08・犬がよいことしたらほめて

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飼い主は、犬に対してよきリー
ダーでなければなりません。群れ
社会でもファミリーの中でも犬
はいつもリーダーを求めていま
す。リーダーがいないと、犬は心
理的に落ち着かないものなので
す。
飼い主がよきリーダーになっ
てあげないと、犬は自分がリーダ
ーを演じたくなります。犬を散歩
させている人で、よく引き綱に引
っ張られて歩いている人を見か
けます。飼い主は犬を散歩させて
いるつもりでも、犬にしてみれば、
自分がリーダーとして人を散歩
させているのです。犬が飼い主に
従わないのは、同じ心理なのです。
では、リーダーはどう振る舞え
と暮らして
みませんか
リーダー
ばいいのでしょう。リーダーは常
に犬から注目される存在でなけ
ればなりません。リーダーが犬の
名前を呼んだり、注意を喚起した
い時、犬は必ずアイコンタクトし
て応えることができなければな
りません。食事や水も、必ず飼い
主がごほうびとして与えます。こ
うして、犬は飼い主をリーダーと
して認めるようになるのです。
飼い主も、リーダーとして﹁私
が与える﹂という意識を持って食
事を与え、犬と接するようにして
ください。こうしたメッセージを
しっかり伝え、犬がリーダーの要
請にうまく応えることができた
ら、ほめてあげ、ごほうびを与え
るようにします。
散歩に行く場合も同様です。犬
には﹁お座り、待て﹂をさせて、
玄関でも門でもまずリーダーが犬
より先に出てから犬が従います。
こうして犬はリーダーに従うこ
とで、うまく社会生活ができるよ
う に な り ま す 。﹁ お 座 り ﹂﹁ ふ せ ﹂
﹁待て﹂
﹁おいで﹂もリーダーの指
示とごほうびで覚えていきます。
人間の子どもたちにとっても、
親︵大人︶がよきリーダーになっ
てやらなければなりません。よい
ことをしたら、すかさずほめてあ
げましょう。しつけは繰り返しな
のです。
︵ダクタリ動物病院広尾病院院長、
日掲載︾
日本ヒューマン・アニマル・ボンド・
ソサエティ会長︶
︽ 産経新聞2004年5月
23
加藤 元 の
犬がよいことしたらほめて