眼 鏡 光 学

眼 鏡 光 学
例題 1. フレームにある表示で 54□16 135 は
a. ボクシングシステムでフレーム PD が 70 ㎜
である
b. ボクシングシステムで顔幅が 135 ㎜
である
c. データムラインシステムで玉型最大径が 54 ㎜
である
d. データムラインシステムで玉型が 54 ㎜
である
e. データムラインシステムで顔幅が 135 ㎜
である
解答:a
解説:□:ボクシングシステム
54:玉型サイズ
16:鼻幅
135:テンプルの長さ
フレームPD
玉型
サイズ
鼻幅
例題 2. 遠用メガネの許容プリズム量が 1.25≦│ D │≦6.00 では BI プ
△
△
リズムは 0.5 以内、BO プリズムは 1.0 以内である時、次の処方にお
ける仕上がり光学中心間距離の許容範囲はいくつになりますか。
R:S−3.00
C−1.00 Ax90゜
L:S−2.00
C−2.00 Ax90゜ PD62(㎜)
a. 58.50 ㎜
から 64.50 ㎜
b. 59.50 ㎜
から 64.50 ㎜
c. 59.50 ㎜
から 63.25 ㎜
d. 60.75 ㎜
から 64.50 ㎜
e. 60.75 ㎜
から 63.25 ㎜
−27−
解答:c
解説:左右共に 180°の屈折力は−4.00D
BI プリズム許容 マイナス度数 光学中心間距離
⇨
⇨
が広くなる許容
P=Dh より0.5=4×h h=0.125(㎝)
1.25 ㎜
広くてもよい
BO プリズム許容 マイナス度数 光学中心間距離
⇨
⇨
が狭くなる許容
P=Dh より1.0=4×h h=0.25(㎝)
2.5 ㎜
狭くてもよい
よって許容は 59.50 ㎜
から 63.25 ㎜
例題 3. レンズメジャー(屈折率 1.523 用)で計測したら
球面カーブ:+3.00D、ベースカーブ:−5.25D at120°、クロスカー
ブ:−6.00D at30°であった。このレンズの屈折率が 1.70 の時、実
際の屈折力は
a. S−3.00
C−1.00 Ax30゜
b. S−3.00
C−1.00 Ax120゜
c. S−2.25
C−0.75 Ax30゜
d. S−2.25
C−0.75 Ax120゜
e. S−2.25
C−1.00 Ax30゜
解答:b
解説:120°方向
1.523−1
−2.25=
×D 0 =−3.00
1.7−1
30°方向
1.523−1
−3.00=
×D 0 =−4.00
1.7−1
−4.00−(−3.00)=−1.00 よって S−3.00
C−1.00 Ax120゜
−28−
例題 4. 枠 PD72 ㎜
、玉型最大径 56 ㎜
のフレームを用いて仕上がり光学
中心間距離を 60 ㎜
に仕上げるためには、何ミリのレンズ生地径が必
要か(ただし、加工上の余裕は考慮しない)。
a. 56 ㎜
b. 62 ㎜
c. 65 ㎜
d. 68 ㎜
e. 72 ㎜
解答:d
解説:72−60+56=68( )
㎜
例題 5. PD60 ㎜
、枠 PD75 ㎜
、玉型サイズ 56 ㎜
のフレームに 65 ㎜
径の
レンズを用いてメガネを調整したい。何ミリの偏心加工をすれば良い
か(ただし、加工上の余裕は考慮しない)。
a. 1 ㎜
内方
b. 2 ㎜
内方
c. 3 ㎜
内方
d. 2 ㎜
外方
e. 3 ㎜
外方
解答:c
解説:75−60+56=71(必要レンズ生地径)
使用するレンズの生地径は 65 ㎜
なので偏心が必要になる。
71−65
偏心量=
=3(㎜)
2
△
例題 6. PD が 58 ㎜
の人に、左右 S−4.00 で両眼合わせて 5 BI の処方を
したい。仕上がり光学中心間距離はいくつにすればよいか。
a. 59.25 ㎜
−29−
b. 62.50 ㎜
c. 70.50 ㎜
d. 45.50 ㎜
e. 58.75 ㎜
解答:c
解説:マイナスレンズで BI 処方 光学中心間距離を広げる
⇨
P
5
P=Dh より h= = =1.25(㎝)⇨12.5(㎜)
D 4
58 ㎜
+12.5 ㎜
=70.5 ㎜
例題 7. 頂点間距離 9 ㎜
、角膜頂点から眼球回旋点までの距離 14 ㎜
、前
傾斜角が 10゜の時の理想的な垂直偏心量を求めなさい(ただし、水平
視時の視線とレンズが交わる位置を基準とする)。
a. 2 ㎜
下方
b. 3 ㎜
下方
c. 4 ㎜
下方
d. 3 ㎜
上方
e. 4 ㎜
上方
解答:c
解説:h=(d+e)×0.0174 θ=(9+14)×0.0174×10≒4.00
