茂住 和世 ○学位 学術博士 ○教育研究業績 事項 教育上の 能力に関 教育方法の実践例 する事項 作成した教科書,教材 年月 概要 H20より 少人数クラスの特質を活かし、毎 回必ずワークをさせ、クラス内での ピア・ラーニングをめざしている。ま た、演習科目としてその日の授業 で何が得られたかを省察する習慣 をつけるため、ポートフォリオ(学習 記録)への記入を毎回させるように し、基礎演習に参加することの意 義を自覚してもらうようにしている。 日本語コミュニケーションスコー H17より ラ ビジネス能力検定、日本漢字検 定、及び外国人対象の日本語能力 試験、BJTビジネス日本語能力テ ストという4つの資格取得支援のた め、勉強会の開催、模擬テストの 実施、練習問題の作成、Eメールに よる課題学習など、学生の授業外 における学習促進のための取り組 みを行っている。 授業評価への取り組み 学内の授業評価アンケートとは別 に、自分の担当するすべての科目 で独自に授業評価アンケートを 行ってきた。学生が記入した結果 に基づき、要望にこたえられるもの はできるだけ改善する一方で、教 師側の考える授業の目的や方法 が十分に理解されていないと見受 けられた場合は次年度から学生と の共通認識が持てるよう、授業の 導入に工夫をするようにしている。 基礎演習におけるピア・ラーニ ングへの取り組み及びポート フォリオ H8より 留学生対象キャリア科目「リク ルート・コミュニケーション」のた H25.4 めの教材 職務上の 実務の経験を有する者につい 実績に関 外国人留学生入試問題作成 ての特記事項 する事項 日本の大学生の就職活動や日本 の企業の採用活動の実際につい て理解し、なぜ日本ではそのような 就職・採用が行われているのかに ついて社会的文化的に理解するた めの教材プリント H8~現在に 本学の外国人留学生入試Ⅰ・Ⅱ・ 至る Ⅲ期の問題作成に携わる ○著書・研究論文 著書、学術論文等の名称 著書 グローバリゼーションと進路 選択 発行又は発表の年月 共著 大学所年次留学生対象日本 学術論文 語科目におけるプレゼンテー 単著 ション教育の授業設計 年度 発行所、発表雑誌等又は発表学会 概要 等の名称 大学に進学した私費留学生に対する 調査をし、日本語学校在学中の進路選 択プロセスをTEMという方法論によって 明らかにした。「進学先を自分で選ぶ」 という記号の発生、促進的記号、社会 的方向付け、GPHという通過点、等の 概念を用いて、彼らの進学先の選択と 合否の関係について考察した。 安田 裕子・滑田明暢・福田茉莉・サトウタツ ヤ編『ワードマップ TEA実践編』 本人 担当部分 pp.132-137 H27.3. 新曜社 H27.9 中上級レベルの日本語学習者が PowerPointを用い、論理的な内容構成 で閲覧性の高いプレゼンテーションス ライドを作成することを目指した。「アド オン型」と名付けたプロセスデザインに 基づく授業設計を行い、学習項目の配 東京情報大学研究論集第19巻第1 列、課題の分量や内容を工夫すること 号 で学習に対する負担感を減らし、効力 感を維持できるようにした。3つの課題 をこなしたことで成長感を得た学習者 が多かったこと、及び、ID理論に照らし た検討を加え、本実践はプレゼンテー ション教育として効果があると評価し た。pp.13-28. 著書、学術論文等の名称 発行又は発表の年月 国際移動時代の日本留学モ デルの再構築に関する研究 -外国人留学生の自己形成 単著 の視点から- 大学在学中の私費留学生の 時間的展望と「日本留学」の 単著 意味 日本における中国人留学生 の増加に関する考察―国際 移動の視点から その他 単著 私費外国人留学生にとっての 日本留学の意味を考える― 単独 留学動機の生成から進 学先 の決定までを追って 私費外国人留学生の「日本留 学」動機の生成―意思決定プ 単独 ロセスの分析から― 統合的アプローチとしてのアド 単独 オン型授業デザインの提案 年度 発行所、発表雑誌等又は発表学会 概要 等の名称 H25.3. 外国人学生にとっての日本留学の意 味構成を明らかにすることを通して、新 たな留学生受入れモデルを構築するこ とを目的とした。そのため、「留学」を国 際移動という現象とみなして、政策的・ 青山学院大学大学院社会情報学 経済的・社会的構造との関係性から捉 研究科社会情報学専攻 博士学位 えるマクロな視点とともに、留学生個人 論文(学術) の意味世界を、彼らを取り巻く社会文 化的状況との関係性から捉えるミクロ な視点の両者を組み合わせた観点か ら「日本留学」の意味を明らかにした。 (総ページ数:312ページ) H25.2 私費留学生の時間的展望を調査した。 その結果、留学生はポジティブな現在 指向性を持ち、過去と未来に対する時 間的態度は先行研究の日本人学生調 査結果との有意差が認められた。日本 東京情報大学研究論集第16巻第2 人の青年期の若者についての研究に 号 基づき考察した結果、日本留学はネガ ティブな過去をリセットし、日本生活に おいて自分を試し他者から承認される という社会との相互作用によって自己 効力感が高まり、自己形成が進んでい くプロセスであると捉えられた。pp.1-14 H23.9 国際教育第17号 2000年以降大幅に増加した中国人留 学生をめぐり、その増加を国際移動と 捉え、経済学的なアプローチからその 移動要因を検討した。政策的、教育社 会学的、経済的要因に係るpush-pull 両面に対する説明変数を用い、重回帰 分析を行った結果、中国人留学生の国 際移動要因として、日本の私立大学の 入学定員割れ、中国の統一分配制度 の廃止が大きく関わっていることが明 らかになった。