慢性腎不全の治療現況(2010年)

慢性腎不全の治療現況(2010年)
1.PD
(HDとの併用
9,8567人
1,699人)
2.血液透析
280,819人
1+2:慢性透析者数
290,675人
導入患者数
37,543人/年(128人減)
死亡患者数
27,729人/年(828人増)
増加患者数
9,814人/年(956人減)
原疾患:糖尿病
44.5%(1.3%増)
慢性糸球体腎炎 22.0%(1.0%減)
腎硬化症
10.7%(0.2%増)
導入患者平均年齢
67.31歳(0.1歳増)
わが国の慢性透析療法の現況
2009年12月31日現在、日本透析医学会
3.腎移植(2007年集計)
①生体腎移植
②献腎移植
③脳死体腎移植
1,037人/年
163人/年
24人/年
① ②+③
1,224人/年
(年間増加慢性腎不全患者の10.2%)
以下は腎不全の治療選択(腎移植推進委員会;2007年版)より,
生着率は1990∼1999年のデータ、[]内は2000年以降のデータ
献腎移植
生体腎移植
生存率(%)
生着率(%)
生存率(%)
生着率(%)
1年
95.3
93.5[96.7]
90.4
84.5[90.6]
5年
90.7
81.9[90.9]
83.4
67.4[78.6]
10年
84.8
67.6
76.5
52.6
15年
79.4
.4
-
69.5
-
日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン 2009 年版
Guidelines for the Management of Hypertesion(JSH 2009)
1.成人における血圧の分類
分類
収縮期血圧
拡張期血圧
(mmHg)
(mmHg)
至適血圧
<120
かつ
<80
正常血圧
<130
かつ
<85
正常高値血圧
130~139
または
85~89
Ⅰ度高血圧
140~159
または
90~99
Ⅱ度高血圧
160~179
または
100~109
Ⅲ度高血圧
≧180
または
≧110
(孤立性)収縮期
≧140
かつ
<90
高血圧
2.降圧目標
診察室血圧
家庭血圧
若年者・中年者
130/85mmHg 未満
125/80mmHg 未満
高齢者
140/90mmHg
135/85mmHg
130/80mmHg
125/75mmHg
140/90mmHg
135/85mmHg
糖尿病
CKD 患者
心筋梗塞後患者
脳血管障害患者
3.仮面高血圧症(逆白衣高血圧)
診察場での血圧は正常で、家庭血圧が高血圧の基準を満たす症例で将来
臓器障害を来すことが多く注意が必要で、作用時間の長い降圧剤が必要。
慢性腎不全の見方-2
Ⅱ.血液透析
1)短期血液透析患者
A.非糖尿病性腎不全患者
1.体重増加量
2.血圧
3.K値
4.貧血
5.透析量
6.栄養状態
B.糖尿病性腎不全患者
1.足の状態(フットケアー)
2.視力障害の程度、新たな眼底出血の有無
3.HbA1c値 <7.0%が目標
2)長期血液透析患者
1.二次性副甲状腺機能亢進症
(日本透析医学会2006年のガイドライン)
intact-PTH 60-180pg/ml
補正Ca*
8.4-10.0mg/dl
P
3.5-6.0 mg/dl でコントロール
*補正Ca=血清Ca+(4-血清Alb値) … Payneの式
2.アミロイド症に伴う関節痛、手根管症候群
BUN
Cr
K
補正Ca
P
Ht
KT/V
nPCR
TACurea
BP
目標値
50-80
10-16
3.5-5.9
8.4-10.0
3.5-6.0
30-33(33-36)
1.2以上
1.0-1.2
40-52
140/90 mmHg未満
当院の平均値±標準偏差
65.4 ± 15.5 mg/dl
10.23 ± 3.27 mg/dl
4.9 ± 0.7 mEq/L
9.2 ± 0.6 mg/dl
5.4 ± 1.3 mg/dl
33.8 ± 2.6 %
1.37 ± 0.29
0.96 ± 0.23 g/kg/day
39.4 ± 9.3 mg/dl
141±18/73±11 mmHg
二次性副甲状腺機能亢進症と透析アミロイド症の対比
二次性副甲状腺機能亢進症
透析アミロイド症
原因
副甲状腺過形成
β2MG1)の蓄積+α
発症時期
3年目くらいより
10年目以降のことが多い
高齢者
まれ
早期に発症する
関節痛の部位
膝
肩、手指、股関節
関節痛の特徴
階段昇降時増悪
じっとしていると増悪
好発骨折部位
肋骨、脊椎
大腿骨頸部
検査成績
PTH2), Al-pの上昇
特徴的なものなし
レントゲン的特徴
手指骨の骨膜下吸収
頭蓋骨のsalt&pepper病変
腰椎のrugger jersey病変
骨嚢胞
(特に手根骨)
骨スキャン上の異常
合併症
治療法
頭蓋骨の集積が特徴的
多数の関節に対称性に集積
他に頸椎、胸椎腰椎に集積
アキレス腱の断裂
EPO抵抗性貧血
皮膚掻痒症
心肥大
1.カルシミメティクスの内服
2.ビタミンD3パルス療法
3.PEIT 3)
4.PTX 4)
手根管症候群、ばね指
坐骨神経痛
(脊椎管狭窄症)
破壊性脊椎関節症
まれに心不全、腸閉塞
1.少量ステロイド投与
(プレドニゾロン内服)
2.HDF5)
3.リクセル6)
4.腎移植
1)β2MG:β2ミクログロブリン、2)PTH:副甲状腺ホルモン
3)PEIT:経皮エタノール注入法、4)PTX:副甲状腺摘除術
5)HDF:血液濾過透析、6)リクセル:β2MG吸着カラム