請求項1 - Questel

JP 3688290 B2 2005.8.24
(57)【 特 許 請 求 の 範 囲 】
【請求項1】
抗 HCV抗 体 の 存 在 に 関 し て 試 料 を イ ン ビ ト ロ 検 査 す る 方 法 で あ っ て 、 KPALVPDKEVLYQQYDEM
又 は ECSQAAPYIEQAQVIAHQFの ア ミ ノ 酸 配 列 か ら な る HCV-3型 特 異 的 NS-4抗 原 の 少 な く と も 1
つと該試料を接触させて、得られた抗体−抗原複合体を検出する工程を含む前記方法。
【請求項2】
2 つ 以 上 の HCV型 そ れ ぞ れ に つ い て 、 各 HCV型 に 由 来 す る 型 特 異 的 HCV NS-4抗 原 の 少 な く と
も 1 つ と 試 料 を 接 触 さ せ る 請 求 の 範 囲 第 1 項 記 載 の 方 法 で あ っ て 、 該 抗 原 が 前 記 HCV-3型
特 異 的 NS-4抗 原 の 少 な く と も 1 つ を 含 む 前 記 方 法 。
【請求項3】
10
試 料 を 前 記 HCV-3型 特 異 的 NS-4抗 原 の 少 な く と も 1 つ を 含 む 一 連 の 型 特 異 的 HCV NS-4抗 原
の 各 抗 原 と 別 々 に 接 触 さ せ る 請 求 の 範 囲 第 1 項 記 載 の 方 法 で あ っ て 、 一 連 の 型 特 異 的 HCV
NS-4抗 原 の 各 抗 原 が 異 な る HCV型 由 来 で あ る 前 記 方 法 。
【請求項4】
さ ら に 、 試 料 を 阻 止 量 の 異 種 型 HCVオ リ ゴ ペ プ チ ド 抗 原 と 接 触 さ せ る 請 求 の 範 囲 第 1 項 か
ら第3項のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
型 特 異 的 HCV NS-4抗 原 が オ リ ゴ ペ プ チ ド KPA(V/I)IPDREVLYREFDEM、 RPAV(I/V)PDREVLYQEFD
EM、 ECSQHLPYIEG(M/A)AEQFか ら 選 択 さ れ る 型 特 異 的 HCV-1 NS-4抗 原 で あ る 、 請 求 の 範 囲 第
2項から第4項のいずれか一項記載の方法。
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(2)
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【請求項6】
型 特 異 的 HCV NS-4抗 原 が オ リ ゴ ペ プ チ ド R(A/V)V(V/I)(A/T)PDKE(I/V)LYEAFDEM、 ECAS(K/R
)AALIEEGQR(M/I)AEMLか ら 選 択 さ れ る 型 特 異 的 HCV-2 NS-4抗 原 で あ る 、 請 求 の 範 囲 第 2 項
から第4項のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
試料を請求の範囲第5項又は第6項において定義されるのオリゴペプチドから選択される
HCV-1、 HCV-2及 び HCV-3抗 原 と 接 触 さ せ る 請 求 の 範 囲 第 2 項 か ら 第 4 項 の い ず れ か 一 項 記
載の方法。
【請求項8】
各 HCV型 由 来 の 抗 原 を 共 通 の 固 体 基 質 に 固 定 す る 請 求 の 範 囲 第 2 項 又 は 第 4 ∼ 第 7 項 の い
10
ずれか一項記載の方法。
【請求項9】
各 HCV型 由 来 の 抗 原 を 異 な る 固 体 基 質 に 、 又 は 共 通 の 固 体 基 質 の 異 な る 位 置 に 固 定 す る 請
求の範囲第3項又は第4項∼第7項のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
試 料 を 、 型 特 異 的 HCV NS-4抗 原 に 加 え て 1 つ 以 上 の そ の 他 の HCV抗 原 と 接 触 さ せ る 請 求 の
範囲第1項∼第9項のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
そ の 他 の HCV抗 原 が 血 液 検 査 で 使 用 さ れ る 抗 原 で あ る 、 請 求 の 範 囲 第 10 項 記 載 の 方 法 。
【請求項12】
20
検 査 試 料 に お け る HCV抗 原 を イ ン ビ ト ロ で 分 類 す る 方 法 で あ っ て 、
( a ) 試 料 を 複 数 の HCV抗 原 と 接 触 さ せ る 工 程 で あ っ て 、 少 な く と も 1 つ の 前 記 抗 原 が KPA
LVPDKEVLYQQYDEM 又 は ECSQAAPYIEQAQVIAHQFの ア ミ ノ 酸 配 列 か ら な る HCV-3型 特 異 的 抗 原 で
ある前記工程、
(b)得られた抗原−抗体複合体を検出する工程、及び
( c ) 検 査 試 料 に お け る HCV型 を 決 定 す る 工 程
を含む前記方法。
【請求項13】
KPALVPDKEVLYQQYDEM 又 は ECSQAAPYIEQAQVIAHQFの ア ミ ノ 酸 配 列 か ら な る 単 離 し た 型 特 異 的 H
CV-3 抗 原 。
30
【請求項14】
請 求 の 範 囲 第 13 項 に 記 載 さ れ る 型 特 異 的 抗 原 の 少 な く と も 1 つ を 固 定 し た 固 体 基 質 。
【請求項15】
使 用 さ れ る す べ て の HCV型 由 来 の HCV抗 原 を 固 定 し た 請 求 の 範 囲 第 14 項 記 載 の 固 体 基 質 。
【請求項16】
一 連 の 固 体 基 質 又 は 一 連 の 位 置 を 有 す る 固 体 基 質 で あ っ て 、 請 求 の 範 囲 第 13 項 に お い て 定
義される1つ以上の型特異的抗原を各基質又は各位置に固定し、各基体又は各位置に固定
さ れ る HCV NS-4抗 原 が 異 な る HCV型 由 来 で あ る 前 記 一 連 の 固 体 基 質 又 は 一 連 の 位 置 を 有 す
る固体基質。
【請求項17】
40
さ ら に 、 1 つ 以 上 の そ の 他 の HCV抗 原 が 固 定 さ れ た 、 請 求 の 範 囲 第 14 項 又 は 第 15 項 記 載 の
固体基質。
【請求項18】
そ の 他 の HCV抗 原 が 血 液 検 査 で 使 用 さ れ る HCV抗 原 で あ る 、 請 求 の 範 囲 第 17 項 記 載 の 固 体 基
質。
【請求項19】
請 求 の 範 囲 第 14 項 ∼ 第 18 項 の い ず れ か 一 項 記 載 の 固 体 基 質 又 は 一 連 の 固 体 基 質 と 一 連 の 阻
止溶液を含むキットであって、各阻止溶液が阻止量の異種型オリゴペプチド抗原を含む前
記キット。
【発明の詳細な説明】
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(3)
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技術分野
本発明は、C型肝炎ウイルス3型(HCV−3)および4型(HCV−4)と呼ばれる、
C型肝炎ウイルスの新型の発見に関する。特に、本発明はC型肝炎ウイルス3型および4
型の病原体に関し、さらに、生物学的サンプル中のHCV−3およびHCV−4を検出す
るための免疫アッセーに有用なポリヌクレオチドおよび免疫反応性ポリペプチドに関し、
さらにまた、抗原性を有するHCV−3およびHCV−4特異的ポリペプチドのワクチン
における使用に関する。
発明の背景
急性ウイルス性肝炎は、慢性肝障害をもたらすことがある疾患である。該疾患は、患者が
示す、黄疸、肝痛覚、並びにアラニンアミノトランスフェラーゼおよびアスパルテートア
10
ミノトランスフェラーゼの血清レベルの増加を含む明瞭な一組の症状によって臨床的には
診断がつく。血清学的免疫アッセーは一般的には、ウイルス性病原体の個々の型を診断す
るために行われる。歴史的には、肝炎症状を有するが、A型肝炎、B型肝炎、エプスタイ
ン−バーまたはサイトメガロウイルスには感染していない患者は、臨床的には非A、非B
肝炎(NANBH)罹患と仕方無く診断されていた。
長い間、非A、非B肝炎の病原体は定義が困難なままであった。現在、NANBHの症例
の多くが、C型肝炎ウイルス(HCV)と呼ばれる別個のウイルスによって引き起こされ
ることが分かった。欧州特許出願公開公報EP−A−0318216号は、HCV由来c
DNA配列、免疫アッセーにおけるポリヌクレオチドプローブおよびポリペプチドの使用
を開示している。欧州特許出願公開広報EP−A−0388232号は、さらに進んだ情
20
報を提供している。
HCVゲノムは大きなポリプロテイン前駆体をコードするが、この前駆体は構造領域およ
び非構造領域を含んでいる。この単一蛋白は、産生後に明らかに種々の蛋白に切断される
。現在、構造蛋白および非構造蛋白の多くは、組換え体(リコンビナント)蛋白としてイ
ンビトロRNA翻訳および発現によって同定されている。CおよびE領域は、それぞれ、
ヌクレオカプシドの構造蛋白およびエンベロープの構造蛋白をコードする。その後に少な
くとも5つの付加領域が続くが、これらは、その機能が未同定の非構造(NS)蛋白をコ
ー ド す る 。 そ の 構 造 は 以 下 の よ う な も の で あ る と 考 え ら れ て い る ( A. Alberti, J. of He
patology, 1991; 12; 279-282) :
30
特定の免疫反応性蛋白が、リコンビナント蛋白、例えばC22(コアー領域内)、C33
(NS3領域内)、5−1−1およびC100(ともにNS4領域内)として記載されて
いる。C型肝炎の診断は未だに、多くがC−100クローンの生成物に対する抗体を検出
する方法に基づいている。このクローンは、NS3−NS4ゲノム領域部分に対応するよ
り大きなウイルス抗原(C100)を産生させるために部分的に共通するに連結された。
C100をその後ヒトの超酸化物ディスミューターゼ(SOD)遺伝子と融合させ、大型
のリコンビナント融合蛋白(C100−3)として使用して発現させ、さらに、固相上で
用いて、放射能標識(RIA)および酵素結合免疫吸着アッセー(ELISA)を起こさ
40
せる。
HCVのスクリーニングのために有用なポリヌクレオチドは、欧州特許出願公開公報EP
−A−0398748号に開示されている。欧州特許出願公開公報EP−A−04144
75号は、培養細胞でのHCVの増殖および診断で使用する抗原の製造を開示することを
目的としている。欧州特許出願公開公報EP−A−0445423号はHCV抗体検出用
の改良免疫アッセーを開示する。
英国の血液銀行は、最近、HCV成分に対する抗体について血液供与者の常用検査を開始
した。1つのアッセーはC100−3ポリペプチドに対するHCV抗体の検出を含む。C
100−3抗体は該ウイルスの非構造領域内の複合ポリプロテイン抗原を認識し、HCV
感染の一貫したマーカーである。しかしながら、急性感染では、ウイルス曝露後の血清変
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(4)
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化が遅いので(典型的には22週間)、この抗体は信頼できない。さらに、C100−3
抗体検査はC型肝炎ウイルスに対する特異性を欠いている。
第二世代抗体検査は、非構造抗原と同様、該ウイルスの高度に保存されたコアー領域の構
造抗原を表すリコンビナントまたは合成直線状ペプチドを用いる。しかし、第二世代EL
ISA検査のいくつかは偽陽性反応を生じる可能性があることが分かった。HCVゲノム
の4種の抗原を取り入れたリコンビナント免疫ブロットアッセー(RIBA−2)は、本
物の抗HCV反応性を識別する方法を提供する。しかしながら、その結果は“非確定的”
である可能性がある。本発明者らは、HCV陽性血液供与者の5−1−1、C100、C
3 3 C お よ び C 2 2 抗 原 に 対 す る 反 応 性 の 変 動 を 報 告 し ( Lancet, 338; 10月 19日 号 ; 199
1) 、 さ ら に 、 ポ リ メ ラ ー ゼ ・ チ ェ ー ン ・ リ ア ク シ ョ ン ( P C R ) を 用 い て H C V ポ リ ヌ
10
クレオチドを増幅させて、血液サンプル中に存在するHCVRNAを直接検出した結果と
これらを比較した。しかし、この作業は、HCV感染の明白な診断は未だ可能でないこと
を明らかにした。
最近、K2と呼ばれるHCVの第二の型が発見された(参考文献1、2)。これは、発表
された基本型(参考文献3)または第一の型のK1配列(参考文献4および5)とは非常
に配列が異なる。
発明の要旨
本発明は、以前は知られていなかったHCV3型および4型の変種の発見に基づいている
。これは、PCRで増幅させ、系統発生学的分析によって確認したHCVゲノムの一定の
領域の配列を比較することによって発見された。したがって、本発明は、HCV−3およ
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びHCV−4に特異的なポリヌクレオチド配列およびポリペプチドを識別した。これらは
