究特論
科目コード
Research on Philosophy of Education
担当教員
教育研究専門科目A群<選択必修科目>
A-1(D038)
2単位
教 職
―
吉良 直
担当形態
(旧カリ:選択科目)
単 位 数
単独
【授業の到達目標及びテーマ】
教
育
研
究
専
門
科
目
/
A
群
(1)各回の授業で扱う教育哲学者の文献や関連するビデオ教材に関して、自分の意見をまとめクラスメート
に説明できること、(2)受講生がよく知っている母校(または勤務校、実習校)の教育理念と実情について、
自分の経験も踏まえて分析的にまとめることができること、(3)授業で扱った2人以上の教育哲学者の教育
理念をまとめ、日本の学校事情や自分の教育理念と比較しながらまとめ、発表できることを到達目標とする。
グローバル化した社会における教育改革が目まぐるしく進展する中で、常識や当たり前に思っていることを疑
うという哲学的視点を身につけ、日本の学校教育や受講生自身の教育理念について再考することをテーマとす
る。
【授業の概要】
教育哲学の役割は、個人と社会の関係性の中で、社会における教育の目的を明確にし、教育実践に指針を与え
ることである。19世紀後半からの社会変革は目覚ましいものがあり、それに伴い現代的問題に対応する形でさ
まざまな教育哲学が生み出されてきた。本科目では、ロック、ルソー、カント等の古典的な教育哲学者よりも
むしろ、デューイ、フレイレ、ノディングズ等の20世紀初頭から活躍してきた教育哲学者に焦点を当て、その
教育思想を検討していき、日本の教育界への示唆を導き出すことを目指していく。
【授業計画】
第1回 コース紹介、自己紹介
第2回 教育哲学とその今日的意義とは、受講生の教育哲学
第3回 ジョン・デューイ『子どもとカリキュラム』
第4回 ジョン・デューイ『学校と社会』第1章
第5回 ジョン・デューイ『学校と社会』第2章
第6回 ジョン・デューイ『学校と社会』第3章、デューイのまとめ
第7回 ダニエル・グリーンバーグ『「超」教育』抜粋
第8回 パウロ・フレイレ『被抑圧者の教育学』第2章
第9回 ネル・ノディングズ『学校におけるケアの挑戦』第5章、第9章
第10回 コミュニタリアニズムの思想
第11回 宮寺晃夫「教育研究と『ポストモダンの視点』」
第12回 新自由主義思想、新保守主義思想
第13回 佐藤学『教育改革をデザインする』抜粋
第14回 最終課題の発表
第15回 最終討論−日本の教育界への示唆
定期試験
【テキスト】
ジョン・デューイ著(市村尚久訳)『学校と社会・子どもとカリキュラム』講談社学術文庫、1998.
上記の著作以外は適宜プリントを配布する.
【参考書・参考資料等】
新井保幸・高橋勝編『教育哲学の再構築』学文社、2006.
ダニエル・グリーンバーグ著、大沼安史訳『「超」教育』一光社、1998.
佐藤学『教育改革をデザインする』岩波書店、1999.
中野光・志村鏡一郎編『教育思想史』有斐閣新書、1978.
ネル・ノディングズ著、佐藤学監訳『学校におけるケアの挑戦』ゆみる出版、2007.
パウロ・フレイレ著、小沢有作他訳『被抑圧者の教育学』亜紀書房、1979.
宮澤康人編『近代の教育思想(三訂版)』放送大学教育振興会、2003.
<英文>
Cahn, S. M.(1997). Classic and Contemporary Readings in the Philosophy of Education. New York: The McGraw-Hill Companies, Inc.
Noddings, N.(1998). Philosophy of Education. Boulder, CO: Westview Press.
【評価】
上記の授業の到達目標の3点を等分に評価する。
(1)各回の授業で扱う教育哲学者の文献や関連するビデオ教材に関して、自分の意見をまとめクラスメート
に説明できる。(コメント作成と発表)
(2)受講生がよく知っている母校(または勤務校、実習校)の教育理念と実情について、自分の経験も踏ま
えて分析的にまとめることができる。(中間課題−レポート)
(3)授業で扱った2人以上の教育哲学者の教育理念をまとめ、日本の学校事情や自分の教育理念と比較しな
がらまとめ、発表できる。本科目の前半で読むデューイの思想を、旧教育、新教育、オキュペーション
等のキーワードを基にまとめることができる。(最終課題−レポート、発表)
20