26年11月

宇部市立東岐波小学校
日
公式HP
学校だより(平成26年11月号)
の
山
http://www.ube-ygc.ed.jp/hke
人権学習参観日に寄せて
~いじめゼロの学校をめざして~
校長
大 本 学 司
本校では、「自分の人権を大切にし、他者の人権も大切にしていける力を育てる」 ことを目標に、
全学年で人権学習に取り組んでいます。去る、10月23日には、保護者のみなさまにも学校での取
組の様子を見ていただく機会として、人権学習参観日を実施しました。
授業参観のあとに、引き続いて学級懇談会を実施し、「東岐波小学校のいじめをなくす取組につい
て」をテーマとして話し合いをしました。本校は「東岐波小プロジェクト」として大きく6つのこと
を保護者のみなさまに約束していますが、その中に「いじめゼロの学校をめざします」と宣言してい
ます。子どもたちのチャレンジ目標の「相手を思いやる言葉を遣おう」という取組も「いじめゼロの
学校づくり」に向けての具体的なものです。
さて、東岐波小学校「いじめ防止基本方針」の中に、次のように書いています。
いじめ防止のためには、教職員がいじめを絶対に許さない確固たる信念を持ち、いじめを鋭く見
抜き、いじめを防止するための具体的な行動をとるための判断力や指導力を高めなければならない
。 (中略) また、いじめ防止においては、保護者の理解と協力を得て連携して取り組むことが
重要である。保護者に対し、いじめを防止することの重要性につい て理解を深める啓発を行うとと
もに、インターネットを通じて行われるいじめを防止し、効果的に対処することができるよう必要
な啓発を行う。
「いじめを絶対に許さない確固たる信念」 とは、つまり、「いじめは人間として、絶対に許されな
い」という意識を徹底すること、そして、「いじめられている子どもがいる場合には、必ず守り通す」
という毅然とした姿勢を示すことです。
ところで、「いじめは絶対に許されない」という言葉に反論される人はいないでしょう。しかし、
いじめがなかなかなくならないのはなぜでしょうか。ひよっとすると、大人自身が「いじめに関する
課題意識」をきちんと共有していないのかもしれません。
その一つに、「いじめられる側にも原因がある」という考え方です。このことを明確に否定してい
る文章がありますので紹介します。
いじめがあったとき、よく大人も、「どうしていじめたんだ?」 と聞いてしまいます。みなさ
んだって、その場限りであろうが何であろうが理由を言います。
「あいつ変」「むかつく」「うざい」「キモイ」「性格悪い」とか、いろいろあると思います。
では、質問を変えます。
そこに理由があれば、人は人を傷つけてもいいので しょうか?
むかついたら、うざかったら、キモかったら、いじめてもよいのでしょうか?
自分と違って「変」だと感じたら、その相手を傷つけてもいいのでしょうか?
いじめる側の理由が存在すれば、人は人を傷つけてもいいのでしょうか?
私は今、この本を読んでいるみなさんの中に、人に傷つけられてもしかたのない理由をもって 生
まれた人は、一人もいないと思っています。
そんな理由、誰ももっていません。
そしてもう一つ、生まれたときから、人を傷つけてもいい権利をもって
生まれた人もいません。
みんな幸せに生きる権利をもった命たちなのです。
そして、一人ひとり違う命なのです。
教室の中の友だちは、いろいろな考え方をもった人たちの集まりです。
大好きな色はみんな違うはずです。色は無数にあるので、たった一つの大好きな色を選ぶと、多
分みんなちがう色を選ぶと思います。
性格も違います。人を笑わせることが好きだったり、得意な人もいますが、「そういうのはちょ
っと苦手」という人だっています。
身体的にだって、太っていたりやせていたり、背が高かったり低かったり、みんなそれぞれです
。得意な教科もみんな違うので、すべての教科でまったく同じ点数をとるもう一人がいる可能性は
、かなり低いはずです。
そして、学校で教わる勉強以外にすごく興味のあるものをもっている人や、実はすごい才能をも
っている人もたくさんいるのではないでしょうか。
みんなそれぞれ違う、それってとてもあたりまえのことではないでしょうか。
『いじめの中で生きるあなたへ』小森 美登里:著 WAVE出版 より
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「いじめゼロ」に向けて、まずは大人自身が真剣に考え、課題意識を共有していきましょう。
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