、HCV−3およびHCV−4感染を診断するために用いることができ、したがって、H
CV感染について確定的ないずれの検査においても用いることができる。
本発明の一局面は、C型肝炎ウイルス3型および4型(HCV−3およびHCV−4)に
固有のポリヌクレオチド配列を提供する。該配列は、RNA配列でもDNA配列でもよい
。第一に、非コード部分、コアー、E1、E2またはNS1−5ゲノム領域のHCV−3
またはHCV−4に特異的ないずれのポリヌクレオチド配列もハイブリダイゼーションプ
ローブとして用いることができる。該配列は組換え体(すなわち形質転換細胞で発現)で
も合成でもよく、必要な場合にはより長い配列内に含ませてもよい。同様に、ポリヌクレ
オチドが特異的プローブとしてなお機能しえる場合は、欠失、挿入または置換もまた許さ
30
れる。抗原蛋白をコードする、例えばコアー、NS3、NS4およびNS5のようなポリ
ヌクレオチド配列が特に有用である。
また別の局面は、抗原性を有するHCV−3またはHCV−4特異的ポリペプチド(特に
コアー、NS3、NS4またはNS5領域由来)(例えばC100ポリペプチド、5−1
−1ポリペプチド、C33ポリペプチドもしくはC22ポリペプチドのHCV−3または
HCV−4対応物またはそれらのエピトープ)またはこれらの抗原を含むポリペプチドを
提供する。
本発明のまた別の局面は、免疫アッセーで使用する、抗原性を有する標識HCV−3また
はHCV−4特異的ポリペプチド(またはその混合物、特にコアーおよびNS4領域由来
)を提供する。
40
本発明のまた別の局面は、治療および診断に使用する、HCV−3またはHCV−4特異
的抗原に対する抗体、特に単クローン抗体を提供する。したがって、標識抗体はインビボ
での診断に使用してもよい。細胞毒性物質を含む抗体は、HCV−3またはHCV−4感
染細胞を攻撃するために使用することができる。
本発明のまた別の局面は、HCV−3またはHCV−4特異的免疫誘発ポリペプチドを含
むワクチンを提供する。
該HCV−3またはHCV−4特異的ポリヌクレオチド配列は、HCVウイルス自体(通
常はPCRによって増幅させる)をハイブリダイゼーション技術によって同定するために
用いることができる。
NS−4領域の種々の領域に該当するオリゴヌクレオチドは、型特異的PCRのために用
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いることができる。アウターセンスおよびインナーセンスプライマーは、HCV1型、2
型、3型および4型の特異的検出方法のために、2種の保存アンチセンスプライマーと組
み合わせて用いることができる。
免疫反応性を有するHCV−3またはHCV−4特異的ポリペプチド(特にコアーおよび
NS4領域由来)は、生物学的サンプル中のHCV−3およびHCV−4抗体を検出する
ために用いることができ、さらにまたワクチンに含まれる免疫原の主成分を提供する。“
ペプチド”という用語は、本明細書では抗原性を有する最小数のアミノ酸残基を有するエ
ピトープペプチド、オリゴペプチドから蛋白までを含んで用いられている。該ペプチドは
、形質転換細胞で発現されたリコンビナントペプチドでも、また化学的合成によって製造
された合成ペプチドでもよい。
10
特に、本発明は、通常のアッセーによる血液供与者のスクリーニングを第二の検査で補う
ことを可能にする。この検査は、HCV3型のNS−4配列に見出される第一および第二
の 抗 原 領 域 に 対 応 す る 2 種 の オ リ ゴ ペ プ チ ド ( 1 6 9 1 か ら 1 7 0 8 位 ま で ; 配 列 KPALVP
DKEVLYQQYDEMお よ び 1 7 1 0 か ら 1 7 2 8 位 ま で ; 配 列 ECSQAAPYIEQAQVIAHQF) 、 並 び に
HCV2型の対応する領域に由来する2種、R(A/V)V(V/I)(A/T)PDK
E(I/V)LYEAFDEMおよびECAS(K/R)AALIEEGQR(M/I)
AEMLを含んでいる。
実質的に1691から1708位および1710から1728位由来の対応するHCV−
4抗原は、HCV−4検出に用いることができる。
したがって、本発明はまた対応するポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列を識別し、
20
これはC型肝炎2型ウイルス感染を同定するために用いることができる。
抗原抗体免疫複合体の生成および検出は、当該技術分野で現在知られているいずれの方法
によっても実施することができる。例えば、酵素、放射性同位元素、蛍光、ルミネッセン
スまたは化学ルミネッセンス標識のような標識が用いられ、通常抗原に結合させることが
できる。標識抗−抗体系もまた用いることができる。リコンビナント抗原は、液相で用い
ても、また固形基材に結合させてもいずれでもよい。
3種のすべての主要型の抗原領域に該当するオリゴペプチドはまた、異なる型のHCVに
感染した個々人を血清学的に区別するために別々に用いてもよい。そのようなアッセーは
、 H C V 4 、 3 お よ び 2 型 の 主 要 な 2 種 の 抗 原 領 域 の オ リ ゴ ペ プ チ ド 、 並 び に 1 型 ( KPA(
V/I)IPDREVLYREFDEMお よ び RPAV(I/V)PDREVLYQEFDEMお よ び ECSQHLPYIEG(M/A)AEQF) で 被 覆
30
した数組のくぼみ(ウェル)またはビーズを用いる間接酵素免疫アッセー形式であっても
よい。些細な程度の交差反応性が存在する場合には、それを阻止量の可溶性異種型オリゴ
ペプチドを含む希釈液で被験血清を希釈して吸収し、型特異的な抗体反応性を有する抗体
のみが固相に結合していることを確認することができる。
ワクチン製剤で使用する免疫原は、当該技術分野で現在知られている技術にしたがって製
剤化することができる。これは、適切なアジュバントの使用および免疫刺激系を含む。
最後に、本発明はまた、HCV−3またはHCV−4抗原の少なくとも1つのエピトープ
を含むポリペプチド(またはそれに対する抗体)を、必要な調製用試薬、洗浄用試薬、検
出試薬およびシグナル発生試薬と同様に含むアッセーキットも包含する。
図面の説明
40
本発明の実施例は、単なる一例としてこれから詳述する。
図1および1aは、18人の血液供与者のHCVサンプルの5’非コード領域の領域−2
55から−62のPCRによる増幅、および以前に発表されたヌクレオチド配列(表2参
照)との比較によって得られたcDNA配列を示している;配列の数字はプロトタイプの
HCV−1配列(参考文献4)に対応し、さらに1型または2型の以前の名称が示されて
いる。
図2は系統発生学的分析であるが、最大公算アルゴリズムを用いた図1の5’NCRの結
果により、配列が3種の型(すなわちHCV−1、HCV−2およびHCV−3)の集団
(根幹をもたない系統樹として示す)に分けられることを示している。白丸内の数字1∼
18は、血液供与者配列E−b1からE−b18に該当する。白丸内の数字1∼26は、
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表2で明らかにした先に発表された配列に該当する。
図3は、血液供与者(E−b1、Eb2、E−b3、E−b7(3型)およびE−b12
(2型))のNS−5領域の推定アミノ酸配列と以前に発表されたもの(表2)との比較
である。アミノ酸残基の数字はHCV−1ポリプロテインのそれ(4)に従い、1文字の
アミノ酸コードを用いている。
図4は、最大公算アルゴリズムを用いた、NS−5領域の系統発生学的分析を根幹のない
系統樹として示している。記号は図2について説明した通りである。
図5は、血液供与者(E−b1、Eb2、E−b6、E−b7(3型))のNS−3領域
の推定アミノ酸配列と以前に発表されたもの(表2)との比較である。グループ1/1:
f1、f3、f4、f5、h2、h3、h4(1名)、i2、i3、i4、p1、p2の
10
アミノ酸配列;グループ1/2:i5のアミノ酸配列;グループ1/3:h2、h3、h
4(1名)、h5、f2、p3、i1のアミノ酸配列;グループ1/4:h1(1名)の
アミノ酸配列;グループ1/5:h1(1名)のアミノ酸配列。数字、記号および略字は
図3について説明した通りである。
図6は、最大公算アルゴリズムを用いた、NS−3領域の系統発生学的分析を根幹のない
系統樹として示している。図5に示した1型の配列の5グループの代表的ヌクレオチド配
列は、以下のように記号化されている:19(黒丸)i3;20(黒丸)i4;21(黒
丸)h5;22(黒丸)h3;23(黒丸)h1。記号は図2について説明した通りであ
る。
図7は、血液供与者E−b1(3型)のコアー領域の推定アミノ酸配列と以前に発表され
20
たもの(表2)との比較である。数字、記号および略字は図3について説明した通りであ
る。
図8は、最大公算アルゴリズムを用いた、コアー領域の系統発生学的分析を根幹のない系
統樹として示している。記号は図2について説明した通りである。
図9aおよび図9bは、HCVの推定NS−4領域で5人のスコットランド人血液供与者
(40、38、36、26および1787番)から増幅させた、HCV3型変種のヌクレ
オチドおよび推定アミノ酸配列をそれぞれ示している(ヌクレオチドおよびアミノ酸残基
は ク ー ら ( Chooら 、 ( 1 9 9 1 ) ) の よ う に 番 号 付 け さ れ て い る ) 。 ヌ ク レ オ チ ド コ ー ド
:G:グアニジン;C:シチジン;A:アデニン;U:ウリジン。アミノ酸コード:A:
アラニン;R:アルギニン;N:アスパラギン;D:アスパラギン酸;C:システイン;
30
Q:グルタミン;E:グルタミン酸;G:グリシン;H:ヒスチジン;I:イソロイシン
;L:ロイシン;K:リジン;M:メチオニン;F:フェニルアラニン;P:プロリン;
S:セリン;T:スレオニン;W:トリプトファン;Y:チロシン;V:バリン。“・”
は未定の配列である。一致性から外れているものは肉太活字で示されている。
図10(a)は、HCVの主要3変種の残基1679と1768との間のアミノ酸残基の
比 較 を 示 し て い る ( Chooら 、 1991) 。 T 1 6 、 T 4 2 、 T 7 7 、 T 1 8 0 1 、 T 1 8 2 5
:HCV1型感染スコットランド人血液供与者:T351:HCV2型感染スコットラン
ド人血液供与者:T59、T940、T810:HCV2型感染スコットランド人血液供
与者:T40、T38、T36、T26、T1787:HCV3型感染スコットランド人
血液供与者。図10(b)は、HCV3、2および1型オリゴペプチド列の一致(コンセ
40
ンサス)配列の変動を示している。一致性から外されているものは肉太活字で示されてい
る。アミノ酸コード:A:アラニン;R:アルギニン;N:アスパラギン;D:アスパラ
ギン酸;C:システイン;Q:グルタミン;E:グルタミン酸;G:グリシン;H:ヒス
チジン;I:イソロイシン;L:ロイシン;K:リジン;M:メチオニン;F:フェニル
アラニン;P:プロリン;S:セリン;T:スレオニン;W:トリプトファン;Y:チロ
シン;V:バリン。“・”は未定である。
図11(a)から11(c)は、HCV3、2および1型のコンセンサス配列からそれぞ
れ由来した、エピトープマッピングに用いた9−重合オリゴヌクレオチドのアミノ酸配列
を示している。アミノ酸コード:A:アラニン;R:アルギニン;N:アスパラギン;D
:アスパラギン酸;C:システイン;Q:グルタミン;E:グルタミン酸;G:グリシン
50
(7)
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;H:ヒスチジン;I:イソロイシン;L:ロイシン;K:リジン;M:メチオニン;F
:フェニルアラニン;P:プロリン;S:セリン;T:スレオニン;W:トリプトファン
;Y:チロシン;V:バリン。
図12a、12bおよび12cは、HCV3型感染血液供与者の3種の血清の、NS−4
の抗原領域(図11aに示した配列1−82)のHCV3型コードオリゴペプチドに対す
る抗体反応性を示している。オリゴペプチド(x軸)に対する抗体反応性は−0.1から
0.75(および>0.75)の範囲で光学的濃度としてy軸に表されている。
図13は、多様化HCV配列と代表的1、2および3型との5’NCRの種々の領域にお
ける比較である。−255から−246、−215から−186、−115から−102
および−69から−62の配列はプロトタイプの配列と同一である。“.”:HCV−1
10
との配列同一性;“.”:直線性を保持するために配列に導入されたギャップ:“−”:
未定配列。配列の由来:Eg−1−33:エジプト;NL−26:オランダ;HK−1−
4:香港;IQ−48:イラク;XX−96:xxxxx。()内の数字は各々同一でな
い配列の数字を表している。
図14は、最大公算アルゴリズムを用いた、5’NCR領域の系統発生学的分析で、根幹
をもたない系統樹として表されている。黒丸の配列1−17は、図13と同様に数字が付
けられている。先に発表された配列は(992)の表1と同様に数字が付けられている。
スコットランド人の血液供与者の配列Eb−1−Eb12は、白丸の数字51−62であ
る。明快にするために、同一でない配列のみを系統樹に示す;例えば、配列1はサンプル
Eg−16およびEg−29などで見出されたものと一致する(図1)。白四角はすでに
20
発表されたザイールからの配列で;白い小円は南アフリカからの配列で;黒い小円は世界
