J-REIT のアンダーライティング

JAPAN REAL ESTATE TOPICS – J-REIT/Capital Market
April. 19,2001
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J-REIT のアンダーライティング
J-REIT レビュー
宇木素実
不動産投資信託(J-REIT)の第 1 号商品が早ければ今夏ぐらいにでも発表されると予想されるが、
その中の重要な役割を担う実際の証券を販売する引受証券会社(アンダーライター)が 4/12 付けの日
刊工業新聞の中で発表されていた。
第 1 号の有力候補である三井不動産系ファンドは野村證券、三菱地所系ファンドは日興ソロモンスミ
スバーニー証券及び日興證券、そして、その後に続く東京建物系ファンドはメリルリンチ証券が主幹事
となることが決定したようである。また、しばらくプライベートでのファンド組成を目論む森トラスト
は大和證券が運用会社にも出資していることから、大和證券が主幹事になると思われる。
興味深いのは、結果としてそうなったのであろうが、国内の大手証券会社(メリルリンチを旧山一證
券にたとえるとすると)が各々1 ファンドづつを分け合ったところである。
このように見ていくと、J-REIT のアンダーライティングの分野においても、まだまだ横一線の状態
であるといえる。
これはまだ実際に販売も始まっておらず、商品設計もどういう商品が投資家に受け入れられるのか未
知数の現状では、競合ファンドとの差別化をはかる意味でも同一のアンダーライターを選ぶことを避け
た結果であろう。
今後組成されるファンドは、先行するファンドの動向や販売力を見ながらアンダーライターを選定し
ていくことからも、主幹事となったファンドの状況により勢力分布が明確になると思われる。(弊社の
ファンドもその動向をみているひとつである。
)
ところで、この主幹事がどのようにファンドをコントロールしていくかによって、今後のファンドの
成長に大きく左右すると思われる。商品設計ひとつにしても、米国の REIT と豪州の LPT とでは全く
違うものであるし、J-REIT も日本独自の商品設計が必要である。そのための投資家からの意見をダイ
レクトにきくことが出来るのは販売を行う証券会社であり、その意見を吸い上げ、ファンドの商品性に
反映させていくことを考えると、今のところ、国内に大きな販売網を持つ大手証券会社がやや有利なの
かもしれない。
しかし、現在の日本が運用難であるために、国内における投資家の需要が期待できることから、国内
証券会社が主幹事をとれているが、日本の株式市場における機関投資家の割合がどんどんグローバル化
が進んでいることからも、J-REIT についてもグローバルなオファリングが必要であろう。そういう意
味では REIT や LPT などのこれまでの経験とグローバルネットワークを持つ外資系証券会社が今後 JREIT の市場でも大きな影響力をもってくるに違いない。
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