平成28年2月12日 新社会福祉法人会計基準に おける決算の留意点 税理士 成 澤 会 計 事 務 所 税理士 成澤優一朗 長 野 市 稲 葉 295 番 地 3 北 村 ビ ル 203 ℡ 026-269-0032 Fax 026-269-0033 Ⅰ.社会福祉法人の決算業務の流れ 社会福祉法人における主な決算業務の流れは、以下のとおりです。 項目 1 決算の打合せ 2 内容 書式 ①決算日程の決定 ②規程の定期点検 ・利用者処遇関連 ・職員処遇関連 ・法人運営、経理関連 3月分の月次試算表(決算 4月10日頃まで 整理前試算表)の作成 3 実査、棚卸、現物調査 残高確認 4 決算整理事項 ① 流動資産、流動負債の 整理 ①現金・有価証券の実査(3月31日) ②棚卸資産の実地棚卸 ( 〃 ) ③固定資産の現物調査 ( 〃 ) ④金融機関残高証明の入手 ⑤未収金・未払金の残高確認 事業未収金、事業未払金の計上 貯蔵品、材料、製品、仕掛品の洗替え 立替金、前払金、短期貸付金、仮払金、預り金、 前受金、仮受金の清算と内訳書の作成 1年以内に期限が到来する借入金・貸付金等の振替 ② 固定資産 固定資産の現品調査、棚卸 廃棄等の会計処理 寄付物品の受入れ 減価償却の計算 固定資産管理台帳・リース台帳 当該年度に新規借入金が発生した場合その資金源泉の調査 1年以内に期限が到来する金額を流動負債へ振替 借入金明細表 固定資産増減明細表 固定資産集計表 ③ 借 入 金 ④ 基 本 金 ⑤ 国庫補助金等特別積立 金 施設整備のための寄付金、借入金償還財源としての寄付金を 寄附金収入明細表 チェック 基本金明細表 当該年度に受けた補助金の内容調査、拠点(サービス)区分、 国庫補助金等特別積立金明細表 国庫補助金等特別積立金の積立て 減価償却対応取崩額の計算 ⑥ 積 立 金 運営費施設等における人件費積立金等の設定 ⑦ 引 当 金 徴収不能引当金の洗替え(戻入れ・繰入れ) 賞与引当金の計上 退職給付引当金の計上 ⑧ 共通収入・支出の配分 ⑨ その他 ①変更・廃止すべきサービス区分 ②検討を必要とするサービス区分 ③積立金の積立 ④前年からの検討課題 4 決算整理仕訳 5 決算試算表の作成 6 財務諸表の作成 1.資金収支計算書及び資金収支内訳表 (事業区分別、拠点区分別) 2.事業活動計算書及び事業活動内訳表 (事業区分別、拠点区分別) 3.貸借対照表(事業区分別、拠点区分別) 4.財産目録 5.付属明細書 7 理事長への報告 8 監事監査 9 理事会 決算終了後2ヶ月以内(5月末日まで) 10 資産総額の変更登記 11 現況報告 決算終了後 3か月以内(6月末日まで) 12 税務署提出 事業報告書 財務諸表 4か月以内(7月末日まで) 13 現況報告書及び財務諸表の HP上で現況報告書及び財務諸表の公表 公表 1 資金収支計算書 資金収支内訳表 事業活動計算書 事業活動内訳表 貸借対照表 財産目録 サービス区分資金収支計算書他 Ⅱ 会計処理の主な改正点 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ 基本金 国庫補助金等特別積立金 引当金 資産・負債区分 退職共済制度 共同募金配分金 内部取引 共通収入支出(収益費用)の配分 リース取引 第4号基本金(繰越金を基本財産とする場合の基本金)の廃止 固定資産に計上されない物品に対応する補助金や借入返済補助金も追加 その他の引当金を廃止 1年基準の起算日を契約日から貸借対照表日(3/31)に変更し、流動と固定を区分 法人独自、福祉医療機構、県共済の処理を明示 受配者指定配分金は寄付金、それ以外は補助金と明示 財務諸表作成時に相殺 科目ごとの按分基準を明示 リース取引に関する会計処理について整理 Ⅲ 引当金の改正点 【改正のポイント】 ① 引当金については、当分の間、原則として「徴収不能引当金」「賞与引当金」「退職給付引当金」の3つに限ります。 旧会計基準においてその他の引当金として計上されている修繕引当金等は全額取り崩されます。 ② 社会福祉法人会計基準及び注解並びに運用指針において、上記3つの引当金を「計上するものとする。」という規定に なっている為、給与規定等に賞与支給及び退職金支給の規定がある場合は、引当金を計上する必要があります。 徴収不能引当金は、原則として、毎会計年度末において徴収することが不可能な債権を個別に判断し、当該債権を徴収 不能引当金に計上します。 【注意するポイント】 ① 引当金のうち重要性の乏しいもの、すなわち金額が僅少であったり、各年度大きな変動のない引当金についてはこれを 計上しないことができます。 ② 原則として、引当金のうち賞与引当金のように通常1年以内に使用される見込みのものは流動負債に、退職給付引当金 のように通常1年を超えて使用される見込みのものは固定負債に計上します。 徴収不能引当金は、金銭債権から控除します。 2 【引当金計上金額の計算方法】 ① 徴収不能引当金 ア 毎会計年度末において、以後徴収することが不可能と判断される債権の金額(個別評価債権) イ 上記ア以外の債権の総額に、過去の徴収不能額の発生割合を乗じた金額(一括評価債権) アとイの合計額を徴収不能引当金として計上する。 ●徴収不能見込額の算定方法 個別評価債権・・・徴収不能の可能性が極めて高い債権(法的、形式的に破産等の事実は発生していないが、深刻な 状態にあると認められる債務書に対する債権)の金額から回収が確実に見込まれる額を控除して 算定する。 一括評価債権・・・個別評価債権以外の債権に次の算式を乗じて算定する。 当会計期間を最終年度とするそれ以前3会計期間の徴収不能額の合計額 当会計期間を最終年度とするそれ以前3会計期間の末日の一括評価債権金額の合計額 【仕訳例】 事業未収金明細書 内容 28年2月分国保連 28年3月分国保連 28年3月分利用者利用料 28年2月分利用者利用料 摘要 金額 8,500,000 8,700,000 850,000 79,000 25年9月死亡 毎月請求書送付 年1、2回の電話、訪問 25年8月分利用者利用料 22,000 による督促も利用者家族(年金による所得のみ)に支払意 思なし 24年10月死亡 毎月請求書送付 年1、2回の電話、訪問 24年5月分利用者利用料 24,000 による督促も利用者家族(年金による所得のみ)に支払意 思なし ※過年度に徴収不能実績はない。 