ベンチャー投資 - 応用金融工学

ベンチャー投資
野村證券株式会社
2005年6月
金融経済研究所 金融工学研究センター
主任研究員 中嶋 啓浩
[email protected]
Global Quantitative Research
Global Quantitative Research
目次
„ 企業の資金調達とベンチャー投資
„ ベンチャー・キャピタルの活動
„ ベンチャー・キャピタルの投資動向・ファンドベンチマーク調査
„ ベンチャー投資のリスクと投資環境
1
Global Quantitative Research
企業の資金調達とベンチャー投資
„ 企業の資金調達
„ ベンチャー投資とは
„ 企業の成長過程と資金調達
„ 株式公開とベンチャー・キャピタルの支援
2
Global Quantitative Research
企業の資金調達手段
企業間信用(手形など)
財・サービス市場
外部金融
間接金融
資本市場
他人資本(負債)
社 債
直接金融
設立時
株 式
新株発行
利益の内部留保
自己資本
内部金融
(自己金融)
減価償却
3
Global Quantitative Research
中小企業への貸付
■超低金利下の環境にあるものの、中小企業(ベンチャー企業)への間接金融からの資金供給は厳しい
企業向け貸し出し条件の変化(担保設定)
企業向け貸し出し条件の変化(担保設定)
5
緩
4
和
3
指数(%ポイント)
2
1
0
-1
-2
厳 -3
格
化 -4
-5
2000年4月
2000年7月
2000年10月
資本金10億円以上
2001年1月
2001年4月
公表年月
資本金3億円超10億円未満
*過去3ヶ月間と比べ「横ばい(ほぼ不変)」をゼロとし、「緩和」はプラス、「厳格化」はマイナスで表す
2001年7月
2001年10月
2002年1月
資本金3億円以下
出所:「主要銀行貸出動向アンケート調査」日本銀行
4
Global Quantitative Research
ベンチャー企業への資金
リターン(高)
VC 等の投資
「詐欺話」
ベンチャー投資
美味しい話は無い
リスク(低)
リスク(高)
銀行等の融資
確実な担保
運転資金
無担保
開発資金
公共の助成措置で市場に乗せる
(社会的リターンは高い)
設備資金
病院、福祉施設、公共投資
リターン(低)
5
Global Quantitative Research
ベンチャー投資とは
„ オルタナティブ投資の中のプライベートエクイティ投資の1つ。
„ 未公開企業の株式への投資。
„ 発行流通市場が公開株式市場と比べて非効率で流動性も低い。
→プレミアムを得る可能性あり。
„ 公開株式への投資と比べてリスクは大きいとされる。リスク分散のため
ファンドやファンドオブファンズに投資するのが普通。
„ 新技術やビジネスの育成のために行なわれるものもある。(公共団体か
らの融資など)
„ 投資から成果を回収するまでの期間は一般的に長い。短期の流動性を確
保する必要がない資金に向いている。
„ 情報の開示は少ない。
6
Global Quantitative Research
ベンチャー投資の意義
リスク低減効果
高リターン期待
大きなリスクを取って、
大きなリターンを狙う。
上場株や債券のリターン
とは相関が低く、リスク
分散が図れる。
資産特性の多様化
地域経済の振興
新規産業の育成
ベンチャーキャピタルファンドへの出資が代表的な投資方法の1つ
ベンチャーキャピタルファンドへの出資が代表的な投資方法の1つ
7
Global Quantitative Research
日本企業の成長パターン
階段型
ファミリー型、ライフサイクル型
→ 階段型、エマージング型 へ
VCの果たす役割が重要となる
エマージング型
成長段階と経営課題・資金需要
ライフサイクル型
成長段階
開発期
確立期
ファミリー型
経営課題
・アイデアやコンセプトの具現化
・シーズ資金、開発資金
・絶対的信用不足
・事業化のための資金
・製品、サービスの立ち上げ
・取引関係の構築
・初期運転資金
・初期設備資金
・人材や設備の確保
成長前期 ・製品、サービスの拡大
出所:ベンチャーマネージメントの変革
1.ファミリー型
・日本に存在する多くの中堅・中小企業のパターン
・家族経営を前提としたビジネス展開
2.ライフサイクル型
・結果として成長マーケットに巡り会い、急成長を経過した企業
・増加運転資金
・取引関係の拡大
・マーケティング開発資金
・持続的に必要になる人材、設備、
・設備増強資金
資金の確保
成長中期 ・製品、サービスの差別化
・設備資金
・人材、設備、資金の合理化、効率化
・差別化のための研究開発資金
・長期的成長のための戦略構築
・経営合理化のための資金
成長後期 ・新製品、新サービスの開発
(開発期への回帰)
・中堅企業に多い
3.階段型
資金需要
・シーズ資金
・事業化のための資金
・事業の統廃合のための資金
野村総合研究所
・当初からゴールをセッティングし、プランを立てて行動するビジネスプラン型
・経験主義を基本とし、これに先駆的理論を結合させたバランス型
4.エマージング型
★ VCの果たす経営支援活動の
重要性増大
・アメリカンドリーム型で超高成長を遂げるパターン
8
Global Quantitative Research
資金調達の重要性増大
出資者別の「出資に対する考え方」
当事者
目的
設立時
事業
立ち上げ時
パートナー
エンジェル
事業の立ち上げ
VC
金融機関
・ビジネスチャンス キャピタルゲイン 新規優良顧客確保 インセンティブ
・事業への共感
(ハイリスクを負う) (不良債権=ハイ 資産形成
・キャピタルゲイン
リスクは避ける)
◎
○
△
○
○
成長初期
○
公開時
○
△
★
従業員
(幹部、一般)
(ストックオプション)
△
(ストックオプション)
△
(従業員持株会)
○
一般投資家
キャピタルゲイン
(情報開示の中で
の投資が前提)
○
VCが果たす資金調達アドバイスおよび調達支援は有効
米国の事例
・創業後5年以内に半数の企業が消滅
・米国で新規に設立される企業のうち、公開まで到達する確率・・・・・・・・・・・0.1%
・シリコンバレーで新規に設立される企業のうち、公開まで到達する確率・・・1%
・ベンチャーキャピタルが支援した企業のうち、公開まで到達する確率・・・・・10%
