七旬節の主日ミサ 固有唱 前の主日の典礼にもすでにあらわれていたが、人間的な弱さの感情は、本日のミサにおいて、いよい よ強調される。 「入祭文」において、人間は、自分の苦しみと貧しさをなげき、神の助けをよび、自分 の助けであり、解放者であり給う神をたたえてうたう。 「書簡」では、節制の徳を教え、 「聖福音」では、 主のぶどう畑に働くようにすすめる。いずれも、信仰と聖寵のお召しをうけるだけではなく、キリスト の生活にならうことが、いかに重大であるかを反省させる。 詩編 17,5,6,7 CIRCUMDEDERUNT me gémitus mortis, dolóres inférni circumdedérunt me: et in tribulatióne mea invocávi Dóminum, et exaudívit de templo sancto suo vocem meam. Ps. 17. 2-3.Díligam te, Dómine,fortitúdo mea: Dóminus firmaméntum meum, et refúgium meum, et liberátor meus. 入祭唱(聖歌隊が歌う) 死の苦悶は私をとりかこむ。冥府のくるしみ は私にせまる。私は、煩悶のうちに主にこい願 い、主は、その聖殿で、私のよび声をきき給う た。 (詩編 17.2-3) 主よ、私は、わが力なる主を 愛し奉る。主は私の固き支柱、私のひなん所、 私の解放者に在す。 願わくは、聖父と・・・ V. Glória Patri. 集祷文 PRECES pópuli tui, quǽsumus, Dómine, cleménter exáudi: ut, qui juste pro peccátis nostris afflígimur, pro tui nóminis glória misericórditer liberémur. Per Dóminum. 1 コリント 9.24-27;10.1-5 FRATRES: Nescítis quod ii qui in stádio currunt, omnes quidem currunt, sed unus áccipit bravíum? Sic cúrrite, ut comprehendátis. Omnis autem qui in agóne conténdit, ab ómnibus se ábstinet: et illi quidem ut corruptíbilem corónam accípiant: nos autem incorrúptam. Ego ígitur sic curro, non quasi in incértum: sic pugno, non quasi áërem vérberans: sed castígo corpus meum, et in servitútem rédigo: ne forte cum áliis prædicáverim, ipse réprobus effíciar. Nolo enim vos ignoráre, fratres,quóniam patres nostri omnes sub nube fuérunt, et omnes mare 願わくは、主よ、御民の祈りを、御寛仁をも ってきき、罪のために当然のことながら苦しん でいるわれらを、御名の光栄のために、御慈悲 によって救い給わんことを。神として・・・ 書簡 兄弟たち、競技場でみな走ることは走って も、賞を得るのはただ一人だということをあな た方は知らないのですか。だから、あなた方も 賞を手に入れるように走りなさい。ところで、 すべて競技者は何事にも節制します。彼は朽ち る冠を得ようとしてそうするのですが、わたし たちは朽ちない冠のためにそうするのです。わ たしは目指す目標のないような走り方をして いませんし、空を打つような拳闘もしていませ ん。わたしは自分の体を打ちのめし、それを奴 隷のように引き回します。他人に福音を告げ知 らせておきながら、自分が失格者になってしま わないためです。兄弟たち、次のことはぜひ知 っておいてもらいたいと思います。わたしたち 1 transiérunt, et omnes in Móyse baptizáti sunt in nube, et in mari: et omnes eamdem escam spiritálem manducavérunt, et omnes eúmdem potum spiritálem bibérunt: (bibébant autem de spiritáli,consequénte eos, petra: petra autem erat Christus): sed non in pluribus eórum beneplácitum est Deo. べ物を食べ、みな同じ霊的な飲み物を飲みまし た。彼らが飲んだのは、後からついて来ていた 霊的な岩からでしたが、その岩とはキリストで ありました。しかし、彼らの多くは神のみ心に かなわなかったので、荒れ野で滅ぼされてしま いました。 詩編 9.10-11,19-20 ADJÚTOR in opportunitátibus, in tribulatióne: sperent in te, qui novérunt te: quóniam non derelínquis quæréntes te, Dómine. V. Quóniam non in finem oblívio erit páuperis:patiéntia páuperum non períbit in ætérnum: exsurge, Dómine, non præváleat homo. 