のその他の地域で得られた配列である。
図15A/Bは、コアー領域のヌクレオチド(A)およびアミノ酸(B)配列の比較であ
る。記号は図13と同様である。1文字のアミノ酸コードが使用されている。
図16は、最大公算アルゴリズムを用いた、コアー領域の一部分の系統発生学的分析で根
幹をもたない系統樹として示されている。配列は図14と同様に数字を付けられている;
配 列 3 0 は H C − J 8 の そ れ で あ る ( オ カ モ ト ら 、 Virology188:331-341) 。
図 1 7 は 、 A ) ( HaeIII/RsaI) お よ び 、 B ) ( ScrFI) に よ る 5 ’ N C R に お け る 切 断 パ
ターンを示している。
I)C型肝炎ウイルスの分析並びに1、2および3型の系統発生的関係
30
序
英国の個々の感染者の血漿から増幅されたC型肝炎ウイルス(HCV)の5’非コード領
域の配列分析によって、HCVの3種の異なるグループ(ヌクレオチド配列において9−
14%の違い)の存在が明らかにされた。同定されたグループのうちの2種は、1型およ
び2型と以前に呼ばれたHCVの変種のそれと同じであったが、第三のグループは新規な
ウイルス型を表しているようであった。続いて配列の比較が3種のウイルス型の間で該ウ
イルスゲノムの他の領域において行われた。NS−5領域においては、ヌクレオチドおよ
びアミノ酸配列の高度な多様性が認められ、この場合“3”型として分類したサンプルに
ついては、再度1型および2型の変種とは系統発生的に異なる別個のグループを形成して
いた。3型配列は、同じようにNS−3およびコアー領域においてHCV1型配列から分
40
化していた。観察された1型配列の地理的に異なる変種への下位区分を含めて、ウイルス
型の名称を、本研究で得られた新規な配列のデータとの関連において考察する。
考察
ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)によるヌクレオチド配列の複製は最近
確立された技術である。合成の相補的プライマー配列が、複写されるべきゲノム領域のい
ずれかの側の一本鎖DNAにハイブリダイズされる。耐熱性ポリメラーゼの作用の下、第
二の鎖がプライマー間の領域で構築される。その後の加熱は二本鎖を分離させ、再び複製
過程が開始する。このPCR技術は、プライマー配列を合成するために十分な配列情報が
存在することを条件として、微量のポリヌクレオチドを増幅させることを可能にする。
PCRを用いて配列変動を調べるためにPCRを使用することに付随する主要な問題は、
50
(8)
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プライマーと変種の配列との間のミスマッチが増幅を阻害する可能性である。我々は、こ
の問題を克服するために幾つかの戦略を用いた。第一のウイルス検出のためには、5’N
CR内のプライマーを用いたが、これは1型変種間において(4、11、13、16、2
3、24、26、33)、さらにK1およびK2の間で高度に保存されていることが報告
されている。血液供与者の配列分析は、すでに発表された配列データとの比較によって、
1型および2型の変種の同定を可能にした。この分析によって、2型と同様に1型と異な
るようにみえるHCVの第三の“型”の存在が明らかにされた(図1、2;表3)。我々
の初めて仮定的分類に基づいて、該ウイルスゲノムの他の(コード)領域およびより変動
しうる領域におけるわれわれの知見を確証することを試みた。
NS−5領域の分析(これは3種の型の各々のいくつかの配列を基にした)によって、3
10
種の主要なグループが存在し、3型配列は1型および2型とは全く異なる比較的同質のグ
ループを形成することが確認された。1型配列をPTおよびK1“亜型”に、2型配列を
K2aおよびK2bに分けることを提唱する区分は、この分析によって支持されるが、こ
のとき、本研究で得られたただ1例の2型血液供与者配列はK2bに最も類似しているよ
うである。HCV1型配列の2つのグループへの分化は、コアー領域(図7)およびNS
−3領域(図5)においてもまた明瞭に示され、両方の事例において3型配列はその関係
が顕著に遠くなっているようである。
系統発生的に異なるグループの集合、単一の地理的領域におけるそれらの混合分布(1、
7、23、27、35)および個々の血友病患者が二重または三重感染しているという我
々自身の知見はすべて、ここに述べた3種の型は、単一のグループで高度に変化しうるが
20
一元論的なグループの地理的変種または疫学的集団の変種を単純に表しているというより
はむしろ、異なるウイルスであることを強く主張している。
5’NCRの我々自身の系統発生学的分析は、3種の異なるグループの存在を明らかにし
た。これはコード領域の分析と対照的で、この場合は1型配列の2つの“亜型”への顕著
な分化が存在するようである。しかしながら、2型および3型変種と違って、この2つの
“亜型”は地理的に異なっており、1つの亜型は専ら日本人の患者から得られた配列を含
み、他は専ら米国/欧州人の配列を含んでいる(表2)。実際、この地理的分類の唯一の
例外はHC−J1配列(26)で、明白な1つの例外(Pt−1)は、米国起源の輸入第
VIII因子(これは他の亜型に対応するHCV変種を含んでいた可能性が大きい)の治
療を受けた日本人の血友病患者から得られた(7、23)。提唱される2型の2つの亜型
30
、K2aおよびK2b(7、23)が地理的に異なる変種を代表しているか否かを示すに
は不十分な配列データしかない。
HCVのゲノム構成は、ポリプロテイン(これは続いて構造蛋白と非構造蛋白に切断され
る)をコードする単一の解放型読み枠を有するフラビウイルスおよびペスチウイルスのそ
れと一致する。弱い配列相同性が、正の方向のRNAゲノムを有するいくつかの他のウイ
ルス群について検出された(19、21)。1型、2型および3型間の配列の非類似性の
全体的な程度は、本研究で調べた小領域の比較によって測定できないけれども、蛋白コー
ド領域における相違度の大雑把な評価は、部分的なコアー配列の相違を調べることによっ
て与えられる。これは、HCV1型および3型のコアー領域間の違い(ほぼ10%のアミ
ノ酸配列の相違)は、フラビウイルス(ダニ媒介脳炎ウイルス)の異なる血清型間に存在
40
する違い(14%、参考文献14)に匹敵するが、蚊が媒介するフラビウイルス(デング
熱ウイルスの血清型間の違い(33%)および西ナイル(WN)亜群のそれ(28−34
%相違)より低いことを示している。WN亜群の異なる構成種の5’NCR配列はまた、
HCVの3種の型(=50%類似性;参考文献5)よりも多様性がより顕著である(とい
ってもそれら構成種の各々、例えばマレーバレー脳炎ウイルス内では、5’NCRは極め
て良好に保存されている(>95%類似性、参考文献5)。これらの類似性を基に、我々
は、HCVの主要な型は異なる“血清型”を表し、各々は、他のHCV型に対して装備さ
れた免疫反応にもかかわらずヒトに感染することができると推測する。
方法
サンプル:18人の異なる血液供与者(E−b1からE−b18)の血漿(これらは、ア
50
(9)
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ボット第二世代酵素免疫アッセー(EIA)によるスクリーニングで繰り返し反応性を示
し、リコンビナント免疫ブロットアッセー(RIBA;オルト;参考文献1)によっては
確定的または非確定的であった)が、この研究で用いた主なサンプルであった。5人の抗
HCV陽性IVDU(参考文献31のi1−i5のように省略)由来、非加熱処理血餅濃
縮物を与えられた5人の血友病患者で抗HCV陽性でもあった血友病患者(h1−h5)
由来、1983年に収集された1000人の献血をプールしたもの3種類(p1−p3)
由来、さらに市販の非加熱処理第VIII因子の別々の5バッチ(f1−f5)由来NS
−3領域の配列が先に記載されたもの(31)に一致する。
プライマー:cDNA合成およびポリメラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)に用
い た プ ラ イ マ ー は 表 1 に 挙 げ る 。 そ れ ら は オ ズ エ ル D N A サ ー ビ ス ( Oswel DNA Service
10
)(化学科、エジンバラ大学)によって合成された。
RNA抽出およびPCR:0.2∼1.0ml容量の血漿中のHCVウイルス粒子を10
0000gで2時間、4℃で超遠心して血漿から沈澱させた。先に述べたように(2、3
1)、沈殿物からRNAを抽出した。第一の鎖のcDNAは、7単位のニワトリ骨髄芽球
症 ウ イ ル ス の 逆 転 写 酵 素 ( Promega) と と も に 、 5 0 m M ト リ ス − 塩 酸 ( p H 8 . 0 ) 、
5mMのMgCl2 、5mMジチオスレイトール、50mMのKCl、0.05μg/μ
lのBSA、15%DMSO、各々600μMのdATP、dCTP、dGTPおよびT
T P 、 1 . 5 μ M の プ ラ イ マ ー 並 び に 1 0 単 位 の R N A 合 成 酵 素 ( Promega) を 含 む 2 0
μlの緩衝液中で42℃30分間、3μlのRNAサンプルから合成された。
PCRは、1μlのcDNAから出発して25サイクルにわたって実施したが、各サイク
20
ルは94℃25秒、50℃35秒および68℃2.5分から成る。最後のサイクルの伸長
時 間 は 9 . 5 分 ま で 延 長 し た 。 反 応 は 、 0 . 4 単 位 の T a q ポ リ メ ラ ー ゼ ( Northumbria
Biologicals Ltd) を 用 い 、 1 0 m M ト リ ス − 塩 酸 ( p H 8 . 8 ) 、 5 0 m M の K C l 、
1.5mMのMgCl2 、0.1%のトリトンX−100、各々33μMのdATP、d
C T P 、 d G T P お よ び d T T P 並 び に 各 々 0 . 5 μ M の 外 側 ネ ス ト ( nested) プ ラ イ マ
ーを含む20μlの緩衝液中で実施した。続いて1μlの反応混合物を、同じ液であるが
ネストプライマーの内側対を含む第二の試験管に写し、さらに25回の熱サイクルを同じ
プログラムで実施した。PCR生成物は、3%低融点アガロースゲル(IBI)で電気泳
動し、フラグメントを臭化エチジウム染色およびUV照射によって検出した。配列分析の
ために、陽性および陰性結果のポアソン分布が得られる適切な制限希釈でcDNAの単一
30
分子を得た(30)。
P C R 生 成 物 の 直 接 配 列 決 定 : P C R 生 成 物 を ガ ラ ス − ミ ル ク 抽 出 ( “ GeneClean” ; Bio
101, Inc.) に よ っ て 精 製 し た 。 精 製 生 成 物 の 1 / 4 を 、 T 7 D N A ポ リ メ ラ ー ゼ ( Seque
nase;United States Biologicals) と と も に 配 列 決 定 反 応 に 用 い た 。 反 応 を 1 0 % D M S
O中で実施し、鋳型DNAはプライマーアニーリング前に熱変性させるという点を除き、
製造元の指示に従い該反応を実施した。
系 統 発 生 学 的 方 法 : 配 列 を ス タ ー デ ン ( Staden) プ ロ グ ラ ム の バ ー ジ ョ ン 2 . 0 ( 3 2 )
でコンパイルし、ウィスコンシン大学遺伝学コンピューターグループの配列分析パッケー
ジ ( バ ー ジ ョ ン 7 . 0 ) ( 6 ) で 分 析 し た 。 フ ェ ル ゼ ン シ ュ タ イ ン ( Felsenstein) の P
HYLIP(バージョン3、4 1991年6月;参考文献9)で利用可能な2種の異な
40
るプログラムを用いて、系統発生樹を推論した。プログラムDNAMLは、分子の進化に
ついて特定の確率的モデルとなる最も可能性の高い系統樹を見つけ、良好な模擬実験を実
施できることを示した(28)。ここで実施した分析では、可能性のある全ての系統樹の
うちより多くのものを検索できるので、グローバル(G)オプションを用いた。使用した
第二のプログラムはNEIGHBORであったが、これは、プログラムDNADIST(
これ自体はDオプションを用いてセットし、多数の置換の可能性について修正した相違の
評価を行うために、DNAMLの根底にあるのと同じ確率的モデルを用いた)を用いて先
に 評 価 を 行 っ た ヌ ク レ オ チ ド の 相 違 に 関 す る 行 列 の 集 合 を 形 成 す る ( Saitou & Nei( 参 考
文 献 29) の ア ル ゴ リ ス ム に 従 う ) 。 す べ て の 事 例 で 、 最 も 可 能 性 が 高 い 工 程 お よ び 近 縁 種
を含むことができる工程は調和の取れた系統樹を作製し、したがって、前者のみをここで
50
(10)
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は提示する。
HCVの主要な型の相互関係を確立するために、配列の可変性および進化上の拘束におい
て異なるウイルスゲノムのいくつかの領域を別々に分析した。したがって、配列比較から
得られた結論は、特定の領域に影響を与える可能性がある擬似的な進化現象には左右され
ない。しかしながら、ここに提示する分析についての1つの問題は、グループから外すた
めに必要な、HCVとの関係において十分に相違しているウイルス配列が存在しなかった
