平成28年度 施政方針 橿 原 市 昨 年 10 月 25 日 の 市 長 選 挙 に お き ま し て 、 市 民 の 皆 さ ま の ご 支 持 を 賜り、3 期目のスタートを切らせていただきました。 私 は 、今 年 の 漢 字 に「 還 」を 選 ん で お り ま す 。平 成 28 年 は 橿 原 市 が 誕 生 し て 60 年 と い う 節 目 に あ た り 、人 間 で い う 還 暦 を 迎 え た こ と に な ります。ここでもう一度政策の再評価を行い、ゼロからのスタートを 切りたいと考えたからです。しかしながら、当時とは、大きく社会状 況が違います。しっかりとギアチェンジして、さらにスピード感をも って取り組んでまいります。 『 市 制 60 周 年 の あ ゆ み に 寄 せ て 』 平 成 28 年 2 月 14 日 に 「 市 制 60 周 年 、 宮 崎 市 姉 妹 都 市 50 周 年 」 の 記念式典を開催させていただきました。当日は、八木中学校マーチン グバンドの演奏で開会し、古代衣装を着用した畝傍高等学校音楽部の 先 導 で 国 歌 と 市 歌 を 参 加 者 全 員 で 歌 い ま し た 。そ の 後 、市 制 の あ ゆ み 、 お祝いコメントの上映、そして式典、お祝いの挨拶をいただき、感謝 状・祝状の授与を行っております。 橿 原 市 は 昭 和 31 年 2 月 11 日 、 奈 良 県 5 番 目 の 市 と し て 誕 生 し ま し た 。当 時 の 人 口 は 約 3 万 8 千 人 で し た が 、現 在 で は 約 12 万 4 千 人 に 増 え、県下第 2 の都市として発展し、近鉄大和八木駅や南阪奈道路、京 奈和自動車道の整備により、中南和地域の交流拠点都市としても大き な役割を担うまでに成長を遂げています。 市 と し て ま だ 生 ま れ て 60 年 で す が 、 歴 史 は 古 く 、 今 か ら 約 1300 年 前 の 694 年 に は 日 本 で 初 め て の 都 城 「 藤 原 京 」 が つ く ら れ 、 「 日 本 」 という国号を初めて国外に発信した場所であります。 ま た 今 年 は 、初 代 神 武 天 皇 が 崩 御 さ れ て 2600 年 と い う 大 き な 節 目 の 年でもあり、宮崎を出発点とした神武東征では、記紀万葉の神々に見 守られながら、橿原の地へおいでになり宮を開かれました。これが縁 で 結 ん だ 宮 崎 市 と の 姉 妹 都 市 も 今 年 50 周 年 を 迎 え て お り ま す 。 この日本の原点である橿原市を、誰もが住みやすい賑わいのあるま ち へ 、市 民 の 皆 さ ま と 一 緒 に 作 り 上 げ て い き た い 。さ ら に 市 制 60 周 年 1 を新たなスタート地点として、「したいをかなえたい」というキャッ チフレーズのもと、大切な歴史遺産や自然を日本のみならず世界に発 信し、次の世代へとつないでまいります。今年度におきましても、さ まざまな関連イベントを実施してまいりますので、市民の皆さまのご 参加を心待ちにしています。 『地方創生の取り組み』 国 は 平 成 28 年 度 か ら 創 設 す る 地 方 創 生 の 新 型 交 付 金( 地 方 創 生 推 進 交付金)を、安定的・継続的に事業に取り組めるよう、地域再生法に 基づく交付金として位置づけました。地域再生計画の認定を通じて複 数年度にわたる交付を可能としています。「生涯活躍のまち」(日本 版 CCRC)構 想 の 枠 組 み も 盛 り 込 ん で い ま す が 、ハ ー ド ル の 高 い 課 題 が あります。橿原市の持つポテンシャル(潜在的な可能性)をどうシテ ィセールスし、どのような評価をされるかが問われるからです。 また、少子高齢化が進む中で、人口問題は、一朝一夕には解決でき ません。