最高レベルのトレード手法をどこよりもわかりやすく! 小次郎講師のトレーダーズバイブル第43回 第8部その1 「検証の方法」 皆さん、こんにちは、小次郎講師です。 助手のムサシです。よろしくお願いします。 本日からいよいよ第8部、トレードルールの検証方法 大事ですね。 【1、検証の注意ポイント】 検証するためにはトレード記録をきちんと付けておかなければいけな い。 了解です。検証はどのタイミングでするのですか? 基本は毎月。しかし、トレード回数の少ない投資家にとっては1ヶ月く らいの検証結果では正しい答えは出てこない。 重要な検証は半年に1回行う。そしてその半年に1回の検証結果を基にト レードルールをバージョンアップする。 なるほど。検証は正しくバージョンアップするために必要な作業なんで すね。検証をするときの注意ポイントはありますか? その時点で未決済の取引があるとする。それは検証をするときの価格で 全て手じまったとして計算して検証する。 【検証時の注意ポイント】 ・未決済の取引は検証時の価格で全て手じまったものとして検証する。 そうなんですか?何故ですか? トレードルールの中には利益確定が早く、損切りが遅いものがある。 どんどん利益だけ出して、損失はいつまでも抱えているトレードが、検 証したときに、すごいいい成績になることがあるのだよ。 しかし、実はそれは間違った手法。 そういう勘違いをしないためにも、検証時には一度全ての取引を手じま った計算で検証しなければいけない。 【2、検証の必要データ】 なるほど。検証のために必要なデータを教えてください。 まずは、最低限のものを紹介しよう。 【検証のために必要なデータ】 ①投資用資金・・・A 年間利益目標額・・・AA ②トレード期間・・・B ③トレード回数・・・C ④勝ちトレード回数・・・D ⑤負けトレード回数・・・E ⑥トータル勝ち金額・・・F ⑦トータル負け金額・・・G 便宜上それぞれにABCとアルファベットを振り分けた。 これからの計算をわかりやすくするためだ。 トータル勝ち金額、トータル負け金額というのは具体的に言うとなんで すか? トータル勝ち金額とは期間中のトレードの中で勝ったトレードだけをピ ックアップして、その勝ち金額を合計したもの。 トータル負け金額とはその逆に期間中のトレードで負けたトレードだけ をピックアップして、その負け金額を合計したもの。 なるほど。ちょっと質問です。 トレード回数ですが、例えば1万株買ったとしても5千株ずつ2回に分け て決済すると、それは2回のトレードとなりますか? いい質問だ。 基本的にはそのとおりだが、1万株まとめて決済したら1回のトレード、 5千株ずつ決済したら2回のトレードということでは、勝率やリスクリワ ード比率を計算するときに、正しい数値を捉えにくい。 ですね。困りました。 実は、タートルズ流トレードの1ユニットずつ取引をするというのは、 トレード結果の検証にも役立つのだよ。 1ユニットずつ取引をして、決済も1ユニット単位で決済していく。 するとその1ユニットが1回のトレードだ。明確になる。 たとえば、1ユニットで取引をした後、追加、追加で4ユニットまで増え ていたとしますね。それをある値段で一斉に手じまったとします。 そのときのトレード回数は? 1度に決済しても、4ユニットの決済だからトレード回数は4回だ。 なるほど。ユニット単位で取引をしていくと、検証まで簡単にできるん ですね。 ユニットという考え方はトレードルール作りの中で生まれたもの。 トレードルール作りには検証は付きもの。 それによって初めて正しく分析が出来る。 確かに。今までは1万株の1回の取引で負けて、5千株ずつ2回の取引で 買ったときに、2勝1敗と言っていいのかと疑問がありましたが、ユニ ットで考えると全て解決です。 【3、分析項目】 では順に分析項目を紹介しよう。 ⑧差引損益・・・H F−G これが実際の損益。ということで一番大事な数字になる。 これがプラスでなくては意味がない。 なるほど。 ⑨勝ち平均・・・I F÷D ⑩負け平均・・・J G÷E 勝ち平均とはトータル勝ち金額を買った回数で割ったもの。これで勝ち トレードの1回当たりの平均勝ち金額がわかる。負け平均はその逆。 注意ポイントは30万が負け平均としたとき、「30万」と絶対値で書く こと。「-30万」とは書かない。 後のリスクリワード比率の計算などに影響してくるのでね。 負け平均は「絶対値」で。了解です。 ⑪リスクリワード比率・・・K I÷J リスクリワード比率、勉強したね? 損小利大を実現するために重要な数字だ。この数値が1より大きければ 大きいほど損小利大が出来ている。