ということである。したがって、HCVの異なる配列変種の相互関係を記載するが、どの
配列がその他のものに対して先祖となっているかを決定する手段を現在もっていないこと
は強調されるべきであろう。したがって、このことを示すために、該系統樹はあまり周知
ではない根幹をもたない形で描かれている。
10
結果
1)5’非コード領域の分析:サンプルは18人の血液供与者から得られたが、これらは
、アボットの第二世代酵素免疫アッセーで繰り返し反応性を示し、さらに、キロンの4−
RIBAでは確定的または非確定的であった(E−b1∼E−b18、参考文献10)。
各供与者からの保存血漿サンプル中に存在するHCV配列は、全ての既知のHCV1型お
よび2型変種間でよく保存されている(4、11、13、16、23、24、26、33
)5’NCR内の部位に該当するプライマーを用いて増幅された(12、25)。増幅前
にcDNAの単一分子を分離するために制限希釈を行った後でのPCRの生成物の配列決
定は、該領域の中央のほぼ190塩基対と既に発表された配列との比較を可能にした(図
1)。配列内で、可変領域と同様に定常領域が見出された。E−b13∼E−b18の供
20
与者からの6配列は以前に1型として記載されたもの(4、11、13、16、23、2
4、26、33)と密接に類似し、他の2型(23)配列と類似していた(E−b9∼E
−b12)。しかしながら、8配列(E−b1∼E−b8)は両型とは異なっており、暫
定的に3型と命名した。これら配列の3つの型への分離は、最大公算アルゴリスム(図2
)および近縁合流アルゴリスム(データは示さず)を用いた、これら血液供与者の配列と
先に報告された配列(表2で識別)との正規の系統発生分析によって支持される。3つの
グループ内での配列変動性は、各々の事例において、型を分離する変動性より遙かに小さ
い。この3つの型の間の中間形の配列は認められなかった。この系統樹は、先に同定され
た3型グループは、2型と同様、1型とは異なることを示している。DNAMLモデルを
用いて、各型内の配列間の修正相違は、各事例において3%未満であった。グループ間で
30
はそれらは9%(1型および3型間、並びに1型および2型間)から14%(2型および
3型間)の範囲であった(表3)。
2)NS−5領域の分析:NS−5領域のヌクレオチド配列は、先に記載されたHCVの
K1およびK2変種間で顕著に変動することが見出された(7)。5’NCRの場合と同
様にこの領域において3型配列が同じように他の2つの型と相違するか否かを調べるため
に、4人の3型血液供与者(E−b1、E−b2、E−b3およびE−b7)および1人
の2型供与者(E−b12)からの配列を先に報告された配列と比較した(図3;図4;
表3)。
顕著な変動がこの領域において3つの型の配列間で認められた。また、3型配列は、この
領域において1型および2型とは別のグループを形成する。しかしながら、5’NCRと
40
異なり、1型および2型のグループ内の亜区分が存在するように見える。1型配列は、日
本人感染者で発見されたもの(例えばHCV−J;HCV−BK;表2の配列番号は12
、13、16−20)および米国由来のもの(HCV−1、Pt−1、H77、H90;
配列番号1∼4;図4)の間で分割される。2型配列の間でも(先にK2a(7)と命名
されたものに該当し、K2b型配列とは異なるようにみえるもの、およびスコットランド
人の血液供与者、E−b12に対応するもの)分割についてのいくつかの証拠が存在する
。
表3は、HCV1型配列の2つのグループ間の平均的ヌクレオチド相違は25%(ここで
は1a型〔米国〕および1b型〔日本人〕と記載)で、各グループ内ではわずかに4∼7
%の変動があるということを示している。2つの1型グループ内のヌクレオチド配列の多
50
(11)
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様性は、K2aおよびK2b間に存在するものと類似している(表3)。しかしながら、
これらの相違は両方とも、1型および2型配列間(52∼62%)、1型および3型配列
間(48∼49%)に存在するもの、並びに2型および3型配列間(53∼60%)相違
より遙かに少ない。
3)NS−3領域の分析:増幅反応は、先に報告されたNS−3領域のプライマー配列(
37)および実験的に得られた1対の内側プライマー(31)を用いて実施した。これら
のプライマーは、高い比率の血友病患者由来抗C−100陽性血清(31)の大部分から
HCV配列を増幅させたが、IVDU由来血清(31)および血液供与者サンプル(調べ
た15例のうち3例が陽性;データは示さず)については、それらは効果はより少なかっ
た。増幅フラグメント内の2つの保存部位を血友病患者およびIVDU患者からのNS−
10
3領域の配列分析によって同定し、さらにこれらに該当する2つの新規なプライマーを特
定した(207、208;表1)。288−208(第一ラウンド)プライマーおよび2
90−207(第二ラウンド)プライマーの組み合わせは、HCV3型に感染した4人の
供与者(E−b1、E−b2、E−b6およびE−b7)からのサンプルを上手く増幅さ
せたが、HCV2型に感染したもののいずれも増幅させなかった。このことは、この新規
な型と我々自身の1型配列(31)および先に報告された1型配列との比較を可能にした
(図5、6;表3)。明快にするために、本研究で得られた1型配列の7例(E−b16
、E−b17、i3、i3、h5、h3およびh1)のみを系統樹に示す。これらの配列
は、英国で感染した患者においてこの領域で発見された変動の範囲の代表的なものである
;先に報告された系統樹(31)と図6との比較は、前者は、日本人の1型および3型配
20
列が加えられた後で得られた全体的な系統樹の非常に小さな構成部分を形成しているとい
うことを示している。
最大公算系統樹は、1型および3型は各々から顕著に多様化したことを示している。NS
−5領域で発見されたように、1型配列の亜型がNS−3において発見された。また、日
本人由来の配列(HCV−J、HCV−BKおよびJH)は、原型(PT)配列、並びに
スコットランド人血液供与者(E−b16、E−b17、p1−3)、IVDU(i1−
5)および血友病患者(h1−5)で発見されたもの(これらは全て原型配列に該当する
)とは異なっている(図5)。しかし平均的な亜型の相違(23%)は、4種の3型配列
とHCV−1およびHCV−2との間に存在するもの(37∼43%)より小さい。以前
に報告されたように、1型配列間に存在するヌクレオチド置換の大半は活動していない(
30
サイレントである)(すなわちコードされるアミノ酸配列に影響を与えない)が、一方、
多数のアミノ酸置換が1型および3型配列間に存在する(図5)。NS−3領域の分析は
、NABA肝炎罹患日本人患者から得られたクローンAの配列(35)を含むが、これは
現存するHCV1型配列とは異なることが報告されている。図6では、この配列は、修正
配列相違がそれぞれ33∼43%および36%であるHCV1型とも3型とも異なるよう
である。この段階ではこの配列をいずれかの既知のグループに分類することはできないが
、これらの相違は、それが2型配列または同様に異なる新規なHCV型を代表するという
仮説とは矛盾しない。
4)HCVの推定コアー領域の部分的配列:推定コアー蛋白をコードする領域は、既知の
1型変種間でそのヌクレオチド配列において比較的よく保存されている。これは、ヌクレ
40
オチドおよびアミノ酸配列の類似性がそれぞれ90∼98%および98∼99%であるこ
とによって示されている(11、24)。血液供与者E−b1(この者はコアー領域以外
の他の分析領域では3型配列を有する)からのコアー領域の一部分をプライマー410お
よび406で増幅し、先に報告された1型配列と比較した(図7、8;表3)。この分析
は、3型配列は1型のものと異なっており、また、1型配列の日本人型配列(HCV−J
、HCV−BK、HC−J4、JHおよびJ7)および米国/欧州型配列(HCV−1、
H77、H90、GM1、GM2)への主要な下位区分が存在したということを確認した
。NS−3で発見されたように、非常に小さなアミノ酸配列の変化が1型配列のコアー領
域で発見され;2つのグループ間の殆ど全てのヌクレオチドの違いは“サイレント”部位
に存在する。対照的に、3型配列は、1型配列と比較したとき7∼8個のアミノ酸置換を
50
(12)
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示す。
10
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(13)
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(15)
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40
II)C型肝炎ウイルスの3種の異なる型に感染した血液供与者の血清反応性
血液供与者、血友病患者および静脈内薬物乱用者からのHCV配列が、5’非コード領域
(5’NCR)、コアー、NS−3およびNS−5領域において増幅された。
アボット第二世代酵素免疫アッセー(EIA)によるスクリーニングに際して繰り返し反
応し、さらに、オルトリコンビナント免疫ブロットアッセー(RIBA)では陽性または
不確定反応を示す献血血液が、5’NCRにおいてプライマーによって増幅された(参考
文献10)。最初の14例のPCR陽性献血血液(この場合、PCRは増幅のため、した
がって血液中に存在するHCVRNAを検出するために用いられた)は、続いて、該増幅
50
(16)
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領域の配列分析によって型分けされ、一続きの構造ペプチドおよび非構造ペプチドに対す
るそれらの血清学的反応性を、2種の第一世代EIA(オルトHCVELISA;アボッ
トHCVEIA)および2種のRIBAアッセー(オルトRIBAおよびイノジネティク
ス ( Innnogenetics) L I A ; 表 4 ) で 比 較 し た 。 H C V 1 型 配 列 を 含 む 5 例 の 献 血 血 液
が、両方のELISAで陽性で、オルトRIBAアッセーですべての抗原と反応し、さら
に、LIAでは広く反応した。しかしながら、2型および3型感染の供与者からの2例の
血清を除いて全てが抗C−100EIAスクリーニングで完全に陰性で、5−1−1、C
100(RIBA)およびNS4(LIA)と反応しなかった。
さらに、HCV3型変種のキャリアーの幾人かはオルトRIBAでC33(NS−3)ペ
プチドとわずかしか反応せず、2例の“非確定的”な結果を生じた(供与者番号11およ
10
び13)。
したがって、オルトRIBAおよび(より少ない程度に)イノジネティクスLIAテスト
を用いる現在のテストでは、HCV−2およびHCV−3遺伝子型の信頼に足る検出は可
能ではない。すべてのHCV型の信頼に足る検査のために、HCVの3種の型の各々につ
いての5−1−1、C100およびNS4からの抗原が好ましくは抗原パネルに含まれる
べきである。
20
30
40
III.NS−4内の抗原決定基のマッピング
序
血清学的なスクリーニングアッセーを改良するという全体的な目的で、2型および3型の
C100−3に該当する領域の抗原領域の配列データを得た。この情報を該領域のエピト
ープのマッピングのため、さらに、抗HCVの血清学的アッセーの改良に使用しうるまた
別の免疫反応性ペプチドの同定のために用いた。
方法
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PCRおよび配列決定:スコットランド人の血液供与者の血漿サンプル(これは、第二世
代抗HCVスクリーニング(アボットまたはオルト)で繰り返し反応し、さらにRIBA
(キロン)による確認検査では確定的または非確定的であった)は、スコットランド国立
輸 血 サ ー ビ ス 微 生 物 学 委 託 研 究 室 ( Scottish National Blood Transfusion Service Micr
obiology Reference Laboratory) か ら 医 学 微 生 物 学 部 門 に 委 託 さ れ た 。 該 血 漿 サ ン プ ル
中 の H C V R N A を 抽 出 し 、 先 に 記 載 さ れ た よ う に ( Chanら 、 1992) 5 ’ N C R 内 の プ ラ
イ マ ー で 増 幅 さ せ た 。 H C V は 、 先 に 記 載 さ れ た よ う に ( Simmondsら 、 1990) 増 幅 D N A
の配列分析およびRFLP分析によって型分けした。
HCV3型に感染した別々の供与者からの5例のサンプル(40、38、36、26およ
び1787番)、2型感染の4例(351、59、940および810番)および1型感
10
染の5例(16、42、77、1801および1825番)を、NS−4の抗原領域に広
がる、正方向および反方向の配列に該当するプライマーで増幅させた。増幅させたDNA
から得たヌクレオチド配列を比較し、各HCV型のコンセンサス配列の範囲を限定するた
めに用いた。このヌクレオチド配列の枠内翻訳によって、連続したコンセンサスアミノ酸
配列が得られ、これは、エピトープマッピングのために、一連の共通オリゴヌクレオチド
の範囲を特定するために用いられた。
エピトープマッピングおよび抗体特異性の決定:合成共通ペプチドをケンブリッジリサー
