サイエントロジー

サイエントロジー
この世界をより良いものにする
L. ロン ハバードによって創設、開発されたサイエントロジーは応用宗教哲学であり、それ
は、誰もが精神的存在としての真実と簡潔さを取り戻すことのできる、正確な道筋を示して
います。
サイエントロジーは、存在に関する源および根本にある原理を定義している特定の公理と、
自然科学における広範な観察から成り立っています。それは文字通り人生のすべてに適用で
きる哲学的な研究の集成です。
この広範にわたる知識の集成は、この主題のふたつの適用へとつながっています。1 番目
は、多くの偉大な哲学の教えが追求していた、人の精神としての意識を向上させ、自由を達
成する技術です。2 番目は、人が自分の人生を向上させるために使うことのできる、非常に多
くの基本原理です。実際、この 2 番目の適用においてサイエントロジーが提供しているもの
は、私たちの存在に関するすべての側面をより良いものとする実用的な手段 ― 新しい生き方
をつくり出す方法です。そしてここから、あなたがこれから読もうとしている主題が生まれ
ました。
これは L. ロン ハバードの著作からまとめられており、ここに示されているデータは、『サ
イエントロジー・ハンドブック』に紹介されている道具、手段のひとつにすぎません。包括
的な手引書であるこのハンドブックには、サイエントロジーの適用法が数多く含まれており、
人生における他の多くの領域に向上をもたらすためにそれらを使うことができます。
この冊子には、内容を紹介する短い文章、演習、成功した適用例が編集者によって付け加
えられています。
あなたの理解を高めるためのコースの数々、またあなたの知識を広げるためのさらなる教
材はサイエントロジー教会、およびミッションでご利用になれます。教会とミッションは、
www.scientology.org でご覧になれます。
サイエントロジーでは、人間と人生に関する多くの新しい現象が説明されているので、こ
の冊子を読む中で見慣れない言葉に出合うかもしれません。それはこの冊子の中で初めて出
てきた時に説明されていますが、この冊子の終わりにある用語解説にも掲載されています。
サイエントロジーは、使うためのものです。これは、実用的な哲学であり、人が実際に行
うものです。これらのデータを使って、あなたはさまざまな状態を変えることができます。
何百万という人たちが、自分の周りの世界で目にしている状態に対して何かをしたいと考
え、この知識を適用してきました。その人たちは、人生の状況を向上させることができるの
を知っています。そして、その人たちは、サイエントロジーには効果があるのを知っています。
この冊子で読んだものを使い、自分自身そして他の人たちの手助けをしてください。そ
うすれば、あなたもそのことを知るようになるでしょう。
国際サイエントロジー教会
私たちは、危機的な世界、危険にあふれた環境の中で暮らしています。
テレビのニュースや毎日の新聞を読んでみると、私たちは毎日決まって、
強盗や強姦、暴動、殺人、火災、地震、洪水や飢餓といったものにさらさ
れているのがわかるでしょう。
あなたの周りで起こっていることによって、自分がかき乱されるように
なったと思いますか? 自分は、無力で、これらの出来事をコントロールでき
ないと感じることがありますか? 時には怖いと感じることがありますか ?
この小冊子で、L. ロン ハバードは、この危険にあふれた環境という現象
を分析しており、あなたが自分の恐れを克服する手助けとなるばかりでな
く、他の人々も手助けできるようにしてくれる方法を紹介しています。こ
の情報を広範囲に適用すれば、社会を穏やかにする大いなる効果をもたら
し、人々がより幸せな人生を送ることが可能になるのです。個人的な規模
で、つまり、あなたによって使用されれば、この情報は、あなたの家族や
友人、仲間の人生を促進してくれることでしょう。■
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危険な環境
多くの人々が、周囲の環境はただ危険であるばかりでなく、
着実にさらに危険になりつつあると信じ込んでいます。多く
の人々にとって、環境は、彼らが太刀打ちできる限界を超え
た脅威なのです。
しかし実は、環境は、実際よりももっと危険であるように
見せかけられているのです。
危険な環境のプロのつくり手が、たくさんいます。これには、政治家、警察官、新
聞記者、葬儀屋など、生活のために危険な環境を必要とする職業が含まれます。こ
うした人々は、危険な環境を売っているのです。それが彼らの主な生業なのです。彼
らは、環境は危険だという考えを人々に売り込まなければ、自分はすぐに破産して
しまうと感じています。ですから、環境を本来よりもはるかに危険なものにするこ
とが、彼らの利益になるのです。
環境は、十分に危険なものです。
いくつかの社会が発展しなかったのは十分な脅威が欠けていたからである、とい
う考えがかつて生まれました。そうした考えを発達させたうちのひとりが、イギリ
スの歴史家であり学者でもあったアーノルド・トインビー(1889-1975 年)でした。
彼は、それがメキシコのような地域が発展しなかった理由だと感じていました。し
かし、このトインビーの考えは、象牙の塔の中で生まれたものです。彼は図書館に
腰掛けて本を読んでいましたが、外に出てひとりのメキシコ人に話したこともあり
ませんでした。
ですからトインビーは決定的な感嘆符をつけ加えて、こう表明しました。
「メキシ
コ人が成功しない理由は、その環境に十分な脅威がないことだ。南アメリカが有望
な産業力を持っていないのは、彼がいる環境の中に十分な脅威がないからだ。アフ
リカ人が文明においてさらに進歩を遂げなかったのも、その環境に脅威が足りない
からだ」と。これに続いて彼は数え切れないほどの学位を取得しました。
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トインビーはそれについて何を知っていたのでしょうか ? 彼は四六時中、図書館の
一番奥の方で、やはり四六時中、図書館の中で日々を過ごした人々によって書かれ
た本を読んで過ごしたのです ! そんなことでは、人生を学べるはずがありません。
もうひとつ追加の例としては、フィリピンにおいて、厚かましい元気旺盛な白人
の男が現れ、原住民のイゴロト族(フィリピン北部山岳地帯に住む部族)に助言し
ました。こう言ったのです。
「村から川へ道を切り開き、朝のうちに牛車で川へ行き、
桶に水をいっぱい汲んで、村へ持って帰ってきたら、女たちが川まで長い道のりを
歩く必要はなくなるんだ。この公共事業に今すぐ取り掛かるべきだ。
」
この男は、イゴロト族が彼の提案をすぐに行動にうつさないことに完全に激怒し、
立ち去りながらこう考えます。
「ハハッ ! やつらの環境には脅威が足りないのだ。彼
らには達しようとするものが何もないんだ。野望がないんだ。西洋の我々とは違う
― 我々の環境には脅威がある」と。
この男の環境には脅威がありましたか ? ママはコーン・フレークをスプーンで食
べさせてくれ、パパは彼が大学を出るまで学資の小切手を書いてくれ、どこへ行く
にも道は舗装されて機械や車でいっぱいでした。彼の環境はすでに征服されていま
した。だからこそ、彼は厚かましくしていられるのです。
しかし、火のそばに座って、この白人が川へ行く道を切り開けなどと言っている
のを聞いているイゴロト族の男の環境は、実際にはどのようなものなのでしょうか ?
