花と泉のふるさと環境塾「地球環境塾」(一関市)

花と泉のふるさと環境塾「地球環境塾」(一関市)
10月21日
菅原省司
推進員
一関市の花泉町では、子供から地域のリーダーまで幅広い層を対象として、充実した環
境学習が進められています。
その一つに「花と泉のふるさと環境塾&学
びの土曜塾」があります。この塾は、全7回
実施され、その最終回が、花泉地域公衆衛生
連合会主催の「地球環境塾」でした。「次の
世代を担う人々が、安心して暮らせる環境を
つくるために、温暖化についての正しい知識
と自覚を持つこと」をねらいとして開催され
ました。
基調講演が、菅原推進員の「北極からのメ
<第2部
パネルディスカッション>
ッセージ」。そして第2部が、「今私たちにできること」をテーマに菅原推進員をコーディ
ネーターとして、パネルディスカッションが行われました。3名のパネリストは、一関地
球温暖化対策地域協議会会長の千田恭平氏の他に、徳谷喜久子推進員、千葉温推進員とい
う顔ぶれでした。
初めに
「この講演は教えることが目的ではなく、講演を通し
て皆さんに感じてもらいたい。即効薬ではなく、漢方
薬として聞いてもらいたい。」「北極の氷や、白くまを
通して人間が、何を感じ取るのかが問題。」と講演が始
まりました。
環境問題を考えるときの4つのポイント
菅原推進員の思いが、分かり易く凝縮された4つのポイントです。
①
地球規模で大きく考えて、自分の足元から、つまり、出来ることから始める。
②
生活様式を変えること。楽でおいしい生活を止める。
考え方を変えることが出来れば、生き方を変えることが出来るはず。
③
環境教育は、知識を伝えることではなく、考え方や価値観を引き出すこと。
なぜ電気を消さなければならないのか、なぜが大切。
④
受信機を強くする。いろいろな情報を心で見る感性を鍛えること。
環境問題は心の問題。子供や、孫の心を育てることが大事。
北極点遠征、グリーンランド横断~
人生哲学から生まれてくる生き方
菅原推進員自身の北極点遠征隊やグリーン
ランド横断隊への参加という、貴重な体験か
ら語られる環境問題への提言は心に響くもの
でした。
<北極点遠征>
「マイナス 45 度にもなる環境で、氷河の上
を犬ぞりで旅します。その中で食べられる
幸せ、生きている幸せを実感します。食料
が尽きると犬が死に、死んだ犬は生きている犬の餌になります。つまり命をいただくので
す。これが「いただきます」の意味です。」と話し、食べて生きていける事への感謝の気持
ちから、環境問題を考えることを説きました。
<グリーンランド横断>
「1968年のグリーンランド横断隊に参加しました。その時に調査した東海岸の氷河
の後退の原因が、全く分らなかったのですが、今思えば、40 年前から既に温暖化が始まっ
ていたのかもしれません。地球は、半世紀も前から温暖化のシグナルを発信してきたのに、
当時は気づく人がいなかったということです。
」
そしてこのことが、菅原推進員が温暖化問題、環境問題に関心をもつ直接のきっかけに
なったということでした。
<探検隊員の心で>
さらに、干ばつや大洪水、記録的な猛暑、暖冬などの異常気象を挙げ「地球が悲鳴を上
げています。今すぐ歯止めをかけなければ大変な事になります。シグナルを一人ひとりが
受信し、自分たちが実践できることをしてほしいです。」と訴えました。
そして環境問題を考えていくことは、探検と共通しているとして、「人間にとって初めて
のことはなんの保障もなく、当然マニュアルもないのです。その時、探検隊員、人間は考
えていかなければならない。それは、地球を知って、地球に感謝し、地球に遠慮の心をも
つこと。一番怖いのは、関心の無さ「無視」するという行為です。まだ我々はサルの仲間。
緑が無ければ生きていけない。おごらずに生きていきましょう。」と締めくくりました。
終わりに
「人は時代によって変わります。自分がどのよう
に世の中を見ていくかによって人生は変わります。
新しい考え方で「もったいない」感覚やフードマ
イレージを日常生活に取入れていくことにチャレ
ンジしてみませんか。
「エネルギーは1990年代を意識した生活へ」
これは、惨めな生活ではなく、未来へ向かっての
新しい希望の生活をという、新しい考え方のチャ
レンジです。
」
環境を意識した日常生活への具体的な提案で講演が締めくくられました。