流動性の欠如/長期の忍耐/成功確率の低さ
→ 評価・目利きの必要性
(出所) 野村リサーチ・アンド・アドバイザリー株式会社
9
Global Quantitative Research
株式公開(IPO:Initial Public Offering)とは
■会社はその成長過程において新たな需要の開拓、事業拡大のために、設備投資や投融資などに多くの資金を必要とする。
これらの資金は借入金などの負債として調達する方法も考えられるが、長期安定的な資本(=自己資本)として調達する方が一
般的に有利と考えられる。
■しかし、多くの資金を同族や特定の株主に求めるのは限界がある。そこで、広く一般に会社の事業内容・財務内容等の投
資判断に必要な情報を提供し、不特定多数の株主(一般の投資家)から投資を募る方法が考えられる。この手段が株式を公開
することである。
■この場合、いつでも適正な価格で容易に売買(投資・回収)ができるようにする必要がありますが、その「場」が有価証券市
場である。有価証券市場は、個人・法人の様々な期間の余資を会社の必要とする長期安定的な資金に変換する機能を持っ
ている。この「場」で株券を売買の対象とすることが株式を公開することである。
札幌証券取引所
(アンビシャス)
<株式市場の機能と役割>
有有利利でで効効率率的的なな
資金運用etc
資金運用etc
様々な期間(ニーズ)の運用資
様々な期間(ニーズ)の運用資
金を長期の資金に変換
金を長期の資金に変換
長期安定的な資
長期安定的な資
金の調達etc
金の調達etc
大阪証券取引所
第一部/第二部
(新市場部)
(ヘラクレス)
個人(家計)
法
人
<株式市場>
証券取引所
福岡証券取引所
上 場 企 業
( Qボード)
東京証券取引所
第一部/第二部
機 関 投 資家
(マザーズ )
JASDAQ
配当金等の株主還元、適
配当金等の株主還元、適
切な情報開示
切な情報開示
名古屋証券取引所
第一部/第二部
(セントレックス・成長企業市場部)
10
Global Quantitative Research
株式公開前後の株価推移
株式公開
株式価値
公開時に投資した
パフォーマンス
公開以前から投資した
パフォーマンス
未公開株式
公開株式市場
時間
(出所) 野村證券金融経済研究所
未公開株の株式公開による、大きな株価上昇を期待
未公開株の株式公開による、大きな株価上昇を期待
11
Global Quantitative Research
株式公開のメリット
1)会社にとってのメリット
(1)経営管理上のメリット・・・「公開が明確な経営目標となること」
①経営目標として、全社共通との明確な目標となる
「株式公開を目指してがんばろう」が、全社員にとって「わかりやすく、かつ、共通」の目標とすることが出来る
②社内管理体制が整備され、経営体質が改善・強化される
株式公開で要求される管理体制の構築を目指すことにより、経営体質が改善・強化される
(2)企業力の強化
第1位:資金調達力の増大と財務体質の強化
・証券市場からの大量、長期の資金調達
・金融機関に対する信用力の向上
→ 結果として、財務体質が格段に強化される
第2位:知名度の向上
・株式売買に伴う、企業名・事業内容の浸透
・マスメディアで報道される機会の増加
・業績開示等による社会的信用の増加
第3位:人材獲得の優位性向上
第4位:従業員のモチベーション向上
・将来性のある職場としての高い評価によるモチベーション向上
・従業員持株会への加入による帰属意識の向上
12
Global Quantitative Research
(3)株式の「通貨」としての利用が可能となる・・・企業・事業部門の買収時の株式交換として利用
①買収する事業のリスクが高い場合には、現金で買収するよりも、株式交換による買収を行うことが
リスク分散の意味でも効果が大きい
②当該事業の旧来株主にとっても、もともと当該事業に期待して投資していたという点から、対価として
買収企業の株式を受け取ることは受け入れやすいと考えられる(同業事業の買収の場合)
③戦略パートナーから出資を受ける場合にも、市場で株価が形成されていることから、出資に当たっての
株価を迅速かつ透明性の高い方法で行うことが可能となる
2)株主にとってのメリット
(1)創業者利潤の実現
株式公開時の売り出し(保有株式の売却)などにより大株主は創業者利潤を得ることが出来る
(2)株式の流通性の増大
株式公開により株式の流通性が増大し、株主は投下資本の回収が用意となる
(3)公正な株価形成と資産価値の増大
証券市場で公正な市場価格が形成されるため、株式の価格についての合理性が得られる
3)従業員にとってのメリット
(1)従業員持株会による資産形成
従業員の福利厚生を目的に従業員持株会を設立し、自社株式の取得を奨励し、資産形成の手段となる
(2)社会的信用の増大
13
Global Quantitative Research
公開会社の責務
株式公開後は投資家保護の観点から企業内容の開示が義務づけられます。また、未公開の時と比べ株主
(投資家)数が大幅に増加しますので、経営責任がより一層重くなります。
また、公開企業として、商法、証券取引法をはじめ、証券取引所・日本証券業協会の規則などの遵守が義務
づけられます。
(1)企業内容の適時開示(タイムリーディスクロージャー)の推進
株式市場での公正かつ円滑な価格形成を担保するためには投資家に対して、正確、迅速、公平かつ均一に情報
提供が行なわれる必要があります。また、決算予想数値などの株価に影響を与えるような重要事実は適時に開
示することが要請されます。
(2)IR(インベスター・リレーションズ)の充実
株主、投資家(インベスター)に、会社の現状と将来の事業戦略を正しく理解してもらうための広報(IR)の重要性を、
経営トップをはじめとして十分認識し、アナリストや投資家お積極的に対話する体制作りをしておくことが必要とされ
ます。
(3)インサイダー取引規制などの遵守
公開会社の株式売買については証券取引法によってインサイダー取引など様々なルールが定められており、そ
れらの遵守が義務づけられております。それらをきちんと担保する組織・体制を確立しておくことが求められます。
(例) 第166条 : 会社関係者の禁止行為(いわゆるインサイダー取引規制)
(4)コーポレートガバナンス(企業統治)検討の必要性