チバイオケミカル社から市販されているキットを用いてポリプロピレンピン上で合成した
。 こ の 付 加 反 応 の 原 理 は 参 考 文 献 に 記 載 さ れ て い る ( Geysenら 、 1984; Geysenら 、 1985)
。抗体反応は、超音波処理(30分)で破壊したピン上で、1%ドデシル硫酸ナトリウム
20
、0.1%2−メルカプトエタノール、0.1Mオルト燐酸二水素ナトリウム中で実施し
た。ピンは燐酸緩衝食塩水(PBS)中の1%卵白アルブミン、1%ウシ血清アルブミン
、0.1%トゥイーン−20で、室温で1時間予め被覆した。血清または血漿を、PBS
+0.1%トゥイーン−20(PBST)中で1.40希釈し、ブロックしたピンと4℃
で18時間インキュベートした。PBSTを4回交換して洗浄(攪拌しながら室温で10
分)した後、結合抗体を、アフィニティー分離抗ヒトIgG、ペルオキシダーゼ結合物(
シグマ)の1/20000希釈液中で室温で1時間インキュベートして検出した。洗浄(
PBSTで4回交換)した後、0.03%過酸化水素含有0.1M燐酸ナトリウム/クエ
ン酸ナトリウム緩衝液(pH4.0)中のアジノ−ジ−3−エチル−ベンズチアゾジンス
ルホネートの0.05%溶液で、ピンを20分インキュベートした。光学濃度を410n
30
mで読み取った。
結果
HCV3型に感染(5’NCRの配列分析による)した5人の供与者の血漿サンプル中の
HCVRNAを、表1に挙げたプライマーを用いてNS−4で増幅させた。この領域の高
い配列変動性のために、異なるHCV型の増幅には別個の方向のプライマーを用いること
が必要であった。しかしながら、反方向プライマーは高度に保存された領域にあり、3種
の全ての型の増幅に用いることができる。配列分析は先に記載されたように実施した。こ
れ は 4 9 1 1 か ら 5 2 7 1 位 ( Chooら ( 1991) の 記 載 に し た が っ て 番 号 付 け さ れ て い る )
の連続配列を生じた(図5a)。この領域においては、4人の異なる供与者間で配列変動
性は殆ど認められなかった。
40
ヌクレオチド配列はコードされたペプチドの配列を推定するために用いた(図5b)。こ
の推定蛋白は主に親水性残基を含むが、N−結合糖付加反応のための潜在的能力を有する
部位は含まない。HCV3型のアミノ酸配列の変動性は5残基のみに制限されていた(図
5b)。しかしながら、この領域は、HCV1型および2型感染の他の血液供与者のアミ
ノ酸配列とは顕著に異なっていた(T16、42、77、1801、1825、351、
940および810;図6a)。主要なHCV型の残基1679から1769の間の配列
比較によって、アミノ酸配列の顕著な変動性を有する3領域が明らかにされた。型間で認
められた違いの殆どは、非同義的アミノ酸置換、特に親水性領域における酸性および塩基
性残基の変更を含む。これらの変化は、蛋白の全体的な構成、およびその抗原性を大きく
変化させると考えられる。
50
(18)
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1型∼3型のこの領域におけるコンセンサスアミノ酸配列(図6b)を、3種のシリーズ
の82個の9アミノ酸重合オリゴペプチド(9残基のうち8個が共通)を該シリーズ内の
前後のものを用いて明らかにするために使用した(図7a−c)。これらは12×8アレ
ーのポリプロピレンのピン上で方法の項で記載したように合成された。ピン上に固定され
た抗原に対する抗体反応性は、4℃で一晩1/40希釈の被験血清でインキュベートし、
洗浄後、抗ヒトIgG−ペルオキシダーゼ結合物および適切な基質で検出(方法の項参照
)して、間接ELISAによって求めた。
HCV感染について既知の危険因子をもたない、抗HCV陰性でPCR陰性供与者の3種
のペプチドシリーズに対する反応性を調べた。HCVコードオリゴペプチドのいずれに対
しても顕著な反応性は示されなかった。3人のHCV3型感染供与者の血清のこれらオリ
10
ゴペプチドの各々に対する反応性は図9a−9cに示した。3例の血清の全てが、13番
( 配 列 KPALVPDKE;図 7 ) か ら 2 2 番 ( 配 列 VLYQQYDEM) の 範 囲 の ペ プ チ ド と 第 一 の 抗 原 領
域において反応した。しかし認識された正確なペプチドは個々人の間で僅かに変動してい
た 。 3 例 の 血 清 は 全 て 、 オ リ ゴ ペ プ チ ド 3 2 か ら 4 2 ( ECSQAAPYIか ら QAQVIAHWQの 配 列 )
の範囲にある第二の抗原領域と程度は異なるが反応した。より弱くさらにより変動性のあ
る反応性がペプチド48から53で認められた。最後に、顕著な反応性が、単一のオリゴ
ヌクレオチド2(3サンプルのうち2サンプル)、61(3例のうち2例)、66(3例
のうち3例)、73(3例のうち3例)および80(3例のうち2例)に対してもまた認
められた。
HCV3型の主要な抗原領域の配列は、1型または2型変種のいずれかによってコードさ
20
れたものとは顕著に異なる。ペプチド13から22が結合する領域は、HCV2型変種と
は50%、1型とは67%の平均相同性を示す。ペプチド32から42の間では、2型と
は39%、1型変種とは58%の相同性が存在する。したがって、各NS−4配列の同様
な領域が抗原性を有するが、実際のエピトープはHCVの型間で顕著に異なる。
考察
HCV3型のNS−4領域はHCVの他の変種とは顕著な配列多様性を示し、この多様性
は 、 以 前 に 分 析 さ れ た ( Chanら 、 1992) コ ア ー 、 N S − 3 ま た は N S − 5 領 域 で 認 め ら れ
たそれを越える。HCVゲノムのこの領域によってコードされる蛋白の機能は未知で、さ
らにウイルス増殖および病原性におけるこの変動性の結果は未知である。フラビウイルス
およびペスチウイルスにおけるNS−4領域の機能もまた殆ど明らかにされていない。
30
アミノ酸配列変動性の程度およびアミノ酸置換の性質は、抗体反応の主要部位はまた抗原
変動のそれでもあるということを示している。このことは、疑いもなくHCV1型NS−
4がコードする抗原の、異なるHCV型に感染した患者の血清との制限された交差反応を
生じる。現在、感染の血清学的診断は、完全にHCV1型から由来したリコンビナントま
た は 合 成 オ リ ゴ ペ プ チ ド 配 列 を 基 に し て い る ( Chooら 、 1991) 。 感 染 に 対 す る 血 清 反 応 は
、スクリーニングに用いたリコンビナント抗原のうちのただ一つに対する抗体について、
その最初の段階で極めてしばしば制限される。このことは、2種のHCVコード抗原に対
する反応性が確認に必要な補充抗体検査における困難性をもたらすだけでなく、HCV2
型および3型による初期感染の検出の失敗の可能性を増大させる。
表7は、PCRにより決定したHCV型決定と型特異的抗原(TSA)を用いて得た結果
とを関連付け、HCV3型との相関性を示している。
40
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IV.HCV4型の同定
序
世界各地の様々な場所から得たHCVサンプルの5’非コード領域(5’NCR)(図1
3)およびコアー領域(図15Aおよび15B)の配列変動について調査を行った(図1
50
(21)
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3)。系統発生学的分析(図14および16)は、ここでHCV−4と呼ぶ、別個の新規
なHCV型を明らかにした。
方法
サンプル:HCV用第二世代スクリーニングアッセーで繰り返し反応し、さらに確定的(
キ ロ ン リ コ ン ビ ナ ン ト 免 疫 ブ ロ ッ ト ア ッ セ ー ( Chiron Corporation, エ メ リ ー ビ ル 、 カ リ
フォルニア、米国)で2種以上の抗原と顕著に反応する)であるか、または非確定的(た
だ1種の抗原とのみ反応する)である、血液供与者およびNANBHの患者から得た血漿
サンプルからRNAを抽出した。既知のHCV型とは実質的に異なる配列を含むサンプル
の殆どはエジプトからのサンプル(EG1∼33)であった。他のものはオランダ(NL
−26)、香港(HK1∼4)、イラク(IQ−48)およびXX(xx−6)からのも
10
のであった。
配列決定:HCV配列を逆転写し、先に報告されたように(1)5’NCRの保存領域と
適合するプライマーで増幅した。コアー領域の分析には、配列CA(T/C)GT(A/
G)AGGGTATCGATGAC(5’塩基:xxx、(20)のように番号付け)の
プライマーを用いて、RNAを逆転写した。このプライマーおよび配列ACTGCCTG
ATAGGGTGCTTGCGAG(5’塩基:−54)の5’NCRのプライマーを用
いて、cDNAを増幅した。第二のPCRは、配列AGGTCTCGTAGACCGTG
CATCATG(5’塩基:−21)およびTTGCG(G/T/C)GACCT(A/
T)CGCCGGGGGGTC(5’塩基:xxx)のプライマーを用いた。両領域で増
幅されたDNAを先に報告されたように(参考文献1a)直接配列決定した。
20
配列分析:配列は、ウィスコンシン大学GCGパッケージのCLUSTALプログラムを
用いて直線に並べた(参考文献6)。系統樹は、フェルゼンシュタインのPHYLIPパ
ッケージのDNAMLプログラム(バージョン3.4、1991年6月(参考文献9))
により、グローバルオプションを用いて構築した。4種の代表的HCV変種(参考文献)
の5’NCRのRNA二次構造はプログラムFOLDを用いて予測された。広範囲の可能
な相互反応を許容するために、ヌクレオチド−341から−1、−341から+300お
よび−341から+900の間の各配列から3種の予想が行われた。異なる長さにわたる
、各配列についての予想構造の比較によって、比較的小さな規模の特徴(例えば結果の項
で分析した幹/ループ)は完全に保存されていることが示された(データは示さず)。こ
の 章 で 報 告 し た 全 て の 配 列 は ジ ー ン バ ン ク ( GenBank) に 寄 託 し た 。
30
結果
5’NCR配列の多様性:サウジアラビア、オランダおよび香港の血液供与者並びにイラ
クおよびxxxのNANBH患者のサンプルで検出された5’NCRのいくつかの配列は
、スコットランド人の血液供与者で認められたものおよび他の場所で報告されたものとは
実質的に異なっていた(図13)。HCV1、2および3型を互いに区別する、十分に特
徴が明らかにされたヌクレオチド置換を示す代わりに、配列相違の新規な組み合わせが、
新しい変種で発見され、このことは、現在のシステムのウイルス分類の枠外にそれらを置
くように思われた。これは、該配列の系統発生を再構築し、さらに進化系統樹として結果
を提示することによってより簡単に表すことができる(図14)。この分析は、配列1∼
10は以前に1、2および3型として型分けされた変種と別な集団を作ることを確認する
40
。便宜的に、この新規なグループの配列をHCV4型と呼ぶ。4型内並びに4型および他
のHCV型間の5’NCRにおける平均的相違は、先に1∼3型について記載されたもの
に匹敵した。4型内の配列は比較的緊密なグループを作り、配列11、12および13は
、既知の型のいずれとも顕著に異なっている。
この系統発生樹を用いて、先に報告された5’NCRの大半は、1、2および3型として
容易に区別することができることを知ることができる。さらに、ザイールの配列の殆ど全
て(白四角として示されている)は4型内で緊密な集団を作り、このことは、アフリカで
のより広範囲な分布を提唱している。しかしながら、さらに複雑なことは、南アフリカの
患者から得た3例の同一な配列は1型および4型グループの両方と異なっているようで、
さらに、また別のHCV型を表しているかもしれないということである。
50
(22)
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3例の代表的4型変種(Eg29、33、21;1∼3番の5’NCRに該当)からのR
NAは、HCVポリプロテインのコアー領域のプライマーを用いて増幅された。3例の全
ての配列は、HCV1型から3型のヌクレオチドおよびアミノ酸レベルの両方で顕著に異
なっていた(図15A/B)。これらの配列および以前に分析された系統発生分析は、そ
れらは、他の型とは異なる別個の、比較的同質のグループを形成することを示した(図1
6)。4型と1∼3型との間の再構成したヌクレオチドの相違は、HCVの3種の既知の
HCV型の間に存在するものに匹敵していた。ヌクレオチド配列の相違の殆どはサイレン
トであったけれども、新規な変種と他の型との間には4および9個のアミノ酸の相違が存
在した。
V.HCV型分け
10
序
HCV1、2、3および4型の間の配列変動の見地から、制限酵素切断部位における相違
が存在し、これはエンドヌクレアーゼ切断パターンの相違をもたらす。この技術を、世界
各地の種々の起源の血液サンプル中のHCV遺伝子を同定するために用いた。
(A)HCV1∼3の型分け
方法
血清サンプル:6か国(スコットランド、フィンランド、オランダ、香港、オーストラリ
アおよび日本)の血液供与者のサンプルが、常用第二世代抗HCVELISAスクリーニ
ング(オルトまたはアボット)から利用可能であった。上記の検査で繰り返し反応した供
与者サンプルを、さらに補足的検査(オルトRIBA:フィンランド、オランダ、オース