例題 8. 次の文章の中で間違っているものを選びなさい。
a. 不同視眼鏡の光学中心の高さが正しく設定されていないと、上下プ
リズムが発生し眼精疲労の原因になることがある。
b. 平面タッチテストはテンプル開き角をチェックする方法である。
c. 右テンプル先曲げ位置が早すぎると、フレームが傾き右レンズが高
くる。
d. 左テンプルの開きが狭いと左レンズが顔から離れる。
e. テンプル開き幅が狭すぎると眼鏡は下がりやすくなる。
−30−
解答:b
例題 9. 不同視であり老視である人に適する眼鏡を次の中から選びなさい。
a. 累進屈折力レンズ
b. バイフォーカルレンズ
c. トライフォーカルレンズ
d. 遠用眼鏡と近用眼鏡の使い分け
e. キャタラクトレンズ
解答:d
例題 10. 例題. S−7.00D の眼鏡を頂点間距離 14 ㎜
の位置で装用してい
る人がコンタクトレンズに変えるときの換算値は?
a. −6.25D
b. −6.38D
c. −7.00D
d. −7.26D
e. −8.12D
解答:b
解説:
+14㎜
D=
D0
=
1−dD0
−7
=−6.375…
14
1−
(−7)
1000
−6.38D
−7.00
例題 11. 遠点が眼後 66.7 ㎝
、近点が眼前 12.5 ㎝
の人の調節力は?
a. 6.50D
b. 7.50D
c. 8.50D
d. 9.50D
−31−
e. 10.50D
解答:d
解説:
調節力=
1
1
1
1
−
=
−
=9.499…
遠点距離 近点距離 0.667 −0.125
9.50D
例題 12.裏面乱視レンズで表面カーブ 5.00 カーブ、 S+2.75
C+1.25
のベースカーブとクロスカーブはそれぞれいくつになりますか。
a. ベースカーブ−1.00D、クロスカーブ−2.25D
b. ベースカーブ−1.25D、クロスカーブ−2.00D
c. ベースカーブ−1.50D、クロスカーブ−2.25D
d. ベースカーブ−1.75D、クロスカーブ−2.75D
e. ベースカーブ−2.75D、クロスカーブ−4.00D
解答:a
解説:
+5.00
+5.00
例題 13. S−2.25
a. −2.25D
b. −2.75D
c. −3.50D
d. −4.25D
e. −5.25D
?
+
+4.00
?
=
+2.75
ベースカーブ −1.00カーブ
クロスカーブ −2.25カーブ
C−3.00Ax140゜の180゜方向の屈折力は?
解答:c
解説:
−32−
−3.00
50°
40°
0.00
D 180=−3.00×cos250゜
=−1.239…
−2.25+(−1.24)=−3.49
−3.49D
例題 14. 合成プリズム量と基底方向を求めなさい。
R:S−5.00 5.0 Δ BO 1.5 Δ BU
L:S−4.50 5.0 Δ BO 1.5 Δ BD
a. R :6.50 base163゜、L:6.50 base343゜
b. R :6.50 base163゜、L:6.50 base167゜
c. R :6.50 base167゜、L:6.50 base343゜
d. R :5.22 base167゜、L:5.22 base343゜
e. R :5.22 base163゜、L:5.22 base343゜
解答:e
解説:
5
1.5
θ
5
θ
1.5
R
L
R:P3= P1 2+P2 2 = 5 2+1.52 = 25+2.25 = 27.25 =5.220…
tanθ=
1.5
=0.3 ∴θ=16.699…
5
L: P3=5.220…
180−16.7=163.3
360−16.7=343.3
Δ
R :5.22 BASE163.3゜
L:5.22 Δ BASE343.3゜
例題 15. プリズム処方する場合の芯取り点の位置を求めなさい。
ただし、芯取り点の位置は光学中心を基準とする。
R:S−5.00
C−2.00Ax120゜ 2.0 Δ BI
a. 171゜方向に 2.2 ㎜
b. 171゜方向に 3.2 ㎜
c. 351゜方向に 1.2 ㎜
−33−
d. 351゜方向に 2.2 ㎜
e. 351゜方向に 3.2 ㎜
解答:e
解説:
−5.00
120゜
−7.00
P1 30゜
h1
2.0Δ
BI
h2
P1=2cos30=2×
P1=D 1h1 より h1=
P2=2si n30=2×
P2
3
= 3
2
3
72
D1
=
3 ㎝
( )
7
1
=1
2
P2=D 2h2 より h2=
h3= h1 2+h22 =
