家庭科学習指導案

家庭科学習指導案
第5学年2組
34名
指導者 教諭 新田 由美
1 題材名
布で作ってみよう
2 題材について
(1) 題材について
本題材は,学習指導要領の以下の内容を受けて設定したものである。
A 家庭生活と家族
(1)ア 自分の成長を自覚することを通して,家庭生活と家族の大切さに気付くこと。
B 日常の食事と調理の基礎
(1)イ 楽しく食事をするための工夫をすること。
C 快適な衣服と住まい
(1)イ 日常着の手入れが必要であることが分かり,ボタン付けや洗濯ができること。
(3)ア 布を用いて製作する物を考え,形などを工夫し,製作計画を立てること。
イ 手縫いや,ミシンを用いた直線縫いにより目的に応じた縫い方を考えて製作し,活用できること。
ウ 製作に必要な用具の安全な取り扱いができること。
家族の生活状況は,それぞれの家族構成をはじめ,地域や社会の影響などが加わり多様化してきている。
生活様式の変化などから,児童は,家庭で裁縫や調理などの衣食住にかかわる体験が少なくなってきている。
家庭では,衣服などの生活に役立つ物を製作するよりも既製品を求めることが多くなってきているため,児
童は,手作りのよさを感じる機会が減ってきていると思われる。しかし,児童が,自ら考え,自分にできる
ことを実践し,生活に役立つ物を製作することを通じて喜びを感じることは,児童の生きる力を育む上で,
重要なことであると考える。
本題材は,材料である「布」に目を向け,児童が,布の特徴を体験的に知ることができるようにする。ま
た,生活に役立つ物の製作を扱い,既習事項の手縫いと新たな学習事項であるミシン縫いを用いて,ウォー
ルポケットを製作する。ウォールポケット作りでは,ミシンの直線縫いを取り入れることによって,手縫い
に比べ,速く丈夫に製作することができる。手縫いで名前の縫い取りなどを行うなどして,ミシン縫いと手
縫いを組み合わせた製作に取り組み,手縫いの技能の定着と向上を図るとともに,新しいミシン縫いの技能
の習得が期待できると考える。さらに,自分の作った物を実際の生活に活用する中で,児童が手作りのよさ
を感じたり,作り方を見直したりし,家庭生活をよりよくしていこうとする態度を育てられると考える。
(2) 児童について
本学級は,男子14名,女子20名,計34名である。
児童は,第5学年で新しく始まった家庭科の学習をとても楽しみにしており,意欲的に学習に取り組んで
いる。家庭科の学習に関するアンケートで,32名が「家庭科の学習が好き」
,2名が「ふつう」と答えて
いる。1学期の題材「わたしにできることをやってみよう」で,児童は,針と糸を使って,玉どめ・玉結び・
なみ縫い・名前の縫い取り・ボタン付けなどの手縫いの基礎的な知識と技能を習得してきている。初めて針
と糸を使うという児童も見られたが,フェルトを使った小物作りを通して,
「もっといろいろな物を作って
みたい」という感想をもたせることができた。家庭科の学習に関するアンケートでも,19名の児童が,
「針
と糸を使って縫ったり,作ったりすることが楽しい・好き」と答えている。
一方,
「ミシンを使ったことがある」と答えた児童は2名だけである。ほとんどの児童は,ミシンに触れた
ことがなく,ミシンが動く場面を見たことがない児童も多い。ミシン縫いと手縫いとの違い,ミシン縫いの
よさについて知っている児童も少ない。
(3) 指導に当たって
児童が,主体的に学習し,学習したことを家庭生活に生かしていけるように,以下の点に留意し,指導し
ていきたい。
-5-2(家庭科)(1)-
【第1次「布で作る物を考えよう」
】
○ 児童が自分の着ている衣服や体育着,タオル,ハンカチ,カーテンなど身の回りにある布で作られて
いる物を見たり,触ったりして,織った布や編んだ布などがあることに気付けるようにする。紙と比べ
ながら,伸び方や肌触り,軽さ,柔らかさ,丈夫さなどを体感させ,布の特徴をつかませたい。
○ 布を使って製作する物は,ウォールポケットとし,完成品を提示し,学習の見通しをもたせたい。ま
た,児童に作る手順を考えさせ,製作計画表を立ててから,ミシンの練習,製作に入ることができるよ
うにする。
【第2次「ミシンを使ってみよう」
】