このイゴロト族の男には男の子がいて、彼はその子を大変愛していますが、病気と
粗末な食事のために、その子が 7 つになるまで生きる見込みはわずかしかないことを
知っています。雨が降ると、それはただ気持ちの良い小雨ではなく、まいた種をす
べて洗い流して畑をめちゃめちゃにしてしまい、もしそんな中から何かを救出する
ことができれば、もしかするともう数ヵ月は生き延びることができるかもしれない
ことを彼は知っています。彼は、うっかりまずい木の下を歩いて毒へびに噛まれで
もしたら、もうそれでおしまいだということを知っています。だったら、何のため
の努力をするのでしょう ?
要するに、多くの人にとって環境の脅威は全く圧倒的なものなのです。
しかし、これは、世界のより「文明化された」地域では、環境に脅威がないとい
うことなのでしょうか ? 絶対にそんなことはありません。インディアナ州テラホー
ト出身で、ニューヨーク市へ引っ越した若い芸術家の境遇を考えてみましょう。た
またま観察した人は、テラホートの環境には脅威がなかったから彼は引っ越したの
だと言うかもしれません。
この男がそもそも画家になろうと決めたのは、幼稚園の時に彼を袋叩きにし、小
学校の時に彼を袋叩きにし、そして高校の時にも彼を袋叩きにした奴と一緒に飼料
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店で働くことに直面できなかったからです。この男と毎日一緒に働かなくてはなら
ないというのは、彼にとっては考えただけでちょっと脅威が大き過ぎたのです。こ
うして彼は芸術家になりましたが、テラホートでは、絵を買うような人はいません
し、誰も彼のやっていることの価値を認めませんでした。彼にはそこに前途がなかっ
たのです。彼は絶えず飢餓に脅かされており、地域社会に貢献することができませ
んでした。それはとても敵対的な環境でした。そのために彼はもっと友好的な環境、
つまりグリニッチ・ビレッジへ移ったのです。彼はインディアナ州テラホートで死
ぬまで脅かされているよりは、むしろグリニッチ・ビレッジで静かに飢えて死ぬ方
がいいと思うのです。
そこで、私たちの結論としては、白人であろうと黒人であろうと、皮膚の色が赤
くても黄色くても、自分の運を勝ち取ることができなかったのであれば、その人は
自分を圧倒していると感じる環境にいるに違いなく、その環境に対処する彼のやり
方は彼の生存にとって不十分なものに違いないということです。彼の環境が彼に
とって圧倒的に思える程度に比例して、彼の存在は無気力で不幸なものなのです。
それなら、なぜ人々は、すでに危険な環境を、わざわざ実際よりももっと危険に
見せかけようとするのでしょうか ?
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混沌の商人
「混沌の商人」と呼ぶことのできる人々がいます。彼らは環境をとても、とても不
穏なものとして見せたがっています。彼らは、環境をもっと脅威に見えるようにす
れば、何らかの利益を得られると感じています。
新聞にはそのわかりやすい例が載っています。そこには良いニュース記事などあ
りません。新聞社の連中は、私たちの顔にその環境を押しつけてきて、
「ほら ! 危険
だ。ほら ! とても手に負えないぞ。ほら ! 危険が差し迫ってるぞ」と言うのです。彼
らはひどく脅威的なニュースを切れ切れに報道するだけでなく、それを扇情的にし、
実際よりひどいものにします。彼らの意図を証明するものとして、これ以上のもの
が必要でしょうか ? これが混沌の商人です。環境を脅威的にすることができればで
きるほど、収入が上がるのです。こうした混沌の商人が君臨する社会で、良いニュー
スを切望するなんて無謀というものです。
混沌の商人たちを支持する人たちが、既得権益を持つ人々の中 に大勢います。
現在の司法制度によって、危険な犯罪者が捕まえられ、刑務所に放り込まれ、そ
してその犯罪者が一層反社会的に、またより危険になって社会に放たれていても、決
して偶然だとは考えないでください。犯罪が増えれば増えるほど、もっと多くの警
官が必要とされるのです。
こういった類いの企ては、この社会において際立って目に付きます。新聞記者や
政治家だけではありません。個々の人々もまた、あちこちでこの種のことに携わっ
ているのです。
たくさんの人々が、プロの混沌の商人としてその生涯を過ごしています。彼らは
自分の周囲の者をひどく悩ませるのです。これを行う人々の割合は、4 人に 1 人にま
でなります。例えばある主婦は、自分の力が行き届く範囲で混沌の商人として活動
しています。彼女は自分の夫について、
「ヘンリーを心配させておけば、私の言いな
りになる」と考えます。彼女は、混乱と動揺をまき散らさなければならないという
考えに立って、活動するのです。しかしそう言いながらも、
「なぜヘンリーは出世し
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ないのかしら ?」と懸念します。当然ながら、彼女が彼の状態をおかしくしているの
です。
けれども実際のところはこうです。環境は決して、誰かがそう思わせているほど
危険ではありません。その代わり、膨大な数の人々と、途方もない額のお金によっ
て危険な環境がつくり出されています。事実、1960 年代、合衆国の国家予算の内の
かなりの割合が核戦争のために費やされました。しかし、もし彼らがその脅威をつ
くりださなかったら、そんな予算は存在しなかったはずです。恐怖をつくるために
お金が費やされ、その恐怖を支えるのにもせっせとお金が費やされていたのです。
動揺の大きさによって収入や資金が充当される人たち、または大衆の興味を得る
人たちにとって、平和な環境をつくることは都合の良いことではありません。
穏やかな影響
どのようなものでも平和や穏やかな環境をもたらす傾向があれば、不穏な環境を
後押ししている既得権益を持つ団体や人々から抵抗を受けます。
ひとつの地域でサイエントロジーが発展するにつれ、環境はより穏やかになって
いきます。人々の冒険心がなくなるわけではないのですが、穏やかになるのです。言
い換えると、その環境の中に潜む、敵対的で、手の届かない、また触れることもで
きないような脅威が減じていくのです。自分自身と他の人、そして人生について前
よりもよく知って、状況についてももっとしっかり把握するようになれば、人は環
境の中でトラブルに遭うことが少なくなります。たとえわずかだとしても、それは
減っています。
サイエントロジーのことをほんの少ししか聞いたことがなくても、その人は自分
の環境の中で動揺することが以前よりも少なくなっていきます。人は環境によって