3 ① 徴収不能見込額の算定 個別評価債権 22,000+24,000=46,000円 ② 徴収不能引当金の計上 (借方) (P/L)徴収不能引当金繰入 一括評価債権 過年度に徴収不能実績がないことから0円 (貸方) 46,000 (B/S)徴収不能引当金 46,000 (C/F)仕訳なし ③ 事業未収金24,000円が徴収不能となった。 (借方) (貸方) (B/S)徴収不能引当金 24,000 (B/S)事業未収金 (C/F)徴収不能額 24,000 (C/F)支払資金 ④ 徴収不能見込額算定の時に24,000円については、回収できないと判断された場合 (借方) (貸方) (P/L)徴収不能額 24,000 (B/S)事業未収金 (P/L)徴収不能引当金繰入 22,000 (B/S)徴収不能引当金 (C/F)徴収不能額 24,000 (C/F)支払資金 4 24,000 24,000 24,000 22,000 24,000 ② 賞与引当金計上額の算定 賞与引当金の算定に当たっては、過去の賞与の支給実績、法人業績の状況、給与規定、 翌期のベースアップ等を勘案して、翌期の賞与支給見込額を算出し、当期に帰属する額を 引当金繰入額として計上します。 新会計基準では、引当金は「差額計上方式」により処理します。 このため、引当金戻入の科目は設定されていません。 賞与支給時にはまず賞与引当金を充当し、差額を職員賞与へ計上します。 H27.4.1 12.1 H28.3.31 5.31 7.10 会 計 年 度 支給 賞与引当金の対象 ≪仕訳例≫ 1.次掲の明細書のとおり、賞与引当金を計上する。 賞与分 10,114,000円 法定福利費分 2,733,000円 (P/L) (借方) 賞与引当金繰入 (貸方) 12,847,000 (B/S) 賞与引当金(賞与) 10,114,000 (B/S) 賞与引当金(社保) 2,733,000 2.翌期7月に賞与を支給し、社会保険料を支払った。 賞与 15,171,000円 社会保険料 4,099,500円 (借方) (貸方) 現金預金 (B/S) 賞与引当金(賞与) 10,114,000 (B/S) 職員賞与 (P/L) 5,057,000 (C/F) 職員賞与支出 (B/S) 賞与引当金(社保) 法定福利費 (P/L) (C/F) 法定福利費支出 15,171,000 15,171,000 2,733,000 (B/S) 1,366,500 4,099,500 5 現金預金 4,099,500 賞与引当金の繰入額に関する明細書 (賞与分) (平成○○年度末) サービス区分 ○○デイサービス 1人当たり賞与支給額及び当期の支給対象期間に対応する賞与の額の計算 ■前1年間の1人当たり賞与支給額の計算 支給年月 支給金額 支給日に在職した使 用人等の数 1人当たり賞与支給額 27年7月 13,500,000 28 482,143 27年12月 14,280,000 30 476,000 計 958,143 …① ■当年度の支給対象期間に対応する賞与の額の計算 支給年月 当年度に支給 した賞与の額 左のうち、当 (その支給対 年度末に在職 象期間が当年 する職員に支 度に含まれな 給した金額 いものを除 ※1 く) 27年7月 13,500,000 13,050,000 12/1∼5/31 2/6 4,350,000 27年12月 14,280,000 14,280,000 6/1∼11/30 6/6 14,280,000 計 27,780,000 27,330,000 左のう ち、当年 賞与支給対象期間 度に属す る月数/ 左の月数 賞与対象期間 のうち、当年 度の支給対象 期間に対応す る賞与の額 18,630,000 …② 当期の繰入額の計算 前1年間の1人当たり賞与支給額 ①の計 958,143 当年度末使用人等に対する期中支払賞与の額のうち、当 年度の支給対象期間に対応する部分の金額 ②の計 18,630,000 当年度末の使用人等の数 30 …③ ③の1人当たりの金額 ②÷③ 621,000 …④ 基準賞与の額 ①−④ 337,143 …⑤ 当期の繰入額(千円未満切捨て) ⑤×③ ※1 3月末退職の職員は除く。 6 10,114,000 賞与引当金の繰入額に関する明細書 (法定福利費分) (平成○○年度末) サービス区分 ○○デイサービス 1人当たり賞与支給額及び当期の支給対象期間に対応する賞与の額の計算 ■前1年間の1人当たり賞与に係る社会保険料の計算 支給日に在職した使 用人等の数 1人当たり社会保険料支払額 3,500,000 28 125,000 4,280,000 30 142,667 支給年月 支払金額 27年7月 27年12月 計 267,667 …① ■当年度の支給対象期間に対応する社会保険の額の計算 支給年月 当年度に支給 した賞与の額 に係る社会保 左のうち、当 険料(その支 年度末に在職 給対象期間が する職員に係 当年度に含ま る金額 ※1 れないものを 除く) 左のう ち、当年 賞与支給対象期間 度に属す る月数/ 左の月数 賞与対象期間 のうち、当年 度の支給対象 期間に対応す る社会保険の 額 27年7月 3,500,000 3,050,000 12/1∼5/31 2/6 1,016,667 27年12月 4,280,000 4,280,000 6/1∼11/30 6/6 4,280,000 計 7,780,000 7,330,000 5,296,667 …② 当期の繰入額の計算 前1年間の1人当たり社会保険支払額 ①の計 267,667 当年度末使用人等に対する期中支払社保の額のうち、当 年度の支給対象期間に対応する部分の金額 ②の計 5,296,667 当年度末の使用人等の数 30 …③ ③の1人当たりの金額 ②÷③ 176,556 …④ 基準賞与に係る社会保険料の額 ①−④ 91,111 …⑤ 当期の繰入額(千円未満切捨て) ⑤×③ ※1 3月末退職の職員は除く。 