株主、従業員そして社会も含めて、企業をとりまくステイクホルダー全ての利益を図りうる望ましいコーポレートガ
バナンスを確立していこうとする気運が高まっている。
14
Global Quantitative Research
ベンチャー・キャピタルの活動
„ ベンチャー・キャピタルとは
„ ベンチャー・キャピタルの投資活動プロセス
„ 日本のベンチャー・キャピタル
„ ベンチャー・キャピタル・ビジネスのスキーム
„ ベンチャー・キャピタル・ファンド
15
Global Quantitative Research
ベンチャー・キャピタルとは
„
「サンタフェ協約」:女
王が航海の費用を出
すかわりに、航海で得
た利益の9/10をスペ
イン王室に納める。
成長する可能性があると認められるベンチャー企業に、主に株式保有の形で資金を供給し、その企業が成功し、株式公開に
至った際などに多額のキャピタルゲインを得ようとする投資会社。育成支援も行う。
資金調達
投資支援
投資家
ベンチャーキャピタル
ベンチャー企業
利益分配
企業価値増加
キャピタルゲイン
16
Global Quantitative Research
ベンチャー・キャピタルの投資活動プロセス
デュー・
ディリジェンス
ファインディング
条件交渉
投資決定
企業価値
評価
ハンズオン
モニタリング
エグジット
(IPO,
M&A)
「ファインディング」と「条件交渉」が特に重要
–
ファインディング力
・ フットワークとネットワークが基本
–
条件交渉
• 企業価値 : 需給バランスの影響大、ビット競争
• ハンズオン・モニタリング : 投資時点の条件次第で決まる。
内容
運用方針 投資対象分野、地域
対象企業の成長ステージ
目標ROI
目標IRR
体制
資金の募集
当社の例
成長8分野を中心に国内企業のみに投資
アーリーステージが中心
30%
10%以上
専門分野のスペシャリスト15名
案件の創出
成長性の高いVBの発掘
年間1500社程度の企業評価
デューディリジェンス
ビジネスの成長性
マーケットの位置づけ
経営陣の評価
法務的調査
期待ROI
経営陣とのインタビュー
事業計画書
育成支援
(企業価値の創出)
事業計画の立案支援
積極的な経営関与
販売・技術提携支援
人材の紹介
アドバイザリーボード就任
月1回以上のミーティング
回収
株式公開
M&A
株式公開時のIR支援
ファンド組成
17
Global Quantitative Research
ベンチャー・キャピタルの支援
日本のベンチャーキャピタルのタイプは金融機関が母体となって設立するケースが多く見られる。
経営支援業務については、「営業斡旋」「人材紹介」「株式公開支援」などが中心であり、「役員の派遣」
「技術・生産管理支援」などきめ細かなハンズオン型の支援が行われていないとの指摘もあります。
一般的な日本のベンチャーキャピタルのタイプ
特徴
・投資先の株式公開引受幹事を親会社が取得するための布石とし
て重要な役割
・大手の多くを占める
・上位の証券系は従業員100名以上と大規模で、業務は専門機能別
部門で運営され、海外投資も活発
・中堅以下の証券系は従業員30∼70名程度
・借入金のみの運営は困難なため、投資事業組合により資金調達
大手銀行系
・大手銀行の中小企業取引拡大等のため設立
・投資残高上位10∼30社の準大手、従業員数20∼70名程度
・資金調達は、親銀行や関連ノンバンクからの借入れが大部分
地銀系
・地銀や第二地銀が設立
・経営体力やノウハウ上、大手VCや大手証券会社と共同で設立
・従業員10名未満と、中堅以下の規模
・投資対象は親会社の営業地域に限定
生損保系
・多くが90年以降にできた設立後10年未満の会社で中堅クラス
・近年、積極的に投資活動を行っている
・資金調達は親会社からの借入が多い
独立系・その他 ・会社規模は中堅以下のVCが大多数だが、独自性ある戦略
・アーリーステージへの投資が多く、一件あたり投資額も大きい
・資金調達は投資事業組合方式が多い 等
①事業会社のVC進出、②大手企業の連合型、③海外投資家のVC
参加、④スピンアウト組によるVC設立、⑤企業投資会社からの発
展などのタイプがある。
ベンチャーキャピタルが行っている経営支援業務の内容
タイプ
証券系
Q8 行っている経営支援業務
0
10
20
30
40
50
60
営業斡旋
70
100件 (66%)
人材紹介
95件 (63%)
株式公開支援
94件 (62%)
90件 (59%)
技術等の提携先の紹介
75件 (49%)
金融機関の紹介
66件 (43%)
財務・経理支援
58件 (38%)
合併・買収支援
40件 (26%)
人事・労働管理支援
32件 (21%)
役員の派遣
情報・システム化支援
技術・生産管理支援
その他
80 (%)
31件 (20%)
28件 (18%)
12件 (8%)
N=152
資料:「ベンチャーキャピタリストに関する実態調査(1999年)」より作成
18
Global Quantitative Research
日本の主なベンチャーキャピタル
*投資残高順でみた日本のベンチャーキャピタル上位15社
会社名
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
株式会社ジャフコ
ソフトバンク・インベストメント㈱
エヌ・アイ・エフベンチャーズ株式会社
みずほキャピタル株式会社
日本アジア投資株式会社
株式会社UFJキャピタル
東京中小企業投資育成株式会社
大阪中小企業投資育成株式会社
SMBCキャピタル株式会社
りそなキャピタル
オリックス・キャピタル株式会社
東京海上キャピタル
日興アンファクトリー株式会社
安田企業投資株式会社
日本ベンチャーキャピタル株式会社
系列
2004年3月 2003年3月
前年比
証券系
137,408
150,590
▲ 8.8
事業会社系
101,250
94,309
7.4
証券系
81,522
83,846
▲ 2.8
銀行系
50,141
52,220
▲ 4.0
独立系
47,618
54,762
▲ 13.0
銀行系
45,000
40,800
10.3
政府系
37,333
37,887
▲ 1.5
政府系
31,833
30,619
4.0
銀行系
28,229
24,473
15.3
銀行系
26,019
14,176
83.5