脅やかされることが少なくなると、元気を取り戻すようになります。以前よりも周
囲に反応するようになります。人生に対してもっと多くのことができると考えるよ
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新聞は人を憂鬱にさせる
効果を持つことがあります。
それらの大部分が悪い
ニュースを扱っているために、
大抵は陰鬱さを
もたらします。
人は悪いニュース を
持ち歩き、 実際には
実に穏やかな彼の環境に
ついて、 否定的に
歪められた考えを
持つこ と も あ り ます。
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うになります。そしてもう少し先まで、外側に手を届かせることができるようにな
ります。こうして、自分の目前の環境を落ち着かせるような影響力を働かせること
ができるようになるのです。
サイエントロジーが発展するにつれ、そうした環境をずっとずっと穏やかにし、状
況をずっとずっとうまく処理できる人々がもっともっと生み出されるでしょう。物
事はただ、処理されていないので混沌としているのです。サイエントロジーが発展
すると、結果として環境の脅威が次第になくなっていきます。この手に負えないほ
ど威圧的な環境も、次第におとなしくなっていくでしょう。人々もだんだん恐れる
ことがなくなっていきます。実際に存在する問題を処理する機会がだんだんと増え
ることでしょう。それからは、いろんな問題を考え出しそこから利益を得ている人々
に取って代わるのです。それは、それまでとは違った社会になるでしょう。
けれども、混沌の商人は環境を落ち着かせるような影響力を嫌います。彼らは環
境の中にあるかく乱を減らすどのようなものとも戦います。
例えば、ある妻は自分の夫を完全に手玉に取っています。彼女は夫を朝、昼、夜
と心配させ、動揺させています。
もし今、その夫が環境に穏やかさをもたらす何らかの活動に参加したとしたら、彼
女から反撃を食らうことになるでしょう。もし夫が動揺することが少なくなると、彼
は今までより妻にコントロールされなくなるでしょう。妻は当然、自分の夫を落ち
着かせているものと戦うことでしょう。
しかし、かく乱と混沌は、真実の前には消え去ります。この宇宙を絶えず不穏な
状態にしているのは、嘘なのです。社会に真実を導き入れれば、動揺のより少ない、
より穏やかな環境が生み出されます。したがって、混沌の商人がこの社会から詐取
することも少なくなります。
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脅威を
減少させる方法
人々は、もっと脅威のない環境を求めています。あるいは少なくとも、自分たち
の住む環境で生き抜いていくために、もっと良い方法を求めています。
危険な環境という考えは、それがどれだけ未熟な伝え方をされたとしても、個人
が理解できるものです。環境が危険で手に負えないと思っても、自分はその危険や
手に負えないものがどこから生じているのかをはっきりとわかっていないという考
えを持っていれば、それはとてつもなく大きな知恵となります。
その環境には非常な脅威があり、いつ圧倒されるかもわからず、だからしり込み
してしまって、その脅威ある環境を処理する強い忍耐力や能力を得るところまで進
んでいくことができない ― これが、その人の人生なのです。
その個人の健康のレベル、正気さのレベル、活動のレベル、意欲のレベルはすべ
て、その環境の危険についてその人が持っている考えによって測られるのです。
環境の中には本当に危険な領域が存在しますが、一方で実際よりも危険に見える
ようにされている領域もあります。
したがって、人を環境のこれらの区域に連れていき、そこを詳細に調べさせれば、
その環境は見かけほど危険ではなかったことに気付くでしょう。そして、少なくと
も自分の環境にあるこれらの区域を処理する能力への自信を深めれば、その人の健
康、幸福さ、そして正気や活動のレベルもまた向上していきます。
いくつもの簡単な手順で、自分の環境に対する支配力を向上させるのを助けるこ
とができます。これらすべてのテクニックのうち、第一に来る問いは、
「脅威的では
ないのは、環境のどの部分ですか ?」というものです。もし人に、環境の中に脅威的
ではないいくつかの部分があることを識別させ、発見させることができれば、彼は
目覚ましい向上を得ることでしょう。
この段階で、個人に期待できるものは何でしょう ? それは ― ただ、呼び鈴が鳴っ
た時にそれほど怯えないようになる、という程度の低いものかもしれません。これ
はちっぽけな進歩に聞こえるかもしれませんが、それでもその人にとっては非常に
現実的なものとなるでしょう。
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ただ、朝目覚めた時に、ベッドから出たら何か恐ろしいことが起こるのではない
かという苦しい感情を持たなくてもいいように、それを解決したいだけなのかもし
れません。その感情が完全に消えることを期待さえしていないのかもしれませんが、
ただそれが減少することを願っているのです。
これらは彼にとって真の向上となるでしょう。そして彼はそれらについて非常に
幸せを感じるでしょう。面白いことに、彼が実際に経験する向上は、ほとんどの場
合、期待を遥かに越えるものだということです。
これを成し遂げるために使える手順は、以下の通りです。
1. 脅威ではない物を見付ける
人があまりにも動揺したり混乱している場合、その人に周りを見回して、彼にとっ
て脅威ではない何かを見付けさせることができます。その人が、とても幸せになり、
安心して、彼自身や環境、人生全般について何か気付くまで、これを続けなさい。
また、人はこのテクニックを直接自分に対して使うこともできます。例えば、あ
る人が自分の職場にいて、何かをとても心配しているとします。彼は書類の山積み
になった自分の机に座っているかもしれません。すべてが大変な騒ぎの中にあるよ
うに思え、自分が完全に圧倒されているように感じます。その人自身が、机の上に
ある書類の山(脅威の源)を見て、それについて脅威ではない何かを見付けること
そうさい
ができなくてはなりません。そのような発見をすることにより、その脅威は相殺さ
れるでしょう。
2. 新聞を読んではいけません
これは非常に簡単です。人に、
「2 週間新聞を読まずにいて、気分が良いと感じな
いかどうか試してごらんなさい」と言うのです。
その人が 2 週間新聞を読まなかったら、もちろん彼は気分良く感じていることで
しょう。