7 2,733,000 前年度賞与支給実績額及び予算計上時の支給見込額等を基に、より簡便に賞与引当金繰入額 の計算を行うことも出来ます。 【前年度実績を基に計算する場合】 事業年度 27. 4. 1 28. 3. 31 賞与引当金計算表 区 分 賞 前 与 給 905,000 128,000 4 5,310,000 754,000 分 5 1.015 1.015 5,389,650 765,310 支 実 給 実 績 平成28年6月15日 前年度支給実績額のうち3月末退職者分 3 象 給 月 1 882,000 対 支 込 社会保険料 6,215,000 当 度 見 ○○デイサービス 額 2 引 年 支 賞与 サービス区分名 績 額 (2)-(3) 定 期 昇 給 調 整 引 当 対 象 賞 与 支 給 見 込 額 6 (4)×(5) 賞 与 支 給 対 象 期 間 7 当期に属する賞与支給対象月数/6の月数 8 賞 与 引 当 金 繰 入 額 9 (6)×(8) 8 平成27年12月1日∼平成28年5月31日 4ヶ月/6ヶ月 3,593,000 510,000 【支給見込額を基に計算する場合】 事業年度 27. 4. 1 28. 3. 31 賞与引当金計算表 区 分 賞与 賞 与 支 給 見 込 月 1 賞 与 支 給 見 込 額 2 賞 与 支 給 対 象 期 間 3 当期に属する賞与支給対象月数/6の月数 4 賞 与 引 当 金 繰 入 額 5 (2)×(4) 9 サービス区分名 ○○デイサービス 社会保険料 平成28年6月15日 5,313,000 764,000 平成27年12月1日∼平成28年5月31日 4ヶ月/6ヶ月 3,542,000 509,000 ○○デイサービス賞与支給見込額 賞与支給基準 氏名 長野 太郎 須坂 一郎 豊野 南椎 若穂 愛舞 川田 留樹 真田 幸村 猿飛 佐助 上山田 茶彩羅 松本 乃絵瑠 安曇野 未羅乃 塩尻 宝愛瑠 飯田 楽気 伊那 来夢 飯山 燃志 山田 太郎 上田 華妃羅 芝 賢 秋田 謙 綿内 紗音瑠 千曲 奏日亜 霧隠 才歳 根津 甚八 望月 六郎 筧 十蔵 海野 六郎 穴山 小助 由利 鎌之介 三好 伊三入道 三好 清海入道 金成 適当 正規職員 嘱託職員 パート職員 役職 2.125 1.100 20,000 雇用形態 施設長 正規職員 相談員 正規職員 介護職員 正規職員 介護職員 正規職員 介護職員 正規職員 介護職員 正規職員 介護職員 正規職員 看護師 正規職員 看護師 正規職員 介護職員 嘱託職員 介護職員 嘱託職員 介護職員 嘱託職員 介護職員 嘱託職員 介護職員 嘱託職員 介護職員 嘱託職員 看護師 嘱託職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 介護職員 パート職員 Aサービス区分 合計 基本給 200,000 220,000 200,000 180,000 175,000 175,000 180,000 220,000 200,000 154,000 154,000 163,000 160,000 158,000 163,000 180,000 賞与支給額 425,000 467,500 425,000 382,500 371,875 371,875 382,500 467,500 425,000 169,400 169,400 179,300 176,000 173,800 179,300 198,000 20,000 30,000 20,000 20,000 30,000 30,000 30,000 20,000 20,000 20,000 30,000 30,000 30,000 20,000 5,313,950 10 健康保険 24,416 26,858 24,416 21,975 21,364 21,364 21,975 26,858 24,416 9,732 9,732 10,301 10,111 9,985 10,301 11,375 285,179 法人負担社会保険料 厚生年金 雇用保険 37,132 3,613 40,845 3,974 37,132 3,613 33,419 3,251 32,491 3,161 32,491 3,161 33,419 3,251 40,845 3,974 37,132 3,613 14,800 1,440 14,800 1,440 15,665 1,524 15,377 1,496 15,185 1,477 15,665 1,524 17,299 1,683 170 255 170 170 255 255 255 170 170 170 255 255 255 170 433,700 45,169 合計 65,161 71,677 65,161 58,645 57,016 57,016 58,645 71,677 65,161 25,972 25,972 27,490 26,984 26,647 27,490 30,357 170 255 170 170 255 255 255 170 170 170 255 255 255 170 764,048 ③ 退職給付引当金 職員に対して将来支給する退職金のうち、法人の負担する長野県民間社会福祉事業従事者退職年金共済制度掛金相当額 を退職給付引当金に計上する。(掛金支払いの都度引当金計上して下さい。) Ⅳ リース取引に関する会計処理の改正点 【改正のポイント】 ① リース取引を「所有権移転ファイナンスリース」、「所有権移転外ファイナンスリース」、「オペレーティングリース」に 分類する。 ② 「ファイナンスリース」とは、①リース期間の中途において契約を解除できないリース又は②借手がリース物件からもたらされ る経済的利益を実質的に享受でき、かつ、当該リース物件の使用に伴って生じるコストを実質的に負担することになるリースを いいます。 ③ 「所有権移転ファイナンスリース」はファイナンスリースのうちリース物件の所有権が借手に移転すると認められるものをいい ます。 ④ 「所有権移転外ファイナンスリース」とは③以外のファイナンスリースをいいます。 ⑤ 「オペレーティングリース」とはファインナンスリース以外のリースをいい、中途解約可能のものがこれに該当します。 (レンタルなど) 【リース取引の会計処理】 リース取引の分類 所有権移転ファイナ ンスリース ファイナンスリース 所有権移転外ファイ ナンスリース オペレーティングリース 会計処理 原則 容認 原則 利息相当額を リース資産と 区分してリー ス期間の各年 度に利息法に 売買処理 賃貸借処理 より配分す る。 売買処理 なし 賃貸借処理 なし 11 利息の処理 容認 ①リース料総額から 利息相当額を区分し ない ②定額法で利息相当 額をリース期間に配 分する。 なし ① 所有権移転ファイナンスリースは割賦(分割)払いというだけで、購入と同じなので売買処理となる。 ② 所有権移転外ファイナンスリースは原則としてリース資産及びリース債務を計上し、売買処理となる。 リース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下のリース取引やリース期間が1年以内のリース取引については、今まで 通りの賃貸借処理も認められる。 ③ 利息の処理において簡便な方法が容認される場合は下記のとおり。 未経過リース料<(未経過リース料期末残高+有形固定資産期末残高+無形固定資産期末残高)×10% ④ 新会計基準移行前に契約したリースについては今まで通りの賃貸借処理でよい。 注) 車両のリースについてはオペレーティングリースに該当するものもあるので、リース契約書をよく確認すること。 オペレーティングリースであればリース料総額が300万円超であっても賃貸借処理でよい。 通常の賃貸借処理を行うリースについては、未経過リース料総額を注記する必要があります。 未経過リース料を把握するために、リース台帳を作成して下さい。 Ⅴ 内部取引の改正点 ① 内部取引は財務諸表、付属明細書において、相殺消去する。 法人全体 (事業区分別) 事業区分 (拠点区分別) 資金収支計算書 事業活動計算書 貸借対照表 事業区分間取引、拠点区分間取引、サービス区分間取引を相殺消去 資金収支計算書 事業活動計算書 貸借対照表 事業区分間取引(異なる事業区分間取引)を相殺消去 資金収支内訳表 事業活動内訳表 貸借対照表内訳表 拠点区分間取引(同一事業区分内の異なる拠点区分間取引)を相殺消去 事業区分資金収支内訳表 事業区分事業活動内訳表 事業区分貸借対照表内訳表 拠点区分 拠点区分資金収支計算書 事業区分事業活動計算書 拠点区分貸借対照表 サービス区分別 サービス区分間(同一拠点区分内のサービス区分間取引)を相殺消去 法人全体 財 務 諸 表 付属明細書 (拠点区分のサービ 拠点区分資金収支明細書 拠点区分事業活動明細書 ス別に区分表示) 12 Ⅵ 新会計基準と旧基準における決算書の違い 【法人全体】 作 成 し な け れ ば な ら な い 書 類 平成23年基準(旧基準) ・ 財務諸表 資金収支計算書 事業活動計算書 貸借対照表及び注記 資金収支内訳表(事業区分別) 事業活動計算書(事業区分別) 貸借対照表内訳表(事業区分別) ・ 付属明細書 ・ 財産目録 【法人全体】 【事業区分】 ・ 事業区分資金収支内訳表(拠点区分別) ・ 事業区分事業活動内訳表(拠点区分別) ・ 事業区分貸借対照表内訳表(拠点区分別) 【会計単位】 【拠点区分】 ・ ・ ・ ・ 【経理区分】 拠点区分資金収支計算書 拠点区分事業活動計算書 拠点区分貸借対照表及び注記 付属明細書 平成12年基準(旧基準) ・ 財産目録 ・ 資金収支計算書(内訳表) ・ 事業活動収支計算書(内訳表) ・ 貸借対照表及び注記 ・資金収支計算を例にとると、旧基準では会計単位毎の資金収支計算書と経理区分の内訳を示す資金収支決算内訳表の2種類 を作成することになるが、新基準では資金収支計算書(法人全体)、資金収支内訳表(事業区分別)、事業区分資金収支 内訳表(拠点区分別)、拠点区分資金収支計算書、拠点区分資金収支明細書の5種類を作成しなければならない。(事業 活動計算書も同様) ・旧基準において会計単位、経理区分という区分方法を新基準では事業区分、拠点区分、サービス区分という3階層に区分 することが求められる。 ・旧基準では事業の実施拠点による区分が行われていないが、新基準では事業の実施拠点による区分(拠点区分)が行われる。 ・旧基準において注記は会計単位毎に作成し、7項目の記載が義務付けられていましたが、新基準では法人全体及び拠点区分 毎に作成し、記載項目も追加され15項目に拡充されています。 ・旧基準では決算書を「計算書類」と称していましたが、新基準では「財務諸表」と呼称します。 ・事業活動計算書については、「収入」が「収益」に、「支出」が「費用」へと呼称変更されています。 ・財務諸表の表示は法人全体及び事業区分は大科目、拠点区分は小科目までの表示が必要です。 貸借対照表は全て中科目までの表示となります。 13 Ⅶ 作成を省略できる財務諸表 ・事業区分等が1つのみの場合は、次の財務諸表の作成を省略することができます。 事業区分が1つのみ ◆資金収支内訳表(事業区分別) ◆事業活動計算書(事業区分別) ◆貸借対照表内訳表(事業区分別) 拠点区分が1つの事業区分 ◆事業区分資金収支内訳表(拠点区分別) ◆事業区分事業活動内訳表(拠点区分別) ◆事業区分貸借対照表内訳表(拠点区分別) サービス区分が1つの拠点 ◆拠点区分資金収支明細書(サービス区分別) ◆拠点区分事業活動明細書(サービス区分別) Ⅷ 作成する付属明細書 【法人全体で作成するもの】 ・借入金明細書 ・寄付金収益明細書 ・補助金事業収益明細書 ・事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書 ・事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金)残高明細書 ・基本金明細書 ・国庫補助金等特別積立金明細書 【拠点区分毎に作成するもの】 ・基本財産及びその他の固定資産の明細書 ・引当金明細書 ・拠点区分資金収支明細書(サービス区分別) ・拠点区分事業活動明細書(サービス区分別) ・積立金、積立資産明細書 ・サービス区分間繰入金明細書 ・サービス区分間貸付金(借入金)残高明細書 ・就労支援事業別事業活動明細書 ・就労支援事業別事業活動明細書(多機能型事業所等用) ・就労支援事業製造原価明細書 ・就労支援事業製造原価明細書(多機能型事業所用) ・就労支援事業販管費明細書 ・就労支援事業販管費明細書(多機能型事業所用) ・就労支援事業明細書 ・就労支援事業明細書(多機能型事業所用) ・授産事業費明細書 ・サービス区分別資金収支計算書(注1) ・サービス区分別事業活動計算書(注1) 14 (注1)介護保険サービス及び障害福祉サービスを実施 する拠点はサービス区分別資金収支計算書の作 成を省略できる。 