詩編 129.1-4 DE profúndis clamávi ad te, Dómine: Dómine, exáudi vocem meam. V. の先祖はみな雲の覆いに守られ、みな海を通り 抜け、雲の中、海の中でみな洗礼を授けられモ ーセと一致しました。また、みな同じ霊的な食 Fiant aures tuae intendéntes in 昇階唱(聖歌隊が歌う) 主は、いつも、よい時も、かんなんの時も、 われらとともに在す。御名を知る者は、主に希 望をかけよ。なぜなら、主よ、主を求める者は、 見すてられることがないからである。 貧しい者は、いつまでも打ちすてられている のではない。貧しい者の期待は、いつかかなえ られるであろう。主よ、起き給え。人間が勝ち ほこることのないようになし給え。 詠唱(聖歌隊が歌う) 主よ、私は、深きふちより、主に叫び奉る。 私のよびごえを聞き給え。 Dómine, quis sustinébit? 主の下僕の祈りに、御耳をかたむけ給え。 御目を不義にとどめ給えば、主よ、誰がわれ らを弁護しえよう。 しかし、主は慈悲をもち給う、主よ、主の掟 V. Quia apud te propitiátio est, et propter のために、私は主に希望し奉る。 oratiónem servi tui. V. Si iniquitátes observáveris, Dómine: legem tuam sustínui te, Dómine. マタイ 20.1-16 IN illo témpore: Dixit Jesus discípulis suis parábolam hanc: Símile est regnum cælórum hómini patrifamílias, qui éxiit primo mane condúcere operários in víneam suam. Conventióne autem facta cum operáriis ex denário diúrno, misit eos 福音書 ある時、イエスは弟子にこの喩を仰った。「天 の国は次のことに似ている。ある家の主人がぶ どう園で働く者を雇うために、朝早く出かけ た。彼らは一日一デナリオンの約束で、労働者 をぶどう園に送った。九時ごろ、再び市場に出 tértiam, vidit álios stantes in foro otiósos, et かけると、何もせず立っている人たちがいたの で、彼らに言った、『あなた方もぶどう園に行 きなさい。ふさわしい賃金を払おう』。彼らは dixit illis: Ite et vos in víneam meam, et 出向いて行った。主人はまた十二時ごろと三時 in víneam suam. Et egréssus circa horam 2 quod justum fúerit, dabo vobis. Illi autem abiérunt. Iterum autem éxiit circa sextam et nonam horam: et fecit simíliter. Circa undécimam vero éxiit,et invénit álios stantes, et dicit illis: Quid hic statis tota die otiósi? Dicunt ei: Quia nemo nos condúxit. Dicit illis: Ite et vos in víneam meam. Cum sero autem factum esset, dicit dóminus víneæ procuratóri suo: Voca operários, et redde illis novíssimis mercédem, usque incípiens ad a primos.Cum veníssent ergo qui circa undécimam horam vénerant, accepérunt síngulos denários. Veniéntes autem et primi, arbitráti sunt quod plus essent acceptúri: accepérunt autem et accipiéntes ipsi síngulos denários. murmurábant Et advérsus patremfamílias, dicéntes: Hi novíssimi una hora fecérunt, et pares illos nobis fecísti, qui portávimus pondus diéi et æstus.At ille respóndens uni eórum, dixit:Amíce, non fácio tibi injúriam: none ex denário convenísti mecum? Tolle quod tuum est, et vade: volo autem et huic novíssimo dare sicut et tibi. Aut non licet mihi quod volo fácere? an óculus tuus nequam est, quia ego bonus sum? Sic erunt novíssimi primi, et primi novíssimi. Multi enim sunt vocáti, pauci vero elécti.. 詩編 91.2 BONUM est confitéri Dómino, et psállere nómini tuo, Altíssime ごろにも出かけて、同じようにした。