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それからその人にこう言います。「今度は 1 週間新聞を読んでください。そうし
たらその週の終わりには、あなたは気分が悪くなっていることに気付くでしょう。
それから、新聞に何らかの注意を置くべきなのかどうか、結論を下してください。」
これは簡単な実験として、人に提案することができます。それは高価な実験でさ
えありません ― 実際、新聞を買うよりも、買わない方が安くつくのですから。
これは簡単な行為です。しかし、人の人生観を著しく変えることのできる、とて
も効果的な行為です。
3. 散歩をする
人に環境を見させ、それがそれほど脅威的ではないことを発見させるもうひとつ
の方法は、
「散歩をする」と呼ばれるテクニックです。人が気分が悪いと感じていた
ら、その人に散歩をさせ、歩きながら物を見させてください。
ここでの試みは、ただその人に環境をよく調べさせ、その中に、ごくわずかでも
より大きな安全があると発見させることです。ただその人に、環境が目に映ってい
るほど脅威的であるかどうか、目を向けて見付け出してもらうよう求めます。
「散歩をして、周りの物を見てください」というのは、あなたが誰にでも与えるこ
とのできる、最も穏やかな助言であり、人がそれを実行すれば、ほとんど間違いな
く結果を生むものです。これは大変効果的です。
4. あなたに対して敵意を持っていない物を見付ける
環境の中のすべての人が自分に対して敵意を抱いている、と感じている人がい
ます。
このような人にとっては、その恐れを軽減するための別のテクニックがあります。
状況に応じて、いくつかの異なった質問の中からどれでも尋ねることができます。
例としては以下の通りです。
「この辺りで人が言うことや行うことで、あなたに対して敵意のないものを見付け
てください。
」
「一緒にいる人たちの中で、あなたに対して積極的に敵意を持っていない人がひと
りいますか ?」
「今日言われたことの中で、あなたに対して直接的に敵意を示していなかったこと
が何かありますか ?」
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人に、上記の質問のひとつ(もしくはその人の状況により適した言い回しの、似
たような質問)をしてください。例えば、その人にこう尋ねます。
「一緒にいる人た
ちの中で、あなたに対して積極的に敵意を持っていない人がひとりいますか ?」
これを、その人の気分が良くなり、より幸せになり、自分自身と環境、人生全般
について何か気付くまで続けてください。
5. 喪失を処理する
恋人を失ったばかりの男性や女性は、ひどい悲しみと、それがあらゆる物に与え
る喪失感を抱きます。実際に、環境にあるあらゆる物が、彼または彼女に、喪失し
た愛について「語り掛ける」のです。しばらくの間、その人は辺りを見回すと、喪
失した人のことを思い出さずにはいられません。
意識が、ある人にひどく集中している場合、すべてをその人と結び付けずにいるの
は予想以上に難しい場合があります。秘訣は、彼または彼女が喪失した人を思い出さ
せない何かを見付けることです。その人は、何かを見付けるために長いこと探さなく
てはならないかもしれません。
これが、恋愛問題から回復する方法です。事態は、実際のところ単純なものです。
その人は、環境にあるすべての物を自分の心配と同一視しているのです。その人の
注意を、環境の中にあるそれほど関係のない物に向けさせるか、積極的に思い出さ
せない物を見付けさせることにより、以前には同一視が存在していたところで識別
化することができるようになります。そして、識別化が生じたところで、知性と判
断力を取り戻すことができるのです。
以下のことを行ってください。
その人に、あなたが彼らを助けようとしていることを伝えなさい。そして、
「あな
たに ___________(その人が喪失した人の名前)のことを思い出させない物を見付け
てください」と言います。
その人がその状況について何かに気付いて、気分が良くなるまで、その指示を繰
り返し、その人物を思い出させない何か別の物を見付けさせます。
この簡単な手順で、その人が喪失した愛から回復し、再び人生を生きていくのを
助けることができます。
6. 人生を整理する
穏やかに脅かされず暮らせるような人生を計画させることによって、その人の生
活はより脅威が少なくなります。
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例えば、単調で退屈な仕事をしている、かわいそうな男の例をとってみましょう。
たとえ十分な給料がもらえなくても、昇進の機会がなくても、彼はその仕事を続け
なくてはなりません。なぜなら、もしその仕事を失ったら、他の仕事に就くことは
できず、つまり生存することができないと感じているためです。彼は自分でつくっ
た箱の中に入り込んでおり、環境はとても敵対的だと思っています。
どれほどそれが想像上のもので、達成できないように思えたとしても、彼にそれ
ほど脅威を受けていないような人生を計画させなさい。そうすれば、彼はずっと幸
せに仕事を続けることができ、ずっと穏やかに感じることができるでしょう。
7. 動揺させている物事を払いのける
単に、その人を動揺させていることをやめさせる、または動揺させている人々と
付き合うのをやめさせる、という行為があります。
あなたは、このように言うことができます。
「あなたの人生の中で、あなたを動揺
させていることのうち、いくつかを止めてください。
」
「あなたを動揺させているのは誰ですか ? では、しばらくの間その人と話さないで
ください。
」
「あなたの気分を悪くさせているのはどの活動ですか ? では、しばらくの間、それ
をしないでください。
」
「環境の中で、あなたにとって本当は脅威ではない物は何ですか ? いいですね、そ
れらをいくつか見付けましたか? いいでしょう。それらのことと関わってください。
それらにより多くの注意を払ってください。
」
これは、その人に想像以上の恩恵をもたらすでしょう。
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失恋は、 環境の中の
あ ら ゆ る物が
その喪失を思い出させる、
と い う 心の状態を
その人の中に
も た らすこ と が
あ り ます。
しかし、
助けを得て回復する
こ と ができ ます。
その人が周囲の環境の中に、
その喪失し た愛を
思い出させる こ と の
ない物を見付け る こ と が
できれば…
…その人の
固着し た注意を、
そ こ から引き離す
こ と ができ ます。
これでその人の気分を
軽 く する こ と が
でき ます。