保育所運営費、措置費による事業を実施する拠 点はサービス区分事業活動計算書の作成を省略 できる。 ・上記付属明細書に含まれていない未収金や未払金等の明細書の作成は義務付けられてはいませんが、内部資料として今まで 通り作成する必要があります。 Ⅸ 財務諸表の閲覧供与 ・社会福祉法第44条4項に規定されている財務諸表の閲覧供与は法人全体のものだけでよい。 ・現況報告書への添付は拠点区分まで必要となる。(付属明細書は不要) ・HP上での財務諸表及び現況報告書の公表が義務付けられているが、公表する財務諸表は法人全体のみとするか、現況報告書 への添付が必要な拠点区分までとするかを法人として、決定する必要があります。 ・なお、理事会での承認は財務諸表及び付属明細書の全ての書類が必要となります。 15 決算業務チェックリスト(法人全体) 項目 チェックポイント 『法人全体用』 ①事業区分・拠点区分・サービス区分と財務諸表の体系 1 財務諸表 2 経理規程 3 内部取引の相殺 消去 4 内部取引と付属 明細書との整合性 5 注記と財務諸表 との関連 財務諸表(付属明細書を含む)は要求されて いるものがすべてそろっているか? ①財務諸表(付属明細書)が経理規程の記載 と一致しているか? ②注記「法人が作成する財務諸表と拠点区分、 サービス区分」の記載と一致しているか? 次の財務諸表で内部取引が消去されているか? ①資金収支内訳表(第1号の2様式) ②事業活動内訳表(第2号の2様式) ③事業区分資金収支内訳表(第1号の3様式) ④事業区分事業活動内訳表(第2号の3様式) ①事業区分間及び拠点区分間繰入金明細書と 上記3の財務諸表との整合性は確かめたか? ②事業区分間及び拠点区分間貸付金(借入金) 残高明細書と上記3の財務諸表との整合性 は確かめたか? ①該当ない場合は記載不要の注記 1.継続事業の前提に関する注記 3.重要な会計方針の変更 9.固定資産の取得価額、減価償却累計額 及び当期末残高(B/S上間接法の場合) 10.債権額、徴収不能引当金の当期末残高、 債権の当期末残高(B/S上間接法の場合) ②該当が無い場合、「該当なし」と記載され ているか確かめたか? 2.重要な会計方針 4.法人で採用する退職給付制度 5.法人が作成する財務諸表と拠点区分、 サービス区分 6.基本財産の増減の内容及び金額 7.基本金又は国庫補助金等特別積立金の取崩 8.担保に供している資産 11.満期保有目的の債権の内訳並びに簿価、 時価及び評価損益 12.関連当事者との取引内容 13.重要な偶発債務 14.重要な後発事象 15.その他社会福祉法人の資金収支及び純資産 増減の状況並びに資産、負債及び純資産の 状態を明らかにするために必要な事項 ③注記事項のうち、次のものについて財務諸表 との整合性は確かめたか? 6.基本財産の増減の内容及び金額 7.基本金又は国庫補助金等特別積立金の取崩 8.担保に供している資産 9.固定資産の取得価額、減価償却累計額 及び当期末残高(B/S上間接法の場合) 16 チェック欄 項目 チェックポイント 10.債権額、徴収不能引当金の当期末残高、 債権の当期末残高(B/S上間接法の場合) 11.満期保有目的の債権の内訳並びに簿価、 時価及び評価損益 12.関連当事者との取引内容 ②財務諸表との整合性 1 B/SとC/F B/SとC/Fの当期末支払資金残高は (貸借対照表と資金 一致しているか?(注1) 収支計算書) 2 B/SとP/L (貸借対照表と事業 活動計算書) 拠点区分間繰入金 収入と拠点区分間 繰入金支出 (サービス区分) 3 B/SとP/Lの次期繰越活動収支差額は 一致しているか?(注2) P/L及びC/Fの拠点区分間繰入金収入 と拠点区分間繰入金支出は一致しています か?(サービス区分間) また、事業区分間繰入金収入と事業区分間 繰入金支出は一致しているか? 4 拠点区分間貸付金 B/Sの拠点区分間貸付金と拠点区分間 と拠点区分間借入金 借入金は一致しているか?(サービス区分間) また、各事業区分の事業区分間貸付金と (サービス区分) 事業区分間借入金は一致しているか? 5 預金残高 B/S預金残高と金融機関発行残高証明書 は一致しているか? 6 当座預金 項目5で当座預金に差異が生じている場合 調整表を作成したか? 7 借入金 B/S借入金と金融機関発行残高証明書 は一致しているか? 8 内訳明細書 ①事業未収金、立替金、事業未払金、預り金等 の内訳明細書は作成されているか? ②B/Sの金額と一致しているか? ③期末残高の内容に異常はないか? 9 基本財産及び B/Sと固定資産台帳は一致しているか? その他の固定資産 また、注記されている内容と一致しているか? 10 寄附金収益明細書 ①明細書に記載の科目について、C/F、P/Lの 科目と一致しているか? ②基本金繰入額としたものについて、P/L、B/S の科目と一致しているか? ③基本金繰入額としたものについて、基本金 明細書の各拠点区分ごとの内訳の金額と一致 しているか? 11 補助金事業等 ①明細書に記載の補助金について、C/F、P/L 収益明細書 に計上されている補助金と一致しているか? また、補助金決定通知と一致しているか? ②国庫補助金等特別積立金に計上されたもの について、国庫補助金等特別積立金明細書 と一致しているか? 