小次郎講師のトレーダーズバイブル第16回

最高レベルのトレード手法をどこよりもわかりやすく!
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小次郎講師のトレーダーズバイブル第16回
「エッジのある取引(トレードマネジメント)
その6、狙いすまして勝つための方程式」
皆さん、こんにちは、小次郎講師です。
助手のムサシです。よろしくお願いします。
さて、今回はVトレーダーの続き。ちょっとレベルが高いぞ。
しっかりとついてくるように。
脅かさないでください。まずは、復習から。
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【1、Vトレーダーを目指す理由】
【Vトレーダーとは】
自分の設定した年間利益目標をコンスタントに達成できるトレーダーのこと
【我々の目標】
Vトレーダーとなること!
ある年1億円儲けて、翌年5千万損したとする。合計では5千万儲かって
いるわけだが、このようなトレーダーは幸せにはなれない。
儲かった年には税金がありますからね。
税金のことはおいといて、儲かれば当然、儲けに応じて買いたいものを
買うだろうし、生活レベルも上がる。
当然ですね。
その後に大きく損をすると通算では儲かっていたとしても、元々儲けて
ない人より、落差の激しい分だけ、より不幸になったりする。
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なるほど。
こうやってこのコラムを熱心に読んで、真の勝ち組になろうとするな
ら、コンスタントな収益が上がる勝ち組にならなくては意味がない。
もちろん、それが理想ですが、それって実現可能なことですか?
簡単なことではないよ。でも考え方を理解してそれを目指すのと、毎回
なんのビジョンもなくトレードをするのでは天と地の差となる。
なるほど。そうでしょうね。
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【2、急増する投資詐欺】
では、その考え方を勉強しよう。
「ステップ1、投資用資金を明確にする。
ステップ2、利益目標を適切に設定する。」
ここまでは勉強したね。
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ステップ1、投資用資金を明確にする。
ステップ2、利益目標を適切に設定する。
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はい。
単に利益目標を好き勝手に決めればいいんじゃないぞ。
「適切な利益目標を決める」ということが大事。
適切な?・・・それが難しいですね。
そこが今日のメインテーマ。
ところで、話が変わるが、アベノミクスで初めて投資に参加した人たち
が増えてきた。それに伴い投資詐欺も急増している。
そうらしいですね。でもこの話と何の関係が?
黙って聞きなさい。
元本保証で利回りが10%だとか20%だとかを確実だという投資はほと
んどがいかがわしい。リスクのある投資でも簡単に倍になるとか3倍に
なるとかいうのはほとんどがまゆつば。
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まゆつばなのだけど、トレードの手法を教えるとかいうものに関しては
その違法性がなかなか証明できない。
ということで、いまだにこの手法を勉強すれば簡単に投資金が倍になり
ますというような宣伝文句が飛びかっている。嘆かわしい限り。
10倍というのもあります。
もちろん、投資の世界ではたまたま運良く、大きな相場を丸ごと取るこ
とが出来て、結果として倍になった何倍になったということはある。
そしてそんな大相場のときに、通常のリスク管理を無視してトレードし
ている人間のうち、ごく少数の運のいい人間が何十倍になったというこ
ともまれにある。
大儲けするってことは、逆の意味で言えばリスク管理を無視してトレー
ドをしているってことなんですね。
世間では1年間で100万円を1億にしたなんて投資家が凄い投資家とし
てもてはやされていますが、単にギャンブルトレードをしていたという
ことですか。
そういったトレーダーの大半はあっという間に破産するのだが、たまた
ま強運に恵まれた人間が想定外の利益を出す。
しかし、そんな人間が幸せになることはない。次のトレードでは、その
トレーダーもあっという間に破産してしまうからね。
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でしょうね。