「橿原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」をこの議会で報 告させていただきますが、これからの「橿原市人口ビジョン」につい て説明します。 本 市 の 人 口 は 、平 成 27 年 10 月 現 在 12 万 4 千 人 余 で す が 、国 の 関 係 機 関 の 推 測 に お い て は 、人 口 移 動 が 現 在 と 概 ね 同 じ 傾 向 で 推 移 す る と 、 45 年 後 の 平 成 72 年 に は 約 8 万 5 千 人 に 減 少 す る と 見 込 ま れ 、 産 業 ・ 雇用・福祉等さまざまな分野への影響が懸念されています。 そこで、人口減少問題について、本市が目指すべき将来の方向性を 提示したのが「橿原市まち・ひと・しごと創生総合戦略」です。 市民一人ひとりが、豊かな生活を安心して営むことができる地域社 会 の 形 成( ま ち )、地 域 社 会 を 担 う 個 性 豊 か で 多 様 な 人 材 の 確 保( ひ と )、 地域における魅力ある多様な就業の機会の創出(しごと)を一体的に 推 進 す る た め 、 次 の 4つ の 基 本 目 標 を 定 め ま し た 。 1. 地域の特性を活かしたしごとをつくる 2. 新たな人の流れや交流を増やす 2 3. 若い世代の結婚・妊娠・出産・子育ての希望をかなえる 4. 安心して便利に暮らせるまちをつくる こ の 基 本 目 標 に 向 か っ て 、 着 実 に 施 策 を 遂 行 す る こ と で 、 平 成 72 年 の 本 市 の 人 口 を 約 10 万 4 千 人 と し ま し た 。本 戦 略 の 基 本 目 標 を 市 民 の皆さまと共有し、地方創生の推進による、地域活力の創出を図って まいります。 また、奈良県知事が先導する奈良モデルにも積極的に参画し、広域 的な考え方で近隣市町村とも連携して取り組みを行っていきます。そ の先例的な取り組みである、広域連携によるまちづくり事業「飛鳥シ ティ・リージョン」は、国・内閣府でコンパクトシティ型モデル都市 として、地域活性化事業の認定を受けています。 『財政状況』 次に、本市の財政状況とこれからの展望ですが、歳入の根幹である 市 税 は 、 154 億 7,809 万 円 で 、 昨 年 度 よ り 若 干 の 増 収 を 見 込 ん で お り ま す 。 そ の 他 、 使 用 料 及 び 手 数 料 な ど を 含 ん だ 自 主 財 源 の 総 額 は 208 億 3,648 万 円 で 、歳 入 全 体 の 49.0% と な っ て い ま す 。国 庫 支 出 金 な ど の 依 存 財 源 は 、 144 億 163 万 円 で 歳 入 全 体 の 33.9% 、 地 方 交 付 税 な ど の 調 整 財 源 は 72 億 9,189 万 円 で 歳 入 全 体 の 17.1% と な っ て い ま す 。 健全な財政運営のためには、自主財源のさらなる確保が課題であり、 適切な債権管理に努め、事務事業の取捨選択を積極的に行い、これま で以上に重点的予算配分を行いました。 『新 3 大事業に向けて』 奈 良 県 と 平 成 27 年 3 月 に 締 結 し た 「 ま ち づ く り に 関 す る 包 括 協 定 」 に基づいて、県が進める奈良県立医科大学の教育研究部門の移転整備 及び医科大学附属病院の高度医療拠点としての再整備に関連し、新た なまちづくりを総合的に進めます。まちの中心に駅がある魅力的なグ ランドデザインを念頭におき、奈良県、県立医科大学及び本市が連携 し 、役 割 分 担 の も と 、ま ず は 、平 成 33 年 の 県 立 医 科 大 学 の 新 キ ャ ン パ 3 スのオープンに向け、橿原神宮の参道からのアクセス道路の整備を進 めます。 