20
トラリア、エジプト、アボットマトリックス:香港)を用いて調べ、または抗HCVにつ
いてELISAでサンプル(日本)の力価を測定した。RIBA検査で陽性(2種以上の
HCV抗原と顕著な反応(1+から4+)もしくはまたは非確定的(1種の抗原とのみ反
応)であるか、またはELISAで>×4096(日本のみ)の力価を有するサンプルを
ポリメラーゼ・チェーン・リアクション(PCR)によってウイルスRNAについて検査
した。
RNAPCR:HCVRNAの検出のためにPCRをチャンら(参考文献1a)が記載し
たように、ネストPCRにおいて5’非コード領域(5’NCR)を用いて、第一および
第二の反応でそれぞれプライマー209/939および211/940(5)で実施した
。
30
HCV型分け:異なるHCV型に特徴的な、5’NCRに比較的保存された置換パターン
の存在は、HCV遺伝子型の同定に有用なシグナチャー配列を提供する。多数の異なるH
CV1、2および3型の配列を比較することによって、我々は、増幅DNAの制限エンド
ヌクレアーゼ切断でHCV1∼3型を区別する方法を開発した。しかしながら、19例の
4型配列は1型のようであり(電気泳動による型はAaおよびAb)、一致する研究のた
めには、新規なHCV型を同定するための条件を修飾する必要があった。すべての4型配
列は、全ての1型(および2型)配列に存在しない、新規なHinfI部位をもたらす、
−167位のT−−>Cの変化を示した。ScrFI(およびHaeIII/RsaI)
との比較では、それは、中東および他の地域の多くの国々における新規な型の信頼に足る
同定を可能にすることを証明した。
結果
HCV1、2および3型についての結果は表8に要約した。エジプトのサンプルは、単一
のScrFI消化で異常な制限パターンを生じ、4型として同定された。
40
(23)
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10
20
(B)臨床標本におけるHCV4型感染検出のためのPCRに基づく型分けアッセーの修
飾
方法
RNAの抽出:RNAは、非A、非B患者の血漿の部分標本100μlから、1mlのR
NAゾル溶液(2Mグアニジンチオシアネート、12.5mMクエン酸ナトリウム(pH
7.0)、0.25%w/vのN−ラウロイルサルコシン、0.05M2−メルカプトエ
タノール、100mM酢酸ナトリウム(pH4.0)、50%w/v水飽和フェノール)
を 加 え る こ と に よ っ て 、 先 に 報 告 さ れ た よ う に ( Chomczynskiら 、 1987) 抽 出 し 、 沈 殿 物
30
が溶解するまで混合した。100μlのクロロホルムを添加した後、各サンプルを140
00×gで5分間遠心し、水相を0.5mlクロロホルムで再抽出した。RNAを等量の
イソプロパノールを添加し、少なくとも1時間−20℃に置いて沈澱させた。RNA沈殿
物を14000×gで15分4℃で遠心して生成し、1mlの70%冷エタノール溶液で
洗浄し、乾燥させ、さらにジエチルピロカーボネート処理蒸留水20μlに再懸濁させた
。100例の直接抽出したサンプルのうち、総数19例がPCR陰性であった(下記参照
)。陰性サンプル2ml容量を200000×gで2時間超遠心し、沈殿物を上記のよう
に再抽出した。より大容量の血漿からの抽出によってさらに3例の陽性サンプル(66、
80、85番)を得た。
PCRおよび型分け:RNAをプライマー940で逆転写し、cDNAを2段階のネスト
40
PCR反応でプライマー940/939、続いて209/211で先に報告されたように
( Chanら 、 1992) 増 幅 し た 。 P C R 生 成 物 を 〔
35
S〕−dATPで放射能標識し制限エン
ド ヌ ク レ ア ー ゼ 切 断 に よ っ て ( McOmishら 、 Transfusion, 32: 11号 1992) 分 析 し た 。 サ
ンプルを、ScrFIおよびHaeIII/RsaIの組み合わせで2つの別々の反応で
切断し、HCV1/4、2、3型を同定した。図17はエンドヌクレアーゼ切断パターン
を示す。HCV1および4型はHinfIによる三番目の反応によって区別された(結果
を参照)。2例のサンプルは、HCVの4種の既知の型のそれと異なる制限パターンを生
じ 、 こ れ を 増 殖 D N A の 直 接 配 列 分 析 ( Chanら 、 1992) に よ っ て 分 析 し た 。 こ れ ら 2 例 の
サンプルは既知のHCV型と異なる5’NCRを含み、現在未分類のままである。
結果
50
(24)
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HCV4型を同定するためのRFLP方法の修飾:エジプト人の血液供与者の血漿から増
幅したHCVの5’NCRにおける予備的配列分析によって、5’NCRおよびコアー領
域の両方において比較的同質のグループの新規な配列変種が明らかにされた。これは、H
CV1、2および3型が互いに異なる程度に、これら1、2、3型と異なっていた(先の
文献参照)。この新規なグループはHCV4型と命名された。4型配列の切断パターンと
先に同定された4型配列のRFLP型分析のそれとの比較は、HCV1型のそれと類似の
ScrFIおよびHaeIII/RsaIによる電気泳動タイプの区分を生じた(表9)
。1型配列は、aA/Bの9パターン、bA/Bおよび1bcの35パターンを生じた。
これらの酵素のみでは、4型配列はしたがって1型とは区別できない(14aA/B、4
bA/B)。しかしながら、1型および4型配列は、HinfI部位の数が常に異なって
10
いる。18例の4型配列の全ては、1つまたは2つの潜在的切断部位を含むが(バンドc
のパターンを生じる;表5)、一方分析した45例の1型配列のいずれにおいても何も認
められない(パターンa)。4型配列の1例は、RsaIに対する制限部位の消失によっ
て1型および他のHCV型とはさらに異なり、hと命名された新規なバンドパターンをも
たらした(44、172、9、26;表9の1段目)。最後に、ただ1つの配列、EG−
28は2つの部位を失っており、216、9および26塩基対のバンド(パターンi;表
9)を生じた。この配列は既知のHCV型のいずれ(4型も含めて)のそれとも異なって
おり、表のU(未分類)と標識した段に示してある。
調査物の型分け:NABA肝炎の患者のサンプル100例からRNAを抽出し、5’NC
R内のプライマーで増幅した。これらのうち、84例がPCR陽性で、RFLPによって
20
HCV型分けを実施することができた。これはまずHaeIII/ScrF1で実施し、
10例の2型および10例の3型変種の同定が可能であった(表10)。電気泳動パター
ンaA/BまたはbA/Bをさらに、hinfIによる切断でさらに分析し、パターンa
をもつサンプル38例(したがって1型と同定される)、パターンbをもつ22例および
パターンcをもつ2例(両方とも4型と同定される)を得た。最後に、2例のサンプルは
、HaeIII/RsaIで通常とは異なる切断パターンhおよびiを、さらにHinf
Iでパターンbを示したので直接配列決定を行った。これら2つの配列は互いに類似して
いたが、既知のHCV型のいずれとも異なっており、EG−28(HaeIII/Rsa
Iでパターンiを示した別の配列)とも異なっていた(表10)。それらは現時点では分
類できないので、それらをU型と呼ぶ。
30
(25)
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20
30
a
既 に 記 載 さ れ た よ う に ( Mcomishら 、 1992) H a e I I I / R s a I お よ び S c r F I に
ついて指摘された切断パターン。
b
未分類型のHCV変種の切断パターン
c
パターンa:HinfIよって切断されない。
d
パターンb:DNAが切断され、サイズ107および142塩基対(5’→3’)の2
つのフラグメントを生じる。
e
パターンc:DNAが切断され、56、51および142塩基対の3つのフラグメント
を生じる。
f
hと呼ぶHaeIII/RsaIによる新規な切断パターン(44、172、9、26
塩基対)。
g
iと呼ぶHaeIII/RsaIによる新規な切断パターン(216、9、26塩基対
)。
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a
2サンプルが通常と異なるHaeIII/RsaI(h,i)による制限パターンを生
じた。5’NCRの配列分析では、それらは現在のHCV分類の枠外に置かれた(サンプ
30
ルIQ−48、EG−96)。
VI.発現および分析などの技術
本発明はまた、本明細書で定義された通りのDNA配列を含む発現ベクターを提供するが
、このベクターは、適切な宿主中で該DNA配列を発現し、本明細書で定義された通りの
ペプチドを産生することができる。
該発現ベクターは、普通には、適切な宿主中で該DNA配列の発現を達成するDNAの制
御要素を含む。これら要素は宿主に応じて変えることができるが、通常は、プロモーター
、リボソーム結合部位、翻訳開始および停止部位、並びに転写終了部位を含む。そのよう
なベクターの例は、プラスミドおよびウイルスを含む。本発明の発現ベクターは、染色体
外 ベ ク タ ー お よ び 宿 主 細 胞 染 色 体 に 組 み 込 ま れ る ベ ク タ ー の 両 方 を 含 む 。 大 腸 菌 ( E. col
40
i) で 使 用 す る 場 合 、 該 発 現 ベ ク タ ー は 、 場 合 に よ っ て 例 え ば β − ガ ラ ク ト シ ダ ー ゼ を コ
ードするDNA配列の5’もしくは3’末端に、または例えばtrpE遺伝子をコードす
るDNA配列の3’末端に結合させた融合物として本発明のDNA配列を含むことができ
る。昆虫のバキュロウイルス(AcNVP)系で使用する場合は、該DNA配列は場合に
よってポリヒドリンをコードする配列に融合される。
本発明はまた、本明細書で定義されたような発現ベクターで形質転換された宿主細胞を提
供する。本発明で使用する宿主細胞の例は、原核細胞および真核細胞、例えば細菌、酵母
、哺乳類および昆虫の細胞を含む。そのような細胞の具体例は、大腸菌、ビール酵母菌(
S. cerevisiae) 、 P . パ ス ト リ ス ( P. pastoris) 、 チ ャ イ ニ ー ズ ハ ム ス タ ー 卵 巣 細 胞 お
よ び マ ウ ス 細 胞 、 並 び に ス ポ ド プ テ ラ = フ ル ギ ペ ル ダ ( Spodoptera frugiperda) お よ び
50
(27)
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ト リ コ プ ル シ ア = ニ ー ( Tricoplusia ni ) で あ る 。 宿 主 細 胞 の 選 択 は 多 数 の 因 子 に よ っ て
左右されるが、HCVウイルスペプチドの翻訳後修飾が重要な場合は、真核細胞宿主が好
ましい。
本発明はまた、ここで定義されたようなペプチドを製造する工程を提供し、これは、ここ
で定義したDNA配列のHCVゲノムからの分離、またはここで定義したペプチドをコー
ドするDNA配列の合成、または該ペプチドをコードするDNA配列の作製、該DNA配
列を適切な宿主中で発現させることができる発現ベクターへの該DNA配列の挿入、該発
現ベクターによる宿主細胞の形質転換、該形質転換宿主細胞の培養および該ペプチドの分
離を含む。
こ の ペ プ チ ド を コ ー ド す る D N A 配 列 は 標 準 的 な 方 法 ( Gait, オ リ ゴ ヌ ク レ オ チ ド 合 成 :
10
実 践 入 門 ( Oligonucleotide Synthesis: A Practical Approach) , 1984オ ッ ク ス フ ォ ー
ド 、 IRLプ レ ス ) で 合 成 で き る 。
上記のように得られた所望のDNA配列は、既知の標準的な技術を用いて発現ベクターに
挿入することができる。発現ベクターは通常は制限酵素を用いて切断し、DNA配列は平
滑端または粘着端結合を用いて挿入される。切断は通常、発現ベクター内の好都合な部位
(これは、一旦挿入されると、該DNA配列がその発現を達成するDNAの機能的要素の
制御下に置かれるような部位である)で制限酵素で行われる。
宿主細胞の形質転換は、標準的技術を用いて実施できる。いくつかの表現型マーカーが通
常用いられ、上手く発現ベクターを取り込んだ形質転換細胞とそうでないものとが区別さ
れる。形質転換宿主細胞の培養および所望のペプチドの分離もまた、標準的な技術を用い
20
て実施できる。
本発明のペプチドは、合成手段またはリコンビナントDNA技術によっても製造できる。
該ペプチドは好ましくは自動合成装置を用いて合成できる。
本発明のペプチドに特異的な抗体を該ペプチドを用いて作製することができる。該抗体は
多クローン性でも単クローン性でもよい。該抗体は、該ペプチドのバッチの品質管理検査
に;ペプチドまたはウイルス溶解物の精製に;エピトープマッピングに;抗体検出のため
に標識された場合は競合型アッセーにおける結合物として;さらに抗原検出アッセーに用
いることができる。
本発明のペプチドに対する多クローン性抗体は、ペプチドを(場合によって免疫応答を促
進するために担体に結合させる)哺乳類宿主(例えばマウス、ラット、ヒツジまたはウサ
30
ギ)に注射し、その結果産生された抗体を回収することによって得ることができる。該ペ
