ヨーロッパ文化論 (2単位 1・2年)寺山佳代子(教授) 講義の目的・テーマ ローマから特急で2時間半、緑の糸杉や小麦畑が点在する北イタリアのト スカーナの丘隆地、そ の中心地にルネサンスの都、華麗で気品のあふれる「花の都」、フィレンツェがある。1 2 、1 3 世紀 に毛織物加工と金融業で飛躍的な発展を遂げたフィレンツェは、1 5 世紀の初めから町の実権を握っ たメデッチ家の庇護のもとでルネサンスの花を咲かせる。その原動力は封建社会の殻を破った、自 由と清新な市民の都市生活が営まれている。 「人間の魂の青春」が息づいているフィレンツェ・ルネ サンス(1 3 世紀末-1 6 世紀)を、美術の好きな皆様と楽しく学習したい。 講義の内容・計画 ルネサンスとは「再生」すなわち、中世の宗教中心の芸術から脱却して古代ギリシャ、ローマ時 代の古典芸術が蘇ることを意味する。調和のとれた人間的な表現をめざしたルネサンスの精神は、 ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ヴ ィンチ、ラファエロ、ブルネレスキ、ドナテッロ、マザッチオ、 ボッティチェリ等の絵画、彫刻、建築などのおびただしい数の作品に表現され、美の財宝をちりば めたフィレンツェは、さながら一大美術館の観を呈する。 1回目 オリエンテーション 2回目 古代ローマ遺跡:コロッセオ、フォロ・ロマノ、パンテオン、パラティーノの丘、カラカラ 浴場、アッピア旧街道 3回目 夜明け:先駆者 ジョット:鐘塔、キリスト降誕、東方三博士の礼拝 4回目 ルネサンス開幕 ギベルティ:洗礼門第二扉 受胎告知、キリストの洗礼 5回目 美の革新者たち ブルネレスキ、ドナテッロ、マザッチオ 6回目 洗礼門扉コンクール ギベルティ:イサクの犠牲、天国の門、ブルネレスキ:イサクの犠牲 7回目 ルネサンス彫刻の創始者:ドナテッロ、ルネサンス絵画の創始者:マザッチオ 8回目 画家・百花繚乱 :フラ・アンジェリコ、ボテッチェリ 9回目 フラ・アンジェリコ:聖ド ミニコのひざまずく磔刑図、ボテッチェリ:春、ヴ ィーナス誕生 1 0 回目 三巨匠 ミケランジェロ、レオナルド、ラファエロ 1 1 回目 ミケランジェロ、ダビディ、サン・ピエトロ大寺院、ヴァチカンのピエタ、大聖堂のピエ タ、ロンダニータのピエタ、レオナルド:モナリザ、受胎告知、東方三博士の礼拝、自画像 1 2 回目 ラファエロ:小椅子の聖母、ひわの聖母、大公の聖母、自画像 1 3 回目 美の変貌:マニエリスムの美術 1 4 回目 まとめ 1 5 回目 レポート提出 評 価 レポート(1 0 0 %) 教 科 書 随時プリント配布 参 考 書 『イタリア・ルネサンスの巨匠たち全3 0 巻』 (東京書籍) 『ヴァティカン絵画館』 (岩波書店) 上記の参考書は本学図書館にあります。 26
© Copyright 2024 Paperzz