pp.45-56 H26.11. 日本へ留学するという意思決定プロセ スと、日本語学校在学中から大学進学 までのプロセスについて、留学生に対 するインタビューをTEMという方法論を 第34回アカデミック・ジャパニーズ 用いて研究した結果を発表した。個人 研究会(於早稲田大学) の意味世界を、彼らを取り巻く社会文 化的状況との関係性から捉えるという 視点から、日本留学動機や進路選択 の多様性を彼ら自身の目線から明らか にした。 H26.7. 本研究は日本留学という意思決定に 至るプロセスを明らかにすることを目的 とした。そこで、私費留学生14名にイン タビューを行い、TEMという方法論を用 いて分析した結果わかったことをさらに appreciation概念を参照点として捉え直 した結果、日本留学の動機には日本の モノや日本で接触した人に対する appreciationと、自分と同じ文化内の他 シドニー日本語教育国際研究大会 者がappreciationした「日本」をわかろう 2014(於シドニー工科大学) とすることであると解釈された。留学動 機にはさらに「留学前の自分の現状に 対する不満」があり、それは自国にお けるマクロな次元からのパワーとの相 互作用であった。日本留学の発端動機 はこれら2つの動機のいずれかまたは 両方から構成されており、日本留学は 明確な目標は持たず、自分がより良く なることを期待した移動であることが示 された。 H26.3. アカデミック・ジャパニーズの教育は日 本語を媒介とした学習支援であると捉 え直し、日本語という言語の学習と、内 容や知識の学習とを統合させる実践を 行った。本発表ではPowerPointを使っ 第42回日本語教育方法研究会(於 たプレゼンテーションスキルの習得を 横浜国大) 目的に、学習項目の配列と課題の設 定に工夫をした授業例を示し、これを 「アドオン型」と名付け、新たな授業デ ザインとして提案した。日本語教育方 法研究会誌 21(1), 94-95 著書、学術論文等の名称 発行又は発表の年月 私立大学の経営上の戦略とし ての留学生受入れ―留学生 単独 増加誘因としての検討― 私費留学生にとっての日本留 学と仕事観-時間的展望から 単独 の検討- 日本での就職を目指す留学 生に対する教育実践―東京 情報大学における留学生教 育― 単著 上級動詞の用法の学習―差 異化の認知とその共有化の 単独 試み― 年度 発行所、発表雑誌等又は発表学会 概要 等の名称 H25.6. 2000年以降震災前までの留学生数急 増の要因を実証的に分析した結果、直 接影響力を持つ主なpull誘因は日本に おける高等教育機会の拡充であること がわかった(茂住2011)。そこで、なぜ それが留学生数増加のpull誘因になっ たのかを、制度・政策・社会的構造から さらに検討した。その結果、日本の私 第35回大学教育学会(於東北大学) 立大学においては入学定員拡大と授 業料依存体質が循環的に強化され、そ の中で経営上の戦略として留学生の 受入れが拡大してきた様相が、臨定の 恒常的定員化、大学設置基準大綱 化、経常費補助金という教育政策との 関係性の中で明らかになった。『大学 教育学会第35回大会発表要旨集録』 pp.214-215 H24.5. 時間的展望研究の文章完成法と,「私 にとって仕事とは」という文の内容をKJ 法により分析するという2 つの方法を 用いて,私費留学生を対象に調査を 行った。その結果,彼らは強く,かつポ ジティブな現在指向性を持っているこ と,また,未来に対しては,目標実現へ 2012年度日本語教育学会春季大 の強い意志があり,不安や予測不可能 会(於:拓殖大学) 性を感じている人は非常に少ないこと がわかった。一方,過去に関しては,後 悔・無関心などネガティブな表現が目 立った。また,仕事観として「自己変容 への期待」「生活の手段」「自己資本の アウトプット」などのカテゴリーが見出さ れた。『2012年度日本語教育学会春季 大会予稿集』 pp.253-254. H24.1. 近年の留学生は単に日本の学位取得 だけが目的ではなく、大学卒業後も日 本に残って就職することを希望する者 が増えており、また、特に中国からの ウェブマガジン「留学交流」2012年 留学生は母国においても就職難である 1月号Vol.10 ため日本就職をして自らの付加価値を http://www.jasso.go.jp/about/web 高めようとする者も多い。日本就職を magazine2011.html 目指す留学生に対する支援は、就職 活動が始まる前から教育実践の中で 行うことが目指されるべきだと指摘し、 具体的な授業展開について報告した。 総ページ数:6ページ H23.5. 自立的な語彙学習の支援を目指し、中 上級クラスで行った、意味の近い動詞 の用法上の注意点を、学習者自らが 見つけ、例示し、説明するという教室活 動の報告。自分自身で差異化をする過 2011年度日本語教育学会春季大 程、クラスの中でそれを説明するという 会(於:東京国際大学) 過程、ほかの人の誤用例文を見て自 分自身も同じ間違いをおかすことに気 づく過程、確認タスクを解きピア修正す る過程、それぞれに学習者自身の気づ きが伺われた。『2011年度日本語教育 学会春季大会予稿集』pp.311-312.
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