P1
P2
1
= =0.2
D2
5
+0.2 2 =0.3181…(㎝)
h2
= 0.2 = 7 =0.8082… ∴θ=38.94…
h1
3
5 3
7
38.94−30=8.94 360−8.94=351.06
tanθ=
芯取り点は光学中心より351.1゜
の方向に3.2㎜離れた位置にある
例題 16. レンズ生地径 65 ㎜
、D=−5.00、 n =1.523、6 ㎜
内方偏心し
たレンズの片肉差を求めなさい(ただし近似式で求めてよい)。
a. 0 ㎜
b. 1.2 ㎜
c. 2.8 ㎜
d. 3.7 ㎜
e. 4.2 ㎜
解答:d
解説:
φh(D 1+D 2)
65×6×(−5)
=
=−3.728…(㎜)
1000(n−1)
1000×0.523
3.7㎜
例題 17. 4 枚のレンズを用いる複式アルバイトで、遠近両用眼鏡を調整
−34−
する場合、遠用加入レンズ(外側のレンズ)は、近用レンズ(内側
のレンズ)の光学中心よりどの方向へ何 偏心すればよいか求めな
㎜
さい。
R:S−3.50
C−1.00Ax180゜ 加入度数 +2.00D
L:S−4.00
C−0.50Ax180゜ 遠用PD64㎜ 近用PD60㎜
a. R:3.5 ㎜
耳側、L:4.0 ㎜
耳側
b. R:3.5 ㎜
鼻側、L:4.0 ㎜
鼻側
c. R:3.5 ㎜
耳側、L:4.0 ㎜
鼻側
d. R:4.0 ㎜
鼻側、L:3.5 ㎜
鼻側
e. R:4.0 ㎜
耳側、L:3.5 ㎜
耳側
解答:a
解説:
−4.50
−3.50
h=
L
h=
近用PD
−4.00
D 1=−1.50
D2=−2.00
R
遠用PD
−4.50
D1=−2.00
D2=−2.00
p(D 1+D2)
D2
=
p<0
p>0
R
L
p=
D1+D 2=遠用度数
D2=−加入度数
64−60
=2
2
−2(−1.50−2.00)
=−3.5(㎜ )
−2.00
2(−2.00−2.00)
=4.0
−2.00
R:近用レンズの光学中心より3.5㎜耳側へ偏心
L:近用レンズの光学中心より4.0㎜耳側へ偏心
例題 18. 誤りのある文章を選びなさい。
a. NT 合金はチタンとニッケルの合金で超弾性特性を持つ。
b. プラチナは白金属金属である。
c. チタンは比重が約 4.5 で、軽金属である。
d. オプチルは可燃性なのであまりフレームには用いられなくなった。
e. ホワイトゴールドは金合金である。
解答:d
−35−
例題 19. 正しい文章を選びなさい。
a. アッベ数の高いレンズほど色収差も大きい。
b. アッベ数の高いレンズほど球面収差が小さい。
c. アッベ数の高いレンズほど非点収差が小さい。
d. アッベ数の高いレンズほど屈折率が大きい。
e. 正しい答えはない
解答:e
例題 20.
D 1 =+3.00、D 2 =−10.00、レンズ生地径62㎜、n=1.80
中心厚=0.5㎜のとき縁厚を求めなさい。
(ただし、近似式で求めればよい)
a. 3.7 ㎜
b. 4.2 ㎜
c. 4.7 ㎜
d. 5.2 ㎜
e. 6.8 ㎜
解答:c
解説:
de=dc−
a 2(D1+D2)
2000(n−1)
=0.5−
312×(−7)
=4.704… (㎜ )
2000×0.8
4.7㎜
例題 21. S+8.00D、n=1.5、視線に対し 10°前傾したときの屈折力を
求めなさい。
a. S+8.00
C+0.38 Ax90゜
b. S+8.00
C+0.38 Ax180゜
c. S+8.08
C+0.25 Ax90゜
d. S+8.08
C+0.25 Ax180゜
e. S+8.25
C+0.38 Ax180゜
−36−
解答:d
si n 2 10゜
解説:D S =8×(1+
)=8.08
2×1.5
D C =8.08×tan 2 10゜=0.2512
D S +8.08
D C +0.25 Ax180゜
例題 22. 屈折面(単球面)に対し、5°の傾角で入射した光線の像の高さ
が、7 ㎜
(倒像)であったとする。この屈折面の屈折力を求めなさい。
a. −5.50D
b. −8.00D
c. +5.50D
d. +8.00D
e. +12.50D
解答:e
解説:
f=
y ′
tanθ
D=
1
f
′
=
−7
=−80.010 f :−80.01(㎜)
tan5゜
=−
1
f
= +12.498
D:+12.50(D)
例題 23. S−10.00D を角膜頂点より 12 ㎜
の位置で装用したときの S.M.