事業会社系
24,924
23,277
7.1
生損保系
22,715
9,290
144.5
証券系
20,990
23,963
▲ 12.4
生損保系
19,747
19,010
3.9
独立系
19,689
18,964
3.8
*日経金融新聞2004年6月29日記事に一部加筆
年間投資額
28,578
25,838
14,090
5,699
8,791
7,500
2,953
1,689
7,813
3,236
5,443
13,308
3,864
4,535
2,329
19
Global Quantitative Research
日本のVCの歴史
1970年代 ∼ VC概念の導入
「京都エンタープライズデベロップメント(KED)」設立(1972)
「日本合同ファイナンス(現JAFCO)」設立(1973)
・第一次ベンチャー・ブーム(1970前半:銀行・証券系キャピタル)
1980年代 ∼ ファンド活用の開始
初の投資事業組合の設立(1982)
−日本合同ファイナンスによる
分離型ワラントによる疑似ストック・オプションの導入(1981)
・第二次ベンチャー・ブーム(1980央:地方銀行系キャピタル)
1990年代 ∼ 制度改革の時代
ベンチャーに関する規制緩和推進(1995∼)−新市場設立、商法改正等
・第三次ベンチャー・ブーム(1990初∼央:生損保系キャピタル)
・ネットバブル(2000:IT事業会社系キャピタル)
20
Global Quantitative Research
投資家と投資目的の多様性
投資家の種類
投資対象
対公開上場企業
対未公開企業
対ベンチャー企業
投資目的
戦略投資家
事業会社
事業会社
本業との相乗効果
/投資収益の追求
プロ(職業)投資家
機関投資家
(ファンド・マネージャー)
(アナリスト)
ベンチャー・キャピタル
投資収益の追求
(ポートフォリオ資産の最大化)
個人投資家
個人投資家
エンゼル
縁故/
投資収益の追求
(一点勝負もあり)
(出所) 野村リサーチ・アンド・アドバイザリー株式会社
−3−
21
Global Quantitative Research
ベンチャー・キャピタル・ビジネスのスキーム
⑤資金の回収
⑥配当
ベンチャーファンド
出資者
③投資
ベンチャー企業
IPO
(VB1)
(民法上の組合)
④育成
(株式公開)
①出資
②運用委託
委託手数料
被買収
VB2
組合運用者(GP)
VB3
①ベンチャーファンド(VF)の組成
・出資者を募り、VFを組成する
②組合運用者に運用を委託する
・管理費
:2∼3%(毎年)
・成功報酬 :キャピタルゲインの20∼30%
(回収額ー投資額)
(回収出来ず:リビングデット)
⑤資金の回収
・VB1:IPO時に保有株式を市場に売却
・VB2:買収先に保有株式を譲渡
⑥配当
・回収した資金のうち、管理費、成功報酬を差し引き、出資
比率に応じて配当(年1回)
・利回り・・・出資に対する配当で計算
22
Global Quantitative Research
ベンチャー・キャピタル・ファンド
„ 特定の投資家から長期の資金を集め、選任されたれた者が運用
„ 日本では、1982年に投資事業組合の第一号スタート
„ 民法上の任意組合の規定によった
„ 組合財産は組合員全員の共有
„ 組合の債務は、組合員が直接債権者に対して分割して無限責任を負う
„ 課税は組合ではなく組合員に直接なされる
„ 業務執行組合員を定め全組合員のための法律行為を行う⇒VCの役割
→有限責任組合法の必要性
„ 米国では、パートナーシップ制による有限責任方式
„ 一口あたりの出資額は一般に大きい
23
Global Quantitative Research
投資事業有限責任組合法
„ 1998年11月施行
„ 有限責任組合員の責任は出資の価額を限度とする。
„ 情報開示の徹底→パフォーマンス評価
„ 財務諸表等の作成と監査を受ける義務
„貸借対照表の資産評価において時価評価を義務づけ
„純資産の計算に未実現利益を含めない。(保守主義)
„組合員の持分明細について付属明細書上明示
„組合財産の分配状況について付属明細書上開示
投資事業組合の運営方法に関する研究会
24
Global Quantitative Research
投資事業有限責任組合法の概要
投資事業有限責任組合法(中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律)概要
1998年11月より施行されている本法の目的及び概要は次のとおり。
1. 法律制定の目的
従来、株式未公開の中小中堅ベンチャー企業の株等に対する投資を行っている投資事業組合は、一般的に民法上の組合として
設立されてきたが、組合業務の執行に携わらない組合員までが出資額を超えて責任を負わされるリスク(無限責任)が存在。
本法は、業務執行を行わない組合員が負う責任を出資額にとどめること(有限責任)を法的に担保する「投資事業有限責任組合」
の制度を創設することにより、幅広い投資家層による中小中堅ベンチャー企業への資金供給を促進するもの。
2. 法律の要旨
(1) 目的
①株式未公開の中小中堅ベンチャー企業への資金供給の円滑化
(2) 事業範囲
①株式未公開の中小中堅ベンチャー企業の株式、転換社債、ワラント債の取得保有
②株式未公開の中小中堅ベンチャー企業の知的財産権(特許権、著作権等)の取得保有
③投資先の中小中堅ベンチャー企業への経営アドバイス 等
(3) 投資家(組合員)の保護
①有限責任性の確保
②財務諸表、業務報告書の開示
③財務諸表等の外部監査 等
(4) 債権者保護
①有限責任組合としての予見可能性を確保(登記、名称使用制限)
②責任財産充実のための措置(債務超過の際の財産分配の禁止) 等
(5) 金融機関からの資金供給の促進
①独占禁止法、銀行法、保険業法上の金融機関の株式保有制限の適用除外 等
(6) 民法上の組合の規定の準用
①組合財産の全組合員による共有(組合自体には法人格なし) → 法人税非課税
②委任の規定の準用 等
25
Global Quantitative Research
ベンチャーに対する段階別金融支援例
投資&融資
レイター
一般VCによる投資
一般融資(保証)
ミ ドル
投資
知的財産権担保融資(保証)
・ 優良な担保が不足する場合の
開発資金の調達
・ レバレッジ効果
アーリー