さらに五 時ごろ、出かけると、ほかの人たちが立ってい たので、『なぜ何もせず、一日じゅうここに立 っているのか』と言うと、彼らは『誰も雇って くれないからです』と答えた。そこで、主人は 彼らに、『あなた方もぶどう園に行きなさい』 と言った。夕方になって、ぶどう園の主人は管 理人に言った、『労働者たちを呼び、最後に来 た者から始めて、最初に来た者たちにまで、賃 金を払いなさい』。そこで、五時ごろに来た者 たちが来て、それぞれ一デナリオンずつ受け取 った。最初に来た者たちが来て、それよりも多 くもらえるだろうと思っていたが、彼らが受け 取ったのも一デナリオンであった。それを受け 取ると、彼らは主人に不平をもらして言った。 『最後に来た者たちは1時間しか働きません でした。それなのに、一日じゅう労苦と暑さを 辛抱したわたしたちと同じように扱われる』。 主人はそのうちの一人に答えて言った、 『友よ、 わたしはあなたに何も不正なことはしていな い。あなたはわたしと一デナリオンの約束をし たではないか。あなたの分を取って帰りなさ い。わたしはこの最後の人にも、あなたと同じ ように支払いたいのだ。わたしが自分のものを 自分のしたいようにするのが、なぜいけないの か。それとも、私の気前のよさを、あなたは妬 むのか』。このように、後の者が先になり、先 の者が後になる。招かれる人は多いが、選ばれ る人は少ない。 奉納唱(聖歌隊が歌う) いと高き御者よ、主をほめたたえ、主の御名 をうたうはよきかな。 密唱 MUNÉRIBUS nostris, quǽ sumus,Dómine, precibúsque suscéptis: et cæléstibus nos munda mystériis, et cleménter exáudi. Per 主よ、われらの供物と祈りとをよみし給い、 天の奥義によってわれらを浄め、御慈悲によっ てわれらの祈りをききいれ給え。神として・・・。 Dóminum. 3 叙唱(三位一体) VERE dignum et justum est, æquum et salutáre, nos tibi semper et ubique grátias ágere, Dómine sancte, Pater omnípotens, ætérne Deus: Qui cum unigénito Fílio tuo, et Spíritu Sancto, unus es Deus, unus es Dóminus: non in unius singularitáte persónæ, sed in unius Trinitáte substántiæ. Quod enim de tua glória, revelánte te, crédimus, hoc de Fílio tuo, hoc de Spiritu Sancto, sine sentímus. Ut differéntia in discretiónis confessióne veræ, sempiternæque Deitátis, et in persónis propríetas et in esséntia únitas, et in majestáte adorétur laudant Angelí, æquálitas. atque Quam Archángeli, 聖なる主、全能の父、永遠の神よ、われらが、 いつも、どこにても、主に感謝をささげるのは、 実にふさわしく正しいことであり、我らの義務 と救いである。御身は、御独り子と聖霊ととも に、唯一の神、唯一の主にてまします。すなわ ち、御身は、唯一の位格にてましますのではな く、三つの位格における一体にてまします。わ れらは、御身の啓示にもとづき、御身の御栄光 について信じ奉る真理を、御独り子と聖霊とに ついてもともに等しく、差別なく、信じ奉る。 こうして、我らは、真の永遠の神をたたえ、そ の神性において、位格の区別と、本性の唯一性 と、神の御稜威の平等性を賛美し奉る。天使、 大天使、智天使も熾天使も、これをほめたたえ、 極まりなく声を合わせて歌う。 Chérubim quoque ac Séraphim: qui non cessant clamáre quotidíe, una voce dicéntes: 詩編 30.17-18 2.51 ILLÚMINA fáciem tuam super servum tuum, et salvum me fac in tua misericórdia: Domine, non confúndar, quóniam invocávi 拝領唱(聖歌隊が歌う) 主の下僕に御顔をあらわし、御あわれみによ って、私を救い給え。主よ、私は恥を受けない ように、主にこい願う。 te 聖体拝領後の文 FIDÉLES tui, Deus, per tua dona firméntur: ut éadem et percipiéndo requírant, et quæréndo sine fine percípiant. Dóminum. Per 主よ、信者が主の賜によって強められんこと を。かれらが、賜をうけて更にそれをのぞみ、 のぞんで常に受けうるようになし給え。神とし て・・・ ※日本語訳は福音書及び書簡を除き、バルバロ『毎日のミサ典書』より引用。福音書及び書簡の日本語訳はフランシスコ会聖書研究所 訳注『聖書』(2011 年)より引用。 ウナ・ヴォーチェ・ジャパン(Mail:[email protected] URL: http://uvj.jp) 4
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