○ ミシン縫いを初めて経験する児童がほとんどなので,ミシンの使い方を段階的に指導し,ミシンの練
習をする時間を確保して,知識と技能の定着を図りたい。
○ DVD教材と電子黒板を使用し,児童が,ミシンの使い方の基本から実際の操作まで,映像で分かり
やすく理解できるようにする。
○ 手縫いと比べながら,ミシン縫いの特徴が分かるようにさせる。ミシン縫いを通して,手縫いよりも
速く縫えること,丈夫に縫えること,針目がそろうなど,ミシン縫いのよさに気付かせる。
○ ミシン針の扱いや動きの速さなどの安全面について,丁寧に繰り返し指導する。
○ 「ミシン練習カード」
(チェックカード)を用い,ミシンの出し方・しまい方,下糸の入れ方,上糸の
かけ方,下糸の出し方などの手順にそって練習し,直線縫いができるようにする。
○ 縫い始めや縫い終わりの始末の仕方や方向の変え方,針目の調節の仕方などの練習を通して,児童が
正しく直線縫いができるようにする。
【第3次「楽しく作って使おう」
】
○ ウォールポケットの製作計画表を用い,個人ごとに作業手順を確認しながら進められるようにする。
児童が,布端の始末の仕方や出来上がりの作品での布の組み立てなどを考えて,縫い方を考えながら製
作できるようにする。
○ やけどや火災,電気系統の事故に注意しながら安全にアイロンかけができるようにさせる。準備の仕
方,布の種類に応じての温度調節など使い方を知って,手順よくアイロンかけができるようにさせる。
○ 自分の作った作品を使ってみて,縫い方,使いやすさ,使っている時の気持ちなどの感想を発表させ,
児童が手作りのよさを実感できるようにする。また,家族から,作品に対するコメントをもらい,発表
させるようにする。家族からのコメントをもらうことにより,製作の喜びをもたせることができるよう
にする。さらに,友達の感想を聞いて,次の作品作りに生かせるようにする。
3 題材の目標
【家庭生活への関心・意欲・態度】
○ 身の回りで使われている布の性質や特徴に関心をもち,生活に役立つ物を製作しようとする意欲をも
つことができる。
【生活を創意工夫する能力】
○ 作る物を決め,製作計画を考えたり,自分なりに工夫したりすることができる。
【生活の技能】
○ ミシン縫いで,生活に役立つ物を製作することができる。
【家庭生活についての知識・理解】
○ 布の特徴や性質を理解し,ミシンの安全な使い方が分かる。
4 題材の関連と発展
<5年>「わたしにできることをやってみよう」
③ 針と糸を使ってみよう
↓
<5年>「布で作ってみよう」
① 布で作る物を考えよう
② ミシンを使ってみよう
③ 楽しく作って使おう
-5-2(家庭科)(2)-
↓
<6年>「生活を楽しくする物を作ろう」
① 自分の作りたい物を考えよう
② 製作の計画を立てよう
③ くふうして製作しよう
④ 楽しく使おう
5 題材の指導計画と配当時数(12時間
本時4/12)
小題材
時
小題材
主な学習活動
の目標
数
① 布 で 作 ○身の回りで使
○身の回りにある布で作られた物には,
る物を
われている布
どんな物があるかを調べる。
考えよ
に関心をもち, 1 ○布の特徴について調べる。
う
その特徴に気
づくことがで
きるようにす
○布を使って製作する物を考え,計画を
る。
1
立てる。
評価規準
【関・意・態】身の回りで使
われている布に関心をもって
いる。(発言・ワークシート)
【知・理】布の特徴が分かる。
(発表・ワークシート)
【技】製作の見通しをもち,
製作計画を立てることができ
る。(発表・ワークシート)
② ミ シ ン ○ミシンの安全
○ミシン縫いと手縫いの違いを比べ,ミ 【関・意・態】ミシン縫いに
を使っ
な使い方が分
シン縫いの利点を知る。
関心をもっている。(発表・観
てみよ
かり,直線縫い 1 ○ミシンを使うときのきまりを知る。
察)
う
ができるよう
○ミシンの出し方,しまい方,動かし方 【知・理解】手縫いとミシン
にする。
を調べ,練習する。
縫いの違いが分かる。(発表)
1 ○ミシン針の付け方,はずし方を練習 【技】から縫いで直線縫いが
本
し,から縫いで直線縫いをする。
できる。
(観察・ワークシート)
時
○下糸の入れ方,上糸のかけ方,下糸の 【技】正しい手順で,糸をか