運で大儲けしたトレーダーが幸せになる唯一の方法は、大儲けした瞬間
にトレードから足を洗い、2度と手を染めないこと。
しかし、そんなことが出来る計画性のある人間なら最初からそんな無謀
なトレードはやらない。
つまり、大儲けしたトレーダーも最後にはやられてしまう。
身に覚えがあります・・・
偶然、運良く、大儲けをすることを目指してトレードをするなら宝くじ
と変わらない。大儲けをする可能性は極めて低く、ほとんどの人間が全
てを失ってしまう。
まあ、そうでしょうね。
宝くじで〇億円なんて宣伝してますけど、その〇億円ってのは宝くじを
運営しているみずほ銀行が出しているわけではなくて、あくまで損して
いる人たちが出しているわけですからね。
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しかも、当選者に配られる賞金は売り上げ全体の半分以下、宝くじは実
は「多・空くじ」というのが実体。おっと今日は宝くじの話ではなくト
レードの話だった。
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インターネットの世界に出回る宣伝では、「この手法を使えば、勝率
90%以上は間違いなし!」とか、「この秘密のレポートを読めば、
100万円が1年間で1千万に!」と言った話ばかり。
それらは全てがいかがわしい。
そのいかがわしい話に魅力的を感じて飛びつく人がいるってことが残念
ですね。
全ては投資教育の欠如。どうしてそんな話に乗るのかと不思議に思うの
だが、オレオレ詐欺と同じで、販売する側の手口がどんどん巧妙になっ
ているのだよ。
読者の皆さ−ん、気をつけてください。
うまい話に乗っちゃだめですよぉ。
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【3、狙いすまして儲けるための方程式】
ということで現実的な話。
たとえば、投資用資金2千万円、年間利益目標を600万円とする。
600万円というと30%ですか。
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ほとんどの投資家がより多くの収益をあげようと躍起になっているが、
より多くの収益を上げることよりも、よりコンスタントに収益をあげる
ことの方が大事。
なるほど。
これを狙い済まして取る方程式は下記のとおり。
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(勝率×平均利益−負け率×平均損失)×年間トレード回数 600万円
これが方程式ですか。わかるようなわからないような・・・。
難しくないぞ。まず「トレードエッジとは何か」から再確認。
トレードエッジ公式はよく覚えてますよ。
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TE(トレードエッジ)=勝率×平均利益−負け率×平均損失
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この計算式で出てくるのは確か・・・「期待値」。
そう。ところで期待値って何のことだった?
そのトレード手法でトレードしたときに、1回あたりに得られる損益の
額のことだったかと。
そのとおり。そしてその期待値がたとえば5万円と出てきても毎回5万円
の利益が得られるわけではない。 毎回得られるわけではないが、そう
いったトレードを繰り返していくと、やがてそのトレード回数 期待値
の利益が上がっていくことになる。
なんかマジックみたいですね。
これぞまさに期待値マジック。
そしてその期待値マジックが成立するのは「大数の法則」があるから。
先ほど期待値が5万円と例を出した。そのトレード手法で年間100回ト
レードをするとすると、5万円 100回で500万の年間利益が期待出来
る。トレード回数が多ければ多いほど、この計算は正しいものとなる。
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大数の法則は凄いですね。
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【4、モデルパターンを作る】
今回は600万の年間利益を上げるためのトレード手法の確立がテーマ。
これを成立させるためのそれぞれの数字はいろいろとある。
まず最初は、いろいろと見本を作って、どれが実現可能かということを
探っていくのだよ。
たとえば?