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直面
どのような状況においても、そこには何かしらその人が直面できる物が存在する
ということは、難なく仮定することができます ― 「直面する」とは、ひるむことな
く何かに向かうことを意味します。
この原則は、自分の周囲の環境に圧倒されている多くの人々に対する解決策の基
礎を成しています。
例えば、あるソーシャル・ワーカーがオラーリー夫人の安アパートを訪問してい
ます。オラーリー夫人は恐ろしいほどたくさんの問題を抱えており、そのことをソー
シャル・ワーカーに話しています ― 夫は始終酔っ払っていて、給料は少しも家に
持って来てくれないし、家具はみんな壊れていて使いものにならないし、子供たち
は着るものもなく、部屋をきれいにしておくなんて無理なんです、等々。
ソーシャル・ワーカーは、自分が助けようとしている人が直面することのできる
ものを何か見付けて、その人にそれを実際にやらせることができれば、本当に成功
することができます。これはとても単純で、大して面白くもないように思えますが、
信じられないほど効果があります。
ソーシャル・ワーク(社会福祉事業)の分野で働いている人々は、通常、その状
況に関係している問題が何なのかを判断しません。その結果、その問題に対して行
うことができ、その問題に対して手を打つために人が直面できる物事を行わないの
です。したがって、結果としてソーシャル・ワーカーは成功しません。人々が行う
ことのできるものを決して与えないからです。
善意のソーシャル・ワーカーはこう言います。
「必要なことは、オラーリーさん、
この場所を全部きれいに掃除し、徹底的にごしごしこすり洗いをすることです。と
いうことで、洗剤はあげましたね。それからあなたのお子さんたちも清潔にして、私
たちが送ったきれいな新しい服を着させてあげてください。では、私はこれからあ
なたのご主人と飲酒のことでお話することにしますね。
」
この時点で、たとえもしオラーリー夫人がその場所を全部掃除し、子供たちにき
れいな服を着せていたとしても、彼女はこのソーシャル・ワーカーと荒っぽく関係
を断つことになります。このソーシャル・ワーカーは、オラーリー夫人に対して、彼
女が経験からできないとわかっていることを言ってしまったのです。誰も彼女の夫
と飲酒について話すことなどできません。合衆国軍の総攻撃でさえも自分の夫の飲
酒について何かすることはできないと夫人は思っています。この時点から、ソーシャ
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ル・ワーカーがしたり、口に出すことは、オラーリー夫人に何も影響を及ぼさなく
なります。
しかし、このソーシャル・ワーカーが注意深くオラーリー夫人の言うことに耳を
傾け、彼女が実際に直面して処理できるものを与えるという原則を適用したとしま
しょう。ソーシャル・ワーカーはひょっとすると、夫人と話している最中に、煙草
を吸おうとして彼女が灰皿を空にしたことに気付いたかもしれません。それで彼女
にこう言うのです。
「これから私がすることをお話しします。一度に少しずつ始めよ
うかと思うのですが、部屋を片付けることにしましょう。で、灰皿を空にしません
か ?」夫人が彼に対して腹を立てる可能性もあります。しかし、このソーシャル・ワー
カーがそこを離れると、オラーリー夫人は部屋を歩き回った後、灰皿を空にするこ
とでしょう。
人が直面して処理することのできる何かを見付け出すことは、それを処理するこ
とに対する同意を得るのに不可欠なことです。この手助けの最初のレベルは、
「それ
について何かすべきことがある」ということであり、ふたつ目には「あなたにでき
る」という要素が入ります。その人が直面でき、また実際に完了できるものを与え
ることにより、その人は自分の状況は処理することが可能だ、という考えを持つよ
うになります。いつの間にか、オラーリー夫人は、自分の夫に飲酒をやめさせるた
めに何か手を打つこともできるという考えを持つようになります。
その人が直面して行うことのできるものを何か与えるという原則は、多くの領域
で信じられないほど役に立ちます。
人々は、しばしば人生において、これ以上どうやっていけばいいのかわからなく
なります。彼らは、人生の向上などありえないとわかっています。これ以上良くな
ることなど不可能なのです。しかし、このデータを利用すれば、ある集団全体に対
してでさえ、良くなることは可能であるということを簡単に実証することができま
す。それは、次のように行われます。
あなたが助けたいと思う人に、
「一枚の紙に、あなたが自分の人生で抱えている問
題を短いリストにして書き出してください」と勧めることから始めます。
その人がそれを書き出したら、
「その中で最も簡単に直面できるものはどれですか? 今
度は、それを書き出してください」と尋ねます。
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人は、自分が
圧倒されている
ように思える状況に
置かれることが
あります。
そのため彼はそれに
ついて何もしない
のです。
しかし、
その状況について、
直面して処理する
ことのできる何かを
見付け出させる
ことで、その人を
助けることが
できます。
彼が状況の
ひとつの側面を
処理することが
できれば、それに
ついての彼の見解を
著しく改善させる
ことができます。
そして彼は、それを
完全に処理する
ことができるように
なるでしょう。
18
緊急
そして、
「あなたが今書き上げたもので、あなたが絶対にできると確信しているも
のを書き出してください」とその人に伝えます。
そして最後に、
「では、このページの一番下に書いたものが見えますね。それをやりま
しょう!」と言ってください。
この原理を使えば、社会福祉事業の際にも、グループを率いる際にも、教えたり、講
演する際にも、またその他たくさんの分野でも、大いに人々を助けることができます。
人々がどうすることもできないと知っている問題については、その人たちに話さない
でください。そして彼らが、どのようなことであれ、それを達成するのに熱中するよう
期待してください。
問題を指摘するにしても、解決策を勧めるにしても、それを向けられている人の直面能力
を上回るものであってはなりません。最も簡単に伝えられるものは、意見です。しかしその
意見は、それを実行するはずの人の潜在的な直面能力を妨害するものであってはなりません。
これは次のように進みます ― それはどのような事態ですか? その状況のどの部分に直
面できそうですか? そして、人はその状況のどの部分に手を打つでしょう?