新株予約権付融資
スタートアップ
・ 権利化は困難だが
事業ノウハウ等に特長
インキュベーション・ファンド
TLO等の支援
・大学、研究所等の成果の実用化
・特許取得段階からフォロー
我が国のベンチャーキャピタルの活動状況に関する調査/(財)VEC
26
Global Quantitative Research
ベンチャー・キャピタルの投資動向・ファンドベンチマーク調査
„ ベンチャー・キャピタルの投資額について
„ ベンチャー・キャピタルの投資先について
„ ファンドベンチマーク調査について
„ 日本のベンチャー・キャピタルの特徴について
27
Global Quantitative Research
国内VCの投融資残高推移
組合投資
本体投資
本体融資
(億円)
10,000
(8,779)
9,000
(8,533)
(8,797)
5,059
5,261
8,000
7,000
4,954
6,000
5,000
4,000
3,000
2,000
3,807
3,459
3,526
1,000
18
16
9
2003/3末
2003/9末
2004/3末
0
投融資残高(2004/3末現在)
本体
株式
社債
その他投資
投資計
融資計
投融資残高合計
291,487
25,341
34,217
352,635
946
353,587
組合
前年変化率
-7.2%
-12.7%
0.9%
-7.6%
-27.6%
-7.8%
452,456
36,285
9,406
526,113
−
526,113
N:サンプル社数
注1)金額を回答している会社
注2)前年変化率は2003/3末及び2004/3末の金額を両方回答している会社
注3)投資計は、株式、社債、その他投資の合計
注4)四捨五入や内訳に無回答があるため、内訳計、合計が一致しないことがある
前年変化率
4.4%
1.2%
-0.2%
4.1%
4.1%
(百万円)
合計(本体+組合)
前年変化率
743,943
0.6%
61,626
-4.0%
43,622
0.7%
878,748
0.1%
946
-27.6%
879,700
0.0%
N=95
N=93
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
28
Global Quantitative Research
年間投融資額の推移
(億円)
(1,503)
1,600
1,400
組合投資
本体投資
本体融資
(1,200)
1,200
1,000
1,197
800
914
600
400
285
200
0
年間投融資額(2003/4∼2004/3)
0
305
1
2003/3
2004/3
本体
株式
社債
その他投資
投資計
融資計
年間投融資額合計
組合
21,165
3,720
3,315
30,519
84
30,603
前年変化率
-14.9%
27.8%
15.4%
-8.8%
180.0%
-6.9%
91,998
11,976
1,594
119,689
−
119,689
N:サンプル社数
注1)金額を回答している会社
注2)前年変化率は2003/3末及び2004/3末の金額を両方回答している会社
注3)投資計は、株式、社債、その他投資の合計
注4)四捨五入や内訳に無回答があるため、内訳計、合計が一致しないことがある
前年変化率
11.4%
44.3%
498.4%
17.3%
17.3%
(百万円)
合計(本体+組合)
前年変化率
113,163
3.4%
15,696
38.8%
4,908
40.2%
150,207
11.2%
84
180.0%
150,291
11.6%
N=82
N=74
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
29
Global Quantitative Research
日米欧投資額の推移
日米欧VC投資残高の推移
(100億円)
3,000
(100億円)
1,200
2,678
1,101
1,000
1,549
1,583
1,367
1,500
1,000
2,688
2,672
2,374
2,500
2,000
日米欧VC年間投資額の推移
800
1,780
566
600
1,204
400
747
500
77
321
448
422
223
82
100
102
97
88
0
200
12
23
372
354
311
188
17
28
16
15
0
99年
00年
米国
01年
欧州
02年
03年
04年
日本
99年
00年
米国
(資料)米国はNVCA 2004 Yearbook(1$=104円換算)、欧州は2004 EVCA Yearbook(1ユーロ=128円換算)、
日本は各年報告書による。
01年
欧州
02年
03年
04年
日本
(資料)米国はNVCA 2004 Yearbook(1$=104円換算)、欧州は2004 EVCA Yearbook(1ユーロ=128円換算)、
日本は各年報告書による。
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
30
Global Quantitative Research
新規VC投資先企業の設立後年数別構成比の推移
新規VC投資先企業の設立年数別構成比の推移(金額比率)
70%
60%
50%
40%
30%
20%
10%
0%
98年3月
99年3月
00年6月
01年9月
02年9月
設立投資
設立後∼5年未満
10年以上∼15年未満
15年以上
(資料)各年報告書
03年9月
04年3月
5年以上∼ 10年未満
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
31
Global Quantitative Research
新規投資先企業の地域分布
新規投資先企業の地域分布
社数
日本国内計
北海道
東北地方
関東地方(東京を除く)
東京都
中部地方
近畿地方(大阪を除く)
大阪府
中国地方
四国地方
九州・沖縄地方
海外計
アジア・太平洋地域合計
欧州地域合計
北米地域合計
その他の地域合計
合計
1,469
39
35
212
644
120
99
123
49
17
55
120
52
6
53
2
1,589
構成比
92.4%
2.5%
2.2%