12 就労支援事業別 ①作成されている明細書について、C/F、P/L、 事業活動明細書 B/Sと一致しているか? ②C/FとP/Lの差額について原因を把握してい るか? ・在庫増減等 17 チェック欄 項目 チェックポイント ③法人税・消費税申告書の作成 1 受託事業の実費 弁償の届出・承認 2 消費税課税事業者 3 法人税申告書 4 消費税申告書 5 届出書の作成 及び提出 所轄税務署へ実費弁償の届出を提出し承認 を得ているか? 実費弁償の届出・税務署承認のない事業に ついては、法人税の申告対象としているか? 基準期間(前々年度)の課税売上が1,000万 を超え、納税義務があるか否か確認したか? また、基準期間の課税売上が1,000万以下で ある場合、前年度の4月∼9月の課税売上又は 給与等支払額が1,000万を超え、納税義務が あるか否か確認したか? (課税売上と給与等支払額のどちらで判定 してもよい。どちらかが1,000万以下であれ ば、免税事業者となり納税義務はない) 過年度に提出した届出書を確認し、どの届出 現在適用されているかを整理したか? 実費弁償の届出がない場合、法人税及び県 民税並びに市町村民税の申告書を作成し、 税務署・地方事務所・市町村役所へ申告書 を提出したか? 申告書作成に際し、法人税の負担軽減とな るみなし寄付金を適用したか? また、納付期限までに納税をしているか? 納税義務者である場合、当年度の課税売上 高を集計、消費税の申告書を作成し、税務 署へ提出したか? また、納付期限までに納税しているか? 消費税の免税事業者であったが当年度の 課税売上が1,000万円を超えた場合、課税 事業者届出書を作成し提出したか? また、簡易課税を選択する場合、簡易課税 選択届出書を作成し提出したか? ※誤って課税事業者選択届出書を提出しない こと。 18 チェック欄 決算業務チェックリスト(拠点区分) 項目 チェックポイント 『拠点区分用』 ①3月分月次試算表の整合性 1 B/SとC/F B/SとC/Fの当期末支払資金残高は (貸借対照表と資金 一致しているか?(注1) 収支計算書) 2 B/SとP/L B/SとP/Lの次期繰越活動収支差額は (貸借対照表と事業 一致しているか?(注2) 活動計算書) 預金残高 B/S預金残高と金融機関発行残高証明書 は一致しているか? 当座預金 項目3で当座預金に差異が生じている場合 調整表を作成したか? 借入金 B/S借入金と金融機関発行残高証明書 は一致しているか? 3 4 5 ②決算整理事項 1 未収金の計上 2 在庫の棚卸し 3 在庫の洗替え計上 4 未払金の計上 5 経過勘定の精算と 内訳書の作成 6 資金の法人外流出 7 資金の実質借入 8 固定資産 当年度中に行ったサービス等の対価で、 当年度末現在で未収のものを内容別に 集計、計上し内訳書を作成したか? 貯蔵品、材料、製品、仕掛品の棚卸しを 当年度末(3月31日)に行ったか? 項目2に基づき在庫の洗替え計上を 行ったか? 当年度中に購入又は受けたサービスの 対価で当年度末現在で未払のものを 相手先別に集計、計上し内訳書を作成 したか? 立替金、前払金、仮払金、仮受金等の 経過勘定の内容確認及び精算処理を行い 内訳書を作成したか? 仮払金、立替金、貸付金又はその他の流動 資産に資金の実質的な法人外への流出が含 まれていないか? 仮受金又はその他流動負債に資金の実質的 な借入金が含まれていないか? 固定資産管理台帳を基に現品調査、棚卸 を行い廃棄物等の処理を行ったか? また、取得・廃棄を固定資産管理台帳に 登録したか? 寄附物品の受入れは処理されているか? また、寄付台帳に記載されているか? 基本財産である土地、建物が理事会承認、 事前協議なく担保に供されていないか? (独立行政法人福祉医療機構又は協調融資 の民間金融機関への担保提供を除く) 国庫補助金等(民間補助金を含む)で固定 資産を取得した場合は国庫補助金等特別積 立金が積み立てられているか? また、国庫補助金等特別積立金明細表を 作成したか? 19 チェック欄 項目 9 借入金 10 積立金 チェックポイント 基本財産である土地、建物又は特定預金が 理事会承認、事前協議なく処分されていな いか? また、国庫補助金等で取得した固定資産を 処分制限期間内に事前協議なく処分して いないか? 市町村の委託事業で支出対象外の車輌等の 固定資産を取得していないか? また、委託事業で取得した固定資産は市町 村に所有権がある場合、費用計上している か? 当年度中の取得・廃棄を固定資産管理台帳 に登録し、固定資産増減明細書を作成した か? 当年度の減価償却費及び国庫補助金等特別 積立金取崩額を計算し、計上したか? B/Sの固定資産と固定資産管理台帳 (固定資産集計表)の帳簿価額は一致 しているか? 当会計年度中に新規借入金が発生した場合 その資金源泉を調査し、借入金明細表を 作成したか? 積立資産と積立金の計上と取崩は予算又は 理事会の承認を得て行われているか? また、サービス区分ごとの残高が把握できる よう明細表が作成されているか? 積立資産と積立金の合計が一致しているか? 11 引当金 マイナスの移行時特別積立金が計上されて いないか? 移行時特別積立預金の流用額は移行時特別 積立預金の積立額を超えていないか? 移行時減価償却特別積立預金の取崩は理事 会の承認を受け行われているか? 移行時特別積立預金の取崩は理事会の承認 を受け行われているか? また、既につなぎ資金として流用している ときは、あらかじめ移行時特別積立金を 移行時特別積立預金と同額まで取崩して いるか? 移行時特別積立預金を取崩している場合、 移行時特別積立金も取崩しているか? 引当金の計上にあたり、その計上基準が経 理規程で定められているか? 会計基準で認められている徴収不能、賞与、 退職給付以外の引当金は計上されていないか? 徴収不能見込み額を計算し、徴収不能引当 金の洗替え計上を行ったか? 当年度の負担に属する賞与及び社会保険料を 見積り、賞与引当金を計上したか? 前年度計上の賞与引当金は賞与支給時に 充当の処理が行われているか? 20 チェック欄 項目 チェックポイント 退職金規程で民間退職共済制度からの退職 金支給を定めている場合、民間退職共済制 度に加入しているか? 将来支給する退職金のうち、当年度までに 負担すべき額を見積り、退職給付引当金を 計上したか? 