1
出し方を手順にそって練習する。
けたり,出したりできる。(観
察・ワークシート)
○下糸の入れ方,上糸のかけ方,下糸の 【技】正しい手順で直線縫い
出し方を手順にそって練習しながら, ができる。(観察・ワークシー
1
直線縫いをする。
ト)
○縫い始めや縫い終わりの始末の仕方
や方向の変え方,針目の調節の仕方な
1
どを通して,正しく直線縫いをする。
○ミシン縫いを通して,ミシン縫いのよ
さが分かる。
③ 楽 し く ○製作する喜び
○計画に従って,ミシン縫いや手縫いで
作って
を味わい,生活
製作する。
使おう
に生かすこと 3 ・作業手順の確認,縫い方の工夫,布端
ができる。
の始末の仕方など
【技】正しい手順で直線縫い
ができる。(観察)
【知・理】ミシン縫いの特徴
が分かる。(観察・ワークシー
ト)
【関・意・態】意欲をもって
製作を進めている。(観察)
【創意工夫】縫い方や作品を
工夫しながら製作に取り組ん
でいる。(観察)
○アイロンの安全な取り扱いができる。 【知・理】アイロンの安全な
1
取り扱いが分かり,アイロン
かけができる。(観察)
○自分の作った作品を使ってみた感想 【知・理】製作した作品のよ
1
を発表し合う。
さが分かり,活用しようとし
ている。(発表・ワークシート)
-5-2(家庭科)(3)-
6 本時の指導(本時 4/12時間)
(1) 小題材名
ミシンを使ってみよう
(2) 本時のねらい
○ ミシン針の安全なつけ方やはずし方が分かり,から縫いで直線縫いができるようにする。
(3) 授業の仮説(本校研究テーマとの関連)
本校の研究テーマ「自分の考えをもち学習に取り組む児童の育成-筋道を立てて問題解決を進める算数科
の指導の工夫を通して-」に迫るために,以下のような手立てを講じる。
○ 児童に,ミシン針と手縫い針との違い,ミシン針のつけ方やはずし方,から縫いの仕方をDVD教材
(映像)で見せ,から縫いで直線縫いができるまでの手順に見通しをもたせる。
○ グループの中で,注意点や分からないところを教え合うなど,児童同市で学び合うことができるよう
にする。
(4) 評価とその方法
評価場面
(方法)
ミシン針のつけ方
やはずし方を練習
する場面
(観察・ミシン練習
カード)
から縫いで直線縫
いを練習する場面
(観察・ミシン練習
カード)
十分満足できる
(A)
ミシン針のつけ方 ミシン針のつけ方
やはずし方を理解 やはずし方が分か
している。
り,手順にそって安
全にきちんとでき
る。
から縫いで直線縫 縫い始め,方向転
いができる。
換,縫い終わりの手
順に気を付け,ミシ
ンをスムーズに動
かすことができる。
具体的評価目標
おおむね満足でき
Cの児童への
る(B)
支援
ミシン針のつけ方 写真カードを提示
やはずし方の手順 し,写真を見て,ミ
が分かる。
シン針をつけるこ
とができるように
支援する。
基本的操作が分か 手順カードを提示
り,から縫いで直線 し,手順にそって一
縫いができる。
つずつミシンを動
かすことができる
ように支援する。
(5) 使用する教材・教具等
○ 児童・・・ミシン針,手縫い針,練習布,ミシン練習カード(チェックカード)
,筆記用具
○ 教師・・・ミシン,手順表,拡大写真,DVD教材,電子黒板
(6) 学習過程(別紙)
(7) 板書計画
ミシン針のつけ方やはずし方を覚え,
からぬいをしてみよう。
ミシン針 手ぬい針
の写真
の写真
ミシン針のつけかえ
の手順
ぬう時の姿勢の写真
からぬいの仕方
ぬい始めの手順
ぬい終わりの手順
ぬう方向を変える手順
-5-2(家庭科)(4)-
(6)
段階
導
入
5分
学習過程
主な学習活動
1 前時の学習内容を確認する。
・ミシンの出し方を確認する。
・ミシンは,左右の鍵がかかっていることを確認し
た上で,ミシンの下を持って持ち運ぶこと
・はずしたカバーの置き場所を決めて作業に支障を
きたさないようにすること
2 ミシンを出して準備する。
3 本時のめあてを知る。
ミシン針のつけ方やはずし方を覚え,から縫いを
してみよう。
-5-2(家庭科)(5)-
4
展
ミシン針の特徴を調べる。
・ミシン針と手縫い針を比べ,違いを調べる。