(%)を求めなさい。
a. −8.7%
b. −13.1%
c. +8.7%
d. +13.1%
e. +18.2%
解答:b
−37−
解説:
SM=
1
より 1−aD
a はレンズから入射瞳までの距離であるので 12+3=15mm
(角膜から入射瞳までの距離は約 3mm である)
1
SM=
=0.8695
15
1−
×(−10)
1000
(0.8695−1)×100=−13.05
(裸眼時より屈折補正時の網膜像は)13.1%縮小
例題 24. n=1.5、D2=−6.00 で拡大率 5%の平面サイズレンズの中心厚
tと前面屈折力 D1 を求めなさい。
a. +5.71D、12.5 ㎜
b. +6.53D、12.5 ㎜
c. +5.71D、8.6 ㎜
d. +6.53D、8.6 ㎜
e. +5.71D、5.8 ㎜
解答:a
解説:
t=
−10△n
D1 =
D2
−D 2
1−
より t =
−10×5×1.5
=12.5 t =12.5(㎜)
−6
t
D 2 より n
D1 =
−(−6)
=5.71
12.5
1−
×(−6)
1500
D 1 =+5.71(D)
例題 25. D V ′ =+4.00(D 1 =+10.00、t =4.5㎜、n=1.5) のレンズ
に更に 5%拡大効果を持たせたレンズを作りたい。 D 2 =−6.00
とするときのD 1 とt を求めなさい。
−38−
a.
b.
c.
d.
e.
+8.38D、8.6 ㎜
+9.24D、8.6 ㎜
+8.34D、12.3 ㎜
+9.24D、12.3 ㎜
+10.24D、8.6 ㎜
解答:d
解説:
SM=M 1 ×M 2 新しいSM=M 1 ×M 2 ×1.05
1
M 1=
1−
t
D1
n
=
1
=1.03092
4.5
1−
×10
1500
新しいM 1 =1.03092×1.05=1.0824 △=8.2(%拡大)
1
M1 =
=1.082 …①
1−
DV ′ =
t
D1
n
D1
t
1− D 1
n
+D 2
4=
より D1
t
1− D 1
n
+(−6)…②
② ①
に を代入して
10=
×1.082 D 1 =
D 1 =+9.24(D)
より ①
10
…③ 1.082
n
n×0.082
=1.082 t =
…④
D 1 ×1.082
n−t D 1
に を代入して(
④
③
n=1.5 )
1.5×0.082
t=
=0.0123
10
t =12.3(㎜)
×1.082
1.082
例題 26. 近視眼(S−8.00:頂点間距離 12 ㎜
)の 眼鏡レンズ前方 25.0
にある物点を見るときの調節力を求めなさい。
㎝
−39−
a. 2.89D
b. 3.00D
c. 3.19D
d. 4.00D
e. 4.12D
解答:c
解説:
D B =−
1
ℓ′
1
1
+
より
ℓ
ℓ′
=D B +
100
=−10.489
′
100
ℓ −d −
−1.2
12
DB
−8
DR =
=
=−7.2992≒−7.30
1−dD B
12
1−
×(−8)
1000
D W=D R −D A より D A =−7.30−(−10.49)=3.19
必要な調節力は 3.19D 正視眼よりも 0.63D 少ない調節力でよい
D W=
1
1
100
=−8+
=−12 ℓ ′ = 100 =−8.333
ℓ
−25
−12
=
例題 27. 正しい文章を選びなさい。
a. 眼軸性不同視眼は不等像視の観点からは、眼鏡より CL で屈折補正
した方がよい。
b. 屈折性不同視眼は不等像視の観点からは、眼鏡より CL で屈折補正
した方がよい。
c. 理論上、屈折性不同視眼は屈折補正レンズを頂点間距離 15.7 ㎜
の
位置で装用すれば、左右眼の網膜像の大きさはほぼ同じになる。
d. 理論上、屈折性不同視眼は屈折補正レンズを眼球の物側焦点の位置
に装用すれば、左右眼の網膜像の大きさはほぼ同じになる。
e. 正しい答えはない。
解答:b
−40−