13.3%
40.5%
7.6%
6.2%
7.7%
3.1%
1.1%
3.5%
7.6%
3.3%
0.4%
3.3%
0.1%
100.0%
(社数:社、金額:百万円)
金額
1社当たり
構成比 金額
102,982
86.0%
65.4
916
0.8%
23.5
1,971
1.6%
56.3
9,997
8.3%
47.2
35,690
29.8%
56.6
5,376
4.5%
44.8
5,411
4.5%
54.7
6,079
5.1%
49.4
1,213
1.0%
24.8
349
0.3%
20.5
2,037
1.7%
37.0
15,484
12.9%
132.3
7,932
6.6%
152.5
1,349
1.1%
224.8
5,288
4.4%
105.8
149
0.1%
74.5
119,729
100.0%
70.4
N:サンプル社数
N=88
N=89
注1)社数または金額を回答している会社
注2)1社当たり金額は社数と金額を両方回答している会社
注3)四捨五入や内訳に無回答があるため、内訳計、合計が一致しないことがある
N=88
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
32
Global Quantitative Research
日本のベンチャー・キャピタルの現状
グループ別VC投資残高割合
年間投融資額上位VCの構成比(金額比率)
独・外資
10%
事業系
16%
上位21社∼
13.2%
上位11∼20社
14.3%
官製
6%
金融系
68%
上位10社
72.5%
平成13年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
業態別出資者の構成(金額比率)
EXIT件数(単純集計)(2003/4∼2004/3)
海外計
13.0%
2003/4∼2004/3
株式公開
倒産・解散・償却
売却・経営者等への売戻しなど
その他
427
186
286
30
社
社
社
社
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
その他国内
3.7%
その他基金・財団
8.1%
年金基金
0.8%
証券会社
0.8%
保険会社
2.9%
銀行・信用金庫・信
用組合
28.6%
無限責任組合員及
び業務執行組合員
25.5%
個人
2.4%
他のベンチャーキャ
ピタル
1.4%
事業法人
12.9%
33
Global Quantitative Research
ベンチャー・ファンドの設立状況
ベンチャー・ファンド設立推移
ファンド開始年別出資総額
3,500
50
40
ファンド数
35
その他/
海外の制度
3,000
任意組合
2,500
有責組合
出資総額(億円)
45
30
25
20
15
2,000
1,500
1,000
10
5
500
0
'82 '83 '84 '85 '86 '87 '88 '89 '90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04
0
'82 '83 '84 '85 '86 '87 '88 '89 '90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
34
Global Quantitative Research
ベンチャー投資のパフォーマンス特性
投資収益は投資開始からの時間に依存
投資収益は投資開始からの時間に依存
500
400
•1、2年めは、投資家からの出資を受ける。
300
資金流出入額(億円)
(グラフでマイナス値)
200
資金流入
資金流出
累計
100
•3年めから投資家への分配が少しずつ始まる。
(累積ではまだ、損失の状態)
•7年経ったあたりから分配は大きく増え、
0
•資金流出入の累計も流出が多くなる。
-100
(収益化)
-200
-300
0
1
2
3
4
5
6
7
8
開始後経過年数
9
10
11
12
13
「1998年ベンチャー・キャピタル・ファンド(投資事業組合)パフォーマンス・ベンチマーク」(通商産業省)より
→最近は回収時期が早まる
・マザーズ、ヘラクレス等の新興市場の
創設による早期IPO
・IPOを織り込んだ計画的事業計画の
策定による早期IPO
(企業オーナーの意識の変化)
35
Global Quantitative Research
パフォーマンス・データに関する注意点
„
リターン計算はIRR(内部収益率)による。
„
„
„
初期数年は投資のみ(損失)で、中期以降に収益は始まる。
„
設立後間もないファンドのパフォーマンスは評価すべきではない。
„
設立年の違いを考慮して比較するべきである。
統一された時価評価の方法が確立されていない。
„
„
資金の流出入データから求めなければならない。
簿価ベースの評価も混ざっている可能性あり。
時系列の時価評価データはない。
„
ユニバース比較型のベンチマーク
z
ベンチャー・キャピタル・ファンドは一般に、各時点での正確な時価評価額を決めることができないこと、一旦出資すると投
資期間中に自由に清算できないことから、運用パフォーマンスは、投資家にとってのキャッシュフローから計算されるIRR(内
部収益率)によって測る。このIRRとは、その投資で発生する出資・分配などの全てのキャッシュフローを現在価値に割引いた
際に、それらの総和がゼロとなるよう算出された割引率(%)のことであり、いわゆるファンドの年間利回りに近い概念であ
る。運用が終了していないファンドに関しては、直近のファンド残余価値を時価評価し、便宜的にこれを直近時点の正の
キャッシュフローに加える。
z
実際には、IRR(r)は次の式を満たすように求められる。
n
0=∑
i =0
z
Ci
(1 + r )t
i
このとき、:開始(0)から番目の時点までの期間、:でのキャッシュフロー額(出資金を負のキャッシュフロー、分配額を正の
キャッシュフローと考える。最終時点におけるファンド資産の残余価値時価評価をの正のキャッシュフローに加える)、:IRR
である。このは一般に解析的には求められないので、逐次計算により近似解を求めることになる。
36
Global Quantitative Research
日本のVCファンドの開始年別IRR①