プチドは一般には注射が可能な製剤形で投与されるが、その場合、ペプチドは生理的に許
容できる希釈剤と混合されている。アジュバント(例えばフロイントの完全アジュバント
(FCA)またはフロイントの不完全アジュバント(FIA))を該製剤に含ませてもよ
い。製剤は通常は、適切な期間にわたって宿主に注射され、血漿サンプルを適切な間隔で
抗HCVウイルス抗体についてのアッセーのために採取する。適切な水準の抗体が得られ
たとき、宿主を失血させる。続いて、例えばプロテインAまたはイオン交換クロマトグラ
フィーによる標準的な方法を用いて血漿から、抗体を抽出、精製する。
本発明のペプチドに対する単クローン性抗体は、無限増殖細胞株の細胞を、該ウイルスま
たは局所構造的に関係を有するペプチドに対する抗体を産生する細胞と融合させ、該融合
40
無限増殖細胞株を培養することによって得ることができる。典型的には、非ヒト哺乳類宿
主、例えばマウスまたはラットに該ペプチド接種する。宿主が抗体反応を惹起するために
十分な期間が経過した後、抗体産生細胞(例えば脾細胞)を取り出す。無限増殖細胞株(
例えば、マウスまたはラットミエローマ細胞株)の細胞を該抗体産生細胞と融合させ、生
じた融合物を所望の単クローン性抗体を分泌する細胞株(例えばハイブリドーマ)を識別
するためにスクリーニングする。融合細胞株を培養し、単クローン性抗体を多クローン性
抗体の精製と同じ態様で培養液から精製することができる。
本発明に基づく診断アッセーを、HCV感染の有無を決定するために用いることができる
。それらはまた、そうした感染の治療をモニターするために、例えばインターフェロン療
法において使用することもできる。
50
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ウイルス感染の診断用アッセーでは、基本的には利用可能な3種類の異なる方法があるが
、これは、ウイルス核酸、ウイルス抗原またはウイルス抗体の検出を含む。ウイルス核酸
は一般には、ウイルス自体の存在の最良のインジケーターと考えられ、材料がおそらく感
染性があることを示すことができるであろう。しかし、核酸の検出は、通常は抗原または
抗体の検出ほど容易ではない。なぜならば、標的のレベルが非常に低いことがあるからで
ある。ウイルス抗原は、ウイルスの存在のマーカーとして、さらに感染性のインジケータ
ーとして用いられる。ウイルスによってはサンプル中に存在する抗原の量は非常に低く、
検出が困難な場合がある。抗体検出は比較的容易である。なぜならば、事実、宿主免疫系
は、大量の循環抗体を産生することによって感染に対する反応を増幅させるからである。
抗体応答の性状は臨床的にしばしば有用である。例えば、IgGよりむしろIgMクラス
10
の抗体は感染が最近であることを示し、また、特定のウイルス抗原に対する応答は、その
ウイルスの除去を伴う。したがって、ウイルス感染の診断に用いることができる正確な方
法は、特定の環境および求められている情報に左右される。HCVの場合には、診断アッ
セーはこれら3種の方法のいずれでも具体化できる。
ウイルス核酸の検出を含むHCVの診断用アッセーでは、該方法は、検査サンプル中に存
在するウイルスRNA、またはそのようなウイルスRNAから合成されたcDNAを、本
発明のヌクレオチド配列に該当するDNA配列、または本発明のペプチドをコードするD
NA配列とハイブリダイズさせ、生じた核酸ハイブリッドをスクリーニングして、いずれ
のHCVウイルス核酸かを同定することを含む。この方法の応用は、通常、ウイルスRN
Aが高いレベルでおそらく存在する、適切な組織の検査サンプル(例えば肝生検)に限ら
20
れる。本発明の核酸配列に該当するか、または本発明のペプチドをコードするDNA配列
は、オリゴヌクレオチドまたは、場合によってはプラスミッド内に含まれるcDNA配列
の形を取ることができる。該核酸ハイブリッドのスクリーニングは、好ましくは、標識D
NA配列を用いることによって実施される。好ましくは、本発明のペプチドは、ウイルス
核酸への該ペプチドの結合が標識が結合部位に近すぎるために干渉されることがないよう
、該標識がペプチドから十分な距離にあるオリゴヌクレオチドの部分である。一種または
別の種類のスクリーニングをさらに1回または2回以上行って、該ハイブリッドの特性を
調べて、いずれのHCVウイルス核酸かを同定する。ハイブリダイゼーションおよびスク
リーニング工程は、当該技術分野で既知の方法にしたがって実施する。
本発明はまた、HCVウイルス核酸検出用キットを提供するが、これは、
30
i)本発明のDNA配列または本発明のペプチドをコードするDNA配列を含む標識オリ
ゴヌクレオチド;および
ii)洗浄溶液、反応緩衝液および、標識が酵素の場合、基質を含む。
有利には、検査キットはまた、ウイルス核酸の同定を促進するために陽性コントロールサ
ンプルを含む。
ウイルス抗原または抗体の検出を含むHCV診断用アッセーでは、該方法は、検査サンプ
ルを本発明のペプチドまたは該ペプチドに対する多クローン性もしくは単クローン性抗体
と接触させ、さらに、検査サンプル内に含まれる何らかの抗原抗体結合の存在の有無を決
定することを含む。この目的のために、検査キットは、ここに定義されたペプチドまたは
それに対する多クローン性もしくは単クローン性抗体、および検査サンプル中に含まれる
40
抗体もしくは抗体のそれぞれとの結合が存在するか否かを決定するための手段を含んで提
供される。該検査サンプルは、ウイルス核酸の検出について上記に述べた、いずれの適切
な組織および生理的液体から採取してもよい。生理的液体を得た場合には、場合によって
、存在するいずれのウイルス抗原または抗体のためにも濃縮することができる。
多様なアッセー形式を用いることができる。該ペプチドは溶液中のHCVに対する抗体を
選択的に捕捉するために、または既に捕捉した抗体を選択的に標識するために、または該
抗体を捕捉し標識するために用いることができる。さらに、該ペプチドは、種々の均質ア
ッセー形式で用いることができ、この場合、ペプチドと反応する抗体は相を分離すること
なく溶液中で検出される。
溶液から抗体を捕捉するためにペプチドが用いられるタイプのアッセーは、固形表面上に
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ペプチドを固定することを含む。この表面は何らかの方法で洗浄することができるべきで
ある。適切な表面の例は、種々のタイプ(マイクロタイターのくぼみに流し込んで固めた
もの;ビーズ;種々のタイプのディップスティック;吸引チップ;電極;および光学装置
)のポリマー、通常の粒子のサイズが0.02から5ミクロンの粒子(例えばラテックス
;固定赤血球細胞;細菌もしくは黴細胞;芽胞;金もしくは他の金属性もしくは金属含有
ゾル;および蛋白性コロイド)、膜(例えば、ニトロセルロース;紙;酢酸セルロース;
および有機または無機材料の多孔性/高表面積膜)を含む。
該表面へのペプチドの付着は、至適組成(界面活性剤、溶媒、塩および/またはカオトロ
ー プ ( chaotrope) を 含 む こ と が で き る ) の 溶 液 か ら の 受 動 的 吸 着 、 ま た は 能 動 的 化 学 結
合によることができる。能動的結合は、該表面に露出させることが可能な、種々の反応性
10
または励起可能官能基(例えば縮合剤;活性酸エステル、ハロゲン化物および酸無水物;
アミノ、ヒドロキシル、またはカルボキシル基;スルヒドリル基;カルボニル基;ジアゾ
基;または不飽和基)を介して行われてもよい。場合によって、能動結合は、蛋白(それ
自体表面に受動的に、または能動的な結合を介して結合されている)、例えばアルブミン
またはカゼインを介して行うことができ、それに対してウイルスペプチドを、種々のいず
れの方法によっても化学的に結合させることができる。この方法での蛋白の使用は、等電
点、電荷、親水性または他の物理化学的特性のために有利であろう。ウイルスペプチドは
また、反応混合物の電気泳動的分離、例えば免疫沈澱反応に続いて、該表面(通常は膜で
あるが、必ずしもその必要はない)に結合させることができる。
ペプチドが付着している表面を検査サンプルと接触(反応)させ、反応の時間を与え、必
20
要な場合には種々の手段(例えば洗浄、遠心、ろ過、磁力または毛細管作用)のいずれか
で過剰なサンプルを除いた後、該捕捉抗体を検出可能な信号を生じるいずれかの手段によ
って検出する。例えば、これは、上記で述べたような捕捉抗体と反応する標識分子または
粒子(例えば、蛋白Aまたは蛋白Gなど;抗種もしくは抗免疫グロブリン亜型;類リュー
マチ因子;または競合的態様もしくはブロッキングの態様で用いられる該ペプチドに対す
る抗体)、または該ペプチドに含まれるエピトープを含む一切の分子を使用することによ
って達成することができる。
検出可能な信号は光学的または放射能活性または物理化学的なものが可能で、例えば色素
、放射能標識、電気的活性種、磁気共鳴種またはフルオロフォアによって該分子または粒
子を標識することによって直接的に、またはいずれかの種類の測定可能な変化を発生させ
30
ることができる酵素自体で分子または粒子を標識することによって間接的に提供すること
ができる。また別に検出可能な信号は、例えば凝集反応を用いて、または、表面が粒子の
形状の場合は回折もしくは複屈折効果によって得ることができる。
ペプチド自体が既に捕捉された抗体を標識するために用いられるアッセーは、ペプチドが
検出されることを可能にする、ペプチド標識のある種の形を必要とする。該標識は、例え
ば放射能標識、磁気共鳴種、ペプチドへの粒子もしくは酵素標識を化学的にもしくは受動
的に結合させることによって直接、または、それ自体ペプチドと反応する分子に何らかの
形の標識を結合させることによって間接的に行うことができる。ペプチドへ標識を結合さ
せるための反応は、ペプチドに既に存在する分子部分(例えばアミノ基)を介して、また
は中間体分子部分(例えばマレイミド基)を介して直接的であってもよい。抗体の捕捉は
40
、既に述べたいずれかの表面上で、特異的な抗体または免疫複合体の結合を生じる受動的
または能動的吸着を含むいずれかの試薬によって行われる。特に、抗体の捕捉は、抗種も
しくは抗免疫グロブリン亜型によって、類リューマチ因子、蛋白A、Gなどによって、ま
たは該ペプチド中に含まれるエピトープを含むいずれかの分子によって行われる。
標識ペプチドは競合的な結合態様で用いることができ、この場合、上記で例示したいずれ
かの表面上でのいずれかの特異的分子へのその結合は、サンプル中の抗原によって阻害さ
れる。また別に、それは非競合的態様で用いることができるが、この場合、サンプル中の
抗原は上記のいずれかの表面に特異的または非特異的に結合し、さらにまた、標識ペプチ
ドを捕捉するために用いられる特異的な二価または多価分子(例えば抗体)と残存する価
標で結合する。
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均質アッセーではしばしば、ペプチドおよび抗体は別々に標識され、それによって、抗体
が拘束されずに溶液中のリコンビナントペプチドと反応するとき、この二種の標識は相互
反応によって、例えば、1つの標識によって捕捉されたエネルギーの他の標識への非放射
性転移(励起された第二の標識または消去された第一の標識が適切に検出される(例えば
フルオリメトリー、磁気共鳴または酵素測定)を可能にする。サンプルにウイルスペプチ
ドまたは抗体を添加することによって、標識ペアーの相互反応が制限され、したがって、
検出体において異なるレベルの信号が生じる。
HCV抗体検出の適切な形式は、直接サンドイッチ酵素免疫アッセー(EIA)形式であ
る。ペプチドはマイクロタイターのくぼみに被覆される。検査サンプルおよび酵素結合ペ
プチドを同時に加える。検査サンプル中に存在する一切のHCV抗体は、くぼみを被覆し
10
ているペプチドおよび酵素結合ペプチドの両方に結合する。典型的には、同じペプチドが
サンドイッチの両側に用いられる。洗浄後、結合酵素は、色の変化を伴う特異的な基質を
用いて検出される。そのようなEIAで使用する検査キットは下記の(1)∼(4)を含
む:
(1)酵素で標識された、ここで定義されたペプチド;
(2)該酵素のための基質;
(3)ペプチドが固定される表面を提供する手段;
(4)場合によって、洗浄溶液および/または緩衝液。
IgG/IgM抗体捕捉ELISAもまた用いることができる。この場合、抗ヒト抗体が
マイクロタイターのくぼみに被覆され、検査サンプルが該くぼみに添加される。検査サン
20
プル中に存在する一切のIgGまたはIgM抗体は続いて抗ヒト抗体に結合する。本発明
のペプチド(これは標識されている)が該くぼみに添加され、ペプチドは、HCV感染に
より生じた一切のIgGまたはIgMに結合するであろう。IgGまたはIgM抗体はペ
プチド上の標識によって視覚化できる。
したがって、本発明のペプチドは、古典的ELISA、競合ELISA、膜結合EIAお
よび免疫沈澱反応を含むアッセーにおいて、多くの形式(換言すれば遊離ペプチドとして
)でHCV感染の検出に使用できることが理解されよう。ペプチド結合物は増幅アッセー
およびIgG/IgM抗体捕捉ELISAにおいて用いることができる。
本発明のアッセーは、例えば献血血液のスクリーニングまたは臨床的な目的のため、例え
ばHCV感染の検出およびモニターに用いることができる。スクリーニングの目的のため
30
には、好ましいアッセー形式は、自動化できるもの、特にマイクロタイター形式およびビ