また、医学の視点を生かした新しいビジネスモデルや製品を生み出 すことを目的として、県立医科大学が中心になって医学を基礎とする ま ち づ く り( MBT)が 進 め ら れ て お り ま す 。こ の 取 り 組 み に も 積 極 的 に 参画し、産業の振興や雇用の創出に繋げてまいります。 さらに、運動公園から光陽中学校までの路線を整備します。これに より、奈良県広域消防本部の機能もさらに効率化でき、市民の安心・ 安全な暮らしに密接につながる重要な市道路線と位置づけております。 ま た そ の 先 に は 、歴 史 的 価 値 を 活 か し た 、緑 豊 か な 憩 い の 場 と し て「 新 沢 千 塚 古 墳 群 公 園 」 が あ り ま す 。 平 成 28年 4月 に は 、 北 群 の 「 健 康 づ く り・学習・交流拠点施設」と南北を結ぶ立体横断施設・駐車場がオー プンし、南群にある集客施設では、地域の皆さまと協力しながら地元 産の農産物を販売します。この公園は、多世代間の交流の場となるよ う、また、広く全国から来訪してもらえる新たな観光拠点となるよう に努めていきます。 平 成 28 年 5 月 頃 か ら 近 鉄 大 和 八 木 駅 南 側 の 市 有 地 に お け る 複 合 施 設 の建設工事が始まります。行政サービスの向上と観光客誘致における 新 た な 拠 点 づ く り と し て 推 進 し て い く 大 事 業 で す 。完 成 は 平 成 30 年 4 月を予定しており、それまで近隣の皆さまや八木駅を利用される方々 に ご 不 便 を お か け す る こ と と な り ま す が 、ご 協 力 を お 願 い い た し ま す 。 一方で、現庁舎につきましては、耐震性能に乏しく、新たな工法も 含めて検討しております。財政負担が大きいため、公共施設整備基金 を計画的に積み立てており、事業化に向けて最優先で取り組んでまい ります。また、八木駅北側においても魅力ある駅前空間への再整備に 努めてまいります。 『世界遺産登録と日本遺産』 本市が世界遺産登録に向けて取り組んでいる「飛鳥・藤原の宮都と その関連資産群」ですが、奈良県、桜井市、明日香村と連携し、登録 4 へ の 課 題 解 決 に 鋭 意 努 力 し て い る と こ ろ で す 。世 界 文 化 遺 産 登 録 に は 、 ユネスコの評価基準に照らした「顕著な普遍的価値」と併せ、保護、 保全に関する有効な保存管理が求められるため、構成資産の保存管理 計画書を策定し、早期の登録を目指しています。 一 方 で 、平 成 27 年 度 に お い て 文 化 庁 が 新 た に 創 設 し ま し た「 日 本 遺 産」につきましては、推古・皇極・斉明・そして持統女帝の女性たち が日本の礎を築いたことに改めて着目し、これまでとは違った新たな 飛鳥の物語「日本国創成のとき~飛鳥を翔た女性たち~」が日本遺産 第 1 号 と し て 認 定 さ れ ま し た 。当 時 の 女 帝 た ち の 活 躍 の 魅 力 を 発 信 し 、 この飛鳥地域の振興を図っていく上で、多言語化したポータルサイト の 構 築 、 W i - F i ( 公 衆 無 線 LAN) 環 境 を 整 え る 情 報 発 信 設 備 や 飛 鳥物語読本(概説編・推古女帝編)の作成、そしてモニターツアーの 実施など進めております。 さらに、飛鳥時代に製薬がはじまり、江戸時代に はその名が日本に 浸透し、現代も医療の重要な位置を占める「大和売薬」の歴史を日本 遺産に認定されるよう、本年 2 月に奈良県を申請代表として本市をは じ め 県 下 11 市 町 村 が 加 盟 し 、「 薬 の 発 祥 の 地 」( ~ 知 れ ば 知 る ほ ど お も し ろ い 奈 良 の く す り 1400 年 の 歴 史 ~ )で 申 請 書 を 提 出 し ま し た 。今 後、文化庁の審査を受けることとなりますが、次の日本遺産に認定さ れるように努めていきます。 