次の例をご覧。勝率60%、平均利益25万、平均損失30万、トレード回
数年間200回のトレーダーだ。
【モデル1】
(勝率(60%)×平均利益(25万)−負け率(40%)×平均損失(30万))
×トレード回数(200回)=600万
60% 25万で15万、40% 30万で12万、15万−12万だから期待値
は3万ですね。その期待値で200回トレードすると、なるほど年間600
万の利益が期待出来る!なるほどなるほど。
自分のトレードルールをこの計算式に当てはまるように調整していけば
いいんですね。でも、それぞれのトレードスタイルがあるから、簡単に
当てはめることは難しいかも。
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まだ、ひとつの例を提示しただけ。正解はひとつではない。
いくつかこのようなモデルケースを作ってみて自分のトレードスタイル
に近いものを選択するのだよ。
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【モデル2】
勝率70%、平均利益30万、平均損失30万、年間トレード回数50回
期待値=0.7×30−0.3×30=21−9=12万 12万×50回=600万
【モデル3】
勝率50%、平均利益40万、平均損失25万、トレード回数80回
期待値=0.5×40万−0.5×25万=20万−12.5万=7.5万
7.5万×80回=600万
【モデル4】
勝率40%、平均利益60万、平均損失30万、トレード回数100回
期待値=0.4×60万−0.6×30万=24万−18万=6万
6万×100回=600万
さて、いくつかモデルパターンを作ってみた。
まだまだパターンは無限大にある。その中で、自分にとって実現可能な
のはどのパターンかを研究していくのだよ。
なるほど、こうやっていくつもパターンを作っていくと、確かに自分の
トレードに近いものが見つかるでしょうね。
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【5、自分のトレードをモデルパターンに合わせていく】
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但し、実際にトレードルールを作り上げていく過程では試行錯誤が続
く。
勝率を上げようとすれば平均利益が下がり、平均損失が増える。
リスクリワード比率を上げようとしたら勝率が下がる。
でしょうね。
まずは期待値が正になるトレード手法を確立することが重要なステッ
プ。これが正になるトレード手法でなかったら最初から利益など上がら
ない。
確かに。
それが出来上がったら、期待値と年間目標利益から、その期待値で年間
何回トレードをしたら、その目標利益になるかが計算出来る。
必要トレード回数=年間目標利益÷期待値
たとえば、先ほどのように年間目標利益が600万とする。自分が確立し
たトレード手法で期待値が4万円とする。するとそのトレード手法で年
間150回トレードをすれば600万円の利益になるとわかる。
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でも、トレード回数を増やそうとすると、チャンスでないときにもトレ
ードすることになりますから、期待値が下がるんじゃないですか?
同じ銘柄の中でトレード回数を増やそうとしたらそうなる。
トレード回数を増やすには、取引する銘柄を増やすしかない。
なるほど、銘柄数を増やすことによってトレード回数を増やし、それに
よって目標利益を達成するんですね。
でも投資金に限度があるわけだし、タートルズの手法では資金管理が厳
格だから銘柄数を増やしたくても増やせないってときがありません?
もちろんある。だが、とすると、その目標利益は適正な目標利益でなか
ったということになる。
こういった考え方で試行錯誤していくうちに自分にとっての適正な目標
利益ってことがわかってくるのだよ。
す、凄い。そうなんですね。目標利益は多ければ多いほどいいと言って
た自分が恥ずかしいです。
もちろん、こういう手法を駆使しても、トレードする銘柄の価格変動は
毎年違う。
毎年安定した収益を上げるというのは、簡単なことではない。
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だが、こういったことを考えながらトレードするのと、何も考えずにト
レードするのでは全然違うということを理解してもらいたい。
自分にとっての適正利益目標なんてことも、一般のトレーダーは何も考
えずに、トレードをしているのが現実。
その見つけ方もほとんどの投資家は知らない。
そうですね。
そして、こういう考え方でトレードをすることが大事なのは、最初から
勝てないとわかっているトレード手法でいつまでもトレードをしている
投資家が多いのだよ。
期待値マイナスってことですね。
それに気がつかず、負けても負けても来年こそはと言ってトレードをし
ている。
トレード手法をバージョンアップしない限り、来年もまた負けるという
ことに気付いていない。
全てはVトレーダーを目指すという考え方が身についていないから。
難しかったですけど、とても勉強になりました。
ということで本日はここまで。続きはまた次回。
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起立・礼
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