ほとんどの人はアドバイスするのをやめてしまいます。というのも、彼らがしたアド
バイスに人は決して従わないからです。しかし、もし人がここで説明されているやり方
に従えば、その人はとても良いアドバイザーになることでしょう。
行うように求められているものが人々の直面できるものであるため、彼らは自分たち
の問題を解決することができるようになり、それらをうまくやれるようになるでしょう。
結果として、彼らはそれまでよりも多くの問題を認められるようになり、そして直面す
ることができるようになるでしょう。その際、上記の順序を繰り返すことができます。状
況全般を新たに見直すことによって、自分たちの問題の中で何が直面できそうかという
ことへの認識が向上するようになります。
時として人々はあまりにも自信過剰にやり始める場合があり、それが唯一の困難です。
それは歩き方を覚えたばかりの赤ん坊が、かなりの速さで部屋を突っ走るようなもので
す。あいにく、彼らは大抵3 歩ほど歩いた時点で、前のめりに倒れます。あまりにも意欲
的になり過ぎることがあるのです。このことは考慮に入れなければなりません。だから、
そういう人には「今のところは、これ以上しないように」と注意するのです。
もし、あなたが自分の仕事を成功させたいのなら、
(1)その人は何を間違っていると
考えているのかを迅速に判断する、そして(2)その人が直面できるのはそれらのポイン
トのどれであるかを見付け出す、そして(3)その人が行えると考えているポイントにつ
いて、その人が何をしようとしているのかを見付け出す、そして(4)それを彼に行わせ
る。またそのポイントにおいて、そのポイントを完了させるということをひたすら強調
すれば、あなたはいつでも本物の同意を得ることでしょう。
19
実際の世界
「混沌の商人」によれば、単に世界はより良い場所であってはならないのです。政
治家たちがスキャンダルに基づいてより高い地位を得、軍の高官がさらに多くの戦
争によって肥え太り、メディアが悪いニュースを広めることで益を得る限り、そこ
には混沌を生きる糧としている人たちがいるのです。
しかし、これは実際の世界ではなくつくられた世界です。このすべての混乱
およびかく乱の裏には、より穏やかな環境が存在しています。それは人がより
良い生活を送ることができ、より気分良くいられる世界、人々が英雄的な行為
を行い、隣人が互いに助け合い、また人々が巨大な障害を克服する世界です。
有能な人と無能な人の間にある違いは、その人の環境の中で示されます。人は、環
境の影響を受けているか、あるいは環境に影響をもたらすことができるかのいずれ
かなのです。
心理学 : 19 世紀の心理学者は、人間は「自分の環境に順応しなければならない」と
説きました。この偽りのデータは人間の衰退の始まりを促しました。
真実はこうです。自分に対して環境を順応させるほど人は成功する。
有能であるということは、つまり、環境に存在する物事およびその環境自体をコ
ントロールし、動かす能力のことを意味しています。
混沌の商人の仕事を認識することによって、人々は自分の環境をより良くコント
■
ロールできるようになります。
20
演習
これは危険な環境を処理することに関連する演習です。これらの演習を行うこと
で、人々が人生における問題と困難に取り組むのを手助けする方法について、さらに
深く理解できるようになります。
1
2
3
4
辺りを見回して、環境が実際よりももっと危険に見えるようにつくられてい
る例を見付け出してください。環境が実際よりももっと危険に見えるように
つくられているということに確信を持てるまで行ってください。
通りの一画を散歩して、歩きながらさまざまな物を見てください。散歩した
後、以前はどのように環境が脅威的に見えたか、そして今はどのように見え
るかを比較してください。
環境に圧倒されていると感じている友だちか家族を見付けて、彼らを助けて
あげてください。その際には、
「脅威を減少させる方法」のセクションで与え
られている 7 つのテクニックのうちのひとつを使用してください。
誰かに、人生の問題を短い表に書き出させ助けてあげなさい。それから、そ
のうちのどれに直面することが容易かを見付け出させなさい。それを彼に書
き留めさせます。それから、彼が書き留めたものについて、彼が絶対にでき
ると思うことを書き留めせさます。
21
適用の成果
L. ロン ハバードは、人生に圧倒されている他
術を適用し、私は彼女の人生の中で問題となっ
の人たちを助けるためにできるシンプルな行
ていることを表にして書き留めるように言い、
為を教えています。これらを使う人は、皮肉な
それから彼女が最も直面しやすいと思うもの
、
一般論、あるいは「どこでもすべて悪いんだ」
はどれかを記すように言いました。それから私
さらに人や何か他のものには何の望みもない
は、それに対して、彼女が確かにできそうだと
という絶望的な態度に対して、非常に基本的で
わかっていることを書き留めるように言いま
すが大いに効果的な武器を手にしていること
した。これらの質問の効果は驚くべきものでし
がわかるでしょう。
た。最初に歩いて入って来た時はとても落胆し
ていたのに、彼女は即座にとても明るくなりま
恐らく、この活動の面について最も言及すべき
なのは(他の人が危険な環境に対してより起因
に立てるように助けること)実際に仲間を助け
ていくらかの希望を与えるにはほんのわずか
な力しか必要としないということです。この事
実は以下の話に映し出されています。
■ ハバード氏の発見 ― 誰かが危険な環境に直
面して処理するのを助ける方法を勉強したある
女性は、技術の効果をこう述べています。
「私がこのデータを勉強した後のある晩、友
人が私を訪ねて来ました。彼女は解決策のない
問題でいっぱいでした。L. ロン ハバードの技
した。この女性が実際に人生のうちの何も処理
しようとしているのを見たこともなかったの
に、彼女はすぐに問題を処理するために走って
出ていきました。それ以前は、ただ文句を言う
だけだったのに ! 私は再度、サイエントロジー
を使って、ちょっとしたことがどれほど役に立
つかということを目にしました !」
■ ネブラスカ州オマハのある女性にとって、仕
事のなかで絶えず圧倒されていることは、友人
からいくらかの助けを得るまでは、彼女の人生
の中で「普通」になっている部分でした。
「私は習慣的に、やるべきことをどんどん積
み上げていき、どれも決して終えることがあり
ませんでした。そして何週間後かには、私は
将来との関わり
明日と向かい合うこと
は、自分たちの環境に
サイエントロジーを
適用する人々にとって
は、そうしない人々に
比べるとはっきりと
異なる問題です。
『働きすぎ』のため圧倒されたように感じ、結
局涙に暮れたものでした。世の中は大変気分の
はい
29%
悪いものに見えて、その中にいる人々も皆私に
は大変意地悪く思えました。ひとりの友人が私
に、問題を一覧表にして書き出し、直面できる
アンケートの質問 :
ものをひとつ選び出し、それからそれに対して
「将来を恐れて
いますか?」
何かをするという方法を教えてくれました。そ
の時点から私は、一度にひとつの問題を取り上
はい
0%
非サイエントロジスト
サイエントロジスト
