テナントビル等における防火管理の役割分担の明確化 (統括防火管理者

消防法が改正されました。
テナントビル等 における防 火 管 理 の役 割 分 担 の明 確 化
(統 括 防 火 管 理 者 と統 括 防 災 管 理 者 )
*1
テナントビル等の防火管理に関する消防法が改正され、建物全
体の防火管理を行う「統括防火管理者・統括防災管理者の業務」
について明確に定められました。
①
テナントビル等について、建築物全体の消防計画の作成、
共用部分(廊下、階段など)の管理等の防火管理業務を行
う「統括防火管理者」の選任を義務づけ。
② テ ナ ン ト ビ ル 等 に お い て は 、必 要 に 応 じ て 、統 括 防 火 管 理
者は各防火管理者に指示することができる。
③ テ ナ ン ト ビ ル 等 の う ち 大 規 模 な 建 築 物 に つ い て 、統 括 防 災
管理者の選任を義務づけ、防災業務及び統括防火管理者の
業務を行わせる。
[ 火 災 100 件 当 た り の 死 者 数 ]
○テナントビル等は倍増
※
1 . 1 人 ( S 62~ H2) → 2 . 3 人 ( H 19~ 22)
テ ナ ン ト ビ ル 等 及 び 一 般 住 宅 ( 5 . 0 人 → 9 .2 人 ) 以 外 の 建 築 物 は 減 少 傾 向 。
[ 改正後 ]
[ 現 行 ]
[統括防火管理者の役割]
○
○
建築物全体の消防計画の作成
廊 下 、階 段 、避 難 口 等 の 共 用 部
分の防火管理
○ 建物全体の避難訓練等の実施
統括防火管理者
(消防法施行規則に規定)
※その役割は不明確
建築物全体の
消防計画
管理権原者A
選 任 (8条 )
防火管理者
管理権原者B
選 任 (8条 )
防火管理者
管理権原者C
選 任 (8条 )
防火管理者
協
議
し
て
選
任
・
作
成
統括防火管理者
管理権原者A
指
示
選任
防火管理者α
管理権原者B
選任
防火管理者β
管理権原者C
選任
防火管理者γ
協
議
し
て
選
任
改正内容詳細
「 消 防 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 」( 平 成 2 4 年 6 月 2 7 日 法 律 第 3 8
号)が公布され、消防法が改正されました。
建築物全体の防火管理体制があいまいな複数の管理権原者のいるテ
ナントビル等を中心に多数の死者を伴う火災被害が頻発していること
からテナントビル等の防火管理体制が強化されたものです。
① テ ナ ン ト ビ ル 等 で 管 理 権 原 が 分 か れ て い る 建 物 で は 、そ の * 2 管 理 権
原 者 は 、建 物 全 体 の 防 火 管 理 業 務 を 行 う 統 括 防 火 管 理 者 を 定 め 、建 物
全 体 の 消 防 計 画 の 作 成 、避 難 訓 練 の 実 施 、当 該 防 火 対 象 物 の 廊 下 等 の
共用部分の管理等の防火管理業務を行わせなければならなくなりま
した。
② テナントビル等のうち大規模な建築物については、統括防災管理者
を 定 め 、防 災 に 係 る 消 防 計 画 の 作 成 、避 難 訓 練 の 実 施 等 の 防 災 管 理 業
務 を 行 わ せ 、統 括 防 火 管 理 者 の 行 う 業 務 を 行 わ せ な け れ ば な ら な く な
りました。
③ 施行日は平成26年4月1日ですので、管理権原者の方は統括防火
管 理 者 又 は 統 括 防 災 管 理 者 の 選 任 に つ い て 、施 行 日 前 の 選 任 、消 防 計
画の作成・届出に留意してください。
不 明 な 点 が あ り ま し た ら 、お 近 く の 消 防 署 及 び 出 張 所 ま で お 問 い 合 わ
せください。
*1テナントビル等
次のいずれかに該当し、管理権限が複数に分かれている建物です。
⑴ 高さ31mを超える高層建築物
⑵ 入 所 型 福 祉 施 設 の 部 分 を 含 む 建 物 で 3 階 以 上・収 容 人 員 1 0 名
以上のもの
⑶ 飲 食 店 、物 品 販 売 店 舗 等 の 部 分 を 含 む 建 物 で 3 階 以 上・ 収 容 人
員30名以上のもの
⑷ ⑵及び⑶に掲げる用途部分が含まれていない複合用途の建物
で5階以上・収容人員50名以上のもの
*2管理権原者
防火対象物のすべてにわたる管理を行う立場にある者を指しま
す 。一 般 に は 、防 火 対 象 物 の 所 有 者 や 管 理 者 、テ ナ ン ト を 経 営 す る
賃借人が該当します。