インターネット・バッシングに物申す

文・大谷卓史
これって去年春にす
でに摘発されているサ
い
やぁ。笑ったね。
イトで(本誌VOL.1巻
何かってぇと、「インタ
末年表参照)、それも理
ーネット悪いやっちゃな
由は詐欺。「犯罪者の
ぁ」という昨年末からの新聞テレビ
方々にもご満足いただ
の報道ぶり。この文章が活字になる
ける内容」とうたいな
頃にはもうみんな忘れちゃっている
がら、なーんも商品は
かもしれないけどさ。
揃えておらず、お金を振り込んでも
してる」)も銃も、日本では「免許」
商品が送られてこないので警察にタ
という形で限られた人にしか使えな
レこまれて御用となった次第。
い仕組みになっているでしょ。
きっかけは、もちろん例の「ドク
ター・キリコ」事件。草壁クンこと
札幌市在住27歳男性がインターネ
で、このニュースはたぶん亡霊の
しかし、むしろインターネットは
ットで知り合った女性に青酸カリを
ごとく残っているこのサイトのミラ
電話に近いもので、直接の凶器には
送ったら、その女性がそれを飲んで
ーかなんかを、さも「インターネッ
ならない(電話で殴り殺すことはで
本当に自殺しちゃったって話。
ト怖いですねぇ」と紹介したわけ。
きるけど、これは本来の使い方じゃ
今回まじめな取材ぶりの『文藝春
あまりにトホホ度高くて泣けてくる
ない)。だから、使いたい人は誰も
秋』によると、この青酸カリは自殺
ぞ。テレビマンってエリート君だよ
が自由に使うべきで、悪戯に恐れる
志願者に「いつでも死ねるんだから、
ね、確か?
のもヘンだし、取り締まることには
もうちょっとがんばってみよう」と
もうここまでポイント外してまで
慎重であるべきだと思う。もちろん、
いうお守りのつもりで送ったらしい。
も、みんなが声を揃えてインターネ
親が子供に禁止するのは、電話と同
そしたら本当に飲んで死んでしまっ
ットを叩くとなると、これはもう今
様あってもいいと思うけど(ウチは
た、と。
年4月から施行される改正風営法(ほ
厳しかったので、ガキの頃電話は5
んとの名前は長いんだ、この法律。
分以内、用件のみ。いまのガキんち
ながり」幻想を打ち壊すという意味
中身を確認するためにも、今年度版
ょには信じられないかも知れないけ
では、意味があったかもしれない。
の六法全書を確認してみてちょ)へ
そう、他人は他人でしかないんだか
の景気づけか、春にも国会提出と言
ともあれ、インターネットも伝言
ら、自分の思うようには行動してな
われている警察庁&郵政省の不正ア
ダイヤルも、おそらく中世以後、貨
んかくれないわけよ、インターネッ
クセス対策法導入の露払いじゃない
幣経済が浸透したり、都市&交通路
トでも。簡単にわかりあえるなんて
かとか勘ぐりたくなってしまうわけ
思っちゃダメダメ。
これはこれでインターネットの「つ
どさ)。
が発達したりして、人間や商品の流
ですよ、被害妄想の強い私としては。
通・交通が促進されたのとあまり変
しかし、この後伝言ダイヤルで呼
で、「犯罪に使われるのでインタ
わらないでしょ。伝統的な人間関係
び出されてミン剤飲まされた女性が
ーネットは取り締まれ!」という文
を変えていく点では、良いんだか悪
凍死した事件が起こると、もうネッ
章は、「インターネット」を「電話」
いんだか人によって評価はすんごく
トも伝言も一緒というか、クソもミ
や「自動車」に置き換えてみるとヘ
分かれると思うけどさ。
ソも一緒という勢いでインターネッ
ンさが際だつはず。いくら凶悪犯罪
でまぁ、例の伝言ダイヤル事件後
ト・バッシングが大暴走。
に電話や自動車が使われても、誰も
に男性の申込みが増えたという噂も
それを取り締まれなんて言わないよ
あったんで、ネットもこれで盛り上
なぁ。不思議。
がってたりするのかね、とちょっと
で、揃いも揃ってポイント外して
るんだわ、ご存じのように(笑)
「じゃ、銃はどうなるんだよ」と
思ってみた。そうなると最近景気の
こんなに簡単に非合法な薬が手に入
いうツッコミに対しては、直接の
悪いプロバイダーは万々歳で、実は
る」とかしたりげに解説していたニ
「凶器」になりえるブツは取り締ま
ネット叩きはプロバイダーの陰謀だ
たとえば、「インターネットでは、
ュースがあったけど、そこで取り上
るべきだと応じておこう。だって、
ったりするとおもしろいとは思うけ
げていたウェブページが、例の「闇
直接の凶器になる自動車(なんつっ
ど、ンなこたぁないなぁ(笑)
の薬局」。
ても、交通事故で年間約1万人「殺