げて、それを建設的なやり方で解決して、それ
から次のものへ移ることで、状況に対するコン
トロールを得ました。それがすべて、どれほど
『不可能』に見えるか、ということに溺れてし
まうことなくです。その後、自分が責任を持っ
22
ているので、世の中はそれほど意地悪くは見え
「私はすべてのことを、誰か他の人の視点か
なくなりました。これが、誰かが私に対して適
ら見ていたことに気付きました。私の視点を変
用してくれた、それまでで最初のサイエントロ
えることによって、世界は全く違ったものにな
ジーのデータでした。そしてそれ以来、私は人
りました。それは、以前に私が教えられていた
生においてそれを使っています。今では、私は
世界とは全く違っていました ! これは私にとっ
仕事をずっと楽しんでいます。」
てたくさんの物事を変えてくれました ― 私は
実際に生き始めたのです。
■ 他の人が苦悩の中にいてそれに対して何も
せずにいるのに耐えられず、カリフォルニア州
私は、ただ実際にそこにある物を見ること
のある女性は、困難な状況にいる他の人々を助
で、よりうまく観察することができるようにな
けるためにハバード氏の技術を使いました。彼
りました。環境はもうそれほど危険なものでは
女は、これらの単純な解決法によって、たくさ
なく、恐れるものでもありませんでした。私は
んの成功を得ました。
大変幼い頃に、黙ったままでいて、言われたこ
とを行い、誰も信用などできないのだからとに
「私は、ある日バスで出会った男性とその人の
かく慎重でなければならない、と教えられてい
奥さんを助けました。その奥さんは、何らかの理
ました。私が実際に見てみた時、周りにはたく
由のために涙を浮かべていました。私は、環境の
さんの善良な人々がいるのに気付きました。こ
中で彼女に敵対していないと彼女が感じる物を
れが私のコミュニケーションを開放したので
見させました。彼女は明るくなり、自分の問題を
す。なぜって、私は『それは本当ではないわ ―
どう解決できそうか考え出し始めました。別の時
これを見てください。これやあれやです。』と言
に私は男性を助けました。彼は環境の中でとても
えるからです。
動揺していてヒステリーの状態にいました。私は
彼に新しい場所へ引越して毎日散歩をするよう
に言いました。彼ははるかに健全になり、外へ向
かい始め、学校の教師という地位から他の人々を
助け始めました。さらに私は単純なプロセスを用
いて、自分の家族が祖母の死という動揺の時期を
乗り越える手助けをしました。驚くことに、この
つらい時期でさえ、それは安定と落ち着きをもた
らしました。これは、他の人々にとって人生をよ
り容易で、はるかに楽しいものにさせる、使うた
めの単純な技術なのです。」
■ あるハワイの女性は、ハバード氏の技術のひ
とつを読むまでは、世の中は信用できない人で
私はこのサイエントロジーのデータを、ラジ
オ番組で使いました。人々が電話をかけてき
て、質問してくるものです。私はある男性に、
周りにいる人たちは生存していること、そして
彼自身が間違った情報を与えられていたとい
うことをただ観察することによって、人生で実
際に成功できると気付かせました。彼は今人生
で成功しています。彼の世界は、私のように、
暗い灰色から明るい色彩と楽しさで満たされ
た場所へと変化したのです。」
■ あるドイツ人女性は、隣人を助けたことにつ
いてこう言っています。
いっぱいだと思っていました。これは彼女が、環
「翌日は水曜日でした。ここ 30 年間、月の最
境の中の危険の、真の源を学んだ時に起こった
初の水曜日は、お隣りさんが、コーヒーを飲み
ことです。
ながら自分の不幸さを語りにやってくる日で
23
す。何年も、子供たちが学校へ行っている間、
ていなかったことに気付いたのです。私はその
具体的な問題や、時には楽しい出来事を話すの
問題全体への解決策を見出しました。
を習慣にしていました。ある時、彼女は夫と子
供を、悲惨な事故で亡くしました。それからと
私は引き返して、その状況を完全に処理しま
した。
いうもの、それ以外の話題など全くありません
でした。けれども彼女を見捨てることなどどう
■ 長年の経験を積んだあるビジネス・コンサル
してできるでしょうか ? 水曜日の終わりには
タントは、脅威にさらされた環境にいる人たち
いつも私はどっと疲れたものです。とある別の
を救うことに、着実に成功しています。
女性が、動揺している人を助ける方法を私に見
「私のもとへ助けを求めにやってくる人たち
せてくれました。そして翌日、彼女を公園に散
は、彼らが危険な環境だと考えている中で生活
歩に連れて行くことに決め、実際にそうしまし
しているという点で極めて共通しています。ひ
た。彼女は抵抗しましたが、陽気に決然と彼女
とつひとつの小さな問題を山積みし、解決しな
を促し、連れて行ったんです。私の好きな場所
いでおくことで、すぐに彼らは脅威的な場面に
をすべて見せて回り、自分自身でもとても多く
出くわすことになります。私に電話をしてくる
のことを発見して、それも彼女に教えました。
頃には、事態は息詰まるほどに紛糾して持て余
『ここは気分がいいわ。』と彼女は言い、ここ
数年来初めて彼女の笑顔を見ました。」
■ 時に職場環境での圧力は、ほとんどその人を
圧倒してしまうまでになりかねません。カリ
フォルニアのある会社の品質管理部長は、上司
の助けを受けて落ち着きを取り戻し、精力的に
仕事に戻りました。
し、出口なんてないように思えるのです。
ですがもちろん、出口はあります。私はハ
バード氏のテクニックを使うことで、何度も信
じられないほどの成功をもたらしてきました。
それは、その人が直面し、それについて何かで
きるものをひとつ見付け出し、本当にそれを処
理させるのです。その結果得られる安堵感、刷
新された希望、新たに息を吹き込まれた目的
「ある日私はすっかり気が動転して、わけもわ
は、本当に意味あるものとなり得ます。この方
からず仕事で泣いていました。何が原因なのか、
法で誰かを『ゲームに戻す』のはやりがいのあ
手掛かりをつかむこともできず、自分にわかっ
る経験です。」
ていたのは、ただ気が動転しているということ
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だけでした。私も、私を頼っている他の者たち
■ アリゾナ州のある教師は、職場の同僚が失恋
にとっても、そのままでいることはできません
の苦しみから立ち直るのを手助けするために、
でした。すると上司が散歩に出て、歩きながら
単なる同情よりもずっと効果的な道具をみつけ
周りの物を見るように私に言いました。私は外
ました。
に出て 15 分散歩をしました。気分は本当に良く
「ある朝、同僚の教師のひとりが信じられな
なり始め、しばらくすると、動揺の跡さえ残っ
いほど憂鬱な様子で入ってきました。大して尋
てはいませんでした。歩き出した時には、自分
ねなくても、その理由はすぐにわかりました。
が何に動揺しているのかさえわからなかったの
彼は婚約者にふられたのです。まさかとは思い
です。ですが歩くにつれて、その日なすべきこ
ましたが、彼の落ち込みようはお昼にはさらに
とのひとつを処理することに、自分が気乗りし
深くなっていました。私はその朝の彼の授業が