『観光と産業の振興』 今井町は、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、多くの観 光客が訪れます。歴史的町並みの景観を保つための取り組み として、 景観整備の工事も継続的に実施しています。 藤原京と平城京を南北に結ぶ下ツ道と、伊勢につながる横大路が交 差する場所に位置する「八木札の辻交流館」は、江戸時代の旅籠の風 情を残し、多くの方に交流の場として活用していただいており、観光 資源としての有効活用も図ってまいります。 歴史的にも文化的にも共通点が多く、昨年に世界文化遺産登録にな 5 っ た 韓 国 公 州 市 と の 国 際 交 流 で す が 、引 き 続 き 本 市 の 中 高 生 を 派 遣 し 、 青少年の国際意識を高めると同時に、両市の友好関係をより深めてい きます。また韓国からは、釜山經商大学校の研修旅行生を昨年から受 け入れており、文化や人の交流を促進するため連携協力を交わし、今 後も継続していきます。 観光振興を進めるには、本市の観光情報の効果的な発信が重要であ り、首都圏や大都市圏でのシンポジウム・PR活動をはじめ、インバ ウンド観光等にも引き続き取り組みます。これにより、市民の皆さま の郷土に対する誇りや愛着を持続し、来訪者から定住者へ移行する可 能性も見えてきます。行政だけでなく、関係機関や市民との協働によ るイベントの実施も併せて、積極的な観光振興に努めます。 今 年 の「 春 の 神 武 祭 」は 、神 武 天 皇 2600 年 大 祭 を 迎 え る こ と も あ り 、 4 月 11 日 か ら 開 催 し 、17 日 の 参 道 パ レ ー ド を ク ラ イ マ ッ ク ス に 盛 り 上 げていこうと計画しています。また秋には、今井町・八木町で芸術イ ベントを開催し、新たな誘客のための観光イベントと位置づけるとと もに、冬には大和八木駅前において恒例の光の祭典「イルミネーショ ン in か し は ら 」 を 実 施 し 、 訪 れ る 人 々 を 出 迎 え て ま い り ま す 。 観光や生活の交通手段として、コミュニティバスを運行し 、春と秋 の観光シーズンにはボランティアガイドが同乗し観光案内を行ってい ます。さらに、奈良交通の路線バスが、橿原神宮前から千塚公園を経 て、曲川町にあるイオンモールや観音寺町へと新たな路線を運行しま す。 中小企業対策として、新たに創業支援融資の貸付枠を 1 億円確保し ました。また、経営の安定を支援するため、融資限度額が 1 千万円の 特 別 小 口 融 資 の 貸 付 枠 を 15 億 円 分 確 保 し て い ま す 。緊 急 に 融 資 が 必 要 な 方 に 対 し て は 、 融 資 限 度 額 200 万 円 の 緊 急 融 資 の 貸 付 枠 を 5 億 円 分 確保しており、市内の中小企業の方に支援を継続していきます。 6 『安心・安全なまちづくり』 ファシリティマネジメントとは、土地建物・設備等を、公共経営に とって最少のコストで最大の効果が得られるよう、運営及び維持を総 合的に管理する手法です。今後の人口減少や財政状況等を見据え、社 会ニーズに柔軟に対応するため、本市が保有管理するすべての施設を 対象として、ファシリティマネジメントの導入を順次進めます。 橿原市消防団の訓練・活動の拠点になっている「かしはら安心パー ク 」は 、各 地 域 の 自 治 会 や 自 主 防 災 組 織 の 方 々 が 利 用 し 、消 防・防 災 ・ 防 犯 な ど の 安 心 安 全 に つ い て 学 び 、技 術 を 習 得 さ れ て い ま す 。 「自分た ちの地域は自分たちで守ろう」という連帯感に基づき、防災意識の高 揚と災害対応能力の強化を図るため、消防団員の指導のもと、訓練に 取り組まれています。