IRR
'82
'83
'84
'85
'86
'87
'88
'89
'90
'91
'92
'93
'94
'95
'96
'97
'98
'99
'00
'01
'02
'03
'04
全ファンド
ファンド数
2
8
5
8
1
4
2
8
12
13
8
4
3
12
24
15
3
21
36
30
31
27
19
296
流出入総額 出資額加重 単純平均
標準偏差
IRR
平均IRR
IRR
15.61%
15.59%
15.84%
1.29%
13.16%
12.42%
9.36%
5.42%
13.31%
13.00%
12.07%
2.70%
9.08%
9.36%
7.26%
5.12%
NA
3.79%
3.94%
5.72%
4.96%
0.10%
0.10%
0.10%
0.03%
-4.27%
-5.09%
-4.17%
5.49%
-0.56%
-1.34%
-2.04%
5.82%
0.80%
0.26%
-0.06%
4.68%
2.71%
2.57%
0.90%
3.99%
0.96%
0.53%
-2.59%
5.38%
38.93%
30.29%
19.36%
37.86%
4.77%
3.18%
2.05%
7.73%
-0.17%
0.97%
-1.80%
9.19%
21.26%
17.43%
2.60%
17.25%
4.62%
4.80%
1.67%
3.90%
2.98%
2.49%
2.28%
12.30%
1.05%
-0.76%
-1.84%
12.95%
-4.27%
-4.98%
-4.62%
16.66%
-2.68%
-5.05%
-3.86%
15.32%
-1.72%
-3.35%
-8.96%
22.38%
-8.11%
-8.11%
-7.57%
16.80%
4.80%
1.30%
-1.29%
14.45%
最大値
16.75%
17.16%
14.82%
16.76%
13.13%
0.12%
4.21%
3.87%
5.34%
4.40%
3.41%
63.08%
13.12%
27.95%
63.84%
5.52%
36.32%
49.07%
77.10%
55.66%
35.37%
0.00%
77.10%
上1/4値
16.29%
13.97%
14.26%
9.44%
6.01%
0.11%
-0.16%
2.69%
2.88%
3.83%
1.23%
30.29%
9.56%
-1.12%
1.72%
3.65%
9.06%
0.98%
-3.43%
-2.65%
-0.91%
0.00%
2.50%
中央値
15.84%
7.75%
12.75%
7.47%
3.64%
0.10%
-4.12%
0.10%
1.89%
1.26%
-3.19%
-2.50%
-0.01%
-2.86%
-2.43%
1.78%
2.20%
-1.46%
-5.17%
-4.34%
-3.59%
0.00%
-1.52%
下1/4値
15.38%
4.80%
9.87%
3.23%
3.35%
0.09%
-9.82%
-8.54%
-1.67%
0.17%
-7.01%
-2.50%
-5.27%
-4.98%
-3.99%
-0.25%
-7.05%
-8.28%
-10.84%
-11.51%
-6.33%
-3.02%
-6.14%
最小値
14.93%
3.84%
8.68%
1.58%
2.49%
0.08%
-10.18%
-11.06%
-9.61%
-7.91%
-7.37%
-2.50%
-6.33%
-13.21%
-6.55%
-2.28%
-16.99%
-32.33%
-19.64%
-37.13%
-77.86%
-58.60%
-77.86%
加重平均
TOPIX
9.41%
6.59%
4.80%
1.28%
-0.19%
-2.65%
-5.76%
-6.71%
-6.17%
-4.90%
-2.02%
-2.95%
-3.14%
-2.14%
-4.06%
-2.78%
-0.16%
-5.68%
-7.75%
-1.54%
9.37%
19.17%
-4.07%
-2.30%
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
37
Global Quantitative Research
日本のVCファンドの開始年別IRR②
140%
120%
100%
出資額加重平均IRR
加重平均TOPIX
80%
収益率
60%
40%
20%
0%
-20%
-40%
-60%
-80%
'82 '83 '84 '85 '86 '87 '88 '89 '90 '91 '92 '93 '94 '95 '96 '97 '98 '99 '00 '01 '02 '03 '04 全
平成16年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
38
Global Quantitative Research
投資パフォーマンス日米比較
(%)
115
105
95
85
75
米国の
米国の
流出入総額
IRR
流出入総額IRR
65
55
45
35
25
15
5
日本の
日本の
流出入総額
IRR
流出入総額IRR
-5
1983 1984 1985 1986 1987 1988 1989 1990 1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999
(出典)2000年 日本のベンチャーキャピタルに関する報告書
ベンチマークレポート,経済産業省
トムソン・ファイナンシャル/ベンチャー・エコノミクス
39
Global Quantitative Research
日本のVCの特徴
„ 欧米に比べて規模が小さい。
„ 金融機関が母体となって設立され、組織的に運営されている会社が多く見られる。
証券系
−株式公開引受幹事への布石
銀行系
−中小企業取引拡大等の目的
生損保系 −親会社の資金運用
„ 最近、専門分野を絞って投資活動を行う独立系VCが成長 −中堅以下が多く独自性あり。
„ 他に政府系・外資系・事業会社系など。経営支援業務における「育成」が不足。
„ 運用者はサラリーマン(出向者)が多い。
→リスクをおそれ、レイターに分散投資。
„ パフォーマンス格差が小さい。