どのようであったか、考えただけで身震いして
い物を環境の中から見付けさせるようにしま
しまいました。
した。彼が深い灰色の憂鬱から抜け出すのには
友人の何人かが、彼を慰めようとし、冗談を
言って気を紛らわそうとし、また心理学のクラ
スか何かで学んだ、悪気はないが効果もない
『解決策』を試しました。
私は彼を他の者から引き離し、キャンパスの
周りの散歩に連れ出して、彼女を思い出させな
さほど時間はかからず、準備しなければならな
い講義のことや、もうすぐやってくる休日に何
をするかなどを話し始めました。全くの変わり
ようです。彼の 1 日と彼の生徒を救いました。
なぜってたくさんの生徒が、実際にはそこには
いない彼の授業を聞くという耐えられない時
間を過ごさずに済んだのですから。」
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L. ロン ハバード
について
この簡潔な声明以上に、L. ロン ハバードの人生を表すのにふさわしい言葉はありま
せん。「私は他の人たちを助けるのが好きです。そして、人生を日々曇らせていた影
を人が取り払うのを見ることは、私の人生における至上の喜びであると考えていま
す。」これらの極めて重要な言葉の背後には、人類に対する奉仕の生涯、また誰もの念
願である幸福と精神的自由への夢をかなえるのを可能にした知恵という遺産が存在
しています。
1911 年 3 月 13 日ネブラスカ州ティルデンに生まれ、人生の早い時期に、彼の発見の
旅と人類への貢献が始まりました。19 歳になるまでに、彼はジャワ、日本、インド、
フィリピンの文化を調べ、40 万キロ以上にわたる旅をしました。
1929 年にアメリカに戻ったロンは、正式な教育を再開し、数学、工学、そして当時
では新しい分野であった核物理学を勉強しました。これらはすべて、継続中の調査に
欠かせない道具を彼に与えるものでした。その調査の費用をつくるため、ロンは 1930
年代初期に文筆業を始め、まもなく最も広く読まれる人気フィクション作家のひとり
になりました。それでも彼は自分の最初の目標を決して見失うことなく、さらに旅と
探険を通じて、自分にとって主となる調査を続けたのです。
第二次世界大戦の勃発とともに彼は中尉として米国海軍に入隊し、対潜水艦用コル
ベット艦の指揮官を務めました。戦闘中の負傷がもとで視覚と足に部分的な障害が残
り、1945 年には身体障害が一生残ると診断されました。しかしながら、心に関する彼
の理論を適用することによって、彼は仲間の兵士たちを助けることができたばかりで
なく、自分自身の健康をも取り戻すことができたのです。
5 年間のさらなる集中的な調査の後、ロンの数々の発見は 『ダイアネティックス : 心
の健康のための現代科学』として世に送り出されました。『ダイアネティックス』は、
人間の心について書かれた初めての一般向けの手引書であり、人類にとっては新たな
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希望の時代の先がけとなり、著者にとっては人生の新たな局面を開くきっかけとなり
ました。しかし彼は、自分の調査をやめたりはしませんでした。そして 1951 年の末、
相次ぐ新発見が慎重に集成され、応用宗教哲学サイエントロジーが誕生しました。
サイエントロジーは生命全体を説明するものであるため、それ以後の L. ロン ハバー
ドの仕事では、人間の存在の側面すべてが取り扱われています。アメリカ、イギリス
のさまざまな土地に移り住みながら彼が続けた調査は、教育水準の低下や蔓延する薬
物の乱用といった社会の病に解決策を提示しました。
サイエントロジーとダイアネティックスに関する L. ロン ハバードの全著作は、総
計 4 千万語にも及ぶ講演テープ、書籍、文書に収められています。そしてこれらす
べてが、1986 年 1 月 24 日に生涯を閉じた彼の遺産となっているのです。とはいえ、
L. ロン ハバードの死は決して終わりを意味するものではありませんでした。なぜな
ら、現在も 1 億冊以上の彼の著書が出回っており、何百万もの人々が向上すべく毎
日彼の技術を適用しているからです。まさに、ロンは私たちの最も素晴らしい友人
であると言えるでしょう。■
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用語解説
コ ミ ュニケーシ ョ ン ・ ラ イ ン : あ る 人か ら 他の人
へ と コ ミ ュ ニケーシ ョ ンが通っ てい く 、 その道
筋の こ と 。
サイエン ト ロジー : L. ロ ン ハバー ド に よ っ て開発
さ れた応用宗教哲学。 こ れは精神 と 、 それ自身、
い く つ も の宇宙、 およ びその他の生命 と の関係
におけ る研究およ び対処の こ と であ る。「サ イ エ
ン ト ロ ジー」 と い う 言葉は 「知る」 と い う 意味
の ラ テ ン語 「scio」 と 、 「言葉ま たは外に表れた
形で、 それに よ っ て内に あ る 考えが表現 さ れ、
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ま た知ら れ る よ う に さ れた も の」 と い う 意味の
ギ リ シ ャ 語 「logos」 か ら 来てい る。 し たがっ て
サ イ エン ト ロ ジー と は、知る こ と について知る、
と い う 意味であ る。
直面する : ひ る んだ り 避け た り す る こ と な く 何か
に向か う こ と 。 直面する能力 と は実際、 心地良
い状態でその場所にいて、知覚する能力であ る。
プロセス : 望ま し い結果を得る ために使われ る、正
確な一連の指示、 あ る いは順番に行われ る行為
のこ と。
NEW ERA Publications International ApS
Store Kongensgade55 Copenhagen K, Denmark
ISBN 87-7968-450-5
© 2001 年 L. Ron Hubbard Library. 全著作権登録済。
電子的手段に よ る 複写、 記録、 送受信を含むいかな る 手段
において も 、 こ の作品の一部ま たはすべて を許可な く
複写、 変換、 複製、 取 り 込み、 配布する こ と は
法律に よ り 禁止 さ れてい ます。
Scientology、サイエントロジー、Dianetics、ダイアネティッ
クス、Celebrity Centre、L. Ron Hubbard、L. ロン ハバード、
Flag、フラッグ、Freewinds、L. ロン ハバードのサイン、
先の尖ったサイエントロジーの十字架および先の丸いサイ
エントロジーの十字架は Religious Technology Center が
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L. ロン ハバード・パブリケーション
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