また、災害時の備えとして、生活物資及び避難 用備蓄品を橿原運動公園とかしはら安心パークへ、計画的に備蓄して います。併せて、関係団体との間において防災協定等を締結すること により企業備蓄を活用できるように取り組むとともに、姉妹都市の宮 崎 市 と 姉 妹 都 市 盟 約 50 周 年 を 記 念 し て 災 害 時 相 互 応 援 協 定 を 締 結 い たしました。 ま た 、市 民 の 皆 さ ま の 安 全 を 守 る た め 、自 主 防 災 活 動 の 推 進 を 行 い 、 青色防犯パトロール隊への助成や、市内全域の防犯灯をすべてLED 化するための取り組みを継続してまいります。防犯カメラの設置につ いても検討をしてまいります。 消費者行政の分野では、悪質商法や振り込め詐欺等の被害の未然防 止・拡大防止に向けて積極的な啓発を行うとともに、今後も消費生活 センターにおける相談体制を維持していきます。 『福祉・子育て支援』 少子高齢化を迎え、地域社会における福祉は大きく変容し、介護保 険制度も改正されています。 本市は地域包括支援センターの下に中学校区 7 箇所(八木中は 2 箇 7 所)に総合相談窓口を設置し、さらにきめ細やかな対応を行うため、 小 学 校 区 16 箇 所 に も 相 談 窓 口 を 整 備 し ま し た 。介 護 予 防・日 常 生 活 支 援事業としては、訪問型と通所型のサービスがありますが、利用しや すいサービスとなるように見直しを図ってまいります。 また、県立医科大学が主体となって進める医学を基礎とするまちづ く り( MBT)の 中 で 、今 井 町 内 に 、手 術 後 か ら 在 宅 ま で の 橋 渡 し と し て 、 まちなか医療拠点整備の方針にも協力してまいります。 市民の皆さまが心身の健康に不安を抱えることなく生活を送れるよ う、健康づくりの環境を整え、健康寿命の延伸につながるように総合 的な施策を実施してまいります。 障がいのある方の自立支援では、障がいの有無にかかわらず、お互 いを尊重し合える共生社会の実現に取り組むため、各種サービス・障 がい者自立支援事業の介護・訓練等給付費を継続していきます。 自立支援、就労支援の取り組みを積極的に行う中、国の経済状況は 回復の兆しを見せ、雇用状況の若干の回復が見込まれますが、生活困 窮に陥る方もおられますので、最後のセーフティネットである生活保 護行政につきましても、対応できるよう努めます。 子ども医療費については、これまでの未就学児から小・中学校まで の通院助成の範囲を拡大してまいります。 子ども・子育て支援について、これまで本市では、他に先んじて幼 保一体化事業として橿原市方式のこども園を進め、5 ヵ所のこども園 が誕生しています。また、私立の保育所の支援も充実させ、就学前の 保育及び教育環境における質の向上を図ってまいります。社会情勢や 保護者のニーズが変化する中で、安心して子育てができ、子育て世帯 が集まっていただけるように、待機児童の解消等計画的に対応してい きます。 放課後児童健全育成事業では、今井町内で空き家となっていた町屋 を改修し、今井放課後児童クラブの施設として生まれ変わりました。 また昨年設立した放課後児童クラブ運営協議会において、利用される 保護者の負担を軽減するため事務を一括管理しています。併せて、指 8 導員の身分の安定化と保育の向上を図っています。 『教育・人権・生涯学習』 地方教育行政の組織及び運営に関する法律が改正されたことから平 成 27 年 度 に 総 合 教 育 会 議 を 開 催 し 、市 長 部 局 と 教 育 委 員 会 と で 協 議 ・ 調整を図り、教育行政の大綱を策定することができました。その中で も新たないじめ問題への取り組みとして、いじめ防止基本方針を見直 し ま し た 。 今 後 も 引 き 続 き 「 こ こ ろ の ケ ア ル ー ム 」、「 き ず な プ ロ ジ ェ ク ト 」、「 ク ラ ス サ ポ ー ト 」 等 の 事 業 を 進 め て い き ま す 。 