簡便法として法人の負担する掛金額 を退職給付引当資産とし同額の退職給付 引当金を計上する場合、県社協発行の退職 年金共済資産報告書(2月まで)と3月分 法人負担掛金額の合計が退職給付引当資産 及び退職給付引当金と一致しているか? 12 正常営業循環基準と 経常的な取引により発生する債権債務、 一年基準 一年以内に期日が到来する債権債務は 流動資産・負債へ計上されているか? 13 有価証券 満期保有目的債券は償却原価法、市場価格 のあるものについては時価をもって貸借 対照表価額としているか? 14 所有権移転外ファイ 経理規程どおりの処理がされているか? ナンスリース (原則:売買処理 容認:賃貸借処理(ただし 総額300万円以下の少額リース及びリース期間 が1年以下のリース取引に限る)) リース料総額が300万円以上のリースが 賃貸借処理されていないか? 利息の処理は経理規程どおり行われているか? (原則:利息法 容認:定額法) 15 第4号基本金 廃止された第4号基本金は全額取崩しが されているか? 16 国庫補助金等特別 平成19年3月31日以前に取得した固定資産に 積立金 対応する国庫補助金等特別積立金は移行時に 残存価額10%分の調整がされているか? 設備資金借入金元金償還補助金を移行時に 調整しているか?また、今年度に受領した 場合、国庫補助金等特別積立金へ計上したか? ③決算試算表の作成 1 経費の按分基準 2 給食費 3 土地・建物賃借料 4 燃料費及び車輌費 経費の按分基準は経理規程、細則、会計責 任者による承認等の適正な手続きに基づき 決定されているか? 経費の按分基準が合理的基準で定められて いる説明文書が作成されているか? 給食費(給食材料費)に利用者以外の者に 提供した食事の材料費が含まれていないか? 特養、通所施設等の土地・建物賃借料の 設定は適正か? 特に貸主に変更がないのに従来の使用貸借 が賃貸借に変更されていないか? 法人以外の所有する車輌や本部で維持すべ き車輌のための燃料代等が含まれていない か? 21 チェック欄 項目 5 業務委託費 6 就労支援事業にお ける棚卸資産 7 就労支援事業にお ける工賃 8 就労支援事業にお ける積立金 9 補助金収入及び 寄附金収入 10 受託事業収入 11 補助金収入及び 12 利用者負担金収入 13 雑収入 14 介護保険事業の資 金使途制限 15 消費税 16 退職共済給付金の 法人入金の場合 チェックポイント 適正な業務委託契約に基づいて支払われて いるか? 就労支援事業における材料は販売用品に準 ずる資産であるので年度末に棚卸を行い、 棚卸資産として計上しているか? 就労支援事業において事業収入から事業の 必要経費を控除した金額を原則として利用 者の工賃として支払っているか? また、利用者賃金と利用者工賃を誤って計 上されていないか? 利用者工賃は過去3年間の最低工賃を下回っ ていないか? 下回っている場合は、理事会の議決のもと 工賃変動積立金を取崩し支給しているか? 工賃変動積立金及び設備等整備積立金は 積立上限を超えて積み立てられていないか? また、目的外の取崩はされていないか? 当年度において積立金の積立をする場合、 積立条件は満たしているか? また、積立額は限度額以内であるか? 交付目的別に適正な科目に計上されている か? 指定管理等の市町村等からの受託事業収入は 契約書の金額と一致しているか? また、清算が必要な事業は収支0となって いるか? 経常経費補助金収入等は市町村等の補助金 決定通知書の金額と一致しているか? 本人負担分以外は区分経理(利用者等利用 料収入)しているか? また、利用者等利用料収入は運営基準及び 老企54号の範囲内で徴収されているか? 雑収入に収益事業の収入が含まれていない か? 介護保険事業である社会福祉事業の資金を 次の経費に充てていないか? ・介護保険事業及び関連事業を除く公益 事業の経費 ・法人外への貸付けを含む資金の流出 ・高額な役員報酬等の実質的な剰余金の 配当 収入毎、個別に消費税の課税対象になるか 確認したか? 特に受託事業については、契約書・条文を 確認し判定したか? 課税売上が1,000万円を超えた場合、簡易 課税制度を選択するか検討したか? 課税事業者である場合、納税資金は準備して いるか? 退職共済給付金が法人へ入金された場合、 本人に退職金の支払いがされているか? 22 チェック欄 項目 チェックポイント 17 資金の繰替使用の 清算 B/Sには原則として短期貸付金、長期貸 付金に残高がなくなっているか? 本部拠点区分からの貸付けを除き、事業単 位間、サービス区分間の資金の貸付は年度 内に清算されているか? 18 事業区分、サービス 作成した計算書類と経理規程に定められた 区分等の設定 事業区分・拠点区分・サービス区分は一致し ているか? 区分されなければならない事業は特別会計 が設けられているか? 19 経理規程と起票 経理規程に定められた支出の手続きが行わ れ、帳票が作成されているか? 20 減価償却の方法と 経理規程に減価償却資産の償却方法と償却 償却限度額 ができる限度額が定められ、それに準拠し 償却がされているか? 21 国庫補助金等特別 経理規程に国庫補助金等特別積立金を積み 積立金の積立方法 立てる補助金の範囲と方法及び取崩の方法 と取崩方法 が定められているか? 22 確実な資金運用 資産のうち現金は定款の定めに従い確実な 金融機関、信託、有価証券により保管され ているか? また、株式で運用する場合、定款の記載に 基づくとともに理事会の議決を経ているか? 23 補正予算、予備費 補正予算、予備費使用は、経理規程等の定 使用の手続き める手続きに従い執行されているか? 24 保育所の299号通知 保育所拠点区分において収支計算分析表の 別表2∼4の経費へ 「20から25までの小計」が「9から12まで の支出 の小計」又は運営費の3か月分を超えてい ないか? 25 措置施設の各種 措置施設の積立金は使用計画に基づいて積 積立金 立られているか? 26 措置施設の運営費 措置施設拠点区分における繰入れは、借入 繰入れ 金償還のために民改費の範囲内で行われて いるか?