2007年度 ビジネス研究科ビジネス専攻 自己点検・評価報告書 ビジネス専攻主任 湯本祐司 1.現状の説明 2006 年 4 月に開設したビジネス専攻は今年度完成年度を迎え、3 月に 56 名の第 1 期修 了生を送り出した。第 1 期の入学者は 61 名であるから、標準年限で修了した学生の割合 は約 92%である。また、今年度入学した学生は 32 名である。そのうち 1 名は進路変更の ために退学したが、31 名は進級要件を満たし,2 年次に進級した。 ビジネス専攻の設置の趣旨・目的を達成するために、2007 年度は計 7 回の FD 研修会を 行い、継続的に教育の質の維持向上の向上を図ってきた。また、授業および学習環境につ いて学生からの意見聴取を行い、各教員の自己点検・評価に反映させ、さらに FD 研修会 にフィードバックして、教育の質の維持向上に努めてきた。具体的には授業評価調査(記 述式)および教育の質調査(5 段階評価)を各学期末に、満足度調査(5 段階評価および 記述)を年度末に実施した(修了予定者対象)。授業評価および教育の質については調査結 果を踏まえて、各教員が自己点検・評価報告を行い、学期ごとに冊子にまとめた。そして FD 研修会で改善を議論してきた。満足度調査についても、調査結果をまとめて、FD 研修 会で改善を検討した。このようにビジネス専攻は教育の質の維持向上を継続的に検証する プロセスを定め、学生からの意見聴取を自己点検・評価に反映させるよう努めている。 2.点検・評価 ① 教育 本年度は学生の授業評価の向上を教育の主な目標とした。教育の質調査の結果、春学期開 講科目の評価は、前年度の評価に比べて、全体の平均値が 0.10 ポイント向上した。さらに 秋学期開講科目の評価は、前年度の評価に比べて、全体の平均値が 0.42 ポイント向上した。 また、2 年連続して開講した 27 科目のうち、23 科目で評価平均値が向上した。低下した 科目についても低下はわずかであり、最頻値も低下した科目はない。このように学生の授 業評価の向上についてかなりの程度目標を達成したといえる。 学生からの意見聴取、FD 研修会にくわえて、いくつかの施策を行った。第 1 に、学生 用に第一線で活躍する実務家を招いて講演会を開催し、さらにその後の懇親会で講師との 交流の場を作り、学生の実践的知識の向上、モチベーション向上、人的ネットワーク形成 の助けとした。昨年度は 2 回開催だったが今年度は 3 回に回数を増やした。第 2 に、学生 のグループワークの環境を改善するために、土曜日 5 限以降に J 棟のいくつかの教室を確 保した。第 3 に、2 年次の必修であるプロジェクト研究について、学生の研究成果の集成 と保存および今後のプロジェクト研究の参考資料とするために要旨集を作成した。第 4 に 学生の学業奨励のため、プロジェクト研究および学業優秀修了者の表彰制度を設けた。 ② 研究 専任教員 15 名(うち実務家教員 5 名)全体の 2007 年度の著作数および論文数(著作、論 文とも共著含む)は 4 および 27(うち査読付き論文は 7)である。昨年度はそれぞれ 3 と 19 であるからかなり増加している。また、学外の研究者・実務家と交流を図り、研究能力 向上のために専任教員がワークショップや研究プロジェクトを企画・実施した(マーケテ ィング、ファイナンス、国際会計) 。さらに、各教員が自主的な学内研究会・勉強会を実施 あるいは参加し、研究能力の向上に努めた。 ③ 願者数・合格者数・入学者数 2008 年度入学審査では志願者 50 名、合格者 45 名、入学者 42 名であり、前年度の数字(志 願者 45 名、合格者 36 名、入学者 32 名)を上回ったが残念ながら目標の入学定員確保は 達成することができなかった。説明会を 8 回(うち 2 回は大学院合同説明会)おこない、 教員だけでなく在学生にも学生相談員として協力してもらったり、説明会の後に講演会を 催す等の工夫をした。また、リーフレットを改訂し、在学生の声をいれるなどより潜在的 志願者にアピールする内容にした。このような工夫にかかわらず、志願者があまり大きく は増加しなかった。 3.長所と問題点 修了者を対象にした満足度調査の結果では、総合満足度は 23.6%が「非常に満足」、58.2% が「満足」、10.9%が「どちらでもない」、7.3%が「不満」であり、 「非常に不満」という回 答はなかった。8 割以上の学生が「非常に満足」あるいは「満足」と答えたこと、昨年度 の同様の調査よりも平均値で 0.31 ポイント向上したことは評価に値すると考える。学生へ の連絡体制、学生間、および教職員とのコミュニケーション、専門的知識の向上について 高い満足度が調査の結果としてでている。また、質問項目のほとんどすべてにおいて昨年 度よりも平均値が向上している。修了生の団結力は強く、同窓会(名称:南山ビジネスス クール同窓会)を立ち上げた。 問題点として、2 年連続して定員確保できなかった点は大きい。ビジネス専攻の設置の 趣旨・目的、その特色・魅力を広く社会に発信していく必要性がある。 4.将来の改善・改革に向けた方策 本年度末に本専攻の Web ページのリニューアルを行った。Web ページを積極的に活用 し、ビジネス専攻の特色・魅力を広く社会に発信していく。そして志願者増につなげてい く。 昨年度に引き続き、社会のニーズにより適合したカリキュラムにしていくために、学生 や企業等から意見聴取を行い、見直しを行っていく。
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