特 に 、 こ こ ろ のケアルーム事業での臨床心理士によるカウンセラー対応は、学校の 生徒や教諭に好評です。今年は小学校高学年にも試験的に導入してい きます。これまでの学校現場での相談対応の取り組みだけでなく、子 どもたちがいじめに直面した際に、ためらわないで気軽に相談できる ように、市・県及び警察等とも広く連携し、対応していきます。 子ども総合支援センターでは、発達障がい者支援及び特別支援教育 を行っておりますが、心理相談員等による保育所・幼稚園・小中学校 への巡回訪問などの支援を積極的に実施していきます。 さまざまな人権問題の解決に向けての取り組みとして、市民一人ひ とりが、人権を自分自身の問題として捉え、正しく理解できる講演会 や市民講座等の教育・啓発を行い、人権擁護と人権意識の高揚に努め てまいります。しかしながら、未だに差別事象等の人権問題が発生し ていますので、市民意識調査の実施や人権確立に向けた取り組みに、 よ り 一 層 努 力 し て ま い り ま す 。さ ら に 、男 女 共 同 参 画 社 会 の 形 成 で は 、 女 性 の 活 躍 を 一 層 支 援 し 、男 女 が と も に 活 躍 で き る 社 会 を め ざ し ま す 。 生涯学習の充実では、市民の皆さまが生きがいと誇りを持って日々 の生活を送ることができるよう推進します。子どもから大人まで、い つでも自由に学習できる場として、本市の各施設においてボランティ ア団体とも連携し、生涯学習施策を進めていきます。 9 『上下水道事業』 水 道 事 業 に お い て は 、平 成 28 年 4 月 か ら 現 在 約 2 割 残 っ て い る 自 己 水 を 大 滝 ダ ム 利 用 の 県 営 水 道 に 全 量 転 換 し 、八 木 浄 水 場 を 廃 止 し ま す 。 これに伴い現在稼動中の配水施設を一町配水場へ集約して運用します。 ま た 下 水 道 事 業 は 、4 月 か ら 水 道 局 と 統 合 し 、公 営 企 業 に な り ま す 。 民間企業と同様の精度の高い財務諸表を作成することにより、公営企 業の経営状況や資産等を正確に把握し、経営基盤の強化や財政マネジ メントの向上に取り組んでまいります。 『財政健全化と予算編成』 財政健全化においては、地方債残高の削減に取り組み、新たな事業 の実施にあたっては、経費を節減し、極力地方債の発行を抑えてまい り ま し た 。 市 長 就 任 時 、 532 億 円 あ っ た 一 般 会 計 の 地 方 債 残 高 も 、 平 成 27 年 度 末 見 込 み で 394 億 円 と な り 、138 億 円 の 減 と 着 実 に 減 少 し て います。しかしながら、人口規模や産業構造で区分される類似団体と 比較すると依然として高い状況にあるため、財政健全化は先送りでき ない課題と認識しており、これからも組織をあげて取り組んでいきま す。 こ の よ う な 理 念 に 基 づ き 編 成 い た し ま し た 平 成 28 年 度 の 当 初 予 算 は、 一般会計 425 億 3,000 万 円 特別会計 301 億 5,250 万 円 企業会計 100 億 8,076 万 4 千 円 公社会計 50 億 2,016 万 8 千 円 総額 877 億 8,343 万 2 千 円 一 般 会 計 を 平 成 27 年 度 と 比 較 す る と 、 3 億 2,000 万 円 、 率 に し て 0. 7% の 減 で は あ り ま す が 、 重 点 的 な 配 分 に よ る 積 極 的 な 予 算 を 編 成 いたしました。 市民の皆さま、議会の皆さま、なお一層のご理解とご協力をお願い 申し上げ、私の施政方針といたします。 10 11
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