(運用収入を除く) 27 前期末支払資金 保育所又は措置施設拠点区分から法人本部 残高 他の社会福祉事業への繰入は、前期末支払 資金残高の範囲内で、理事会の承認を得て 行われているか? 公益事業への繰入れは、前期末支払資金残 高の10%以下となっているか? 28 保育所、措置施設 保育所、措置施設が複数ある場合は、各施 の積立預金明細表 設ごとに積立預金及び積立金の累計額が 把握できるように明細表を作成しているか? 29 事業計画と事業 事業計画に基づき事業が行われ、会計処理 実績の照合 がされているか? 30 内部取引消去 事業区分・拠点区分内訳表での内部取引消 去欄の合計金額は0になっているか? ④事業区分・拠点区分・サービス区分と財務諸表の体系 1 経理規程 経理規程通りの会計処理がされているか? 2 内部取引の相殺 消去 次の財務諸表で内部取引が消去されているか? ①拠点区分資金収支明細書 ②拠点区分事業活動明細書 23 チェック欄 項目 3 注記と財務諸表 との関連 チェックポイント ①該当ない場合は記載不要の注記 1.継続事業の前提に関する注記 3.重要な会計方針の変更 9.固定資産の取得価額、減価償却累計額 及び当期末残高(B/S上間接法の場合) 10.債権額、徴収不能引当金の当期末残高、 債権の当期末残高(B/S上間接法の場合) ②該当が無い場合、「該当なし」と記載され ているか確かめたか? 2.重要な会計方針 4.法人で採用する退職給付制度 5.法人が作成する財務諸表と拠点区分、 サービス区分 6.基本財産の増減の内容及び金額 7.基本金又は国庫補助金等特別積立金の取崩 8.担保に供している資産 11.満期保有目的の債権の内訳並びに簿価、 時価及び評価損益 12.関連当事者との取引内容 13.重要な偶発債務 14.重要な後発事象 15.その他社会福祉法人の資金収支及び純資産 増減の状況並びに資産、負債及び純資産の 状態を明らかにするために必要な事項 ③注記事項のうち、次のものについて財務諸表 との整合性は確かめたか? 6.基本財産の増減の内容及び金額 7.基本金又は国庫補助金等特別積立金の取崩 8.担保に供している資産 9.固定資産の取得価額、減価償却累計額 及び当期末残高(B/S上間接法の場合) 10.債権額、徴収不能引当金の当期末残高、 債権の当期末残高(B/S上間接法の場合) 11.満期保有目的の債権の内訳並びに簿価、 時価及び評価損益 12.関連当事者との取引内容 ⑤財務諸表との整合性 1 3 B/SとC/F (貸借対照表と資金 収支計算書) B/SとP/L (貸借対照表と事業 活動計算書) 預金残高 4 当座預金 5 借入金 6 内訳明細書 2 B/SとC/Fの当期末支払資金残高は 一致しているか?(注1) B/SとP/Lの次期繰越活動収支差額は 一致しているか?(注2) B/S預金残高と金融機関発行残高証明書 は一致しているか? 項目3で当座預金に差異が生じている場合 調整表を作成したか? B/S借入金と金融機関発行残高証明書 は一致しているか? ①事業未収金、立替金、事業未払金、預り金等 の内訳明細書は作成されているか? ②B/Sの金額と一致しているか? ③期末残高の内容に異常はないか? 24 チェック欄 27 25 3 31 1 1 2 1 3 1 1 2 2 2 3 2 1 2 2 2 3 2 1 2 2 2 3 2 1 2 2 2 3 2 26 30,000,000 0 0 30,000,000 100,000,000 0 1,234,567 98,765,433 20,000,000 0 0 20,000,000 150,000,000 0 1,234,567 148,765,433 7,654,321 30,000,000 100,000,000 130,000,000 80,000,000 80,000,000 120,000,000 21,234,567 98,765,433 90,000,000 60,000,000 30,000,000 10,000,000 2,000,000 8,000,000 3,000,000 1,200,000 1,800,000 6,700,000 3,200,000 3,500,000 229,700,000 87,634,567 142,065,433 27 60,000,000 500,000 59,500,000 60,000,000 500,000 59,500,000 52 30,000,000 29,500,000 500,000 55 100,000,000 102,000,000 2,000,000 130,000,000 131,500,000 1,500,000 28 29 27 30 3 31 1 4 2 4 3 4 30,000,000 0 0 30,000,000 100,000,000 0 1,234,567 98,765,433 20,000,000 0 0 20,000,000 150,000,000 0 1,234,567 148,765,433 7,654,321 30,000,000 100,000,000 130,000,000 80,000,000 80,000,000 31 120,000,000 21,234,567 98,765,433 90,000,000 60,000,000 30,000,000 10,000,000 2,000,000 8,000,000 3,000,000 1,200,000 1,800,000 6,700,000 3,200,000 3,500,000 229,700,000 87,634,567 142,065,433 60,000,000 500,000 59,500,000 60,000,000 500,000 59,500,000 52 30,000,000 29,500,000 500,000 55 100,000,000 102,000,000 2,000,000 130,000,000 131,500,000 1,500,000 32
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