ーズ形式である。臨床的な目的のためには、そのような形式に加え、小規模用または単回
使用用(例えばラテックスアッセー)もまた使用できる。スクリーニング工程における確
認アッセーのためには、抗原はウェスタンブロッティングまたは他の免疫ブロッティング
検査での使用に適した小片上で与えられる。
上記に示したように、検査サンプル中の抗HCV抗体の存在を検出するために(特に献血
血液のスクリーニングにおいて)現在用いられているアッセーは、HIV1型のみから得
られた抗原性ペプチドを利用しており、本明細書で明らかにしたように、そのような抗原
は他のHCV遺伝子型の信頼に足る検出を行うことができない。したがって、HIV−1
のための検査を他の全ての遺伝子型、例えば2、3および4型、並びに発見されうるさら
40
に別の遺伝子型のための検査で補充することが明らかに望ましい。
遺伝子型スペクトルを検査するために、一連のアッセー手段を提供することができる。こ
れは、各々、HCVの1遺伝子型からの1つまたは2つ以上の抗原性ペプチド、例えばマ
イクロタイタープレートの一連のくぼみ、またはビーズ形式を用いた同等のシリーズを含
む。そのようなアッセー形式は、サンプル中に存在するHCVの遺伝子型を決定するため
に用いることができる。また別に、または付け加えるに、アッセー手段は、1遺伝子型以
上の抗原性ペプチドを含んでいてもよく、例えば、マイクロウェルまたはビーズは1遺伝
子型以上のペプチドで被覆することができる。
検査には1つ以上のHCV抗原、特に遺伝子の構造領域由来の少なくとも1つの抗原性ペ
プチドおよび非構造領域由来の少なくとも1つの抗原性ペプチドの組み合わせ、特にコア
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ー抗原およびNS3、NS4およびNS5領域から選ばれる少なくとも1つの抗原の組み
合わせを用いることが有利であることが分かった。くぼみおよびビーズは、別々に抗原で
被覆することができる。しかし、2つまたは2つ以上の抗原性ペプチドを単一のポリペプ
チドとして、好ましくはリコンビナント融合ポリペプチドとして融合させることが有利で
あることが分かった。そのような方法の利点は、個々の抗原は一定の、予め定めた比率(
通常は等モル)で組み合わせることができ、さらにただ1つのポリペプチドの製造、精製
および特性検査が必要とされるということである。1つまたは2つ以上のそのような融合
ポリペプチドは、所望の場合には1つまたは2つ以上の非融合ペプチドに加えて用いるこ
とができる。融合ペプチドには多くの可能な抗原組み合わせが有るということは理解しえ
よう。例えば、融合ポリペプチドは、ただ1種の血清型由来の所望の範囲の抗原を含むこ
10
とができ、または1つ以上の血清型由来の抗原を含むこともできる。血清型2、3および
4型の抗原性ペプチドは、好ましくは本明細書に記載したようなものである。
複数のペプチドを含むポリペプチドを得るためには、個々のコーディング配列を単一の開
放型読み枠に融合させることが好ましい。もちろんこの融合は、各成分ペプチドの抗原活
性がもう1つのペプチドとの位置関係によって顕著に損なわれないように実施されるべき
である。特別の関心は、もちろんペプチド間の実際の接合点の配列に払われるべきである
。一般には得られたコーディング配列は、例えば上記のようにリコンビナントペプチドと
して発現される。そのような融合ペプチド得る方法は、当該技術分野において既知であり
、HCV1型株の複数の抗原を含むリコンビナント融合ポリペプチドの製造は、英国特許
出願公開公報GB−A2239245号免疫沈澱反応に開示されている。ペプチド結合物
20
は増幅アッセーおよびIgG/IgM抗体捕捉ELISAにおいて用いることができる。
本発明のペプチドは、ヒトにHCVに対する免疫を誘発するためのワクチン製剤に包含さ
せることができる。この目的のために、該ペプチドは医薬的に許容できる担体とともに提
供することができる。
ワ ク チ ン 製 剤 で の 使 用 に は 、 該 ペ プ チ ド は 、 B 型 肝 炎 コ ア ー 部 分 の 融 合 粒 子 と し て ( Clar
kら 、 Nature , 1987, 330, 381-384) ま た は ポ リ リ ジ ン 基 剤 ポ リ マ ー と し て ( Tam, PNAS ,
1988, 85 , 5409-5413) 提 供 す る こ と が で き る 。 ま た 別 に 、 該 ペ プ チ ド は 場 合 に よ っ て 、
特定の構造(例えばリポゾームまたはISCOMS)に結合させてもよい。
医薬的に許容できる担体は、該ペプチド患者に導入するための賦形剤としての使用に適し
た流動性媒体を含む。そのような流動性媒体の例は食塩溶液である。ペプチドは該担体中
30
に溶解されるか、または固形物として懸濁される。
ワクチン製剤はまた、免疫反応を刺激し、それによってワクチンの効果を増強させるため
にアジュバントを含むことができる。アジュバントの例は、水酸化アルミニウムおよび燐
酸アルミニウムである。
ワクチン製剤は、0.01から5mg/ml、好ましくは0.03から2mg/mlの範
囲の最終濃度のペプチドを含むことができる。ワクチン製剤は滅菌容器に入れることがで
きる。これは、続いて密封され、低温(例えば4℃)で保存、または凍結乾燥してもよい
。
HCVに対する免疫をヒトに誘発させるために、1用量または2用量以上のワクチン製剤
を投与することができる。各用量は、0.1から2ml、好ましくは0.2から1mlで
ある。ヒトにHCVに対する免疫を誘導する方法は、前記に規定したように有効量のワク
チン製剤を投与することを含む。
本発明はまた、ヒトにHCVに対する免疫を誘発するために使用するワクチンの調製にお
ける、本明細書で定義したペプチドの使用を提供する。
本発明のワクチンは、ワクチン投与のためにいずれの手頃な方法によっても投与できる。
この方法は、経口および非経口(例えば、静脈内、皮下または筋肉内)注射を含む。この
処置は、単一用量ワクチンまたは一定期間の間の複数用量から成る。
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配列表(図1および図1a)
配列識別番号:1
配列の種類 :ヌクレオチドcDNA配列
配列の長さ :194塩基対
鎖の形状 :一本鎖
形態 :直線状
分子の種類 :HCV1∼3型のゲノムDNA
30
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
使用目的 :
寄託 :
特色
HCV1∼3型間でcDNA配列の変動を示す5’非コード領域の塩基−255から−6
2。
配列表(図3)
配列識別番号:2
配列の種類 :推定ペプチド配列
40
配列の長さ :85アミノ酸
鎖の形状 :一本鎖
形態 :直線状
分子の種類 :HCVペプチド
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
使用目的 :
寄託 :
特色
HCV1∼3型間でペプチド配列の変動を示すNS−5領域のアミノ酸2648から27
50
(37)
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32。
配列表(図5)
配列識別番号:3
配列の種類 :推定ペプチド配列
配列の長さ :57アミノ酸
鎖の形状 :一本鎖
形態 :直線状
分子の種類 :HCVペプチド
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
10
使用目的 :
寄託 :
特色
HCV1∼3型間でペプチド配列の変動を示すNS−3領域のアミノ酸1577から16
33。
配列表(図7)
配列識別番号:4
配列の種類 :推定ペプチド配列
配列の長さ :124アミノ酸
鎖の形状 :一本鎖
20
形態 :直線状
分子の種類 :HCVペプチド
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
使用目的 :
寄託 :
特色
HCV1∼3型間でペプチド配列の変動を示すコアー領域のアミノ酸5から128。
配列表(図9a)
配列識別番号:5
30
配列の種類 :ヌクレオチド配列
配列の長さ :367塩基対
鎖の形状 :一本鎖
形態 :直線状
分子の種類 :HCVゲノムDNA
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
使用目的 :
寄託 :
特色
40
個々の変動および共通配列を示すNS−4領域の塩基4911から5277。
配列表(図9b)
配列識別番号:6
配列の種類 :推定ペプチド配列
配列の長さ :128アミノ酸
鎖の形状 :一本鎖
形態 :直線状
分子の種類 :HCVゲノムDNA
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
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使用目的 :
寄託 :
特色
個々の変動および共通配列を示すHCV−3のNS−4領域のアミノ酸1638から17
65。
配列表(図10aおよび10b)
配列識別番号:7
配列の種類 :ペプチド配列
配列の長さ :90アミノ酸
鎖の形状 :一本鎖
10
形態 :直線状
分子の種類 :HCVペプチド
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
使用目的 :
寄託 :
特色
個々の変動および共通配列を示すHCV1−3のNS−4領域のアミノ酸1679から1
768。
配列表(図11aおよび11c)
20
配列識別番号:8
配列の種類 :9−重合ペプチド配列
配列の長さ :各々9アミノ酸
鎖の形状 :一本鎖
形態 :直線状
分子の種類 :9−重合HCVペプチド
由来
由来組織 :合成
使用目的 :エピトープマッピング
寄託 :
30
特色
エピトープマッピングに使用したHCV1−3のNS4領域に該当する9−重合ペプチド
。
配列表(図13)
配列識別番号:9
配列の種類 :ヌクレオチドcDNA配列
配列の長さ :30、70および32塩基対
鎖の形状 :一本鎖
形態 :直線状
分子の種類 :HCV1型から4型のゲノムDNA
40
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
使用目的 :
寄託 :
特色
HCV1型∼4型の5’NCR領域の塩基−245から−216;−185から−116
;−101から−70。
配列表(図15Aおよび15B)
配列識別番号:10
配列の種類 :得られた蛋白配列をもつヌクレオチド
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配列の長さ :240塩基対酸
鎖の形状 :一本鎖
形態 :直線状
分子の種類 :ゲノムDNA
由来
由来組織 :ヒト血液サンプル
使用目的 :
寄託 :
特色
HCV1型∼4型のコアー領域の塩基対23から262およびアミノ酸5から89。
【図1】
【図1a】
10
(40)
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図6】
【図7】
【図8】
【図9a】
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【図9b】
【図10a】
【図10b】
【図11a】
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(43)
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
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【図12c】
【図13】
【図14】
【図15a】
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(45)
【図15b】
【図17】
【図16】
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フロントページの続き
(74)代理人 100084009
弁理士 小川 信夫
(74)代理人 100082821
弁理士 村社 厚夫
(74)代理人 100084663
弁理士 箱田 篤
(72)発明者 シモンズ ピーター
イギリス エディンバラ イーエイチ3 9エルエル グレンガイル テラス 1
(72)発明者 チャン シュイ ワン
イギリス エディンバラ キルモールス ロード 10
(72)発明者 ヤップ ペン リー
イギリス エディンバラ イーエイチ9 1ジェイゼット メドー プレイス 5
審査官 高堀 栄二
(56)参考文献 国際公開第91/014779(WO,A1)
国際公開第91/015574(WO,A1)
英国特許出願公開第02239245(GB,A)
国際公開第90/011089(WO,A1)
欧州特許出願公開第00445801(EP,A1)
特開平03−190898(JP,A)
欧州特許出願公開第00445423(EP,A1)
特開平04−159298(JP,A)
特開平05−222094(JP,A)
特開平04−330098(JP,A)
7
(58)調査した分野(Int.Cl. ,DB名)
CA(STN)
REGISTRY(STN)
SwissProt/PIR/GeneSeq
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
BIOSIS/WPI(DIALOG)
PubMed