この数値が1より小さければ小さい ほど損大利小となっているということ。 これが日本人の弱点でしたね? そういうこと。 特に勝率を意識しているトレーダーこそ、この数値が低くなる。 ⑫勝率・・・L D÷G ⑬負け率・・・M 1−L 勝率は誰でもわかる。勝ちトレード回数を全トレード回数で割ったも の。日本人は勝率のことは全ての投資家がよく理解している。 それに対してリスクリワード比率のことはほとんどの投資家が知らな い。 投資に勝つにはその2つの数値が同じくらい重要なのに、ですね。 勝率が90%でも負けるときは負ける。勝率10%でも勝つときは勝つ。 とすると勝つとはどういう状態のことを言うんだろう、と突き詰めてい くと、勝率とリスクリワード比率の関係で決まってくるのだよ。 ある勝率に対して、リスクリワード比率が一定以上だったら勝ち。そこ へ届かなかったら負け。勝ち負けはこの2つの数値で決まる。 以下がその数値。上欄の勝率のとき、下欄のリスクリワード比率以上だ ったら勝ちとわかる。 勝率 10% 20% 30% 40% 50% リスク リワード 比率 9.0 4.0 2.3 1.5 1 勝率 60% 70% 80% 90% 100% リスク リワード 比率 0.7 0.4 0.3 0.1 - 勝率が20%でもリスクリワード比率が4.0以上だったら勝ち組。 勝率が70%でもリスクリワード比率が0.4未満だったら負け組というこ とですね。 そういうこと。ちなみに⑬の負け率という言葉は私の造語。 勝率という言葉はよく聞くが、それに対する言葉がない。 最初は「敗率」などと言っていたが語感がイメージしにくいので最近は 「負け率」などと言っている。 ⑭トレードエッジ・・・N L×I−M×J これがトレードルール作りに一番大事な公式だ。 トレードエッジ=勝率 勝ち平均−負け率 負け平均。 ときどきこのトレードエッジの計算式を「勝率 勝ち平均+負け率 負け 平均」と書いている本がある。これは負け平均を先ほどの例で言うと 「-30万」という数値にすると上記の公式になり、「30万」と絶対値表 記すると「勝率 勝ち平均−負け率 負け平均」となる。 なるほど。 さて確認しよう。 トレードエッジで出てくる数値のことをなんと呼び、何を意味する数値 だった? 「期待値」ですね。 期待値とは確か、そのトレード手法でトレードをしたときの1回当たり の期待出来る損益のことかと。 【期待値とは】 そのトレード手法でトレードをしたときの1回当たりの期待出来る損益 そうだ。 ただし、毎回確実にその損益が期待出来るわけではなく、大数の法則に 則り、たくさんのトレード回数を経れば、1回平均それくらいの損益に なるといこと。それを期待値と言う。 期待値がプラスのトレードルールでないと、勝てないとわかるわけです ね。 そうだ。まずはそれが基本。 ⑮期待出来る年間損益・・・O N×C×2 トレードエッジの計算で出てくる数値Nはその手法でトレードすると1 回のトレードで期待出来る損益だったね。するとそれに年間トレード回 数を掛けると1年間の損益が計算出来る。 仮にこの検証を半年に一度やっているとするとCのトレード回数は半年 のトレード回数となる。そのとき1年間のトレード回数はC 2となる。 期待値にC 2を掛ければ年間の期待出来る損益がわかる。 当然、1ヶ月のトレード回数であれば12倍するなどの調整をするのです ね。 そのとおり。 ⑯Vトレーダー率・・・P O÷AA Vトレーダー率が1以上ならVトレーダー。これが1より小さければトレ ードルール改善の余地ありということになる。 これは目標利益をどこに設定しているかに影響されるので、その設定の 仕方も重要ですね。 そうだ。Pの数値がどんなに工夫しても1を超えないときや、簡単に1 を超えてしまうときは、目標利益の設定が正しくないケースが多い。 逆にそのこともわかってくる。我々がトレードルールを作る意味は、1 以上のVトレーダー率を実現するトレードルールを作り上げるというこ と。 簡単ではないでしょうが、目標が明確になったのはなにかうれしいです ね。これで検証項目は全てですか? 計算で出てくるものではないが、最大ドローダウン金額(及び率)と最 長ドローダウン期間はとれーど記録の中から見つけ出さなければいけな い。 そして、破産の確率もソフトを使って計算してほしい。どんなに有利な トレードルールでも破産の確率が高いという手法は使えない。 ありがとうございました。 ということで本日はここまで。また次回。 起立・礼
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