„ ゲートキーパー、メンター、エンジェルなどの周辺層が薄い。
„ 投資回収はIPO中心(M&Aが少ない)。
„ セカンダリーマーケットが未熟。
40
Global Quantitative Research
ベンチャー投資のリスクと投資環境
„ ベンチャー投資のリスク
„ パフォーマンス改善の可能性
„ ベンチャー投資環境の現状
41
Global Quantitative Research
ベンチャー投資のリスク
„ 価値(価格)変動リスク
„ ファンドの形にしてリスク分散を狙う。
„ 倒産リスク、財務リスク、信用リスク
„ 公開大企業よりもクレジットリスク等は一般に大きい。
„ 流動性リスク
„ 流通市場が未発達であり、情報の伝播も非効率。
„ 投資成果は投資初期段階では現れない。
„ 換金は容易ではない。
„ マネージャ選択のリスク
„ 運用者によるパフォーマンス格差が大きい。
42
Global Quantitative Research
未公開企業の倒産リスク
判別関数 Z1 = −0.5288X1 + 0.0673X 2 + 0.4921X 3 − 0.0169X 4 + 0.0094X 5 + 0.4500
X1 :デット・キャパシティ・レシオ
X 2 :使用総資本経常利益率
X 3 :使用総資本回転率
5%
X 4 :保証債務比率
平均
標準偏差
サンプル企業数
Z1<0の企業数
Z1<0の企業比率
未公開 店頭公開 東証二部 東証一部
企業
企業 上場企業 上場企業
※
1.75
2.22
2.04
1.90
※
1.23
0.71
0.60
0.50
1061
831
495
1194
47
2
1
0
4.43%
0.24%
0.20%
0.00%
※は、異常値と見られる1サンプルを除いたもの。これを含めると平均:1.42、分散:11.02である。
4%
倒産予ェ企業の比率
X 5 :運転資本比率
3%
2%
1%
0%
未公開
企業
店頭公開
企業
東証二部
上場企業
東証一部
上場企業
“帝国データバンク等 のデータを元に野村證券金融研究所作成
財務データによる判別分析から、未公開企業の倒産リスクは公開企業と比べて高い。
財務データによる判別分析から、未公開企業の倒産リスクは公開企業と比べて高い。
43
Global Quantitative Research
VCFによるパフォーマンス改善の可能性
米国ベンチャー投資と他資産のパフォーマンスの関係
NYSE NASDAQ FRB10
1.000
0.900
1.000
-0.021
-0.023
1.000
-0.127
-0.136
0.890
-0.207
-0.212
0.844
0.595
0.693
-0.072
10.1%
12.7%
8.6%
16.4%
21.1%
2.2%
NYSE
NASDAQ
FRB10
TB3M
FFR
VCF
平均
標準偏差
TB3M
FFR
1.000
0.989
-0.085
6.9%
2.6%
1.000
-0.152
7.7%
3.2%
VCF
ベンチャー投資は、上場株とも、債券とも相関が低い
ベンチャー投資は、上場株とも、債券とも相関が低い
1.000
13.8%
11.4%
15.0%
14.0%
13.0%
Return
12.0%
VCF
VCFを入れた場合
制限なし
NASDAQ
VCFを入れない場合
制限なし
11.0%
S&P500
10.0%
9.0%
FRB10y
8.0%
7.0%
6.0%
0.0%
FFR
ベンチャーキャピタルファンドを加えることで、低リスク高リ
ベンチャーキャピタルファンドを加えることで、低リスク高リ
ターンの可能性が出てくる。
ターンの可能性が出てくる。
S&P500 30%
NASDAQ 15%
VCF 15% を
上限とした場合
TB3m
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
Risk
Venture Economics ”1998 Investment Benchmarks Report -- Venture Capital –“より野村證券金融研究所作成
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Global Quantitative Research
新規投資先と今後の重点分野
„ 新規投資先分野(2003年)
IT関連44%、ビジネス・サービス15%、産業/エネルギー9%、
バイオ・医療・ヘルスケア14%、消費者関連6%
(IT関連 :半導体、インターネット、通信、コンピュータ)
平成15年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
„ 今後の重点分野(複数回答)
バイオ50%、コンピュータ35%、インターネット34% 、医療32%、ビジネスサービス28.3%、半導体
25%、製造24%、通信22.8%
平成14年度ベンチャーキャピタル投資動向調査/(財)VEC
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Global Quantitative Research
ベンチャー投資環境の現状
(プラス面)
(マイナス面)
„ 長期の景気低迷
投資先の販路拡大・成長には逆風
„ 証券市場の低迷
株式公開による期待売却益の減少
„ 間接金融の麻痺
投資先時価総額の適正水準維持
„ 会計基準の変更(金融商品会計の導入)
アーリーやスタートアップへの投資減損処理
„ 時価総額の低下による引受株価リスクの減少
投資先の事業に基づく適正な評価が可能
„ 産官学の連携による高技術ベンチャーの創出
大学TLO、公務員の兼業緩和、産業クラス
ター
„ 大企業の経営戦略の転換
自前R&Dからアウトソーシング、社内ベンチャー
„ 商法など法・制度改正
種類株の発行、オプション、公開基準の緩和
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Appreciation
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金融経済研究所
金融工学研究センター
主任研究員 中嶋 啓浩
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