5 ミシン針のつけ方やはずし方を知る。
・針のつけかえの手順
①はずみ車を手前に回し,針棒を上げる。
②針の平らな面を針棒のみぞのピンに当たるま
で差し込み,針どめとねじをしめる。
③針どめとねじをゆるめ,針をぬき取る。
・電源が入っていないことを確認する。
・針の向きに気を付ける
6
ミシン針のつけ方やはずし方を練習する。
主な教師の支援
評価計画
別紙
準備物
○ミシンの出し方を確認する。
○グループごとに,ミシンを1台準備するように
話す。
○から縫いについて,説明する。
ミシン
○一人ずつ,ミシン針と手縫い針を観察させ,ミ
シン針と手縫い針の違いを考えさせる。
○ミシン針は,平らな面と丸みのある面があるこ
とに気付かせる。
○DVD(映像)で,ミシン針の付け方を見せる。
○ミシン針のつけ方の手順を確認する。
○ミシン針をつける時は,電源が入っていないこ
とを確認してから入れることを徹底する。
○針が正しく付いていないと,折れたり,曲がっ
たりするので,針あなに入るかを必ず確かめさ 【 家 庭 生 活 に つ い て
の知識・理解】
せる。
ミシン針の付け方や
はずし方を理解でき
たか。
○グループ内で,一人ずつ練習させる。
(観察,ワークシート)
○各グループを回って,支援する。
ミシン針
手縫い針
DVD
電子黒板
手順表
開
7 縫う時の姿勢を知る。
・体が針棒の正面になるように座る。
○縫う時の姿勢の写真を提示し,縫う時の正しい
姿勢について考えさせる。
○DVD(映像)で,縫う時の正しい姿勢につい
て確認する。
DVD
電子黒板
拡大写真
展
-5-2(家庭科)(6)-
開
35
分
終
結
5
分
8 から縫いの仕方を知る。
・縫い始め
①布をおさえの下に置く。
②縫い始めの位置に針を置く。
③押さえを下ろす
④布に軽くそえて,縫い始める。
・縫い終わり
①針,押さえの順に上げる。
②布を向こう側に静かに引く。
・縫う方向を変える
①かどに針をさしたままにして,おさえを上げる。
②布の向きを変える。
③おさえを下ろす。
9 から縫いを練習する。
10 ミシンを片付ける。
・電源が切れているか確認する。
・左右の鍵がきちんとかかっていることを確認し
た上で,ミシンの下を持って持ち運ぶこと
11
ミシンの使い方を振り返る。
12
次時の学習予定を知る。
DVD
電子黒板
手順表
○DVD(映像)で,から縫いの仕方を見せる。
○から縫いで気を付けることを確認する。
○押さえの上げ下ろし,速度や針目の調節,布の
運び,両手の使い方,方向転換などのミシンの
基本操作を,練習布を用いて練習させる。
○グループ内で,一人ずつ練習させる。
○各グループを回って,支援する。
【生活の技能】
から縫いで直線縫い
ができたか。
(観察,ワークシート)
練習布
○ミシンのしまい方を確認する。
○一人ずつ,「ミシン練習カード」にチェックさ
せる。
○感想を発表させ,学習したことをまとめる。
ミシン練
習カード
ミシン練習カード
名前(
)
* ミシンの使い方や直線ぬいを練習しましょう。
できるようになったところ(チェックらん)に○をつけよう。
出し
方・
しま
い方
動
か
す
か
ら
ぬ
い
直
線
ぬ
い
*
1
2
3
4
1
練習すること
頭部を出す。(ふたをとる。)
プラグを持ってコンセントにさす。電源を入れる。
プラグを持ってコードをぬく。
電源を切り,頭部をしまう。(ふたをする。)
速さを調節する。
2
3
1
2
3
4
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
スタートボタンをおす。
ストップボタンをおす。
針の平らな面の向きに注意して,針を正しくつける。
ぬい始めの位置に針をさす。
おさえを下ろしてぬう。
かどで方向を変えてぬう。
ボビンに下糸をまく。
ボビンを入れる。
みぞに糸をかける。
下糸を 15cmくらい出しておく。
上糸をかける。
下糸を出し,上糸と下糸をそろえる。
ぬい始めに針をさし,おさえを下ろして直線ぬいをする。
かどで方向を変えてぬう。
上糸の調節をする。
ぬい目の大きさを変えてぬう。
ぬい始めとぬい終わりの糸のしまつをする。返しぬいをする。
気づいたこと・感想など
チェック